音楽
MyGO!!!!! 羊宮妃那×小日向美香×林鼓子 鼎談|7th SG「往欄印」に刻まれたバンドの今

心のはしを辿って、君に会いに行く──ZEPP TOURを象徴する新曲「往欄印」が示す互いへの道しるべ。MyGO!!!!!の羊宮妃那さん(Vo.高松燈役)、小日向美香さん(Ba.長崎そよ役)、林鼓子さん(Dr.椎名立希役)インタビュー

羊宮妃那のメンタルを崩すものでもあった

──羊宮さんが以前、レコーディングの際に「うまく歌うことがすべてじゃない」っておっしゃっていたのがすごく印象的だったんです。それってすごく難しいことじゃないですか。「往欄印」はどんなメンタルで向き合っていたんでしょうか?

羊宮:たとえばメンタルの面で言うと、自分自身に「もう練習できるだけした」って思わせることが土台となっていました。「やれるだけのことはやったから、あとは燈ちゃんの感情に寄り添おう」って。その意識が、ライブ本番の自分を支えてくれていたと思います。

──そう自信を持って思うためにも、たくさんの練習が必要となるわけですよね。

羊宮:本当に……それが今回の、羊宮妃那のメンタルを崩すものでもありました。

──ああ、そうだったんですね。

羊宮:今回のZEPP TOURでは16曲をやらせてもらっていて。バンドでありつつも、役者であり、声優なので、そこに注ぎ込みすぎてしまうと、本当に喉がやられてしまうんですね。でも、バンドとして、ボーカルとして責任のある立場でもあるので、練習は欠かさずにしながら、他の仕事にも支障が出ないように調整して……ということをやっていたため、大変ではあったんですけど、役者としての成長につながっているんじゃないかなと思っています。でもそれはきっと、私だけじゃなくて。

──メンバーそれぞれに、それぞれの葛藤や想いがあると思います。お話を聞きながら小日向さん、林さんがすごく頷かれていて。

小日向:本当に……リハーサルでもすごく頑張っていたんですよね。大変だっただろうなって。私がこんな言葉をかけていいのかわからないけど。

羊宮:いやいや、嬉しいよ!ありがとう。

小日向:リハーサルの時に、羊ちゃん(羊宮さん)が喉の調子とかすごく大変そうだったんですよね。でも、「どうしてもライブで万全の状態を作りたいから、ここまでは頑張らせてください」って言っていた姿を思い出して、あぁ、そういう想いを抱えていたんだなって改めて思いました。

普段、弱音をまったく吐かない子なんです。メンバーにもほとんど言わないから、どういうメンタルで挑んでいたのかも、今、言葉で初めて聞いたんです。だから「大変だよね、まだ私たちツアー中だもんね」って(笑)。

羊宮:うんうん。気が抜けないなぁって。

小日向:本当に。羊ちゃんの話を聞いて、私も背筋が伸びる思いでしたし、千秋楽までしっかり駆け抜けたいなって思いました。

林:羊ちゃんの話もありましたけど、それぞれが突き詰めていて、自分の楽器や表現に対してさらに真摯に向き合っていて。最近は竿隊のみんなに安心して背中を預けられるようになりました。初期の頃はイヤモニがなかったから(笑)。

小日向:なかった!(笑)

林:だから本当に大変でした。クリックを聴いてるのは私だけで、他のメンバーはころがしから出る音とドラムの振動だけを頼りに演奏していて……。でも、そういう時期を経て培われたものも多く、今はみんな自分で「どんな音を鳴らしたいか」をしっかり考えながら耳中(イヤモニの音)を調整しているんです。

ただ、「バンドとしてのグルーヴ感がちょっとずれてきてるかも」って話になって。そこからZEPP TOURの前あたりで、一回見直そうかと。それで「もう一度、あの頃の感覚を取り戻そう」って話になって、リハではあえてクリックも後ろで流れているシーケンスも切って、私自身もクリックがない状態で、完全に生音だけで合わせる練習をしていたんです。

──初心に帰って鍛えて磨いて、今のステージがあるんですね。

林:本当にありがたい機会でした。それもあって、チームワークが今回のツアーでまた一段上がった気がします。最初の頃は「私がズレたら終わる」って思っていたけど、今はみんな、それぞれのプレイが本当に安定していて、それぞれが支え合える関係になっています。

みんなが楽曲に真剣に向き合っていて。向き合い方は人それぞれかもしれませんが……でも、なんか……真面目で、本当にいいバンドですよね(笑)。

──本当にいいバンドです(笑)。小日向さんは、そういった意味で、楽器との向き合い方で変わったところはありますか?

小日向:そうですね……リズムを支えるというベースとしての基本的な意識はずっと変わらないんですけど、それでも最近は、「新しいことに挑戦してみたい」という気持ちがすごく強くなってきていて。たとえば合同ライブのあたりから、ピックの薄さを変えて、新しいピックを作っていただいたり……それと、今回の「往欄印」でもいくつか初挑戦がありました。

──ぜひ詳しく伺いたいです。

小日向:基本はオルタネイトピッキングなんですが、ギターの疾走感のあるセクションでは、もたつかずにしっかり伝えるためにもダウンピッキングに切り替えて演奏していたんです。それで1A、2Aダッシュ、そしてギターソロの裏はすべてダウンで弾いています。

──へえ!

小日向:ただ、ダウンからオルタネイトに切り替えるときのリズムの取り方がすっごく難しくて、コンディションによってはうまくいかないことがあるんです。実は大阪公演のときは、リハーサルで思うようにいかなくて……本番ではダウンをやめて、あえて安定感を優先した判断をしました。そういう感じで、自分もバンドマンとして、弾き方にもこだわるようになったんですよね。

以前の私だったら、音も動きも「練習してきたものしか出せない」っていうメンタルだったので、途中でプレイの仕方を変えるのは怖くて。でも今は、ライブ中でも「このほうが良さそうだな」と思ったら、演奏スタイルも動きもその場で変えることができるようになった。ここで回転入れてみようかな、移動してみようかなって、その場で考えて、臨機応変に対応できるようになってきて。これも、場数を踏んできたことで身についた経験値なんだなと、今回のツアーで実感しました。

林:確かにリカバリー力、めちゃくちゃ上がってるよね。私が言うのもなんですけど。

小日向:本当? 嬉しい!

──小日向さんが先ほど、羊宮さんのことを「弱音を吐かない」と言っていましたが、小日向さんも、そういうイメージがあります。

林:本当それ。ずっと練習してるんですよ。休憩時間も。

羊宮:そうそう。ライブの合間に、「あれ、みかんちゃんいないな……」と思ったら、廊下でひとりでずっと弾いているんです。いつ見ても何かしら練習してるイメージがあります。

小日向:いやいやいや、違うのよ……。なんか、練習不足だなって思ってしまうんですよ。

羊宮&林:そんなこと絶対にない。

小日向:本来は本番前にちゃんと体力を温存して、ベストな状態でステージに立つ方がいいと思うんです。今は楽しんで立てるようにはなったものの、心配性が抜けていないところがあって、直前までつい練習してしまって。でも、「これで本番で手が痛くなったら本末転倒だよな」って思うことも多々あるので、いつかちゃんと“息抜き”を覚えなきゃいけないな、とは考えています。

林:ほんっとに(小日向さんは)真面目なんですよ。昔はちょっとしたミスでもすごく自分を責めちゃって、個人的に少し心配していたんですよ。大丈夫だよって。でも今は、対応が早くて、自然に気持ちを立て直せるようになっていて。ごくたまに、ミスってしまうことは、それこそ私自身もあるんですけど、そういうときはお互いに目を合わせて笑ったりね(笑)。

小日向:そうそう。前までは「ミスをしたらこの世の終わりだ」ってメンタルだったんです(苦笑)。でも今は、ミスをしてしまったら鼓子ちゃんのほうを見て笑って。

林:で、「ああ、ミスったんだな」と。

一同:(笑)

小日向:それも経験を重ねてきたおかげだなって。その場の音を楽しめるようになってきたんです。今、すっごく楽しいですね。

林:うんうん。表情がすごく柔らかくなったのが、私は嬉しいんですよ。それはみんなそうなんですけど、初期の頃ってやっぱり「ミスできない」っていうプレッシャーが強くて、みんな表情も固くて。でも今は、顔を見合わせる回数も増えて。本当に“バンドしてるな”って感じで、良いですよね。ライブ中にお互いの存在をちゃんと感じ合えてる気がします。

──曲がどう成長していくかも楽しみです。2ビートで、しっかりと展開もあり、ドラム的にも叩きがいがあるんじゃないでしょうか。

林:そうですね。いただいた時に「また2ビートきたきたーっ!」って(笑)。2ビートを叩かせてもらえるなんて、普通に声優やっていてなかなかない機会なので。2ビートを叩ける声優としてやっていこうかな、なんて(笑)。

でも始まっちゃうと一瞬なんですよね。「往欄印」はMyGO!!!!!の曲の中では尺的にもあるほうで、展開もしっかりしているので、最初は「叩き切れるのかな」と不安だったんですね。「音一会」の時からリズム隊は2ビートやりまくっていますので(笑)。

小日向:うんうん(笑)。

林:だから安心して、楽しんでやれますね。

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