
『キミとアイドルプリキュア♪LIVE2025 You&I=We’re IDOL PRECURE』開催記念リレーインタビュー 石井あみさん|「プリキュアシンガーとして活動してきた3年間で感じた、ライブの“良さ”を一人ひとりのキミに伝えたい」【連載第1回】
「いざ!アイドル」の歌の振り分けの秘密
──プリキュアライブと言えば、毎年夏に発売されるボーカルアルバムに収録された楽曲がステージで披露されるのが恒例となっています。今お話にあがった「いざ!アイドル」は、「『キミとアイドルプリキュア♪』ボーカルアルバム~We are!You & IDOL PRECURE♪~」に収録されていますね。
石井:ライブを盛り上げるのにぴったりな曲だと思います。テンポ感も楽しいし、「楽しい!幸せ!」ってプラスな気持ちをぎゅっと詰め込んだような曲で、聴いていると自然と笑顔になれるんです。歌詞をよく読むと、アイドルの可愛らしさだけでなく、一生懸命さやまっすぐさも感じられて、ちょっと胸にグッとくる部分もあって。楽しさと感動、両方が伝わるんじゃないかなと思います。(作曲・編曲の)ハマダ(コウキ)さんらしいサウンド感も魅力的で、聴いたときに「あ、ハマダさんだ!」ってすぐにわかりました(笑)。
──ハマダさんは「ヒロガリズム」も手掛けられていますもんね。ビートがとても印象的なおしゃれな曲で、少し懐かしい雰囲気のアイドルソング感と言いますか。ロカビリーっぽい要素も感じました。
石井:たしかに! 楽しい雰囲気の中にもキャッチーな要素があって、歌っていてもすごく気持ちいい曲です。歌詞は只野(菜摘)さんが書いてくださっているのですが、私、只野さんの歌詞の世界観が本当に好きで。「いざ!アイドル」のレコーディングの時に「どうやって歌詞を書いているんですか?」と、ストレートに聞いてしまったんです(苦笑)。そうしたら「考えると言うより、パズルのピースをはめていく感じ」とおっしゃっていて。塗り絵みたいに、ぱっと思いついたものを当てはめていくと世界観が完成する、と。その感覚がすごくかっこよくて、あらためて只野さんの歌詞が好きだなって思いました。
──今回の曲では、石井さんが担当されているパートは、〈勇気リンリン〉〈クラクラ闇 ドキドキ ビートをうつ〉などなど、かわいらしい表現のワードが特に多い印象がありました。
石井:言われてみれば……。(同席していた井上氏に)これは偶然ですか?
井上:偶然じゃないです。
石井:知らなかった……!
井上:以前のインタビューで「石井さんは“色がない”」とお話ししたと思うのですが、その課題を克服していくために、あえてそうしたワードを割り当てていたんです。少し話が戻りますが、さっき石井さんが「最近少し緊張するようになった」と言っていたのは、自分の“色”が見えてきたことで、表現に対する責任感が増したからなのかもしれません。
──少しずつ色づいてきたということですね。井上さんから見ると、その色というのは……。
井上:まだ淡い色だとは思います。輪郭は出てきたけれど、まだ色づけは始まったばかりという状態。うまい例えが見つからないんですけど、メイクで言えば、まだ薄く下地だけ塗った状態というか、メイクはこれからという段階の印象でしょうか。
石井:なるほど、下地……(笑)。でも自分ではあまり色が付いている実感がなくて……。レコーディングでも「こう歌いたい」という想いは強いんですけど、それをどう声にするかが難しいんです。ディレクションで「この気持ちを伝えるには、こう歌うんだよ」と具体的に教えていただいてやっと形になるというか……。まだ自分ひとりでは色をつけきれない段階だと感じていますが、いつか自分の力で色を重ねられるようになりたいと思っています。
──ただ、井上さんは以前「色がない」ことが逆に強みでもあると言われていますね。
井上:そうですね。今回はオープニング主題歌歌手2人(熊田茜音さん、吉武千颯さん)のカラーが強いので、その間、つなぐ役割を果たせるのが石井さんだったんです。それこそ、色で例えたら中間色という感じでしょうか。でも、今回のライブハウスサーキットなどを通して、2人から良い影響をもらって、2人の色を真似するのではなく、吸収して自分の中に取り込んでいるように感じています。10月のプリキュアライブではある種、“本物のアイドル”5人がステージに登場するので、その影響も、石井さんにとっては大きいのではないかなと。
石井:はい、私もすごく楽しみにしていますし、きっとたくさん吸収できると思います。「キミとアイドルプリキュア♪ Light Up!」でも、これまでとは違う可愛らしい声色を求められていて、新しい挑戦になっています。
『キミプリ』石井あみ&熊田茜音&吉武千颯が結んだ〈決意リボン〉【インタビュー】
──厳しさの裏にある、石井さんに対する強い期待と言いますか。お二人のやり取りからは、いつも師弟関係のような信頼感が伝わってきます。今、井上さんのお話にもありましたが、石井さんはこれまでを振り返って、ご自身の歌い方にどんな変化を感じていますか?
石井:前は「この声色で合っているのかな」と悩んで、他のものになろうとしていたんです。でも今は、曲自体の表現を大事にした結果として自分の声色が出ている。曲に対する向き合い方が少し変わったと思います。
──以前は悩んでいた時期もあったとおっしゃっていましたよね。お母様の言葉がヒントになって一歩踏み出したというお話もありました。
石井:はい。母の言葉に背中を押してもらったことも大きいですし、さっき井上さんもお話していましたが、今はちはちゃんや熊ちゃんという、しっかりとしたカラーを持つ仲間が隣にいてくれるのも大きいです。2人を見ていると「私は私でいいんだ」と思えるし、それが自然と自分の力になっている気がします。
──いろいろな気持ちの変化を経て、ライブという場は、石井さんにとってどんな存在になっていますか?
石井:今年は大きなライブ会場だけじゃなく、ショッピングモールなどでのミニライブも多くて、本当にいろいろな規模の会場で歌わせていただきました。ただ盛り上がるだけじゃなく、「この曲って本当にいいよね」とみんなで共有できるのがライブ特有の感覚だと思います。私自身もそう感じますし、ファンの皆さんにとっても、そうやって共有したり、曲の“好き”を改めて感じたりすることが力になってるんじゃないかなって。特に5月のGW期間に実施したミニライブでは「またね」「また会おうね」と言える時間がすごく嬉しかったんです。“次につながる約束”を交わせるのは、ライブならではだなと感じました。そしてライブハウスサーキットがはじまって、最後にまた「また会おうね」と言えて。次につながる力になったのが印象的でした。
アイドルプリキュア vs. プリキュアシンガー!?
──そこからつながるプリキュアライブというのは、石井さんにとってどういうライブになりそうですか。
石井:今回はテーマが“アイドル”ですし、私は特にオープニングの冒頭で、ステージを駆け巡っているシーンがとても記憶に残っています。パシフィコもまさにああいう広さじゃないですか。映像で観た場面が実際のステージでリアルになるというか……二次元と三次元の境界を超えるようなドキドキを感じています。
──オープニングの3人が駆け巡るシーン、それぞれの表情も含めて良いですよね。
石井:そうなんですよ〜! あのワクワク感を、プリキュアライブでも表現できたらいいなと思っています。
──今回でプリキュアライブも石井さんとしては3回目の出演となりますね。
石井:本当に楽しみです! 特に自己紹介曲の「We are!You & IDOL PRECURE♪」も生で聴けるのかな?と思うとすっごく楽しみで。アイドルといえば自己紹介曲、ですよね。実は私はキュアアイドル推しなんです。もちろん全員好きなんですけども(笑)。
キュアアイドルの前向きな性格はもちろん、第1話で変身する前に歌うシーンから、音楽が大好きなんだって伝わってきて、音楽をやっている身としてぐっときました。
──うたちゃんのソロ曲「エブリデイ♪UTA-OH!!」からも、その明るさが伝わってきますよね。
石井:そうなんですよね! ボーカルアルバムは全曲最高なのですが、「エブリデイ♪UTA-OH!!」の〈キラッキランラン♪ キラッキランラン♪ 〉ってところが大好きで! 松岡美里さん自身のライブパフォーマンスも拝見したことがあって、本当に素敵なんです。
キュアアイドルの歌声や演技からも感情がすごく伝わってくるので、ライブで観られると思うとすごく楽しみです。
──『映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!』では「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」のカバーもありましたね。
石井:少しだけ聴かせていただいたんですが、『ひろプリ』の曲がまるでアイドルソングのように響いて驚きました! 同じ曲でも歌う人が変わるとこんなに印象が違うんだなと。その驚きと、大好きなプリキュアたちが歌ってくれていることが嬉しくて、感情がごちゃごちゃになるくらいでした。
「全プリキュアライブ」で「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」を声優の皆さんと歌う場面があったのですが、『ひろプリ』の声優さんたちが歌うとやっぱり『ひろプリ』感があって。空の青さが伝わるような歌声で、カラーが違って、声優の皆さんの凄さというものを肌で感じていました。今回のキュアウインクとキュアキュンキュンの「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」も、もしも生で聴けたり、一緒に歌えたりする機会があったら嬉しいです。







































