
『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』原作・赤井まつり先生×原作コミック・合鴨ひろゆき先生インタビュー|「自分が読みたい」を詰め込んだ作品。アニメ・小説・漫画を三位一体で楽しんでほしい
赤井まつり先生によるライトノベルを原作としたTVアニメ『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』がテレビ東京ほかにて好評放送中!
クラスの中でも影が薄い主人公・織田晶がクラスメイトと共に異世界に召喚。職業が暗殺者だった晶は、勇者となった幼馴染の佐藤司のステータスよりも自分のスキルが異常に高すぎることに疑問を抱き……。
本稿では、原作・赤井まつり先生×原作コミック・合鴨ひろゆき先生の対談をお届け! 赤井先生が『ステつよ』を着想した経緯とコミカライズにあたって合鴨先生が大切にしたこと。そして、おふたりから見たアニメの見どころなどを語っていただきました。
『ステつよ』は「自分が読みたい」を詰め込んだ作品
──まずは、赤井先生から本作を着想された経緯をお聞かせいただけますでしょうか?
原作・赤井まつり(以下、赤井):高校生の時、「小説家になろう」で様々な小説を読んでいました。その中で「自分ならこう書く」「こんなお話が読みたい」と思っていたものを自分なりにギュッと詰め込んだものが『ステつよ』です。
──クラスごと異世界に転移した主人公の職業を暗殺者にした理由についても伺いたいです。
赤井:当時は暗殺者が主人公の作品はまだ珍しかったと思います。ただ、私自身もなぜ暗殺者を主人公にしたのかは思い出せなくて(笑)。ダークファンタジーを書こうと思っていたので、「ダークファンタジーといえば暗殺者だな」というイメージを持っていたのかもしれません。
晶がいたクラスごと異世界に召喚される設定は、当時見切り発車で書き始めた自分が「登場人物を増やしたい!」と考えた結果の最善策でした(笑)。
── 一方、先行上映会で羽原監督は「人数が多すぎて描くのが大変」とおっしゃっていましたが……。
赤井:そうなんです。私も今、ちょっと後悔しています(笑)。
──(笑)。そんな『ステつよ』のアニメ化が決まった際の感想をお聞かせください。
赤井:書き始めた当初から「アニメになったらいいな」と考えていましたが、まさか本当にアニメ化していただけるとは思っていなかったので、嬉しさと戸惑いが入り混じった複雑な心境でした。
──アニメ化が発表された際、SNSなどでの反響も大きかったのでは?
赤井:「こんなにも自分の小説を読んでくれている人がいたんだ……!」と驚きました。「小説家になろう」の方にも感想をいただくのですが、「端末の向こうに感想を書いてくれた人がいるんだ」という想像があまりできていなくて。アニメ化が決まった時に、たくさんの方からお祝いをいただき、喜んでいただけたことはとてもありがたいです。
特に海外の方からの反響の大きさには驚きました。「このアニメは絶対観ます!」「楽しみに待っています」などのご意見を目にする中で、日本国内だけでなく、海外の方にも届いているんだと感じられて嬉しかったです。
原作コミック・合鴨ひろゆきさん(以下、合鴨):今はインターネットやSNSが普及していることもあって、情報が届くのが速いですよね。海外の方からのコメントがたくさん寄せられているのを見ると、一昼夜で地球を回っていくかのようなスピード感というか。だからこそ実感が追いつかない部分もあって、色々な方に届くことへの驚きと反響を肌で感じていました。
──漫画版のお話もお聞かせください。『ステつよ』を漫画で描くにあたって、意識したことはありますか?
合鴨:多感な高校生がアニメやラノベで目にするようなフィクション=憧れていた世界にいきなり足を踏み入れた時、それぞれ新鮮な反応や心の揺らぎが見られます。
その中でも、晶くんは大人びていて、周りのことを冷静に判断しながら危機意識を持っていて、自分の考えで行動している。様々な出来事に対処するたびに心が動く様子を小説から強く感じました。漫画として、そこはしっかり表現していきたい部分ですし、晶くん以外のキャラクターの表情や心情も伝えていけるように気持ちを込めて描いています。
──シーンによってはコミカルな要素もある作品なので、重くなり過ぎないようにバランスを取るのが難しそうだなと。
合鴨:そうですね。小説で文章として伝わりやすい部分と漫画で伝わりやすい部分、アニメになって伝わりやすくなった部分、それぞれメディアによって違いがあると思います。自分は常々原作と向き合いながら、作品の本質や魂を取りこぼさないようにしたいと思っていて、悩んだ時には原作を何度も読み返すようにしているんです。なので、私物の小説は付箋だらけですごいことになっています(笑)。
──『ステつよ』の魅力の1つであるバトルの描写も腕の見せどころですね。
合鴨:バトルに関しても、小説では息をつかせないほどの緊迫感があります。激しい攻防が繰り広げられているので、攻撃ひとつとっても重みのある表現ができるように、苦心しつつも楽しみながら描いています。
──赤井先生から見た漫画版はいかがですか?
赤井:小説で自分が想像していたところと合鴨先生が描かれているところで違う部分もあるんですけど、「漫画の方が良いな」と思うこともよくあります(笑)。特にステータスボードの描写は、自分は厚みのない紙みたいなものに数値が描かれているイメージだったんです。コミックスでは非常に豪華で、スキルの横にマークも付けてくださって、「これはすごい!」と感動しました。
合鴨:ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。









































