
angelaが結成32年目で辿り着いた“答え”――通算12枚目のニューアルバム『Answer』に込めたメッセージ、“悪いもんじゃない”音楽人生に迫る!【インタビュー】
ボーカルのatsukoとギター/アレンジのKATSUから成るユニット、angela。『蒼穹のファフナー』シリーズをはじめ数々のアニメ作品の主題歌を担当し、アニソンファンから絶大な支持を得ている彼らが、約2年ぶり通算12枚目のオリジナルアルバム『Answer』を完成させた。
キングレコードのレーベルメイト・蒼井翔太とのコラボ曲「晴れのちハレルヤ!」(劇場版『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』主題歌)や、パチンコ機「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ3」搭載曲「Fly Alive」「命ノヒカリ」といった話題曲に加え、10月より放送のTVアニメ『不器用な先輩。』オープニングテーマ「不器用なI love you」や初の体操曲「angela体操」といった書き下ろしを含む全11曲を収録。
メジャーデビューから20年以上に渡り、アニメ音楽シーンの第一線で活動し続けてきた2人だからこそ辿り着くことのできた境地。2025年現在のangelaが見つけた“答え”が詰め込まれた本作について、atsukoとKATSUに思う存分語ってもらった。
タイトルに込めた思い――「今の自分が答えなんだ」と気づけた瞬間
──今回の新作『Answer』は通算12枚目のオリジナルアルバム。前作『Welcome!』以降に発表してきた話題曲を満載しています。
atsuko:最近はCDシングルではなく配信でリリースすることが多くなったなかで、「Fly Alive」「命ノヒカリ」や「僕等の歌」といった単発で発表してきた楽曲と、『蒼穹のファフナー ALL SONGS』に収録した「蒼穹(そら)の彼方」やTWO-MIXさんのトリビュートアルバム(『TWO-MIX Tribute Album “Crysta-Rhythm”』)に提供した「JUST COMMUNICATION」のカバーのように、いろんなところに散らばっていた自分たちの楽曲をまとめたい、というのが今回のアルバムのスタートでした。
──『Answer』というタイトルには、どんな思いを込めたのでしょうか。
atsuko:アルバム用の新曲を制作するとなった時に、私たちはこれまでにも色々なジャンルの曲を作ってきたし、自分たちの作りたい楽曲はもう作ってきた感覚があるので、KATSUさんと「何を作るのがいいか?」ということを話し合ったんですね。その結果、今回は“Song for one”をテーマに、誰かや何かに向けてわかりやすい楽曲を作るのが、音楽を発信する者として健全なのではないか、という話になって。
で、ちょうど今年の1月にFCイベント「OPEN/END」を2デイズで開催して、1日目はオープニング縛り、2日目はエンディング縛りでライブをしたんですけど、そこでアニメ『JINKI:EXTEND』のエンディング曲の「未来とゆう名の答え」を久しぶりに歌ったんですよ。その曲を書いた当時の自分は、この先この世界でやっていけるのかすごく悩んでいて。でも、戦っていかなくてはいけないし、いつか未来が来れば今悩んでいることの答えが出るんじゃないか、ということを歌詞に書いたんです。
それから20年経った2025年にこの曲を歌った時に、まさに今が、あの頃に思い描いていた未来だと思ったんです。今の私はまだ音楽を続けられていて、ライブもリリースもできているし、人にも恵まれている。これは幸せだぞ、と。そうなった時に、「今の自分が答えなんだ」ということに気づいたんですよね。歌詞にせよメロディにせよ、すべてを悩んで出した答えが、また1つの楽曲になっていく。全部が答えなんだな、という気づきから、『Answer』というタイトルに辿り着きました。
KATSU:atsukoさんから「『Answer』ってタイトルはどう?」って聞かれた時は、流石だなと思いましたね。確かに振り返ってみると、20代後半にデビューした頃は、30代になることが不安で、30代になると今度は40代、40代になると50代が不安だったけど、実際体験してみると、20代より30代、30代より40代のほうが楽しかったんですよね。そこから「昔のことよりも今、将来を見ようぜ」っていうテーマが自分の中で見えてきて、今回のアルバムは全曲がそこに繋がっていったように思います。みんなが求めているものの答えが見つかるようなアルバムにしたい。そして、今までみんなが選択をして生きてきた時間は全部が正解だったんだよ、という思いが、『Answer』という言葉の中に込められています。
──その思いはアルバム表題曲「Answer」からも、ひしひしと伝わってきました。ポップで晴れやかな曲調、atsukoさんのエネルギッシュかつ喜びに満ちたボーカル、未来への希望に溢れたメッセージ。“大人になった「今」が全て 悪いもんじゃない”という歌詞は、まさに今のお話にも繋がる言葉だと思います。
atsuko:20年前はネガティブなことばかり考えていたんですよね。「ライブで失敗したらどうしよう?」とか「大人になったら仕事なんてもらえないだろうな」とか。ずっと悩んでいて、あまり楽しめていなかったところがあって。でも、そこから20年ぐらい経った今、結構楽しくやれている自分がいるし、結局のところ、いろんな選択を繰り返して、2025年の私たちに辿り着いているわけで、つまり今の自分たちが“アンサー”なんですよね。だから、今悩んでいる若い世代の皆さんに、大人の我々が楽しそうにして、皆さんが選択した先の未来はそんなに悪いもんじゃないよ、っていうことを表現したいなと思って作った曲ですね。
──それは、ここまでangelaとして二人で走ってきたからこそ導き出せた答えでもあると。
atsuko:そうですね。なんだかんだもう32年やっているので、自分たちでもよくやっているなと思いますし、もちろん辞めようかということも何度もあったけど、それでもなぜか「続ける」という選択をして今ここにいる。その意味で、自分たちの音楽を聴いてくださる皆さんのためにも、そして歌い続けたい自分のためにも、そういう答えを出せたんじゃないかと。まあ、あくまでも今現在の2025年の答えなので、これが2045年になると、70代になった我々がどんな答えを出すかはわからないですけど(笑)。
KATSU:この「Answer」で、応援してくれているファンに、angelaから一言言ってあげられる答えがあるとすれば、僕はラスサビにある“さらけ出していけ あなたをもっと”という1行かなと思っていて。僕も体を壊したりしたなかで、我慢して生きていると後で絶対に後悔すると思ったんですよね。食べたいものを食べ、会いたい人に会い、行きたいとこに行く。欲しいものを買い、着たいものを着る。もちろん貯金をするのも大事だけど、やっぱり自分の気持ちをさらけ出して生きるのはすごく大切で、僕は究極、この1行を聴かすための「Answer」だと思っています。
──KATSUさんは2023年に急性心筋梗塞で入院されて、大変でしたものね。
KATSU:そうなんです。その節はすごくたくさんの人に迷惑をかけてしまって。その前の時期、ダイエットと筋トレをやっていて、冗談で「あのお店のラーメン食いてえなあ」「俺もしこのまま死んだら後悔するな」みたいな話をしていたんですよ。
atsuko:そういえば最近は気にせず食べるよね。「これは食べたら太るから食べない」みたいなことは言わなくなった。
KATSU:そうそう。大体食べる。大盛りとかも普通に頼むし。
atsuko:この間、KATSUさんと回転ずしに行ったんですけど、私が1皿に1貫しか乗ってないのに300円もする和牛炙りを「高い」と思って1回頼むのをやめたら、KATSUさんが「食べなよ」って背中を押してくれて。KATSUさんは大トロを5皿とか頼んでましたけど(笑)。
KATSU:世の中の目ばかり気にしててもね。でも、1回死にかけた経験をした人は強いので、その経験もある意味良かったなと思っていて。最近は海外とかに行くと、「俺、この景色見ることができなかったかもしれないんだな」と思う瞬間が多々あるし、常にやりたいことをやっておこう、という気持ちがあって。だからこの曲も、明るく楽しんで欲しいですね。














































