マンガ・ラノベ
マンガ原作ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』1話&2話レビュー

「憎めない」「面白すぎてもはや愛おしい」竹内涼真さんの“化石男”演技に話題沸騰中! マンガ原作ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』1話&2話レビュー

夏帆さん、竹内涼真さんがW主演を務めるTBS系火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が、いまSNSで注目を集めています。

原作は谷口菜津子氏によるマンガ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(ぶんか社「comicタント」連載)。発行部数のべ40万部、さらに「CREA夜ふかしマンガ大賞2024」では1位を受賞、「このマンガがすごい!2025」オンナ編では4位に選出された注目作品です。

物語の主人公は、学生時代からモテのために生き、彼氏にとっての“理想の彼女”を演じてきたために自分を見失ってしまった山岸 鮎美と、「筑前煮を美味しく作れるような子がタイプ」という昭和的亭主関白な価値観を持つ海老原 勝男(演・竹内涼真)。

現在同棲中のふたりは大学時代から付き合っていて、学内のミス&ミスターでもあった当時は周りから「パーフェクトカップル」と呼び声が高かった様子。そして、料理上手でおいしい筑前煮を作ってくれる鮎美は、まさに勝男にとって理想の彼女でした。そんな完璧な彼女と完璧な結婚をしようと、勝男はついに鮎美にプロポーズを決行するも断られてしまうのでした。

完璧な人生を歩むはずだった勝男が彼女にフラれたことをきっかけに、少しずつ自分の言動を反省し、新たな価値観を受け入れながら成長していく“再生ロマンスコメディ”です。

ドラマ版『じゃあ、あんたが作ってみろよ』では、鮎美を夏帆さんが、勝男を竹内涼真さんが演じています。鮎美の心の機微を繊細に表現する夏帆さん、見事に勝男の化石男っぷりを演じ切る竹内さんの好演が話題沸騰中の本作。とくに女性は共感せずにいられない男女のすれ違いを描きつつも、コメディ要素がたっぷりで軽快な気持ちで観られるドラマなので、視聴後の後味もなんだか清々しいんです。

私はジムでランニング中にTVをつけたらやっていたのでなんとなく観はじめたのですが、すっかり世界観にハマってしまいました。

ということでここからは、そんな筆者が1話&2話を観た感想を印象的なシーンの振り返りとともにお伝えしていきます!

 

本気でムカついてくる……! 竹内涼真の好演が光る第1話

 
第一話は、とにかく完璧にこだわる勝男の、前時代的な価値観が炸裂しまくります。

職場では後輩(男性)に「男が朝から料理するわけないだろ(笑)」「お前の彼女料理作ってくれないんだ…」。後輩(女性)に「弁当ぐらい作れ」「料理しない!?うわ〜まじか(小声)」。極め付けは「家で料理作って愛する人の帰りを待つっていうのがさ…女の幸せだと思うけどなぁ」。

すごい。タイムスリップしてきたのか?

家に帰ればスリッパを用意してもらい、カバンを預けて上着を脱がせてもらって……。鮎美の作ったいかにも健康そうな、見栄えも綺麗な和食を褒めた! と思いきや……「でも、しいて言うなら、全体的におかずが茶色すぎるかな?もうちょっと彩りを入れたほうがいい」。

プロポーズ玉砕後、筑前煮を作れる女性を求めて合コンに行っても、市販のルーでカレーを作ると聞けば「じゃあ野菜切るだけだ(笑)もうそれ料理って言わないから(笑)」とこの調子。デリカシーが仕事してません。

亭主関白。家父長制。昭和。時代錯誤。いろんなワードが浮かんできますが、勝男としてはまったく悪気なく、相手のための“アドバイス”として自身の価値観で指摘を繰り返しているのです。とくに鮎美に対しては褒め言葉と優しさありきで上から目線の余計なひと言を付け加えていくので、正直逆にぶっ飛ばしたい。まさに「じゃあ、あんたが作ってみろよ」と。

竹内さんの爽やかなビジュアルをもってしても、令和を生きる私たちは「ないだろ、それは……」と引いてしまう時代に取り残されたような価値観を貫く男、それが勝男なのです。でも正直、ここまで誇張していなくても「女はこうであるべき!」という決めつけをしてくる男性って、リアルにもいますよね。

プロポーズを断られた理由も合コンで引かれた理由も「なんで?」「昔はモテたのに」とまったく理解できずにいる勝男は、後輩からの提案で筑前煮作りにチャレンジします。

案の定スーパーでの買い物すらままならず、包丁で手を切り、顆粒だしは「手抜き」と文句を言い、レシピに翻弄されながら気づけば深夜0時過ぎ。出来栄えも悪く失敗に終わります。散らかし放題のキッチンや花が枯れているカットからは、これまで鮎美がどれだけ気を回し、献身的に尽くしてきたのかも感じとれて切ない。

でも、勝男のことボロクソに書きましたが、意外とこういう局面で「やってみよう!」とレシピを見て料理してみる素直さとか、挑戦してみようとするガッツはなんというか……憎めないんですよね。プロポーズ前もドラマのプロポーズシーンを見ながら憧れを膨らませて舞い上がったりしてて、ちょっと可愛かった。

でも、やっぱり懲りずに後輩のめんつゆで作った肉じゃがを「めんつゆで料理は邪道」と一蹴し険悪に。めんつゆがなにでできているのかも知らなかった勝男は、今度はめんつゆ作りに挑戦します。なぜめんつゆが料理に使われるのか、料理にはどれだけの手間がかかるのかを身をもって知り、後輩にもきちんと謝って、ようやく凝り固まっていた思考がほぐれはじめます。

その日はスーパーでにんじんが安いと喜んで、少し上達した自前の筑前煮を食べて満足気で……あれ? やっぱり勝男って可愛いかも。

そんななか、冷蔵庫から鮎美が作り置きしていた筑前煮を発見。腐ってしまった筑前煮を見て鮎美の献身を思い出し「ごめん」「俺変わりたい」と涙する勝男。もう、頑張れ……!

SNSでは「竹内涼真の演技が凄すぎて素でこういう人なんじゃないかと思えてくるw」「本気でムカついてくるからすごい」「ここまでくるともはや憎めない」と竹内さんの好演ぶりが大好評。時代遅れの価値観でイラっとさせつつ、トレンディドラマに憧れるかわいらしさも魅せてくる勝男があまりにもハマり役な竹内さんでした。

 

すれ違う2人がもどかしい……勝男の成長にも心を掴まれる第2話

 
第2話では、鮎美の視点にもフォーカス。プロポーズを断るまで、そして勝男と別れてからの心情が詳細に描かれています。

もともと男運の悪い家庭で育った鮎美は、モテに全振りすることで安定した人生を手に入れようと努力してきたのでした。しかし、その結果自分らしさがとはなにかわからなくなり、勝男の理想の彼女を演じ続ける日々を送っていたのです。

プロポーズの日も勝男が好きな筑前煮を作って勝男の帰りを待っていた鮎美ですが、突然呼び出しの電話が。

勝男視点では入念な準備を重ねた完璧なプロポーズとして描かれていましたが、鮎美からしてみれば、勝男のために夕食を作っているところへの急な誘いだったわけです。「もう晩ごはん準備してくれてるかも」とか、「突然すぎて準備に困るかな」とか、相手の都合を一切考えていないところがやっぱり勝男。だから、勝男が見つけたころには筑前煮が腐ってしまっていたんですね。

しかもじつは鮎美も顆粒だし、普通に使っていたんです。「手抜き」なんて言いながら、勝男は違いもわからずに顆粒だしを使った筑前煮を「美味しい」って食べていたのです。

家を飛び出してからは、新しい友人との交流をきっかけに髪色変えたり、テキーラの美味しさに気付いたり。勝男のために生きていた自分から少しずつ解放されて、自分だけの“好き”を楽しむようになっていきます。早くも新しい出会いの予感も……!

一方、勝男の古い価値観は2話でも炸裂。今回はマッチングアプリ全否定の巻です。

「あり得ない!男と女は自然に出会ったほうがいいんだって!!」「マッチングアプリにまともな男はいない!」と吠える勝男。こればっかりは、ちょっと気持ちがわからなくもない平成1桁生まれアラサー世代の筆者でした。

そしてここでは、出会いを魚の養殖と天然にたとえ、勝男が漁に出る姿が描かれるインパクト大のシーンが。SNSでも「おもしろすぎる」「予告でこのシーンは何事かと思ったらまさかのw」と注目を集めていました。

そもそも、なぜ勝男がこの性格と価値観に育ったのかというと、それは父の教えの結果でした。1話でも妻が甲斐甲斐しく夫の世話を焼くという古風な夫婦関係が垣間見えていた勝男の両親でしたが、勝男は幼いころに父から「男たるもの…」という教育を叩き込まれていたのです。亭主関白ニキになってしまっただけではなく、自分の弱みをさらけ出すことができない大人になってしまったのは、かわいそうでもありますね。

でも、2話の勝男はちょっと成長もしています。

鮎美の味に近づけたいと筑前煮を作り続けたり、失言になりそうな発言をグッと堪えたり(結局失言しますが)、あり得ないと思っていた食べ合わせに挑戦して、その美味しさに気付いたり。やっぱり素直で憎めない。むしろいい子!

「決めつけてるうちに、大事なものを取りこぼしてるかもしれませんよ」「決めつけてばっかじゃ新しい世界広がんないっすよ」という後輩の言葉も、地味に勝男に響いたようです。恋愛や食事の話に関わらず、私たち視聴者にも訴えかけるものがあるセリフでした。

今回は、そんな勝男と鮎美がそれぞれお互いのことを思い出すシーンが描かれるのも印象的でした。

とくに勝男は鮎美への思いが強め。これまでの振る舞いに問題はあれど、ちゃんと鮎美自身にも惹かれていたんだなと感じられて切なくなります。一方で鮎美も、最初は条件ではない“好き”の気持ちがあったころを思い出すのでした。別々の場所でそれぞれが同じ日のデートを思い出しているのがもどかしい……。

そしてついに、勝男と鮎美が再会します!

しかし、かつて2人で暮らした部屋に鮎美が入ると、勝男はなんだか人が変わったよう。自らキッチンに立って料理をし、後輩たちとなにやら楽しそう。それを見る鮎美は蚊帳の外で、ちょっと苦しくなる空気感です。

そんななか、筑前煮のレシピを知りたい勝男から「レシピ教えてくれる“だけ”でいいから」と言われる鮎美。「だけ…」と悲しそうな顔に胸がぎゅっとなります。本当はいまでも大好きな元カノに、レシピ以外はどうでもいいみたいな言い方するなんて勝男も不器用すぎる……。

さらには勝男に顆粒だしを使っていたことを知られ、逃げ出すように出ていく鮎美。

これは最悪の展開……かと思いきや、勝男はこれまで鮎美にたくさん無理させていたことに気づき反省します。その気持ちを伝えるべく、まさかのランニングシャツ+顆粒だしというおもしろ装備で鮎美の元へ駆け出すのでした。そして、鮎美を見つけるも見知らぬ男と抱き合うところを目撃してしまい、顆粒だしを持ったままずっこけて地面に転がる勝男……!

おもしろいやら切ないやらカオスな状況ですが、SNSは「やっぱり竹内涼真最高だよ! こんな顔いいのに公園で顆粒だし持って転んでる」「竹内涼真が顆粒だし持ってウロウロしてるのおもろ過ぎてめっちゃ元気出る」「足長くてスタイルいいのが逆に笑える」「勝男もはや愛おしいよ……」と絶賛の嵐でした。

鮎美の心が今後どう動いていくのかも気になるところですが、勝男の一途さや素直さを見ていると、どうにかヨリを戻してほしいと思わずにはいられません。ぜひこのままいろんな考えをアップデートして、絶対に幸せになってほしいですね。

次回は勝男にも新たな出会いが。今度はどんな成長を遂げるのか、引き続き見守っていきたいと思います。それにしても、筑前煮が食べたくなるドラマだなあ。

 
[文/まりも]

 

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