サン役の決め手は「声じゃない」!?　アシタカ役・松田洋治さん、サン役・石田ゆり子さん、鈴木敏夫プロデューサー登壇の『もののけ姫』4K デジタルリマスターIMAX プレミア試写会舞台挨拶レポート

あの『もののけ姫』が4Kデジタルリマスター版のIMAXとなって、2025年10月24日より全国の劇場にてロードショー！　スタジオジブリが監修した最高画質の物語を劇場で堪能することができます。

10月20日にはプレミア試写会が開催され、アシタカ役の松田洋治さん、サン役の石田ゆり子さん、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが登壇。28年の時を経て、当時の収録秘話やキャスティングにまつわるエピソードが飛び出しました。

意外すぎるキャスティング秘話

28年の時を経て、再び『もののけ姫』を大スクリーンで楽しめることに感慨深い様子の3人。早速、当時のオーディションについて聞かれた松田さんは、最初は主役とは知らず、ほかのキャラクターのオーディションだと思っていたところ、映画館で『もののけ姫』の特報を観た友人から「洋治すごいね、ジブリの新作の主役やるんだね」と連絡をもらったことでアシタカ役に決まったことを知ったという驚きのエピソードを披露。

この話に、「犯人は左側の方に……」と目線を向けられた鈴木プロデューサーは「全く嘘です（笑）」と笑顔で誤魔化すものの、アシタカのキャスティングが難航していたことは認めます。鈴木プロデューサー曰く、松田さんを選んだ決め手となったのは『風の谷のナウシカ』のアスベル。悩んでいた宮崎駿監督に松田さんを勧めたことで決定したそうです。

また石田さんの起用については鈴木プロデューサーのジョークが炸裂。『平成狸合戦ぽんぽこ』の収録時、「宮崎駿が石田さんに挨拶する時、僕は見逃さなかったんです。その時、（宮崎監督の）鼻の下が伸びていたんですよ」と沸かすと、「（サン役の決め手は）もう声じゃない、顔（笑）」と会場の笑いを誘いました。

改めて演技について問われたキャスト陣。アニメーションの経験がほとんどなかった松田さんは「考えても無駄。当たって砕けろ。自分でなにかを考えて、ということではない」と当時の心境を口にし、石田さんも「人間であって人間じゃない、動物になりたいけど動物になれない、という不思議な役ということで、それはそれは難しかったです」と吐露しました。

また、宮崎監督の収録は一度引っかかる部分があったらとことん修正していくスタイルだったと話す松田さん。厳しく感じることもあったそうですが、宮崎監督は誰に対しても同じ対応だったことが印象深いと熱を込めます。

一方、「全員の中で私が一番下手くそでした」と言う石田さんは、いつも居残りして収録をしていたと苦い顔を見せる場面も。中でも、一番最初の収録だったという“倒れるアシタカをサンが助け、弟犬に乗せるシーン”のセリフは、何気ないシーンであるものの、セリフに込められたキャラクターの心情の解釈が難解だったと熱弁しました。

トークの通り、宮崎監督のもと、キャスト・スタッフが力を尽くした本作。今ではそのヒットに疑いようはありませんが、当時は『となりのトトロ』のような子供向けの作風ではないことから公開後はどんな反応を得られるのか不安もあったそう。しかし、蓋を開けたら観客動員1,420万人、興行収入193億円（1997年7月12日の初公開時）の大ヒットということで、一同、驚きを隠せなかったと声を揃えます。

そして最後に鈴木プロデューサーが「お客さんがいっぱい観てくれたことは素直に嬉しいです。やっぱりなんのために作るのかと言ったらお客さんに観てもらうためですから。記録が出たことについても名誉だと思っています」と本音と感謝をあらわにしたところでイベントは締めくくられました。

『もののけ姫』（４Kデジタルリマスター）作品情報

全国のIMAX劇場にて2025年10月24日（金）より期間限定上映！

原作・脚本・監督：宮﨑 駿
プロデューサー：鈴木敏夫
音楽：久石 譲
主題歌：米良美一
声の出演：松田洋治・石田ゆり子・田中裕子・小林薫・西村雅彦・上條恒彦・美輪明宏・森 光子・森繁久彌
制作：スタジオジブリ
配給：東宝

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