
フランシュシュと佐賀県の人たちの絆が改めて感じられた――劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』新曲収録時の思い出を田野アサミさん×河瀬茉希さん×田中美海さんが語る【インタビュー】
2018年10月から放送された、ゾンビィになってしまった少女7人が佐賀県でアイドル活動をする奇想天外なアニメ『ゾンビランドサガ』。2021年4月からは第2期『ゾンビランドサガ リベンジ』が放送され、衝撃的なラストが話題を呼びました。
そんな『ゾンビランドサガ』シリーズの4年ぶりの新作であり、初の劇場版作品『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』が2025年10月24日(金)より全国公開! 佐賀万博の開催に湧く佐賀県にまさかの宇宙船が飛来し、フランシュシュのメンバーを巻き込みながら、地球規模のスケールのお話に発展していきます。
ファン待望の劇場版の公開を記念し、2回に分けてキャスト陣にインタビューを実施! 第2回は、二階堂サキ役・田野アサミさん、紺野純子役・河瀬茉希さん、星川リリィ役・田中美海さんに、劇場版の見どころや新曲のレコーディング秘話、そしてフランシュシュとして初のフェス参戦となる『ANIMAX MUSIX 2025 YOKOHAMA』への意気込みなどを語っていただきました。
『ゾンビランドサガ リベンジ』のラストはキャスト陣も思わず呆然!?
──『ゾンビランドサガ リベンジ』を振り返った感想と、最終回をどんな思いで演じていたのかお聞かせください。
田中美海さん(以下、田中):『ゾンビランドサガ リベンジ』の最終回が放送されたのが2021年6月で、もう4年半経ったことに驚いています。第1期は2018年10月に始まったので、約7年に渡って応援してくださる方が増えて、TVシリーズがない時もイベントなどがあったりして、『ゾンビランドサガ』の輪が大きく広がったなと感じています。
原作がないオリジナル作品ということもあって、始まった当初からどうなるのかわからないまま私たちは演じ続けて、「リベンジ」の最後のシーンではキャスト陣も「えっ……」と呆然としていました(笑)。それからあのシーンの意味や今後の展開が私たちに明かされることもなく、「この後は劇場版に繋がるのかな?」と何となく思っていましたが、いざ収録が決まって、台本を読んで「まさかこんなことになるとは!?」と一瞬動揺しつつも「この変わらないハチャメチャさはやっぱり『ゾンビランドサガ』だな」とすぐに冷静さを取り戻しました(笑)。
田野アサミさん(以下、田野):「リベンジ」の最終回のアフレコでは「気になることはあるけど、まず収録し終わってから言おう」とみんな思っていたはずです。その場には(山田たえ役の三石)琴乃さんもいらっしゃって、「これってこの先どうなるのか、みんな知っている感じ?」と口にすると、みんなも一斉に知らないと(笑)。でもスタッフさんは何も教えてくれなくて。
ファンの皆さんは劇場版の制作が発表される日を楽しみに待っていてくれたと思いますが、私たちも同じです。「あの大爆発でフランシュシュはまた死んじゃうのかな?」とかいろいろと想像や妄想をしながら、どこに向かっていくのかを日々考えていたので、ファンの皆さんの気持ちが痛いほどよくわかるんです。なので、劇場版の制作が決まったと聞いた時は嬉しさと驚きが同時に押し寄せましたね。
河瀬茉希さん(以下、河瀬):「リベンジ」の最後で幸太郎が出血していたり、宇宙船らしき存在が確認できたので、「たぶん続きを作るつもりなんだろうな」と思いながらも「逆に『ゾンビランドサガ』だから伏線だけ置いて、このまま消え去ってしまうかも」と二つの予想が浮かびました。『ゾンビランドサガ』はTVシリーズの時からフランシュシュのレコーディングやアフレコで詳しいことや先のことをまったく教えてくれない特殊な現場なので(笑)。
田中・田野:(うんうんとうなずく)
河瀬:もちろん「この続きをやりたい!」という願望はありましたが、今回劇場版が世に出せたのは間違いなく応援してくれている皆さんの、たくさんの声や『ゾンビランドサガ』愛のおかげだと思っています。
思い起こせば、2021年10月に行われたライブ(『ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ 佐賀よ共にわいてくれ~』幕張メッセ)の終盤で、やりきった達成感はありつつも「これで終わっちゃうのかな?」と寂しさを感じていたところに、サプライズで劇場版の制作を教えてもらえて、すごく嬉しかったことを今でも覚えています。そして今は劇場版の約束が叶って、もうじき皆さんにお届けできる喜びでいっぱいです。
フランシュシュと佐賀県の人たちの絆が改めて感じられた劇場版
──『ゾンビランドサガ』はアイドルものでコメディや感動もあるのが魅力ですが、劇場版ではそれにミステリーやSF、更に名作映画のオマージュも加わって、盛りだくさんですね。
田中:そうですね。盛りだくさんなのも楽しいですが、何よりもまず『ゾンビランドサガ』の新しい台本をいただけたことが嬉しくて。「リベンジ」が終わってしばらく経っても劇場版の続報が届かなかったので、「もしかしたらこのままフェードアウトしちゃうかも!?」という不安がよぎりました。でも分厚い台本、しかも2冊に渡っていて、「本当に劇場版をやるんだ!」と実感しましたし、感慨深いものがありました。
──収録も2日に分かれていたそうですね。
田野:そうなんです! 上映時間も2時間という長編で。
田中:アニメの映画で2時間もある作品は珍しいので、壮大だなと思いました。
田野:分厚い2冊の台本の重みを感じて嬉しかったですし、待っていて良かったと思いました。キービジュアルからもSFっぽさやミステリアスな感じが伝わってくるし、そうなるとアクションもあるだろうなと想像できて、過去最高に密度が濃くなっているのがわかります。フランシュシュのメンバーがどう宇宙人の侵略に立ち向かうのか、サキたちはどう戦うのか、楽しみにしていただければと思います。
河瀬:この映画ではアイドルとSF、コメディとシリアスという対照的な要素が描かれていますが、第1期・第2期でフランシュシュが佐賀県を救うためにアイドルとしていろいろ頑張ってきた歴史があるからこそ、この映画では佐賀県の人たちをはじめ、たくさんの人の協力を得ることができたのだと思いました。そして自然とフランシュシュといろいろな人との繋がりの過程が頭に浮かんできて、つい涙腺が緩くなってしまいました。
みんなが大変な時に、フランシュシュがお願いしたことは突拍子もなくて、誰からも信じられなくてもしょうがないことだけど、今までのフランシュシュの活動を見てくれていたからこそ、フランシュシュが今回佐賀だけでなく地球を救うためにお願いした無茶な作戦も快く受け入れてくれて協力してくれたことにすごく感動して。佐賀県を救うために活動してきたフランシュシュが、佐賀県に助けられることで成り立っているんだなという想いが一層強くなりました。これまでのことがすべて繋がった劇場版になったなと思いました。
──第1期・第2期でも各メンバーの過去が描かれていましたが、この劇場版でもその過去にまつわるシーンが散りばめられていたのも嬉しかったです。
河瀬:セリフとかシーンに散りばめられているので、きっとみんなも「おっ!?」と思うところがたくさんあると思います。純子だったら高いところを怖がるシーンとか、みんなの戦い方とか。初見の方でもアイドルアニメと思って観てみたらスケールの大きさに驚くと思うし、なんといってもゾンビと宇宙人が戦うわけですから(笑)。
田野:そもそも第1期の頃から、この劇場版の展開まで最初から思い描いていた人はいるのだろうか…?
田中:確かに!
田野:フランシュシュは最初、300人入るくらいの小さなライブハウスでライブをしてから、第1期の最後ではアルピノでのライブを成功させて、第2期の最初に駅前不動産スタジアムでのライブが大失敗して多額の借金を負って。でも駅前不動産スタジアムでのリベンジライブを成功させたと思ったら謎の飛行物体……この劇場版では佐賀万博で盛り上がる中、SAGAアリーナでのライブ、そして……と目まぐるし過ぎますよね。
今フランシュシュは全国制覇をしようとしていますけど、ここまでの存在になるなんて誰が予想していたでしょうか? もちろん私も想像もしていませんでした(笑)。私も一緒に大きな夢を見させてもらっています。今回の「ゆめぎんがパラダイス」というタイトルはピッタリですね。
──あとは、あのたえが涼しい視線で凛々しく立っているのも衝撃的です。
田中:「リベンジ」で、たえちゃんが街におつかいに行くかわいらしいエピソードがありましたが、『ゾンビランドサガ外伝 ザ・ファースト・ゾンビィ』を読んでいない方は「シリアスなお話でたえちゃんがフィーチャーされるとこんな風になるんだ!?」とすごく驚くと思います。三石(琴乃)さんのお芝居もすごく素敵だったので、ぜひ注目してください!



















































