
映画『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』ルーイエ役 悠木碧さんインタビュー|“引き算の芝居”で描いた、強くて優しい姉弟子・ルーイエ
11月7日(金)に公開された『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』。前作『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』の公開から5年ぶりとなる新作となる。
『羅小黒戦記』は、中国のアニメ監督、木頭(MTJJ)及び寒木春華(HMCH)スタジオが制作したアニメ作品。今作『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』では、前作から2年後の世界が描かれている。
師匠ムゲンと穏やかな日々を過ごしていたシャオヘイ。とある会館で起こった襲撃事件によって妖精の世界の平和が脅かされてしまう。疑いをかけられたムゲンと引き離されたシャオヘイは、姉弟子であるルーイエと共に、真実を求めて新たな冒険へと旅立つ――。
奥深い世界観、そして感動的なストーリー、前作を超えるスケールで届けるアクションシーンを映画館でぜひ楽しんでほしい。ムゲンの(最後の)弟子で、シャオヘイにとっては姉弟子にあたる存在。ルーイエを演じた悠木碧に、作品の魅力を聞いた。
ルーイエは、つれない野良猫、信念のあるツンデレという感じ
──『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』への出演が決まったときは、どう思いましたか?
ルーイエ役 悠木碧さん(以下、悠木):まず、『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』が日本で公開されたとき、海外のアニメってこんなに進化したんだ!と、みんな話題にしていましたよね!私も大感動でした!。実際、絵作りなどが、アニメが好きで極めた人が作っているというのがわかるものだったので、その作品の続編ができることも嬉しかったですし、そこに参加させていただけるなんて光栄だなと思いました。
なので、お声がけをいただいたときはすごく嬉しかったです! アフレコで少しでも作品のお力添えができればと思っていました。
──確かに、『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』は衝撃的でしたよね。
悠木:周りの声優さんはもちろん、絵を描く友達やアニメが好きな友達がいっぱいいますけど、そういう人たちからも、海外アニメもここまで進化したんだという言葉は聞いたし、何と言ったらいいんだろうな……我々が観て育ってきて良かったものが詰め込まれていて、それが現代の技術で再現されて、より良くなっているみたいなところがあったんです。だから「これ、みんな絶対に好きだよね!」と思ったし、やっぱり愛がないと、あんなには描けない!と思ったので、感動しました。
ストーリー的にも、妖精と人間のお話みたいなものは、アジア人的には馴染みがあるものだったので、楽しく拝見させていただきました。何より、シャオヘイ(CV.花澤香菜)がかわいい! 私はムゲン(CV.宮野真守)推しではあるんですけど……。
──日本のアニメを観て育ってきたからこそ、嫉妬すら感じるほどの面白さでした(笑)。
悠木:わかります! 今話したのは、このインタビューを受けるに当たって、言語化した感想ですけど、観た時は「めっちゃおもろかった! 最高だった!」という感想で、本当に気持ちいい映画を観たなって感じだったんですけどね。
──まさに、映画を終わった後の余韻が心地良かったです。では、『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の話に移っていきますが、悠木さんが演じた、ルーイエの第一印象をお聞かせください。
悠木:クールでカッコよくて、つれない野良猫みたいなキャラクターだなと思いつつ、柔らかい面も内包しているんだろうなというのが第一印象でした。なかなかそれを見せてはくれないんですけどね(笑)。でも、簡単にデレるツンデレは好きではないので、信念あるツンデレという感じはしたし、実際、そのように描かれていたと思います。
あとは女性だけど、マニッシュと言いますか。性別を超えたカッコ良さがあるキャラクターにできればいいのかなと思いました。それこそシャオヘイは誰が見てもかわいい!と思うキャラクターだとすると、ルーイエは誰が見てもカッコいいと思える感じ。そんなイメージでした。
──シャオヘイの姉弟子というところで、2人の関係性をどう思いましたか?
悠木:基本的には放置というか。勝手に付いてくるのを何となく見ているだけという感じではあるんです。君が強くなるのは自己責任だし、私がやることも自己責任だと割り切っている。そのスタイルはシャオヘイにだけでなく、誰に対しても。
ルーイエ自身が、自分の責任は取るタイプなので、他人にもそういった対応ですが、交流によって、だんだんシャオヘイを理解することで、ちゃんとバディになっていく。突き放す冷たさはあるけど、それは対等におもう証かもしれませんし。技への信用もあがっていきますしね。そして、シャオヘイもどんどんカッコ良くなっていく。高めあう弟子同士、というところが、2人の関係性の良さなのかなと思いました。
あと、ルーイエ的には、シャオヘイを認められるようになるまで時間はかかるんですけど、決して見ていなかったわけではなく、気にして目は配っていたんだなというのも、わかる感じにはなっていましたね。
──本当は優しいんですよね。ストーリーも2人を中心に進んでいきました。
悠木:シャオヘイが育っていく話ではあるんですけど、彼が成長していく過程で、周りもちゃんと成長していくんですよね。彼の成長や頑張りを見た周りもまた一歩ずつ大人になっていく、みたいな。長い時を生きてきているんですけど、それでもまだ未来へ進む道が開けていく、という感じがありました。最終的に、すごくかわいいと思っていたシャオヘイが、めちゃめちゃカッコよくなっているという印象はありましたね。それとムゲンが今回、強すぎて面白い!(笑)。
──確かに(笑)。
悠木:私は基本的に、穏やかなお兄さんキャラクターが好きなんです。ムゲンなんて悟っちゃってますし、強さの究極の境地に辿り着いているからこその余裕もあって、めちゃめちゃカッコいいんですけど、最終的に今作のムゲンは面白かったんですよ(笑)。もう最高でした。カッコいいも面白いもできるって良いですよね! ムゲン自身はブレていないんですが。強すぎるって面白いんだなと。
──ルーイエは、ムゲンのことをどう思っていると思いますか?
悠木:ルーイエはあまり自分の思いを口にはしない子なので、これは私が感じた印象でしかないかもしれませんが、ルーイエのこともシャオヘイのことも、本当はムゲンが負わなくてもいい責務じゃないですか。なのにそれをまた、わざわざ負った。だから、弟子としてシャオヘイを連れているのを見たとき、「またこの人、自分からめんどくさいことに首突っ込んじゃったんだろうな、やれやれ」と思ったと思うんです。
そういうところは好きではないけど、その彼に学んでいるところもあるから、理解できなくはないことがまた腹立つ、みたいな(笑)。彼の優しさを認めたら、自分が彼を認めていることを認めてしまう。その主義で私は生きられない、とすることで、防衛していたところがあったけど、シャオヘイが成長し、シャオヘイを認められるようになったことで、ムゲンのことも認められるようになるところがあったのかなぁと思いました。
──それが先程も話していた、シャオヘイによって、ルーイエ自身も成長していくというところですね。
悠木:そうですね。シャオヘイが現れたことで、自分と師匠の関係を俯瞰で見ることができたんでしょうね。

































