『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』リドル・ローズハート：花江夏樹さんインタビュー｜改めて気持ちをリセットして挑んだ収録。アフレコ現場で感じた“成長”とは？

『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』が、毎週水曜日曜にディズニープラスにて独占配信中！

シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」の配信に加え、シーズン2「エピソード オブ サバナクロー」、シーズン3「エピソード オブ オクタヴィネル」の製作が決定しており、ディズニー作品のヴィランズ＜悪役たち＞の魅力にインスパイアされたキャラクターたちが登場します。

そして今回、アニメイトタイムズでは、ハーツラビュル寮の寮長であるリドル・ローズハートを演じる花江夏樹さんにインタビューを実施。

スマートフォン向けゲームのリリースから5年半が経過し、また新たな気持ちでアニメーションの収録に挑んだ花江さん。アフレコ現場ではある“成長”を感じたそうです。

最初の頃に戻すのが大変だった

──スマートフォン向けゲームから始まり、待望のアニメーション化となります。改めて、『ディズニー ツイステッドワンダーランド（以下、ツイステ）』との最初の出会い、リドル・ローズハートに対する第一印象を教えてください。

リドル・ローズハート：花江夏樹さん（以下、花江）：最初は、「ツイステ」という企画があるとキャラクターの資料をいくつかいただいて、

その中で、リドル・ローズハートが1番自分に合いそうだなというイメージがありました。キャラクターデザインもすごく好きで、声の感じも最初は割とかわいらしさみたいなものをイメージしていましたが、演じていくうちに、厳格さがにじみ出ているドスの効いた感じなど、いろんな声を使い分けられるようなキャラクターだなと。演じていく中で、結構変化がありました。

──最初の印象と現在では、演技における意識も変わっているのでしょうか。

花江：そうですね。ストーリーが進んでいくうちに過去の話が出てきては、彼の幼少期にこういうことがあって今の性格に形成されたのかなとだんだんわかってきたので、演じる上での心持ちも変化していったなと感じます。

──ゲームのほうでは初期のストーリーを再びアニメーションで演じることになったと思いますが、ゲームとアニメーションにおける演技の違いは何かありましたか？

花江：ゲームのほうではもうストーリーがどんどん進んでいて、リドルも昔に比べて柔らかくなったと思います。第1章を乗り越えて変わった部分があったので、そこを最初に戻すというところは結構大変でした。

なので、初期の頃のストーリーを聞き直して、“こういう感じだったな”と改めて気持ちをリセットしたところはありましたが、アニメーションだからといって特別なことをしようということはあまり考えていませんでした。

ゲームの収録では自分のペースで尺を決めて録りますが、アニメーションになると決められた尺の中で演じないといけないので「どうなるかな？」と思っていたんですけど、ゲームのテンポ感をちゃんと落とし込んでくださっていたので、あまり違和感なく、同じように演じることができたのですごく助かりましたね。

あと、今回はコミカライズが原案になっているので、ゲームのときにやりたかったけどできなかったこと、こうやれば良かったと思うことをアニメーションで改めてやってみようかなという試みはありました。

──花江さん演じるリドル・ローズハートは、ゲーム内においても序盤で監督生と関わる重要な存在であり、アニメーションでも第1話から強烈なインパクトを残しています。アニメーション化されるにあたり、改めて感じた特徴や魅力を教えてください。

花江：結構、今回は僕が思っていたよりもゲームよりずっと怒っているなと（笑）。こんなに毎回ずっと怒っていたのかな？と改めて思いました。

もちろん、アニメーションの尺に落とし込まなければならなかったり、ストーリーの構成もあったりすると思うんですけど、朝に収録をしていたので、結構大変だなと思いながら収録に行っていたのを覚えています（笑）。

──リドルのユニーク魔法「オフ・ウィズ・ユアヘッド」もすごい迫力ですよね。魔法を使うときに、花江さん自身が意識されていることはあるのでしょうか？

花江：インスパイア元の『ふしぎの国のアリス』を見て、ハートの女王の言い方をかなり意識しました。他にも「うぎぎ!!!」と怒るシーンなど、インスパイア元から来ているであろう部分は全部そうです。ゲームの収録でも、元ネタになっているセリフは毎回参考音声をいただいているので、そういうところは抑揚のつけ方というものを意識しています。

正義と信念、クスッとなる愛らしさが「ツイステ」の魅力

──ゲームのプレイヤー「監督生」たちは、待望のアニメーション化を楽しみにされていると思います。実際に、アニメーション化されることを聞いたときは、いかがでしたか？

花江：記念PVなどでアニメーション化されていて、やっぱり動いているキャラクターを見ると嬉しいですし、もっと見たいという気持ちが自分もあったので、改めてちゃんとアニメーションになると聞いたときは素直に嬉しかったです。

ただ、どの話がアニメーションになるのか、どういう風に進んでいくのかはまだ知らない状態でしたので、もし同じセリフやシーンを演じるとしたら、品質を維持できるのかという不安もありましたね。

──花江さん自身、多くの方が「ツイステ」に魅了され愛し続ける理由は何だと思われますか？

花江：やっぱり、皆さんが好きなディズニーというところがマストですよね。そこをうまく取り込みつつも、ディズニー作品からインスパイアされたオリジナルの展開としてストーリーが進んでいくので、どちらも楽しめる良さがあると思います。

その中でも、ヴィランの魅力にインスパイアされたキャラクターたちというところが良いですよね。子どもの頃はあまり気づかなかったけれど、大人になるとヴィランがすごく魅力的に見えるというか。

それぞれ彼らなりの信念や正義があり、どこか可愛らしい、抜けている部分やクスッと笑える愛おしさも取り込んでいるところが、「ツイステ」の魅力だと感じます。

──大人になってディズニー作品を見ると、また違った視点や新たな発見もあって新鮮ですよね。

花江：結構久しぶりに見ると、忘れていたシーンもあって新鮮でした。「ツイステ」の出演が決まった当時、各寮のインスパイア元となった作品を全部ヴィラン目線で見返しましたが、やっぱり良いなと。みんな可愛らしいですよね。

──先ほど、リドル・ローズハートのユニーク魔法はインスパイア元を意識しているとおっしゃっていましたが、ヴィランをモチーフにしているからこそ際立つ、リドル・ローズハートの魅力はどのような点にあると思いますか？

花江：最初は、厳しすぎるんじゃないか？という暴君なところがありましたけど、やっぱり彼の小さい頃の育てられ方を含めた裏側を知ってしまうと、寂しさと愛おしさが出てきます。年相応の部分も垣間見えるので、そのような部分がやっぱり好きですね。

すごくルールに厳格でそれを守る、というところが寮生や他の人たちから見たら“悪”と捉えられてしまうのかもしれませんが、彼の中では寮や寮生のためであり、伝統を重んじている信念があります。それは母から教えられたものであり、それを失ってしまったときに自分が何かわからなくなるというところがあるんじゃないかな、と。

本人としては、決して意地悪でやっていることではありませんが、それが嫌がられてしまう原因になるというところが、ヴィランの魂を大切にしている彼の捉えられ方なのかなと思いました。

だから、ディズニー作品の物語としては、主人公と敵対する形でヴィランが描かれていますが、蓋を開けてみたら、もしかしたら違うかもしれない。なので、僕も演じるときは、悪意という感じにはならないように気をつけています。