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山口勝平が国内外の“現在進行形の愛”に感動。『キャッ党忍伝てやんでえ』BD-BOX発売記念インタビュー

国内外の“現在進行形の愛”に感動ーーヤッ太郎役の山口勝平さんが『キャッ党忍伝てやんでえ』の過去と現在に思いを馳せる! BD-BOX発売記念インタビュー

アニメ史上初!? キャストの顔写真が使われた47話の裏話

――アニメの印象深い回やエピソードを教えてください。

山口:たくさんありますよ。まず第1話のことはずっと覚えていますし、初めてニャンキーの名乗りをやった時のことも今でも鮮明に残っています。最終回も1年やってきたのにこれで最後かと思うと寂しかったです。その間にもおもしろいお話がたくさんあって、第33話(「ふしぎ?!星から来たお友だち!」)のブンブタ茶釜がヤッ太郎になつく話もそれまでとテイストが違う感じで好きでした。

おミツちゃんとのデートがやっと実現できたのに、その日はプルルンの買い物に付き合う約束があったのを忘れていて、二つをうまく成功させようと両者の間を行ったり来たりした第19話(「Wデートは危険がイッパイ!」)とか、ヤッ太郎たちが働くピザキャットにカラ丸がバイトに来た第22話(「カラスがピザ持って特急便?」)もおもしろかったですね。そのあたりのエピソードが終盤の伏線にもなっていて。

大きな流れの中で第1話からストーリーを追っていくドラマではないので、毎回1話で完結しながら回を重ねていき、第52話と第53話の2本はちょっとまじめな話で締めるという形で。だからインタビューで印象的な回を語り出すと全話それぞれ話せてしまうので、止まらなくなっちゃうのが考えもので(笑)。

あと登場するメカも今ならNGになっていてもおかしくないものもあって、大らかな時代でしたね。第26話「大冒険!ゼッコー鳥をさがせ」に登場したチョモランマ1/2号なんて、声も林原めぐみちゃんがやっているし(笑)。

第30話「アイドル伝説?スカシー出動」にはアカシア3万号なんて登場したし、野球回の第18話「見合って見合って野球で勝負」では、ゲストキャラのポチ・ピューマを古谷 徹さんが演じたり、メカもヨーセー2号でたぶん「養成」の意味だし。とにかくめちゃめちゃでした。

またキャストも豪華でしたよね。鈴置洋孝さん(黒い武将役)や緒方賢一さん(霊界之介役)も出演されていたりして、楽しかった思い出しかありません。

――あかほりさんらしいパロディやメタが詰め込まれていることと、兼ね役をされている方が多いのも『てやんでえ』の特長ですよね。あと今日、オーディオコメンタリーに収録された第47話「出た!にせニャンキー」ではナレーション他を担当されている堀内賢雄さんの顔写真がアニメにはめ込まれていて、すごい画期的でしたね。

山口:今なら絶対にありえないですよね。アレは収録スタジオのロビーで、たぶんインスタントカメラで撮った写真です。撮影のためのメイクさんも入っていないですし、賢雄さんも何で撮影して、何に使われるのかも知らされないままで、スタッフさんから「写真撮っていいですか?」と言われるがまま、「いくつかおもしろい顔をしてください」とオーダーされていて。オンエアを観て「あっ!? ここで使われていたんだ!」とすごく驚いたそうで、僕らもビックリしました。

そういうことも含めて、すべてを笑い飛ばせるような人たちが『てやんでえ』に関わっていたということですよね。賢雄さんも笑っていましたし。みんなが「おもしろければいいや」とか「楽しければいいや」の精神でしたね。

――本日、BD-BOXの特典用オーディオコメンタリーの収録で、スカシー役の小杉 十郎太さん、プルルン役の折笠 愛さん、シリーズ構成のあかほりさとるさん、植田もときプロデューサーがそろいました。感想はいかがでしたか?

山口:オーディオコメンタリーでは一応、僕が進行役を任されていたので、どんな話をしたらいいのかを考えていましたが、収録が始まってしまうとそんなことを考える必要はまったくありませんでした。しゃべり出すとみんな止まらなくて……オーディオコメンタリーとしてどうなのかなと思うほど、作品の話はほとんどしていません(笑)。

でも『てやんでえ』らしいからいいか、みたいな。愛さんも十郎太さんもぽりりんも植田さんもいまだに『てやんでえ』を大切に想ってくれて、大事にしてくれていることが伝わってきたのが嬉しかったです。

――その後にも豪華版用の封入特典のスペシャルブックレットに掲載する対談も行われましたが、待機部屋に漏れ聞こえてきた話は90年代のアニメ業界の様子が垣間見えるような内容でしたね。

山口:そういう話を結構していましたね。90年代のアニメ作りは今とは全然違っていたなということを、当時を思い出しながら話しました。

――聞いていて今が悪いわけではないけど、あの頃は良かったなと懐かしく感じました。

山口:今のほうが洗練されて、完成度も上がったアニメがたくさん作られるようになりました。だけど、当時は当時で粗削りだけど、すごく勢いがあったし、「おもしろくなるなら何でもやろう」みたいなものにあふれていた気がします。

海外での『てやんでえ』の人気ぶりにビックリ! 新作ゲームにも好きゆえのこだわりが!

――最近になって『てやんでえ』が話題に挙がるようになったというお話がありましたが、海外でもゲームが制作されるようになって、2024年に『ジツ・スクワッド×キャッ党忍伝てやんでえ』、2027年には『Samurai Pizza Cats: Blast from the Past!』が発売予定です。

山口:すごいですよね! 『Samurai Pizza Cats: Blast from the Past!』については2~3年前にぽりりんから「今、海外でゲームを作っているらしいよ」という連絡があって、「えっ!? 『てやんでえ』の!? しかも海外で!?」と尋ね返したくらい驚きました。

そこから吹き替えの話をいただいて、去年、オランダからスタッフの方々が来日されてトレーラーの収録をすることになって。沢木さんや賢雄さん、愛さんと久しぶりに収録しました。

あと開発途中の映像を見せてもらったんですけど、『てやんでえ』愛がハンパじゃないんです。放送当時はアナログで画面の比率もデジタルとは違うので、映像の両サイドに黒い帯みたいなものがありましたが、途中でコーン守が黒い帯を両横に押し広げて、画面から黒い帯がなくなって。そこだけ作り直したのかなと思ったら全部描き直したそうで、「えっ!? 当時の絵そのままじゃん!」と驚きました。当時の映像のザラザラした感じもセル画で描いて、撮影はデジタルだけどフィルムっぽい加工をしていて。

放送が始まった少し後から『Samurai Pizza Cats』という名前で、海外で展開していることは知っていましたし、時々、海外のコンベンションにゲストで行くと『てやんでえ』ファンの方もいらっしゃって。世界中に『てやんでえ』を観てもらえているんだなという喜びを感じていました。でもゲーム化が発表されてから続々と海外の方からリアクションやファンアートが入ってきたことで、「こんなに海外でも『てやんでえ』は愛されているんだな」と改めて今、認識しているところです。

あとおもしろいのは『てやんでえ』のフィギュアもたくさん発売されていて、造形が日本とちょっと違うんですよね。もっとメカメカしいし、等身がもっとスラっとしたりして。

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