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山口勝平が国内外の“現在進行形の愛”に感動。『キャッ党忍伝てやんでえ』BD-BOX発売記念インタビュー

国内外の“現在進行形の愛”に感動ーーヤッ太郎役の山口勝平さんが『キャッ党忍伝てやんでえ』の過去と現在に思いを馳せる! BD-BOX発売記念インタビュー

『タイムボカン』、『科学忍者隊ガッチャマン』などアニメの創成期から名作を世に輩出し、現在もアニメシーンを盛り上げるタツノコプロの人気アニメ『キャッ党忍伝てやんでえ』。2025年に35周年を迎えたことを記念して、2026年2月25日に全54話を収録したBD-BOXが発売! 

アニメ制作は『タイムボカンシリーズ』などでSFコメディ作品に定評があるタツノコプロ、シリーズ構成は『爆れつハンター』や『MAZE☆爆熱時空』などの原作や数多くの脚本を手掛けてきたあかほりさとるさん、音楽は『機動戦士ガンダム00』や『Fate/stay night』など様々なアニメや映画の劇伴を手掛けてきた川井憲次さん、といった強力なスタッフ陣。キャストは主人公のヤッ太郎を演じる山口勝平さんをはじめ、山寺宏一さん、高木 渉さんらが結集し、90年代を代表する作品として語り継がれ、愛されてきました

デジタルリマスタリングによって美麗な映像が実現した今回のBD-BOX。豪華版では山口さんとスカシー役の小杉十郎太さん、プルルン役の折笠 愛さん、シリーズ構成のあかほりさとるさん、植田もときプロデューサーによるオーディオコメンタリー、スペシャルブックレットには対談も収録。当時、発売されたドラマCDなど特典も盛りだくさん!

BD-BOX発売を祝して、山口勝平さんにインタビュー! 「てやんでえ、やったろうじゃねえか!」とばかりに35周年を迎えた『てやんでえ』の盛り上がりや好きな放送回、日本だけではなく世界中で愛される理由などたっぷり語っていただきました。

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キャッ党忍伝てやんでえ
動物型ロボット「アニマロイド」が平和に暮らす、天下の城下町エドロポリス。だが、太平の世を脅かす、悪のカラス忍者軍団の行動隊長・カラ丸率いるカラカラ一族が活動を開始した。その動きを察知した大目付の犬山ワンコー守は、ヤッ太郎、スカシー、プルルンたち正義のネコ忍者チーム秘密忍者隊ニャンキーに出動命令を下す。彼らは普段ピザ屋の店員として働いているが、ひとたび事件が起きると町の平和のため悪に立ち向かうのだ。だが、エドロポリスを眼下に望むメカEDO城内には、陰謀を巡らす黒幕が潜んでいた。幕府転覆を狙う老中・狐塚コーン守と、その配下であるカラカラ一族の頭領・カラス幻ナリ斎である。様々な作戦や巨大メカを操り街中を混乱に陥れようと企てるコーン守とカラカラ一族に対し、ヤッ太郎たちニャンキーはエドロポリスを守るために今日も戦いを挑むのだった。作品名キャッ党忍伝てやんでえ放送形態TVアニメスケジュール1990年2月1日(木)~1991年2月12日(火)テレビ東京系列ほか話数全54話キャストヤッ太郎:山口勝平プルルン:折笠愛スカシー:小杉十郎太ワンコー守:塩屋浩三おタマ:こおろぎさとみおミツ:水谷優子カラ丸:山寺宏一コーン守:沢木郁也幻ナリ斎:龍田直...

35周年を迎えても今もなお色褪せない『てやんでえ』

――TVシリーズ放送から35周年を迎えた感想をお聞かせください。

ヤッ太郎(ニャンキー1号)役・山口勝平さん(以下、山口):『キャッ党忍伝てやんでえ』は、僕にとってはデビューして2本目となるメインの役をいただけた作品で、演じたヤッ太郎は声優としてのルーツやベースを作ってくれたキャラクターの1人です。『てやんでえ』が今年35周年を迎えたと知った時は、「もう35周年になるのか?」とあっという間な感覚で、僕の中では今もまったく色褪せてはいません。

最近、「『てやんでえ』が好きです」という声をたくさん聞くことが多いし、今またグッズ展開していただいたりして、それはとても嬉しいことです。

――最近、過去のタツノコプロの作品がクローズアップされることも増えて、ヒストリーを振り返っていくとこの作品を知った方も多いと思います。

山口:僕が幼い頃のアニメといえば『科学忍者隊ガッチャマン』や『タイムボカンシリーズ』などタツノコプロのアニメをたくさん観ていたし、印象深い作品も多い気がします。

あと、2022年にタツノコプロが60周年を迎えた時の記念ビジュアルにニャンキー1号もいたのがとても嬉しかったです。タツノコプロのアニメは子供の頃に夢中で観ていたので、タツノコプロを代表するキャラクターのラインナップの中に自分が演じたキャラクターがいるのは光栄でした。そして「自分が観ていたアニメを作っていた会社の作品に、どうして自分が声をあてているんだろう」と不思議な感覚になったし、子供の頃の自分に教えてあげてもたぶん信じられないでしょうね。

――『てやんでえ』は『タイムボカンシリーズ』のようなテンポの良いコミカルさもあれば、戦うシーンは『ガッチャマン』のようにカッコよくて、タツノコらしさがミックスされた作品だなと思いました。

山口:僕はただのギャグアニメだった気がしますけど(笑)。まじめなお話は最終回の第53話くらいかな(第54話は総集編)。とにかく勢いがある作品でしたね。収録も細かく録っていくというよりは、大きな流れの中でキャストのみんなの勢いがあるところで「えい!」ってやって「OK!」みたいな。収録後にいつもスタッフさんも一緒にお酒を飲みに行っていて、いろいろな話をしていたものが作品に反映されたりもしていました。

とにかくおもしろい作品を作ろうという気持ちがキャスト・スタッフの共通認識としてあったので、みんなで全力で1年を走り抜けたなという印象があります。

――シリーズ構成のあかほりさとるさんはアニメやゲームの原作を手掛けたり、小説を執筆されているレジェンド的な作家の一人ですが、『てやんでえ』の頃は特に脂がのって、すごいエネルギッシュだった気がします。

山口:これから本格的に第一線で活躍する直前に手掛けたこの作品がヒットして、そこからどんどん世に名前が広く知られるようになったわけですが、当時の僕とぽりりん(あかほりさんの愛称)は現場で一番の若手でした。収録後に行く居酒屋さんを一緒に探しに行ったり、雑用的なことをやることも多くて。メインの構成作家と主役が一番下っ端で走り回っているという(笑)。それすら楽しかった現場でした。

今後の自分の方向性を決めた作品で、「この作品とキャラクターに出会えてよかった」

――ヤッ太郎のキャラクターを最初に構築する時に意識したことや大切にしたことを教えてください。

山口:ヤッ太郎役に決まったのはオーディションでした。男性の役者さんは複数のキャラクターをほとんどの方が受けていましたが、僕が受けたのはヤッ太郎だけです。自分自身も時代劇が好きだったので、ヤッ太郎のキャラ絵を見た瞬間に「やりたいな」と強く思ったことを覚えています。

35周年を迎えてからヤッ太郎や『てやんでえ』と再会する機会が増えましたが、時が経てば経つほど、「この作品とキャラクターに出会えてよかった」という想いがどんどん強くなっています。

放送当時、僕はまだデビューして2年経ったくらいだったので、「こんなふうに演じよう」とか作為的なことは一切なく、とにかく一生懸命やるだけでした。今改めて見返してみると、サブタイトルの読み方から全力で、声もあちこち裏返ったりしているけど、「それがむしろいい。ヤッ太郎はそれでよかったんだ」という気持ちになりました。

ヤッ太郎は動物キャラであり、メカであり、サイズ感も三等身くらいで、物語の世界観も時代劇だったので、『必殺仕事人』が好きな僕にピッタリで、自分の癖や好みが詰まっていました。いろいろな取材で今まで演じてきた中で好きなキャラクターを尋ねられる機会が多いんですけど、最初にポンと浮かんでくるのはヤッ太郎なんですよね。

――ヤッ太郎として演者に求められる部分のほとんどを山口さんが持ち合わせていたことでこの出会いは必然、運命だったんでしょうね。

山口:そうであったら嬉しいですね。僕自身もヤッ太郎を演じたことで引き出してもらったものもたくさんあると思います。『てやんでえ』以降はヤッ太郎のような役を演じることが増えたというか、僕のお芝居の方向性の1つが決まっていった気がするし、自分にも向いていたんだろうなとも思っています。

――アニメのキャスト取材をするとよく「みんなで作っています」という発言を耳にしますが、『てやんでえ』はまさにそんな作品だったことが今までのお話、アニメの画面からも感じられました。

山口:初めて主役を演じた『らんま1/2』は女性キャラクターが多く、収録が始まる時間も遅かったこともあり、収録後にみんなでご飯を食べに行くことがなかなかできなかったんです。『てやんでえ』は対照的に、女性陣も(プルルン役の折笠)愛さんや(おミツ役の)水谷優子さんなどいらっしゃったものの、ほとんどが男性声優という環境で。だから『てやんでえ』の現場では作品や先輩方にもまれまくって、飲みの場でも男同士ならではのいろいろな話をしていただきました。

アドリブをするのは怖いなと思っていたけど、やり始めたのもこの作品からですね。当時、やっていいのか、悪いのか迷っていたんですけど、コーン守さま役の沢木郁也さんや幻ナリ斎役の龍田直樹さんが作品を盛り上げていくために、あの手この手で品を変えながらおもしろくしようとやられている姿を見て、「迷うくらいだったらまずやってみて、怒られたらその時だな」と思えるようになりました。

――小杉十郎太さん(スカシー役)や山寺宏一さん(カラ丸役)、子安武人さん(ネッキー役)、島本須美さん(ウサ局役)などそうそうたる声優陣がそろっていたので、何とかしてくれるでしょうし。

山口:どんなアドリブをしても先輩方が上手に拾ってくれて、おもしろく返してくれるので。もまれながらものびのびとやらせてもらいました。

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