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TVアニメ『花ざかりの君たちへ』を彩る声優陣が語る作品の魅力【インタビュー】

とてもポジティブなエネルギーにあふれた作品――冬アニメ『花ざかりの君たちへ』山根綺さん(芦屋瑞稀役)×八代拓さん(佐野泉役)×戸谷菊之介さん(中津秀一役)×梅原裕一郎さん(難波南役)が語る作品の魅力【インタビュー】

中条比紗也先生による名作漫画『花ざかりの君たちへ』が、連載終了から20年を経て待望のTVアニメ化、2026年1月4日(日)より放送中。

憧れの人・佐野泉に会うために、性別を偽って男子校へアメリカから転入した少女・芦屋瑞稀を取り巻く物語は、当時を知るファンはもちろん、初めて本作に触れる世代の心にも新鮮に響いていく。

本作で主人公・芦屋瑞稀を演じる山根綺さん、瑞稀の憧れの存在である佐野泉役の八代拓さん、ムードメーカー的存在の中津秀一役の戸谷菊之介さん、そして穏やかな眼差しで周囲を見守る難波南役の梅原裕一郎さんに役への思い、掛け合いの手応えなどを中心に話を聞いた。

 

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花ざかりの君たちへ
作品名花ざかりの君たちへ放送形態TVアニメスケジュール2026年1月4日(日)~TOKYOMX・BS11ほかキャスト芦屋瑞稀:山根綺佐野泉:八代拓中津秀一:戸谷菊之介難波南:梅原裕一郎梅田北斗:福山潤中央千里:川島零士萱島大樹:内山昂輝関目京悟:駒田航野江伸二:古屋亜南日本橋渉:西山宏太朗神楽坂真言:日野聡ジュリア・マックスウェル:夏吉ゆうこ天王寺恵:水中雅章九条威月:榎木淳弥姫島正夫:子安武人スタッフ原作:中条比紗也『花ざかりの君たちへ』(白泉社・花とゆめコミックス)監督:竹村菜月監督補佐:うえだしげるシリーズ構成:吉岡たかをキャラクターデザイン:蘇詩宜プロップデザイン:原由知色彩設計:伴夏代CG監督:西牟田祐禎美術監督:市倉敬撮影監督:魚山真志編集:柴田香澄音楽:横山克音響監督:明田川仁アニメーション制作:シグナル・エムディ(ProductionI.G)主題歌OP:「アドレナ」YOASOBIED:「BABY」YOASOBI公開開始年&季節2026冬アニメ電子書籍『愛蔵版 花ざかりの君たちへ』電子書籍(コミック)(C)中条比紗也・白泉社/「花ざかりの君たちへ」アニメ製作委員会『花ざかりの君たちへ』公式サイト『花ざかりの君たちへ』公式X(Twitter) 「花ざかりの君た...

 

「青春っていいな」改めて気づいた感情の機微

──『花ざかりの君たちへ』という作品について、皆さんはどのような印象を持たれていましたか?

芦屋瑞稀役・山根綺さん(以下、山根):私が最初にこの作品に触れたのは、2007年のドラマ版『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』でした。当時ちょうどリアルタイムで観ていて、クラスでもすごく話題になっていたんです。この作品を観ていないと会話についていけないくらい、本当にみんなが観ている作品でしたね。それから原作漫画も読むようになったんですが、最初はぶっ飛んだ設定だなという印象で(笑)。でも今回、オーディションのお話をいただいて改めて原作を読み返してみたら、当時は気づけなかった感情の機微といいますか。嫉妬や心の高まりなど、心の揺れ動きがこんなにも細かく丁寧に描かれていたんだということに気づいて。「恋っていいな」「青春っていいな」と、改めて感じました。

佐野泉役・八代拓さん(以下、八代):僕も学生の頃から漫画もドラマも有名でしたし、当たり前のように、みんなの共通ワードのように存在する作品でした。その偉大な作品がこの時代にテレビアニメ化されると聞き、純粋にワクワクしましたね。今この時代に改めてこの作品を描くというのは、すごく意味があるなとも思いました。というのも、『花ざかりの君たちへ』が扱っているテーマって、今だからこそより自然に受け取れる部分も多い気がして。そういう意味でも、このタイミングでアニメになること自体がすごく素敵だなと感じました。

実際に自分が佐野泉を演じることになったときは、正直なところ夢のようで。もちろん「受かりたい」という気持ちはありましたけど、まさか自分が、という思いもあって。改めて原作を読み返していく中で、青春のまぶしさだけじゃなくて、登場人物それぞれの心の揺れや成長が丁寧に描かれているなと感じましたし、そのポジティブなエネルギーをちゃんと届けられる作品にしたいなと思いました。

中津秀一役・戸谷菊之介さん(以下、戸谷):僕も当時ドラマ版を観ていて、すごく印象に残っていました。瑞稀が男装して男子校に入るっていう設定自体がインパクトありますし、「頑張れ!」と自然と応援したくなる感じがあって。オーディションのお話をいただいたときは、「え、アニメ化してなかったんだ!」という驚きがまずありましたね。ぜひ中津役に受かりたい!とは思ったのですが、関西弁なんですよね。

自分は関西出身ではないので、テープオーディションのときも自分なりの関西弁で挑んで。もちろんお芝居はしっかりやったつもりでしたが「受かりました」という連絡をいただいたときに「関西弁、大丈夫だったの!?」と(笑)。でも、おかげで気合いも入ったのでありがたいなとも思ったのですが、関西弁に対する不安は第1話のアフレコまでずっと続いていました。

難波南役・梅原裕一郎さん(以下、梅原):僕もドラマ版はリアルタイムで観ていた世代なので、作品の存在自体はずっと知っていました。オーディションのお話をいただいたときも、マネージャーと「どのくらいの年代のキャストになるんだろうね」と。

(年齢感を)合わせたほうが統一感は出るから若い方々が中心になるのかもしれないし、もしかしたら上の年代の方になるかもしれないね、などと話をしていたら、結果的に同世代の方……若い方もいるので同世代と一言で言っていいのか分からないですが、30歳前後の方々が集まっていて。そこに関われたことに、嬉しいなという気持ちがありました。僕としてはオーディションでは何役か受けさせていただいていて、(難波は)そのうちのひとりでした。最終的にこの役に決まったと聞いたときは、まだ座組も知らない状態だったので、どんな方々と掛け合いができるのか楽しみな気持ちがありました。

──皆さんが演じられているキャラクターについての紹介もお願いします。まず瑞稀を演じられる山根さんから。

山根:大人になると、言うか言わないか、やるかやらないかなど、いろいろと考えすぎて、石橋を叩きたくなる瞬間が増えると思うんです。でも瑞稀は、そういう迷いや不安が“一旦”ない子なんです。とりあえずやってみる。ダメだったらその時に考えようという、いわゆる“石橋を叩いて渡る”じゃなくて、まず渡ってみるところからスタートするタイプ。もし橋が壊れたら、そのときに考えればいいっていうスタンスなんです。何か起きたときも全部をポジティブに捉えられる女の子で。

そこは自分とは全然違っていて、瑞稀みたいに生きるのってなかなか難しいと思うんですけど、彼女はそれを全力で生きている。「今この瞬間、自分がどうしたいか」「何をしたいか」にフォーカスしていて、そこがすごく尊敬できるポイントですね。あと、彼女の前向きな行動力のエネルギーが周りの人に伝わって、周りの気持ちや行動まで変えていくところも、すごく素敵だなと思っています。すごくパワーとエネルギーのある子だなって。

──山根さんのお声にもパワーがありますものね。では八代さんはどうでしょうか。

八代:佐野泉の印象は……最初はすごくクールで冷静なキャラクターなのかな、と思っていたんですけど、読めば読むほど印象が変わっていって。思ったことを口にする欲求があまりないだけで、実はものすごくいろんなことを考えているんですよね。周りの人のことも見ているし、人間関係もちゃんと見ている。だから僕の中では「すごく優しい子だな」という印象があります。無愛想に見える瞬間があるかもしれないけど、ふと出てくる言葉とか、手を差し伸べる瞬間とか、ここぞというときに場に入っていけるところとか……そういうことができるのって、やっぱり優しさを持っているからなんだろうなと思っています。ちゃんと人に矢印を向けられる人なんだろうなと。

──子どもっぽい一面も含めて深みのあるキャラクターですよね。

八代:そうですね。特に恋愛に関しては不器用だったりもしますし、そこは可愛いなと思うところでもあります。作品を見ていると感覚が麻痺してきますけど、やっぱりまだ10代なので、実際まだまだ子どもなんですよね。リアリティのある、子どもっぽさを持った魅力ある男の子だと思っています。

──では中津について、戸谷さんご自身はどんなところが魅力だと思いますか?

戸谷:めちゃくちゃ明るい人間ですよね。なんでこんなに明るいんだろう?って考えたときに、最近は「感情がすごく素直に表に出るタイプなんだな」と思うようになりました。文句もすごい言うし、その反面、瑞稀に言葉をかけるときは優しいところもあったりして。思ったことが全部口に出るタイプなんですよね。だからこそ、第1話で瑞稀に突っかかったりもするし、そういう“まっすぐさ”がある。嘘がないというか、すごく誠実な人間だなと思っています。

──人間くささがあるところも魅力的ですよね。一方、ちょっとミステリアスなところもある難波ですが……。

梅原:難波は言動も見た目もキザなので……なんていうんでしょうね。最初はいけ好かない人物と思う人もいるかもしれないんですけど、実際はノリが良かったり、楽しいことが好きだったりするんですよね。男子校という特殊な空間の中で、あれだけのカリスマ性があるのは頷けるというか、頼れるお兄さん的な存在なので。最初の印象よりは全然クセがなく、「本当にいい人なんだろうな」というところが、見ていくうちに徐々に分かってくるんじゃないかなと思います。

 

現場のチーム感を引っ張っていたのは山根さん

──キャストの皆さん同士の関係性についてもお聞きできればと思います。先ほど、梅原さんが「座組を知ったときの印象」についてお話しされていましたが、実際にそのメンバーがそろったとき、どんな印象でしたか?

梅原:八代くんとはもともと共演も多く、戸谷くんとも以前ご一緒したことがあって。山根さんとは今回が初めてがっつりご一緒する形だったんですけど、そこも含めてすごく楽しみでした。気心が知れている人たちが多くて、「これは楽しく収録が進むんじゃないかな」という期待がありました。

──山根さんはいかがでしょう?

山根:すごく安心感のあるメンバーだったので、私はもう「皆さんについていこう」という気持ちでしたね。ただ、第1話は緊張していたこともあって、たくさん準備をしていったのですが、すぐに「あ、これは一人で頑張るものじゃないな」と思ったんです。皆さんが瑞稀の気持ちを引き出してくれる、そんな感覚がありました。今は「こう演じなきゃ」と固めすぎず、あえて練習もしすぎず、現場で感じたことを大事にしようと思っています。ただひたすら、キャストの皆さんに感謝ですね。

──山根さんの言葉を聞きながら、戸谷さんから「そんなことないですよ」という言葉が出ていました。

戸谷:むしろ山根さんが引っ張ってくれる現場だなと。

山根:えっ!

戸谷:瑞稀の気持ちが強く出るシーンで、山根さんの背中を見て「うわ、すごいな」って思うことが多くて。なんか自然と「自分も頑張らなきゃな」と思わされるんですよね。そういうチーム感を引っ張っていたのは山根さんだったように思います。

山根:泣けますね……(笑)

戸谷:泣ける!?(笑)

八代:僕もそういうイメージでしたね。佐野としては、瑞稀ってやっぱり特別な存在なんですよね。物語が進むにつれて、どうしても目で追ってしまう存在になっていくというか。そういう意味では、山根さんにも、瑞稀にも引っ張られています。座組的に言うと、セリフの物量もあるんでしょうけど、瑞稀、そして中津のふたりが引っ張っていってくれる印象です。そこに対して、梅原さん、福山潤さん(梅田北斗役)たちがパシっと支えてくれる。そのバランスがすごく良いなと感じています。ご本人たちのパーソナルも含めて、なんて素敵なんだろうなって。

山根:現段階ではまだ言えないのですが、今後、すごい演者さんたちがどんどん登場します。そこもぜひ楽しみにしていてほしいです。

──ではお互いのお芝居をご覧になったり、実際に掛け合いをされる中で感じた、それぞれの魅力について教えてください。

戸谷:2話のラストですね。瑞稀が「だから私はここをやめません」と(梅田北斗に対して)宣言する場面が良いなと思いました。

──2話では物語も大きく動きますよね。

戸谷:そうですね。中津が瑞稀のことを好きになってしまうのも2話ですし。

八代:確かに! 

山根:あと、瑞稀と佐野がふたりきりになるシーンが結構多いんですよ。そのとき、佐野がセリフを言い終わっても、八代さんがマイク前からすぐに離れずに隣に立っていてくれるんです。本当は、もう自分の出番が終わったらはけてもいいのに、瑞稀が最後の言葉を言い終わるまで、ずっとその場にいてくれて。

八代:それに気づいてくれていたことが嬉しいです。

山根:確かに場面的に、そこで相手がいなくなってしまうと、役者的には一瞬雑念が生まれてしまうんですよね。それを八代さんが分かった上で、その場に残ってくださっているんだろうなって。それに気づいてから「今度から私もやろう!」と思って。佐野が喋るシーンでは、私もはけないでマイク前にいるようにしています。映像作品や舞台のように向かい合って同じ空間に立って芝居をするわけではありませんが、声優の現場にも、言葉以外で通じ合うコミュニケーションが確かにあるんだなと思いました。他の役者のこと、周りの人のことをすごく考えてくださっているんだなと。それが、人のことをよく見ている佐野にピッタリだなって。

──いいお話です。

八代:いや……

戸谷:ガチ照れしている(笑)。

八代:いや、本当にありがたいですね。逆に言うと、僕もそういう空気を感じながら演じられているので、すごく助けられています。自分が逆(瑞稀役)だったら、「喋っているときに、相手役がいなくなってたら嫌だな」って。

山根:本当に、すごく感謝しています。はけることが決して悪いわけではなくて、喋らない場面なのでむしろ(はけるのも)全然ありなんですけど、自分がそういった気遣いを受け取ったことが初めてで。これまで気づいていなかっただけかもしれないんですけど、「お芝居ってこういうことだよな」って。

──すばらしいことですよね。梅原さんは掛け合いについてはいかがでしたか。

梅原:慣れている方が多かったので、僕自身もとてもやりやすかったです。テストでうまくいかなかったときも、その場で言葉を交わさなくても、本番では「ここだ」というところでバシッと噛み合う感覚があって。さきほどのふたりの話もそうですけども、阿吽の呼吸というか。そういうところでの掛け合いができる方が多いんじゃないかなと、個人的には思いましたね。なにより、ギャグからドキドキするシーンまでと幅が広い物語なので、収録中は皆さん楽しそうですね。

──お芝居の幅が広いからこそ、和気あいあいとされている現場といいますか。

戸谷:学校が舞台の物語なので、生徒役、部員役等、いろいろな役の方がいらっしゃって、皆さん楽しそうにやってくださっているのがすごくうれしくって。そういう空気感を読み取ってくださっているんでしょうし、この空気感は間違っていないんだろうなと。それはスタッフさんも含めて、いろいろな方がつくってくださっている空気感ですけども。それも含めていいなと思っています。

 

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