
「今の私にしか歌えない気持ち」から花開く「寄り添いのアーティスト」──「色とりどりの花を咲かせて大きな花畑を作りたい」春咲 暖さん1st Single「リミナル」インタビュー
穏やかな声の中に揺らぎと覚悟を宿す声優・春咲 暖さん。自身の誕生日でもある2月13日にアーティストデビュー。また1st Single「リミナル」がリリースとなります。
アニメイトタイムズでは1st Singleのリリースを控えた春咲さんにインタビューを実施。アーティストデビューに至るまでの想いと、収録楽曲に込めた想いなどについてお伺いしました。
不器用な自分も感じるギャップも、ひとつずつ抱きしめながら咲かせていく音楽。弱さや迷いを否定せず、誰かの隣に座るように音楽を差し出す春咲さんが描き出す理想のアーティスト像と、小さな一輪から花畑へと向かう最初の一歩に迫ります。
「誠心誠意、ありったけの愛を込めて作った一枚」
──アーティストデビューが決まった際の気持ちをお聞かせください。
春咲 暖さん(以下、春咲):スタッフさんから伝えていただいたのですが、結構あっさりしていました。「アーティストデビューします!」ではなく、スッと資料を出されて「デビューです」と言われたので「えっ……?」と(笑)。その後もツッコミの間もなく説明が始まったので、最初は実感が湧きませんでした。
──元々「アーティストとして活動したい」という気持ちもあったのでしょうか。
春咲:実は「アーティストになりたい」という気持ちが先だったんです。アニソンシンガーになりたくて、事務所のオーディションを受けさせていただきました。所属が決まったあと、声優もやってみないかというお話をいただいたんです。なのでついに夢が叶ったなと。
最初は自分の声質に自信がなく、声優になれないありふれた声だと思っていたんです。その中で声優のお仕事に挑戦させていただき、その活動を経てアーティストとしてのスタートラインにたどり着くことができたので嬉しいなという気持ちでいっぱいです。
──アーティストデビューについて、ご家族、ご友人、ファンの方の反応はいかがでしたか?
春咲:喜んでくれて、たくさんの「おめでとう!」という言葉をいただきました。(デビューが決まってから)私自身ぼんやりと「アーティストデビュー」を考えていたのですが、私以上に周りの方々が喜んでくれて実感が湧いてきて。いつも応援してくださる身近な人たちがこんなに喜んでくれて「デビューするんだ……!」と思えたので、さらに頑張ろうという気持ちになりました。
──1st Single「リミナル」リリースを控えた現在の心境をお聞かせください。
春咲:新曲のダンスのフリ入れやグッズの相談をしている際に「もう少しでみなさんにお届けできる!」とじわじわと感じていて……やはり不安です(笑)。大丈夫かなって。
受け入れてもらえるかなという緊張もありつつ、誠心誠意、ありったけの愛を込めて作った一枚なので、みなさんに楽しんでいただけたらと思っています。
──楽曲制作やレコーディングはいかがでしたか?
春咲:せっかくのソロアーティストデビュー、しかも最初のシングルなので、自分のやりたい表現を伝えたいと考えていました。「このフレーズはこういう気持ちで歌いたい」「こんな声色で歌ったら楽曲内で差が付くかも」と、積極的に自分の意見を出しながら挑戦させていただきました。
ありがたいことにレコーディングの機会が増えたこともあり、経験値も上がっていたタイミングだったので、作曲の重永亮介さんや制作スタッフの方々から(表現について)ご提案をいただいたときも「やってみます!」と応えることができて。自分の可能性も探りながらの収録になったと思います。
私は諦めが早いタチなのですが、今回は「自分を諦めない」をテーマにしています。例えば「キーが高くて、声が出るかな……」と思うようなフレーズも「いや、出る!」「なんならさらに上の音域もイケる!」と、自分の枠を超える意識を持って、自分を信じて頑張りました!
──「トコトンやってやる」「自分を諦めない」という気持ちで物事に向き合うことは、非常に大変な瞬間もあるかと思います。そんな瞬間に、春咲さんを支えるものとは何なのでしょうか。
春咲:猪突猛進タイプではなく、すぐに弱気になってしまうタイプではあるのですが、心の底では「でもやれたらカッコよくない?」と言ってくる自分もいて。自分の可能性を示唆する自分の声に耳を傾けて、一旦やってみることを大事にしています。そうして何度か挑戦していると「できそうかも!」というトビラに隙間が開くんですよね。「あっ! ちょっと光が見えた!」「イケるかも!」と(笑)。
一発で成功するタイプではないので何度も何度もチャレンジしているうちに気がついたのですが、私は練習が好きなんです。
──練習が好き。
春咲:「諦めが早い」ということは、挑戦の試行回数が少ないということだと思うんです。その回数を増やしていく中で、打率も上がってきた気がしていて。それを繰り返していくと「昨日は20%しかできていなかったのに今日は25%できた」「成長しているかも!」と思えてくるんですよね。そのサイクルに気がつくのは遅かったし、成長曲線も緩やかかもしれないけれど、成長を感じることが楽しいなと。その楽しさを信じて頑張っています。
──そんな「アーティスト・春咲 暖」のコンセプトはどのように形作られていったのでしょうか。
春咲:私はよく「なんでもできちゃう子」と思われがちなのですが、実はそう見せるのが上手いだけで、どちらかといえば不器用なんです。ファンのみなさんが見ている春咲と、私自身が見ている春咲のギャップに悩むことも多くて。
完璧主義なことも相まって、パフォーマンスをするときはクオリティの高いものを見せたい、不出来なものを見せたくないという気持ちが強いんです。でも本当は強がっているだけで「葛藤して生まれたものをお見せしている」ということを表現したかった。自分のソロ曲では、不器用な私のことも見てほしいと思っていて。そんな楽曲を大好きな重永サウンドで表現できたらという想いの元に生まれたのが「リミナル」です。
重永さんの楽曲が好きだったので、いずれは重永さんに制作をお願いできたらと思っていて。今回はダメ元で依頼をしたのですが叶ってしまいました。なんでも言ってみるものですね(笑)。
──春咲さんの音楽のルーツはどこにあるのですか?
春咲:父親がアニメ好きで、その影響で少年漫画系のアニメを見ることが多かったんです。その主題歌を聴いて育っているので、疾走感あるノリノリな曲がひとつのルーツになっています。SPYAIRさん、BLUE ENCOUNTさん、FLOWさんなどですね。邦ロックが流れるとテンションが上がるような身体になっています(笑)。
また、AKB48さんや乃木坂46さんなどの女性アイドルが好きなので、キラキラしていて元気のもらえる楽曲たちを聴いていました。
──印象的なビジュアルコンセプトについてはいかがですか?
ビジュアルに関しては、悩んでいるときにスタッフさんから「黒やモード系の世界観にしたほうが『リミナル』を表現する上で印象的になるかも」というご意見をいただきました。ビジュアルの後ろにお花が咲いているのは、春咲の「咲」から着想を得ているのですが、ソロ活動をしていく上で「花」をモチーフにしたいと思っていて。春咲 暖といえば花、と印象付けられたらと思いつつ、自分の好きなものを取り入れたオリジナルを模索していった結果がビジュアルコンセプトに繋がっています。
































