
痛い思いをしても踏み出して前に進んできた子たち。各々のドラマに勇気がもらえる──『メダリスト』リレーインタビュー第5回:夜鷹純役・内田雄馬さん
2026年1月から放送中のTVアニメ『メダリスト』第2期。先日、放送された第18話(score18)までは、全日本ノービス選手権の中部ブロック大会がついに決着。
本格的にフィギュアスケートを始めてから2年目で、初めて女子ノービスAの強豪選手たちと競いあった結束いのりが、挑戦的な構成のプログラムで会心のノーミス演技を披露して優勝。憧れの存在でありライバルでもある狼嵜光が待つ全日本選手権への出場権も獲得しました。そして、司が鴗鳥慎一郎・夜鷹純と共に夜のスケートリンクで一緒に滑り、再び夜鷹と対峙します。
アニメイトタイムズのリレーインタビュー第5回は、五輪金メダリストの元選手で、現在は光のコーチを務める夜鷹純役の内田雄馬さんが登場。出場した全大会で金メダリストとなった元天才選手で、まだまだ謎が多い存在の夜鷹に対する思いや、放送された第18話の見どころなどを語っていただきました。
夜鷹は、思っていることをただ素直に言う人
──夜鷹純は、非常に個性的なキャラクターだと思うのですが、第1期から演じてきた中で、内田さんの夜鷹に対する印象は変化していきましたか?
夜鷹純役・内田雄馬さん(以下、内田):彼は外に見せている印象と、内側に大きな差が無いというか、思想に嘘がない人なので。僕の中での夜鷹に対する見え方も、特に大きな変化はなかったと思っています。
──夜鷹は、驚異的な成績を残した元フィギュアスケート選手で、『メダリスト』の世界ではかなりの有名人です。人物像には謎も多いと思いますが、そのような人物を演じる上で、内田さんにとって特に大きな手がかりになったのは、夜鷹のどのような一面でしたか?
内田:これまでに演じたシーンを観て頂いても分かる通り、言葉数はあまり多くないですし、難しそうな人に見えるとは思うんです。でも、今、お話ししたように、僕の中では、彼自身に裏というものは、そんなにないんじゃないかという印象があって。思っていることをただ素直に言う人というか。
たぶん、(周囲への)気遣いとか、空気を読むみたいなことの必要性を感じていないから、思っていることをはっきり言っているだけ。そういう人だと思ったので、キャラクター像に関しては、それほど悩み過ぎず作っていけたかなと思います。もしこれを表面的にやって少し怪しげに作ってしまったりすると、人が変わってしまう。だから、どこが特に大事なポイントになったかというと、彼にはすごく素直な部分があるところだと思いました。
──たしかに、言われてみれば、思ったことをストレートに言っているだけな気がしてきました。
内田:実際に作品として、どうアプローチしていくのかは、最初にしゃべり出すまではあれこれ考えたりして、けっこうドキドキして作っていくものなんです(笑)。でも、(第5話の)現場で、先に(明浦路)司と(結束)いのりの掛け合いを見ることができて。それが、すごく良いテンポ感で、2人の気持ちが重なって相乗効果みたいにどんどん上がっていくような会話だったんです。
個人的には、とても素敵だと感じたのですが、だからこそ夜鷹は真逆に行こうと思って。2人が作っている良いテンポ感を崩すような真逆のアプローチで夜鷹を作っていきました。声の大きさも相手とはあまり合わせないし、言葉を立てたり、意味を込め過ぎたりもしない。本当にさらっと言っているのですが、その内容は芯を食っている。そういう聞こえ方をしたら良いなと思って、そこから作っていった感じでしたね。
──夜鷹がいのりと司に言ったセリフは、まさに直球で2人に現実を突きつけるような重みのある言葉でした。
内田:あの世界におけるオリンピック金メダリストのすごさって、それこそ、いのりたちがたくさん伝えてくれているので、観ている方も分かっていると思うんです。当然いのりたちも分かっている。なので、その凄さや言葉の重さを演技で伝えようとしてしまうと、逆に夜鷹がすごく小さい存在になってしまう。だからこそ、夜鷹の一番素直で自然な感じをちゃんと捉えて、さらっとやるようにしたいと思いました。
──たしかに、いのりや司にとっては、オリンピック金メダリストの夜鷹純は、その存在自体がとんでもなく格上なので、内田さんが、それを芝居で表現すると、逆に嘘っぽくというか、虚勢を張っているように見えてしまうわけですね。
内田:伝えようとしすぎる演技はよくない可能性が高いです。それに雲の上の存在と分かっている時点で、夜鷹が望まなくても、その言葉には重みが生まれてしまうので。ただ、彼はそういうことは全然考えていなくて、素直に思っている現実的なことを言っているだけの気がしますけどね。
──第1期の夜鷹のセリフや出演シーンの中で、今振り返っても特に印象深いものを教えてください。
内田:(第10話に)夜鷹と光が第1期で唯一、掛け合ったシーンがあって。「見た?」「はい」「覚えて」「はい」というたった二言しか掛け合ってないんですけど、夜鷹のことを信頼している光の覚悟が伝わるし、同時に緊張感も伝わってくる。この二言だけで、2人の関係値が見えてくるんですよね。そういう風に夜鷹が考えていたかは分かりませんが、光にはこの練習にかける思いも緊張感もあったと思います。
怖いものに支配されているような関係ではなくて、覚悟を決めた上で、言葉は少ない中、お互いのことを理解している2人ということが見えてくるシーンだと思っていて。本当に少ないセリフですが、こういうセリフこそ丁寧にやらなくてはダメなんですよね。だから、収録の時はすごく楽しかったです。たった二言のセリフだからこそ、伝わらないといけない。ただ、伝えてしまうとダメなんです。
──「伝わる」ことと「伝える」ことの繊細な違いをしっかり意識して、表現する必要があったのですね。
内田:そういうお芝居を作らなきゃいけないので、このセリフはすごく難しかったですが、光がしっかり受け取ってくれたおかげで非常に良いシーンになっていると、僕としては思っています。













































