音楽
“かつてない西川貴教”とはなにか『炎炎ノ消防隊』第3期 主題歌インタビュー

次はあなたがヒーローになる番――『炎炎ノ消防隊 参ノ章』主題歌「Ignis -イグニス-」に込めた想いを西川貴教さんに聞く

西川貴教さんが8枚目のシングル「Ignis -イグニス-」をリリースする。表題曲は、2026年1月クールTVアニメ『炎炎ノ消防隊 参ノ章』第2クールオープニングテーマとして書き下ろされたロックナンバー。絶望からの再生と、その先にある救いを“炎”のモチーフで描き出した、”かつてない西川貴教”を提示するロックナンバー。『炎炎ノ消防隊』最終章という節目だからこそ生まれた、未来へのメッセージを宿した痺れるような熱い曲だ。

通常盤に収録される「祖逖乃誓」は民族楽器の響きを織り交ぜた重厚かつ異色のサウンドが印象的なミドルナンバーで、決意や覚悟が刻まれている。さらに初回生産限定盤のBlu-rayには、2025年9月開催の「イナズマロック フェス 2025」西川貴教ステージの映像も収録されており、さまざまな角度から“西川貴教”という存在を浮かび上がらせる作品となっている。30年を超えるキャリアの中でなお“未知なる自分”を更新し続ける彼がシングルに込めた思いとは。

 

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それぞれのファンの皆さんに納得していただける環境づくり

──西川貴教名義での活動を開始されて今年で9年目に突入します。T.M.Revolutionが30周年を迎えられているタイミングですが、西川貴教名義での活動についてはどんな手応えを感じていますか。

西川貴教さん(以下、西川):最初はやっぱり戸惑われた方も多かったと思うんです。T.M.Revolution自体もソロプロジェクトなわけで、あえて西川貴教で活動する意味、みたいなものってなんだろう、って最初のころは分からなかったんじゃないかなと。

でも最近の動きをご覧いただく中で、僕がどういったことを目指していたのか、同時進行することのメリットみたいなものが、ようやく伝わり始めたのかなと感じています。先だっての香港でのライブプロジェクトもそうですが、時間はかかりましたけど、「こういうことをやろうとしていたのか」と形にできてきた。

──香港では「Exciting Match Takanori Nishikawa vs T.M.Revolution in Hong Kong」というタイトルで、「西川貴教 vs T.M.Revolution」という斬新なコンセプトのライブを開催されました。まさにそれぞれの活動を象徴するようなステージになったと思います。

西川:やっとそれを可視化することができたというか。活動を続けていくことの大切さや面白さもありますが、同時に新しいアプローチもどんどん試していきたい。それをひとつのアーティスト像の中で共存させるのは難しいんですよね。だからこそ、きちんと住み分けをすることで、それぞれの良さを損なわずに提示したかったんです。皆さんに「こっちを見てください、あっちを見てください」ではなく、自分が角度を変えることで、見ていただく側面を変えていくっていう、そういう無理のない形を模索してきました。

T.M.Revolutionだけでなく、abingdon boys schoolというバンドもありますし、それぞれのファンの皆さんに納得していただける環境づくりを、時間はかかりましたが、ようやく整えられてきたかなと感じています。

 

大久保先生からのラブコールを受けて

──そんな中での西川貴教名義8枚目のシングルには、どのような気持ちで制作に挑まれたのでしょうか。

西川:まず「もう8枚目か」という気持ちと、「まだ8枚目か」という気持ち、両方がありました。ありがたいことに前作 (「HEROES」)も今作もそうなんですが、原作や関係者の皆さんからご指名をいただいて、作品に寄り添わせていただいています。こうしてオファーをいただけること自体、本当にありがたいです。『炎炎ノ消防隊』の最終章。そのオープニングをぜひ、と大久保先生から直接お話をいただけたことが何より嬉しかったです。

──西川さんは大久保先生の作品と縁が深いですよね。

西川:そうですね。『ソウルイーター』(T.M.RevolutionがOP/abingdon boys schoolがED)でもお世話になっているので、T.M.Revolution、abingdon boys school、そして西川貴教、結果的に3つの名義すべてで大久保先生の作品に関わらせていただいているんです。そういう意味でも……何度も申し上げてしまいますが(笑)、西川が30年間で自分が何を成そうとしてきたのかを、「これです」と具体的にお見せできるタイミングになっているのかなと。そういう意味で、充実感がありますね。

──西川さんが『炎炎ノ消防隊 参ノ章』第2クールの幕開けを飾るというのは、作品ファンの方にとっても嬉しい出来事だったと思います。

西川:フィナーレのオープニングを誰が担当するのか、きっと注目されていたと思うんですよ。これまでも象徴的な楽曲を手がけてきたアーティストの方がいらっしゃいますし。そんな中で、大久保先生ご自身が意図を発信してくださったこと、そして曲を聴いて「いい」と納得してくださったこと。そういう言葉をいただけたこと自体が何より嬉しかったですね。

──現在YouTubeにノンクレジット映像も公開されていますが、アニメと一緒に観ると本当にしびれます。

西川:ありがとうございます。ノンクレジット映像を見るとより伝わりやすいのと思うのですが、リリックを本当に細かく拾ってくださっているんですよ。オープニングの作画チームの皆さんの愛情を感じますよね。こういったテーマソングを提供させていただく醍醐味といいますか。ああ、ちゃんと聴いてもらえている、受け止めてもらえていると実感します。今回も制作の皆さんが本当に楽曲を聴き込んでくださっていて、解釈の深さに感銘を受けました。パートごとに象徴的なカットをはめ込んでくださっている、その小気味よさも素晴らしかったですね。

 

 

──ミュージックビデオも拝見させていただいたのですが、『炎炎ノ消防隊』へのリスペクトにあふれていましたね。

西川:ありがとうございます。勝手な解釈で『炎炎ノ消防隊』をさせてもらいました(笑)。ひとり第9特殊消防隊として(笑)。

──(笑)素敵でした。毎週流れる映像でも、西川さんのクレジットが出るタイミングもすごくカッコいいなと。鳥肌が立ちます。お互いのリスペクトを感じるというか……。

西川:ああいう演出も含めて、楽曲と作品が一体になっている感じがあって。本当にありがたいですし、僕も大リスペクトしています。歌詞も楽曲も、そこを軸に制作していますし、それを受け止めていただけたことは、コラボレーションの醍醐味です。

──さきほどの大久保先生から直接ラブコールを受けたというエピソードも、素敵なお話です。

西川:そうなんですよ。いろいろ制限がある場合も多いんですが、今回は広く門戸を開いてくださる中で、大久保先生にご指名いただけた。それが本当に光栄でした。

「resonance」(『ソウルイーター』主題歌)は国内のみならず、海外公演に行くと今でもイントロが流れた瞬間のどよめきがすごいんですよ。特に南米なんかは本当に熱量が違う。作品の力を感じますし、同時にその楽曲を愛してくださる皆さんの愛情も感じていました。それが巡り巡って、随分年月は経ちましたけど、またこういう形でご一緒できる。縁ってあるんだなと思いましたね。

──「Ignis -イグニス-」は作曲・編曲をTeddyLoidさん、作詞をTOPHAMHAT-KYO (FAKE TYPE.)さんが手掛けられています。おふたりにお願いした経緯を教えてください。

西川:Teddyとはもともと親交があって、以前T.M.Revolutionのセルフカバーアルバム(『UNDER - COVER 2』)でアレンジャーとして参加してもらっています。一昨年の12月にシンガポールで行われたAFA(『Anime Festival Asia 2024』)で久しぶりに会って、「タイミングがあったら、また一緒にやろうよ」と話していて。そんな最中に今回のタイアップのお話をいただいたので、その瞬間に「Teddyがいいな」と思ったんです。直接お願いしたいと伝えて、そこからスタートしました。

作品との親和性はもちろんですが、最近のTeddyの幅広い活動もあって、「今のTeddyが僕の声をどう料理してくれるんだろう」という楽しみもありました。で、リリックに関してはTeddyからの提案で、「この組み合わせは絶対面白い」と。だったらやってみよう、という流れでした。

 

 

──制作はどのように進んでいったのでしょうか。

西川:Teddyとのざっくりとした会話から始まって、すぐにデモが届きました。そこからはリリックも含めて一気に進んでいきましたね。ただ、やはり『炎炎ノ消防隊』という作品の世界観やテーマ性をしっかり踏まえることは大前提でした。絶望と再生、炎というモチーフにどう寄り添うか。歌詞に関しても、「このワードのほうがいいんじゃないか」「この意味合いのほうが伝わるんじゃないか」と、かなり忌憚なくやり取りしました。お互いにボールを投げ合いながら、レスポンスよくブラッシュアップしていって、何度かリターンを繰り返しながら最終的に今の形になりました。

──西川さんから具体的に提案された部分で、印象的だったやり取りはありますか。

西川:これまでもこの作品に関わってきたアーティストの皆さんは、炎や熱といったモチーフをおのずと扱われていますよね。今回も当然そこは意識しましたが、やはり完結編ですから、エレメントとしてある炎というより、森羅、作品の持つ内面的な炎を表現したいなという思いがあって。だから直接的に「焦げる」と表現するのではなくて「焦れた」という言葉にしつつ、内に秘めた熱や衝動、勢いのようなものを、一聴して伝えられるようにしました。バースの組み立てに関しては、TOPHAMHAT-KYOさんの持ち味がしっかり出ています。そこを受けて、僕はコーラスでしっかり届ける。その対比や構築については、かなりやり取りを重ねましたね。

──今のお話は、まさに今回テーマに掲げられた“絶望からの再生”と、その先にある未来にも重なっているように感じました。

西川:そうそう。この作品の大きな魅力って、『ソウルイーター』に繋がっていくという未来が約束されているところでもあると思うんです。完結編ではありますけど、きっと“終わり”ではない。一度〈Blaze it all down,〉、燃やし尽くすんですけども、でもそこから〈rise into a new world〉になっていく。このフレーズにも想いを込めています。どうしてこの言葉にしたいのかも説明しながら、最終的に今の形に辿り着きました。

──冒頭とラストにそのフレーズが入る構成もすごく印象的で、グッとくるなと思っていました。

西川:ありがとうございます。もちろん作品がきちんと完結することも大事ですが、それを観たり読んだりした皆さんが、次にどうするのか、という意味合いも込めたかった。単に『ソウルイーター』へ繋がるという話ではなく、「あなたが次に何をするのか」「あなたがヒーローになる番なんじゃないか」というメッセージも届けられたらなと。

──各々の立場のなかで、それぞれの想いを燃やしていってほしいという。

西川:そうですね。作品の中でもそうですけど、人の思念、想いの力が世界を変えていく。そこが象徴的だと思っていて。その感覚が届いたらいいなと思っています。

 

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