
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第24回:監督・池添隆博さん×音響監督・山口貴之さん×音響効果・小山恭正さん後編|「ぜひ皆さんも“東島丹三郎”になって、熱いことを探していただきたいです」
2025年10月より連続2クール放送された『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。
「仮面ライダーになりたかったから」 40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた男・東島丹三郎。その夢を諦めかけた時、世間を騒がす「偽ショッカー」強盗事件に巻き込まれてしまい……。『エアマスター』『ハチワンダイバー』の柴田ヨクサル先生の漫画を原作とする「仮面ライダー」を愛しすぎるオトナたちによる“本気の仮面ライダーごっこ”がここに開幕します!
アニメイトタイムズでは、各話放送後にインタビューをお届け! 第24回は、監督・池添隆博さん、音響監督・山口貴之さん、音響効果・小山恭正さんに制作を振り返っての感想などを語っていただきました。
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ダビングは一発勝負
ーー2025年10月より始まった本作が最終話を迎えました。まずは、制作を振り返ってみての感想をお聞かせください。
音響効果・小山恭正さん(以下、小山):池添さんは的確に「ここはこうしましょう」と言ってくれるんですよ。迷っている時に指針をくれたので、やりやすかったですね。
監督・池添隆博さん(以下、池添):ああ、良かったです。
小山:(池添さんへ)本当ですからね!? 山口さんも俺もお世辞はあまり言えないですから(笑)。
音響監督・山口貴之さん(以下、山口): お世辞が苦手な二人です(笑)。
小山:「この人は音のことをちゃんと分かってくれている」「音がどれだけ作品に影響を与えるかを分かっている」と思えたからこそ、こちら側もやりやすかったというか。「そこを突いてきたか……ぐぬぬ」となりつつも、どんどん「さすがだな」となってくるんですよ。
山口: 明確にこっちが悩んでいそうなところを、全部分かってくれるんですよね。僕たちはプロなので理論で考えるんですけど、おそらく池添さんは感覚で聴いていると思うんです。でも、その感覚が一番正しいと思う。
小山:そこが理論で作っている人にも響くということは、相当正しいですよね。 監督の迷いが見えると、音響側の気持ちも離れていくんですよ。
山口:監督が迷うと選択肢が無限に増えてしまいます。色々できるからこそ、「何を見せたい?」という部分をハッキリ言ってくれると、絞れるのでありがたいです。
池添:ありがとうございます。最終セクションで悩んじゃ駄目ですよね。
山口:池添さんがそう思ってくれて助かりますけど、世の中には迷う方がいっぱいいるんですよ!(笑)
一同:(笑)
小山: 音響って、なぜか一発勝負じゃないですか。
池添:一発ですね。基本的には数時間で終わります。
小山:しかもダビングの流れとして、テスト段階では誰もが“初見”なんですよ。音楽が入ったガイドはあるかもしれないですけど、効果音も含めて合わせるのは初めて。
監督は、そこで初めて聴いたものに対して「これは要る、これは要らない、ここに足して欲しい」といリクエストを言っていくんです。個人的には「なんて無茶なことをやらせているんだ」と思うんですけど(笑)。
山口:この仕組みを作った先輩方は残酷ですよね(笑)。
池添:それで何十年も訓練を受けていますけど、テストの時は「一回で気づけ」という緊張感が常にありますね。
小山:ただ、初見の違和感が一番大切なことは分かります。
山口:そうですね。初見で「あれ?」と思うところを言ってもらえる方がありがたい。
池添:リアルタイム放送も同じですから。
小山:視聴者のほとんどは初見で観終わるからこそ、初見で「おや?」と思うところが一番引っかかるのは間違いないです。
池添:そこを悩んで、「ああしたい、こうしたい」と言ったとて……。
小山:結局テイクワンに戻るんですよ、そういうパターンって。効果音の直しでは「イメージと違うので、別で4〜5パターンくれませんか?」と言われて、作った後で「やっぱり一番最初の方がいいですね」となることも多いです。音楽の付け方に関しても「これを変えてくれ、あれを変えてくれ」と言っているうちに、音響的なプランが破綻してしまいます。
山口:先ほども言ったように理論立てて作っているので、「一箇所変えるとあっちの整合性が……」みたいなことも当然あります。ただ、池添さんに関しては、「指示が非常に的確だった」という話です。
小山:感覚的に俺と山口さんのことも分かってくれつつ、さらに上に行こうとしてくれるから。
池添:本当に良かったです。逆にダビング以外は気を抜いているので(笑)。
ーーまさか!(笑)
池添:でも、 それくらいダビングのテストが大事だと思っていて。聴き逃しはもちろんあるんですけど、受けた印象をそのまま返すようにしています。
ーーそういう意味でも、作品に必要なものを明確にすることは大事にされているのでしょうか?
池添:もちろんです。前提として、何かを提出する時には「それがないと駄目」というか。 力を出しきれない部分も理解しつつ、「こうしてください」「こうする予定です」みたいなことは言うようにしています。なので、どの話数も狙いは明確ですね。



































