
『BEASTARS』アニメ完結記念:小林親弘さん(レゴシ役)×沖野晃司さん(メロン役)対談|レゴシとメロンがぶつかる最終章の真髄
レゴシの他者との関わり方が広がった「FINAL SEASON」。でもハルの出番は……。沖野さんの心に深く刻まれた作品に
──小林さん、ここで『BEASTARS FINAL SEASON』Part1で印象的なシーンを挙げていただけますか?
小林:レゴシが社会に出たところが一番印象的でした。学園ではクローズされた空間のお話でしたが、社会に出るといろいろな種族と会うし、いろいろな大人とも向き合うし。メロンみたいな獣もいれば、セブンさんみたいな方もいるし、レゴシの他者との関わり方がPart1で広がったなと。
だから「ハルが全然出てこない。ヒロインなんだけど!?」と千本木(彩花)ちゃんが嘆いていたのを聞きながら、申し訳ない気持ちでいっぱいでした(笑)。
──そして沖野さんは「FINAL SEASON」に参加する前からアニメをご覧になっていたということで、作品の印象をお聞かせください。
沖野:最初に観た時、少し言い方が悪いかもしれませんが「何だ!? これ?」って(笑)。アニメを観る前は「動物しかいない世界の中でどんな物語が構成されていくのかな?」と疑問と興味が湧きました。いざ観始めたらおもしろくて第1期を一気見してしまいました。
小林:ありがたい。
沖野:草食動物と肉食動物といわば捕食する側とされる側が、同じ学園で生活するという設定に驚いたし、ハルちゃんとレゴシの恋愛みたいなものが描かれているし、学園の中で事件が起きてサスペンスの要素もあって、更にアクションまで。「これはいったいどんなジャンルにあたるのだろう?」って。
小林:カテゴライズしにくいし、他の人にどんな作品なのか尋ねられても答えにくいですよね。
──本能と倫理観、異種族間の共存、自分は何者なのか、などいろいろな深いテーマを描かれていますね。
沖野:だからこそ観た後に記憶から抜けてしまう作品ではなく、心の中に残る、一生忘れられない作品だなという印象があります。
見どころはメロンに自分を重ねたレゴシと、無感覚ながらも心が揺れるメロン
──『BEASTARS』の最終章となる、このPart2の見どころのご紹介をお願いします。
小林:メロンはヒール側で、ヤフヤと結託してレゴシを捕まえようとするけど、レゴシにとってメロンは知れば知るほど、「もっと知りたい」と思うような存在で。たぶんメロンがレゴシと同じ(草食動物と肉食動物の)ハーフということで自分と重ねるところもあるのかもしれません。そしてもしレゴシが将来ハルちゃんと結ばれたとして子供がどうなるのかという不安がより大きくなったのがPart2なのかなと思います。
最終的にはメロンを自分たちの問題として捉えているのかなと。だからメロンに寄り添ったり、理解しようとするんですよね。トカゲやキツネ、みんなに対してもどういう存在なのか向き合おうとして。それはレゴシの生い立ち……おじいちゃんのゴーシャがコモドオオトカゲということもあるんでしょうけど。よく考えるとすごいお話ですよね(笑)。
レゴシはメロンとどう向き合うのか。そしてハルちゃんとどう向き合うか、異種族とどう向き合うのか、それがPart2のすべてなのではないかと思います。
沖野:そう言っていただいてありがたいんですけど、メロンはまったくの真逆ですね(笑)。レゴシがこっちのことを知ろうとすればするほど、ムカついてきて。メロンがなぜ、味覚障害で食欲もなく性欲もなくなってしまったのか、などの生い立ちが少しずつ明かされていく中で、近づいてくるレゴシに最初は興味半分だったけど、どんどんわずらわしく感じるようになり怒りに変わっていきます。そこにハルちゃんが出てきて。Part2ではハルちゃんに襲い掛かるシーンがあって、「これは良くないぞ」と思いながら……。
小林:確かに良くはないですね(笑)。
沖野:でもそれは「食べたい」というメロンの中の純粋な欲求からで。メロンもPart2の中でしっかり心が揺れているし、考えていることがあるのがおもしろいなと思います。メロンがただの悪ではないところが原作者の板垣(巴留)先生のすごさですね。
──レゴシもメロンもハルにひかれているような。
小林:そうですね。
Part2のEDは、SEVENTEENの「Tiny Light」! 作品ファンのWOOZIさんが作詞作曲も!!
──Part2のEDは、SEVENTEENの「Tiny Light」ですが、ED映像を観たり、曲を聴いた感想をお聞かせください。
小林:メンバーのWOOZIさんが作詞・作曲されたそうで……原作の板垣先生とWOOZIさんが公式サイトで対談されていましたね(https://www.youtube.com/watch?v=DikuhcQq6eY)。
宣伝担当:WOOZIさんは『BEASTARS』のファンということもあって、レゴシのハルに向けての想いを書いたとおっしゃっていました。
小林:それは嬉しい。初めて聴いた時はとても良くて、鳥肌が立ちました。曲調は懐かしさを感じますね。映像にも『BEASTARS』の第1期からの流れがすべて凝縮されていて。
沖野:みんな、いましたね。
小林:思わずぐっときました。レゴシがどれほどハルのことを愛しているのか、そして「僕らが別々の世界に行ってしまっても、迷子になって彷徨っても必ず君を見つけ出す」という歌詞からもこの愛を絶対に手放さないという強い意志を感じます。
──板垣先生も「すごく希望に満ちあふれた曲ですね」とおっしゃっていました。
小林:振り返ってみると1期の1話から本当にいろいろなことがありましたが、レゴシは孤独ではなかったですね。それはレゴシが接してきた一匹一匹としっかり向き合ってきたからなんでしょうね。映像に加えて、曲調がさわやかなこともあって、いろいろなことが頭に浮かんできます。そして『BEASTARS』のアニメもこれで終わりなんだなと寂しい気持ちが湧いてきました。
沖野:映像のレゴシがみんなに背中を押してもらって、支えられている感じもいいですね。
小林:改めて、いい作品ですね。
沖野:でもメロンとしては、このEDを想像させない方向に持っていかないといけないので(笑)。
小林:確かに立ちはだかってますもんね。「何、さわやかに歌っているんだ!?」という感じでしょう(笑)。
沖野:まだまだレゴシとメロンは邂逅していないから。楽曲から少し離れますが、レゴシとハルちゃんが手をつなぐより先に指を握るのが好きなんです。
小林:わかる~! いいっすよね。
沖野:二匹のサイズの違いだからこそ、できる表現というか。『BEASTARS』っていいですね。
小林:EDから出た結論は二人共、『BEASTARS』はやっぱりいい! ということで(笑)。





































