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【今月の『黄泉のツガイ』の話題】海中に潜む悍ましい姿のツガイ<第52話>

【今月の『黄泉のツガイ』の話題は?】嵐の前の静けさ――海中に潜むツガイと“見える”少年の正体とは?<第52話>

月刊「少年ガンガン」で大好評連載中の幻怪ファンタジー『黄泉のツガイ』。『鋼の錬金術師』や『銀の匙』などで知られる荒川弘先生の最新作で、シリーズ累計500万部を突破。この4月からアニメの放送も始まった注目の作品です。

日本を舞台にしたバトルファンタジー漫画である本作。“夜と昼を別つ双子”の兄・ユルと妹・アサを中心に、妖怪のような、幽霊のような、“ツガイ”と呼ばれる「ふたつでひとつの対なる存在」を使役するツガイ使いたちの戦いが描かれます。

4月11日(土)発売の「少年ガンガン5月号」に掲載された最新第52話「夜と海」では、両親の行方を探るため、沖縄に向かう双子の乗る船が大きな揺れに見舞われました。その直前に登場したのはツガイが“見える”少年。嵐の前の静けさにぞくぞくする展開となっています。

※本稿にはネタバレ要素が含まれます。

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嵐の前の静けさ――海中に潜むツガイと“見える”少年の正体

沖縄に向かう船の中。ユルは船酔いに見舞われているものの、双子はまるで普通の少年少女のような楽しく穏やかな時間を過ごします。

「ああ こういう時間がずっと ずっと続けばいいのに」

そんなささやかな願いも、残念ながら彼らを取り巻く環境が許してはくれないようです。”ズドン”と大きく横揺れした船。そのすぐ下の海中には両眼を持った黒い2つの影が。明らかに何らかのツガイです。

謎のツガイが出現する直前、宇宙人ツガイの1人が船内でツガイが見える少年と遭遇。特に何か接触していたわけではありませんでしたが、お互い目は合っており、ツガイとツガイ使いであることは確実にわかっているでしょう。

この少年、キャップにスクエアリュックを背負っていましたが、最後のコマで出てきた黒い人影とシルエットがそっくり。年端もいかない少年に見えましたが、彼が海中に潜むツガイの主なのでしょうか。

西ノ村勢力の刺客であれば、ミナセが寿命を封じているという可能性があるため、容姿だけで年齢は判断できません。それに、峰山アンナや椥辻など子供や若者であっても容赦なく使い捨てる陣営なので、彼がユル達を狙っている可能性は十分考えられます。

また、東村や影森も一枚岩ではないそうですし、過激派もいるという話でしたので、そちら側の手先である可能性も捨てきれません。

船という逃げ場のない場所であるうえ、相手は水中を得意としていそうなツガイですから、海に落とされてしまっては絶体絶命ではないでしょうか。そもそも山育ちのユルは泳げないでしょう。

果たして敵なのか、どの勢力の刺客なのか、双子はどう対抗するのか……次回までの1ヶ月がとても長く感じられそうです。

ヒカルの決意と影森家の今後

一方、甚大な被害を受けた影森家はまだまだ事後処理の真っ最中。そんな中、これまで殺伐とした家業を敬遠してきた長男・ヒカルが当主の座に就く決意をしたシーンがとても印象的でした。

きっかけとなったのは、ジンの母・アカネからの電話。息子の安否には一切触れず、元夫・ゴンゾウの遺産を欲しがる非情な行為を目の当たりにし、自分がこの家を守らなければと決意を固めたようです。

影森家と付き合いの長い刑事から「マンガしか描いてこなかった坊ちゃんに何ができるの」と言われていたヒカル。しかし、影森家はヒカルだけではありません。アスマとジン、三兄弟で協力すればきっとやっていけるはず。むしろ平和を強く望むヒカルだからこそ作れる次世代の影森家があるはずです。

そのために三男・ジンの力は必要不可欠。ゴンゾウに裏家業を任されていた彼がいるのといないのでは大違いです。

本話では、ジンがツガイ「掃除屋(スカベンジャー)」と契約したときのエピソードも明かされ、アカネとの電話の後にヒカルが泣いていたことも含めて、彼が影森家で大切にされていたことが感じられました。

母親に捨てられて影森家に来たジンでしたが、むしろこの家に迎え入れられたことは幸運だったとさえ思えます。

御陵の襲撃を受けた際、大怪我を負っていたものの、ゴンゾウが命を懸けて致命打を阻止しており、ツガイとともにどこかに逃げていると思われるジン。彼の一刻も早い復帰を切望してやみません。

とはいえ、オタクとしてひとつ気になるのは、波久礼ヒカルとして描いていた漫画のこと。担当編集からも厚く信頼されており、連載再開を待つファンも大勢いるでしょう。何よりもヒカル自身が漫画が大好きだと思うので、漫画家は辞めないでほしいと願ってしまいます。

本人は「この腕じゃ…」と言っていましたが、ツガイ「黒と白」で描けないのでしょうか……。全てが片付いて平和が訪れた影森家でまた漫画家として活躍してほしいものです。

新たな勢力? 国家機関のツガイ使いはどう関わってくるのか

ストーリー内で気になったのは、「公安にも表に出て来ないツガイ使いがいてこの国の中枢を守っている」らしいという話。

決して一般的ではないものの、これだけのツガイとツガイ使いがいるわけなので、もちろん国家機関にもいることは考えられますが、彼らが物語にどう関わってくるのかが気になるところです。

関係があるかはわかりませんが、第40話「裏と表」(第11巻収録)で、ミナセとヤマハが「徳川家の子息も双子という噂がある」と話しており、個人的にはここから国家機関のツガイ使いに通じていたら面白いなと思っています。

また、「このご時世公安も中枢を守るので精一杯」とのことなので、国家機関までもユルとアサを利用しようと考えるかもしれません。そうなると、あの海中のツガイが国家機関の刺客である可能性も浮上してきますね。

「夜と昼を別つ男女の双子が生まれた時代は世が割れる」。国の中枢までも双子争奪戦に加われば、より壮大な物語になること間違いなし。物語の広がりと国家機関という大きな勢力の登場に、なんだか『鋼の錬金術師』を彷彿としてワクワクしてしまいます。

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わたなべみきこ
出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
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