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劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』スタッフ陣が司波深雪の心情を描く上で特にこだわったシーンとは【インタビュー】

劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』ジミー ストーン監督×アニプレックス黒井瞳制作P×エイトビット小菅秀徳アニメーションP鼎談|物語の節目となる『四葉継承編』……その主軸となる司波深雪の心情を描く上で特にこだわったシーンとは

2026年5月8日(金)より公開となった劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』。

原作は電撃文庫より刊行中の佐島 勤先生のライトノベルとなっており、最強の兄・司波達也とその妹・深雪を軸に“魔法”が現実の技術として確立した世界を舞台とした物語が描かれています。

また、TVアニメが第3シーズン+劇場版まで制作されるなどアニメも人気を博しており、今回はそんなアニメ『魔法科』の劇場版第2弾。達也と深雪の兄妹にとって、そしてこの物語にとっても大きな転換点になるということで、期待している方も多いことと思います。

アニメイトタイムズでは本作の公開にあわせて、ジミー ストーン監督、アニプレックス制作プロデューサーの黒井瞳氏、エイトビットのアニメーションプロデューサーの小菅秀徳氏へのインタビューを行いました。

『魔法科』という作品の大きな節目となる本作ですが、その主軸となる司波深雪の心情は特にこだわっていた様子。また、その最強の兄である達也の強さを描く上でのこだわりなども伺っていますので、ぜひ作品の鑑賞後にご一読いただければと。

 

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劇場版 魔法科高校の劣等生 四葉継承編
魔法が現実の技術として確立されて約一世紀が過ぎた2096年。とある兄妹が高校二年の冬を迎えようとしていた。魔法師として致命的な欠陥を抱えて産まれた兄・達也。魔法師として稀有な才能を持ち、容姿・頭脳ともに完璧な妹・深雪。劣等生と優等生、立場は違えど二人は仲睦まじい兄妹として過ごしてきた。一通の手紙が届くまでは――――。その手紙は四葉本家で開かれる元旦の集まり〈慶春会〉への招待状だった。当主の四葉真夜と分家の当主たちが一堂に会するこの集いで、四葉家次期当主が指名されることに。そこで衝撃の真実が告げられる。シリーズ累計2500万部の大人気シリーズの中でも屈指の人気を誇る《四葉継承編》が、満を持して劇場映画化!ファンに長らく待ち望まれたエピソードがついに幕開く――!作品名劇場版魔法科高校の劣等生四葉継承編放送形態劇場版アニメシリーズ魔法科高校の劣等生スケジュール2026年5月8日(金)キャスト司波達也:中村悠一司波深雪:早見沙織四葉真夜:斎藤千和新発田勝成:小野大輔津久葉夕歌:茅野愛衣黒羽文弥:加藤英美里黒羽亜夜子:内田真礼桜井水波:安野希世乃堤琴鳴:若山詩音堤奏太:梅田修一朗スタッフ原作:佐島勤(電撃文庫刊)監督:ジミーストーン脚...

※劇場版『魔法科高校の劣等生 四葉継承編』のネタバレを含む内容になっているため本編視聴後に読むことをお勧めします。

 

着物や和服の描写は専門家による監修も!?

──第3シーズンの最終回から直接繋がるような物語が本作かと思います。いよいよそれが公開となりますが、現在の心境はいかがでしょうか?

ジミー ストーン監督(以下、ジミー):原作小説ファンのみなさんがしっかり楽しめる作品になったという自信があります。これから『魔法科』に触れるみなさんにもぜひぜひご覧になっていただきたいです。また、完成させることができてよかったな、と思っています。

黒井瞳さん(以下、黒井):まずは原作小説ファンのみなさんに喜んでもらえたらいいなという思いもありつつ、これまでアニメで追いかけてくれていた方々や、この『四葉継承編』から『魔法科』に触れる方々まで、全員に喜んでもらえたら嬉しいです。そして、みなさんからどんな感想をいただけるのかも楽しみです。

小菅秀徳さん(以下、小菅):第1シーズンを制作したマッドハウスさんから弊社がその役割を引き継ぎ、アニメ『魔法科』シリーズには劇場版第1作目の『魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』から制作に携わってまいりました。

原作の佐島 勤先生から『四葉継承編』は作品にとって大きな節目であり、達也と深雪の根源的なところに触れる大切なエピソードだと伺っておりました。その為、その重みに相応しいクオリティで作品を完成させられるかどうかが、制作開始当初からの大きな挑戦でした。

このような節目まで辿り着き、無事に作り遂げることができたのは、尽力いただいたすべてのスタッフの皆様、そしてファンの皆様のおかげであると深く感謝しております。ここまで応援し続けてくださったファンの皆様に喜んでいただければ幸いです。

──原作の佐島 勤先生から『四葉継承編』が節目であるとお話があったそうですが、制作にあたってどんなやりとりがあったのでしょうか?

黒井:企画の立ち上げ当初に、「第3シーズンをTVシリーズでやった後に『四葉継承編』を劇場版でやるのはどうか?」という提案を原作サイドとエイトビットさんに相談しました。承諾をいただいてからは、第3シーズンと劇場版の『四葉継承編』を地続きで観ていただくためにはどこを膨らませるべきか、どんな伏線を張るかを考える打ち合わせが続きました。

小菅:可能な限り原作小説通りに描くことを第一目標にしていましたが、劇場尺に合わせて様々な点を調整する必要がありました。そういった箇所に関しては、佐島先生と相談させていただいて快諾して頂いた部分や、逆に佐島先生からアイデアをいただくなど、一緒に作っていったところがあります。

──達也や深雪の出生や過去に踏み込んでいく物語になっており、これまでとは違った雰囲気があるかと思います。制作する上でこだわったところは?

ジミー:ダークでシリアスな世界観であることは強く押し出しつつ、感情的な処理や表現は全体的に深雪を主軸に据えるようにしました。深雪の苦悩をいかに映像で補足できるかどうかは、全編にわたって演出面で意識していた部分です。

ひとつ挙げるとするならば、僕が原作小説を読んだ時から好きなシーンである深雪の自室でのシーンです。鏡の中に現れた深雪と深雪本人が対話する自問自答のシーンはピークのひとつとして意識すべきシーンだと考えていました。どんな精神世界を演出・描くべきなのかを撮影監督の廣岡岳さんや原作イラスト・キャラクターデザインの石田可奈さんをはじめとするスタッフ陣とで色々なアイデアを出し合いました。

その中で、室内に雪が降っているかのようなイメージのシーンにできないかというアイデアが出たんです。早速撮影監督に相談してテストカットを作ってもらい、とても良い雰囲気だったのですがそこからもう一捻り欲しくなってしまい、雪を下から上に降っていくような処理を追加でリクエストして、現状のような演出になりました。

この雪自体もただの真っ白な雪ではなく、星空のように様々な色が入った処理になっています。おかげで普通の空間ではなく深雪の精神世界が見えているのだとわかりやすくなりました。ただ暗いとか怖いではなく、美しさも含めて映像で深雪の内面を表現できたかなと思います。

小菅:監督はシナリオの段階から、このシーンにはこだわりたいとおっしゃっていましたよね。深雪にとって達也は兄である以上、結婚はできず、必ず別の人と結婚しなければならないという背景があります。そのような葛藤と覚悟の中で物語が始まるため、私としてもこのシーンはラストへ繋がる重要な伏線になると考えておりました。

深雪自身、そういったもの凄い葛藤があり、自分自身と向き合ってなお達也以外の男性と結ばれる可能性を考えられない。けれでもしなければならないので、一度は乗り越えようとするのですが……その想いが最後の最後で解放されるのがラストです。これまでは考えもしなかった形で問題解決に繋がっていく重要なシーンだったので、監督からも一番こだわりたいとオーダーを受けていました。

──今回は第一高校の仲間たちとのシーンが少ないことから、達也や深雪が制服ではなく私服で描かれることが多かったと思います。キャラクターたちの衣服の設定や描写で大変だったこともお教えください。

ジミー:一番苦労されたのは石田さんだと思います。自分たちからシーンごとにこういう格好がいいのではないかと提案することもありましたが、石田さんはかなり明確にそのシーンごとに適した服装を意識され、設定を組み立ててくださいました。特に深雪に関しては衣装デザインを含めたくさん考えてくださいますので、毎回大変な思いをされているはずです。

黒井:衣装設定は物量が結構ありましたよね。

小菅:今回は着物もありますし。

ジミー:そうなんですよ。着物はしっかり取材と研究をしました。専門の方に監修をお願いした気合の入った衣装設定になっています。アニメなのでリアルと寸分たがわず正確にというわけではないのですが、最適なバランスや基礎はアニメ設定として成立させています。

石田さんは、今までアニメなどで着物や和服を描く機会があるとその都度資料を調べつつ作業していたそうなのですが、今回着物について取材をしたことにより「ここはこういう構造なんだ」と知ることができたそうで、一番作業工数のかかる大変な設定作りでしたが実りがあったとおっしゃっていました。

──帯や服自体の柄や着付の仕方など、アニメで描く上では大変そうな要素がたくさんありますよね。

ジミー:柄は「貼り込み」という撮影班の作業になるのですが、「人数が多いと大変な作業になる」「なるべく動きは少なくして欲しい」と言われていました。それなのに、脚本上仕方なかったとはいえ、終盤のシーンでは着物姿のキャラクターが何十人も登場することになってしまいました。撮影班には本当に大変な思いをさせてしまったので、もう足を向けて寝られません。

小菅:着物に関しては老舗呉服店さんにもご協力いただいて、着物の柄などのアイデアをかなりいただきました。伝統的なデザインだけでなく若者向けのポップなデザインの着物も取り扱っていたので、そのデザインをアニメに落とし込んで華やかにできたんじゃないかと思っています。

黒井:各々の性格や家の中での立ち位置などを記載した細かいキャラクター設定をお渡ししたら、「ではこのキャラはこういう着物が適切かも」など髪型も含めてアドバイスをいただきました。例えば四葉真夜なら、偉い立場の方なのであまり盛らずに綺麗にまとめて……といった形ですね。

ジミー:こちらとしても本当に知らないことだらけだったので、全てが勉強になりました。他にも普段からゴスロリ衣装が特徴の黒羽亜夜子に関して、今風のレースなどがあしらわれた着物デザインをご提案いただいたりして。凄くおしゃれで可愛いと石田さんも気に入っていました。立っている姿を見せられなかったのがもったいなかったのですが、設定はちゃんとあります。パンフレットには全身の設定が載っているので、是非ご覧になっていただけると嬉しいです。

 

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