
「これは僕自身の作曲家としてのエゴかもしれません」音楽家としての“核”──音楽プロジェクト・Sizuk 2nd Album「iller」リリース記念 俊龍×AYAME(from AliA)対談インタビュー
作曲家「俊龍」による音楽プロジェクト「Sizuk」。これまで多くの作品のタイアップ楽曲を生み出し、その力強いサウンドでファンを魅了してきました。
そして2026年7月29日(水)には、待望の2nd アルバム「iller」がリリース! 1st アルバム「es」以降にデジタルリリースされた全13曲が収録されるほか、CD限定のボーナストラックとして「赤いメモリーズをあなたに」の「AYAME ver.」がリメイク収録されます。
アニメイトタイムズでは「iller」のリリースを記念して、俊龍さんとAYAMEさんにインタビューを実施。楽曲に込める想いを始め、AYAMEさんの音楽ルーツなどについてたっぷりとお話を伺いました。
2007年の作曲家デビューから続く作曲家・俊龍の歩み。現在の俊龍さんが音楽を作り続ける意義と目的とは。
「『ヤバさ』を感じてもらえたらと思っています」
──音楽プロジェクト「Sizuk」待望の2nd アルバム「iller」がリリースとなります。実は俊龍さんは1st アルバム「es」をアニメイトに買いに来てくださいました。ということは今回も……?
俊龍さん(以下、俊龍):行きます。1st アルバムのときもアニメイト池袋本店行ったので(笑)。
AYAMEさん(以下、AYAME):えー! 素敵!
──よろしくお願いします(笑)。それでは今回のアルバムのコンセプトからお聞かせください。
俊龍:「es」を受けてのアルバムでもあるし、格好良い曲が多めな一枚になりました。タイアップの際はアニメや物語に合う曲を作るし、タイアップではないものに関してはチームで方針を定めて制作を進めているのですが、例えばAYAMEさんの歌が入るなどして一曲一曲に変化があるかなと。自分の持っている濃い押し出し感のようなものは共通していますが、曲によって明確に差異をつけています。「es」と並べて聴いたときに「つながり」と「違い」を感じていただけるように作りました。
──アルバムタイトルはどのように決められたのでしょうか。
俊龍:「es」は青を基調に、フレッシュかつ濃い感じでしたが、より胸の中にあるググッとしたものを引き出せるようなものにしたいなと思っていました。「ill」「iller」は「病的な」のような意味がありますが、とても乱暴な言い方をすると「ヤバい」だと思うんですよね。我々の場合はアゲアゲな「ヤバい!」ではなくて「ヤバい……」なニュアンスです。「こいつら本気だ……」みたいな(笑)。そんな「ヤバさ」を感じてもらえたらと思っています。
今後実現するかはわかりませんが「es」は「Sizuk」の「S」からの派生でもあるんです。今回の「iller」は「I」の部分になっていて。そこから言葉を探したという背景もあります。
──それでは「z」「u」「k」の3枚もリリースできると。
AYAME:あはは!
俊龍:ちょっとカロリーが……(笑)。
──(笑)。「es」制作時と今回で違いはありましたか?
俊龍:特に1stアルバム「es」の前半は手探り状態で……全力投球でした。制作陣とのクリエイティブなやり取りも結構激しくて。そこからだんだんとレコーディングやイベントを重ねていくうちに、お互いのやり取りもさらに多くなっていったね。
AYAME:そうですね。
俊龍:今回はより、歌い手の方々との対話を深めながら制作を進めることができました。例えば、今回はアニメのメインキャストの方々に歌っていただく機会もあり、そのボーカルディレクションは自分が担当させていただいたんです。物語やヒロインとの対話という意味では、これまで以上に深い姿勢で臨むことができたので、新しい試みになったと思っています。
──Sizukには、AYAMEさんをはじめ、春茶さん、やなぎなぎさんなど、多くのボーカリストが参加されています。作家である俊龍さんから見た、それぞれの印象を改めてお聞かせください。
俊龍:AYAMEさんは、もちろんSizukの中で一番多く歌ってくださっています。アバウトに言うと、これまで「格好いい曲」「可愛い曲」「爽やかな曲」など様々なアプローチの楽曲を作ってきましたが、例えば「格好いい曲」であれば、今までの歌い手の方々とは違う歌への臨み方をしていらっしゃるなという印象があります。
いわゆる他の活動も並行しながら活動の一環として歌うという形ではなく、歌やメロディー、そしてイベントやライブにガチンコで向き合ってくれる。そういう意味では自分にとって新しいボーカリストでした。「es」に続き、この「iller」ではさらに、彼女の表情豊かな押し出し感や疾走感を活かしつつ「人間・AYAME」の持つ豊かな表情を引き出そうと考えました。それを見事に表現していただいています。
春茶さんは、今回初めて歌っていただきました。TVアニメ『ざつ旅-That's Journey-』のエンディングテーマ(※M7『bookmarks feat. 春茶』)ということもあり、原作を読ませていただいた上で、制作陣と「この方がピッタリなのではないか」と話し合ってお声がけさせていただいたのですが、不思議な空気感を持った方です。普段、ご自身で「歌ってみた」などをセルフディレクションされている流れもあるので、レコーディングの時はご自身のスタイルを確立されていて。そんな経験もあって、さらっとしているけれど軽くない、そんな歌にしていただきました。楽曲自体もSizukの中では珍しくミドル調というか、バラードに近い温かみのある仕上がりになっています。
俊龍:やなぎなぎさんに関しては、もう歌っていただけるだけで末代の誉れみたいな(笑)。
AYAME:間違いないですね(笑)。
俊龍:あの楽曲(※M8『Thankful feat. やなぎなぎ』)も、やなぎさんに届く前に何度か作り直しているんです。TVアニメ『笑顔のたえない職場です。』のタイアップということもあり、もちろん原作をしっかりと読んで、様々な職業で働く方々への応援歌になればという想いでメロディーを作りました。やなぎさんは「これくらいエモくなったらいいな」と想像していたラインを超えてくるような歌唱をしてくださって。うるうるくるけれど、同時に勇気ももらえる声で歌っていただきました。
──贅沢な試みをされているなと感じます。
俊龍:そのとおりですよね(笑)。レコーディングに立ち会ったり、ボーカルディレクションをさせていただいたりする中で、栄養をいただいているなと感じています。





























