
それぞれのキャラクターに「見たことがある感じ」「懐かしい」という要素を入れるようにしました──『グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~』スタッフインタビュー企画「グロウアップショウ、クローズアップしよう!」キャラクター原案・深崎暮人さんインタビュー
“見たことがある懐かしさ”を散りばめたキャラクターデザイン
──続いては、葵と茜の姉妹ですね。
深崎:この二人は「双子」という設定から作り上げたキャラクターです。キャラクターカラーは他の子たちと被らないよう、名前のイメージから葵色と茜色にして、ストレートに決めました。
さらに二人に記号性をプラスしたくて、葵には犬、茜には猫の要素を取り入れています。髪型やリボンを動物の耳っぽく見せる工夫を施したことで、双子の個性がより際立つデザインになったと思います。
──そういう意図があったんですね。
深崎:あと、亀井監督とご一緒する以上、『冴えカノ』を大切にしてくださっている方々にも楽しんでいただける仕掛けを作りたいと考えました。そこで、細部にこれまでの作品の面影を重ねるような試みをしています。具体的には茜のデザインで、澤村・スペンサー・英梨々の雰囲気を取り入れました。八重歯や少しツンデレっぽい表情など、当時の面影を感じていただけるディテールを意識しています。その発想に至ったのは、瑞佳のデザインを黒髪ボブに変更したことが大きなきっかけだったと思います。
──あえて同じ要素を入れている。
深崎:それぞれのキャラクターには、自身の過去作と照らし合わせた際に「懐かしさ」や「既見感」を覚えるような要素をあえて散りばめています。そうした細かなディテールを見つけながら、作品の世界観をより深く楽しんでいただければ幸いです。
──先ほど話にも出た雫については。
深崎:長年あたためてきたデザインの一つです。これまで自分の作品で「王子様系女子」を描く機会がなかったため、今回、キャラクターの設定にうまく組み込めたことは自分にとっても嬉しい出来事でした。
──雫も完成されていた。
深崎:他には、公演衣装にもこだわりを詰め込みました。雫の衣装のモチーフは「忍者」ですが、サーカス全体に多国籍な彩りを持たせたくて、五十鈴には雑技団のテイストを、スヴェトラーナにはバレエ衣装の要素をそれぞれ組み込んでいます。
──スヴェトラーナは髪型のデザインが特徴的ですね。
深崎:かなり特殊ですね。スヴェトラーナは古いデザインを再構成したものですが、髪型の構造は僕自身もよくわかっていないほど特殊なんです(笑)。髪でリングを作るような不思議な造形ですが、僕は普段からシルエットでデザインを練り上げるのが好きでして。結果的に、シルエットの面白さを優先したことで、この独特なスタイルが形になりました。
──次は麻利亜。大人だけど子どもと勘違いされるほどの小柄なキャラクターとなっています。
深崎:麻利亜は見た目に反して、年齢や精神年齢が大人というキャラクターなので、いかにその要素をデザインに落とし込むかはかなり考えました。最終的には中身の大人な部分は役者さんに任せることにして見た目の幼さを重視することにしました。そして、キャラカラーはひまわりの黄色です。
あと、ひまわりサーカス団のテントデザインが決まってからは、その要素を衣装にも積極的に取り入れました。ちなみに、このサーカス団は初期設定だと今よりもっと「貧乏な生活感」が前面に押し出されていたと思います。
──いまでもだいぶ貧乏描写がありますが、さらに……?
深崎:もっとえげつないくらい貧乏でした(笑)。麻利亜の帽子に施したツギハギは、その際の名残なんです。ただ、実際に描いてみるとツギハギ部分が可愛らしいアクセントになったので、あえてそのまま残すことにしました。
──そういう流れだったんですね。そして最後は凛です。
深崎:凛も昔から考えていたデザインを割り当てていますが、もともとは高校生くらいの設定で描いたキャラクターでした。そのせいか、28歳という年齢のわりには若く見えると思います。
──麻利亜とは違った若さですね。凛はサーカス団の演者ではないので、ほかのキャラクターとは違ったデザインの難しさがあると思います。
深崎:そうなんです。だからエプロンを付けたりと工夫しています。ただ、サーカス団という「仲間」としての雰囲気も出したかったので、法被を羽織らせました。サーカスは興行ですから、スタッフジャンパーのような共通の衣装があっても自然だろう、という発想です。
──作中でもほかの子たちが法被を着ていますけど。これはスタッフジャンパーだったんですね。
深崎:そうなんですよ。本編以外でも、配信やイベントなどでキャストの皆さんに着てもらえたら嬉しいですし、あわよくばグッズ展開もできたらいいな……なんて、少しずるいことまで考えてデザインしました(笑)。その甲斐あって、凛は一番盛りだくさんなデザインになりましたが、最終的にはとても気に入っています。

































