
榎木淳弥が語る、“新たな一歩”を踏み出したピーター・パーカー。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は「人間ドラマとしてすごく濃厚な作品」【インタビュー】
ソニー・ピクチャーズ配給、トム・ホランドさん演じるピーター・パーカー=スパイダーマンの新たなる物語『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が、7月31日(金)に日米同時公開となります。
前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で、大切な人たちを守るため、自らの存在を世界中の人々の記憶から消すという苦渋の決断を下したピーター。本作では、その決断を経て新たな一歩を踏み出した彼の姿が描かれます。迫力満点のアクションはもちろん、これまで以上に濃密な人間ドラマも見どころです!
このたび、ピーター・パーカー/スパイダーマン役の日本版声優を務める榎木淳弥さんにインタビュー。成長したピーターへの思いや、トム・ホランドさんとの歩み、10年にわたり演じ続けてきたからこそ見えた裏側、そして『ブランド・ニュー・デイ』というタイトルに込められた意味について話を聞きました。
“自己犠牲”を乗り越えたピーター・パーカー
──前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、歴代のスパイダーマンたちが集結し、最後にはピーターが“大切な人たちから自分の記憶を消す”という苦渋の決断を下しました。改めて、あの物語を振り返ってみていかがですか?
榎木淳弥さん(以下、榎木):前作は上映前からいろいろな噂がありましたが、歴代のスパイダーマンたちが時空を超えて集結する展開は、演じていても本当に感動しました。その一方で、物語はそこから大きなどんでん返しを迎えます。ピーターにとっては本当に過酷な展開で、みんなを守るためとはいえ「全員に自分のことを忘れてもらう」という選択をせざるを得なかった。怒涛の展開でしたし、ピーターにとってはすごく不幸な結末でもありました……。でも、映画としては本当に面白かったですし「この続きがどう描かれるんだろう?」と、新作をとても楽しみにしていました。
──前作の衝撃的なラストを経て描かれる待望の続編ですが、完成した本作をご覧になった感想を教えてください。
榎木:今回は人間ドラマとして、すごく濃厚な作品になっていると感じました。アクションシーンは切れ味があって迫力もあり、とてもかっこいいのですが、それだけではなく、物語そのものに心を動かされるんです。励まされるような場面も多いですし、ピーターの気持ちにぐっと胸を打たれるシーンがたくさんありました。アクションの爽快感はもちろんですが、人間ドラマの部分が本作の大きな魅力だと思います。
──前作を経て、今作ではこれまで以上に孤独な姿が描かれます。そんなピーターの心境や成長を、どのように受け止めながら演じられましたか?
榎木:僕はあの結末を「悲しい」と感じるよりも、「感動した」という感情の方が大きかったんです。前作では、“ヒーローとは何か、そして自己犠牲とは何か”というテーマが描かれていたと思います。“大いなる力には、大いなる責任が伴う”という言葉がありますが、ピーターはまさにそれを体現していました。もちろん、彼自身にとってはとても不幸な出来事だったと思います。それでも、人々を守るためにその選択をした姿に、僕はすごく心を打たれました。
──今作では、ピーターは蜘蛛のDNAが変異したことで、命を脅かす身体的な異変にも見舞われます。人間らしさと“蜘蛛らしさ”が入り混じる難しい役どころだったと思いますが、演じるうえで意識されたことはありますか?
榎木:蜘蛛らしく変化していくシーンでは、トム・ホランドさんのお芝居も普段とはかなり違った雰囲気になっていたので、日本語吹替でもその変化がしっかり伝わるように、僕自身も“蜘蛛らしさ”を意識しながら演じました。
──今回はピーターの内面にも大きな変化が描かれています。トム・ホランドさんのお芝居からは、これまでとの違いをどのように感じられましたか?
榎木:今回は、これまで以上に大人っぽいシーンが多かった印象があります。展開もかなりハードなのですが、戦いで傷つくというよりは、心理的に追い詰められるような場面が多かった。そうした姿を見て「ピーターも少しずつ大人になっているんだな」と感じました。見た目はこれまでと大きく変わりませんが、内面的には確実に成長しています。一方で、子どものような無邪気さもまだ残っていて、その両方が同居しているのが今回のピーターの魅力だと思いました。
──ピーターだけでなく、トム・ホランドさんのお芝居や佇まいにも変化を感じた部分はありましたか?
榎木:まず、すごくムキムキになりましたよね(笑)。以前から鍛えられていましたが、その頃は細マッチョという印象だったんです。でも今回は、体つきがひと回り大きくなっていて「いつの間にこんなに鍛えたんだ!?」と驚きました。
──今作では、ピーターがブルース・バナーやフランク・キャッスルと新たな関係を築いていきます。それぞれの掛け合いには、どのような魅力を感じましたか?
榎木:ブルース・バナーは前作の出来事によってピーターのことを覚えていませんが、ピーターのほうは彼のことを知っています。2人ともどちらかというと理系タイプなので、頭の切れる者同士というか、通じ合うものがあるように感じました。一方のフランク・キャッスルとの関係は、これまでとはまた違った雰囲気でしたね。友人というわけではないんですけど、どこか悪友のような距離感があって、お互いに憎まれ口を叩き合いながらも、不思議と相性の良さを感じました。これまでピーターの周りには気遣ってくれる年長者が多かったですが、フランクはもっと近い目線で接してくれる存在なので、その関係性も新鮮でした。
──今作の鍵を握るヴィラン”についても、話せる範囲で印象をお聞き出来たらと思います。
榎木:ピーターとまったく正反対の存在というわけではなく、どこか共通する部分もあるように感じました。ただ悪事を働くためだけに存在する、いわゆる典型的な悪役ではありません。だからこそ物語にも深みが生まれていて、本作のドラマ性を大きく支える存在になっていると思いました。






























