映画
実写映画『ブルーロック』レビュー|すべてに原作への愛とリスペクトを感じる超大作!

実写映画『ブルーロック』レビュー|脚本も、キャスティングも、サッカー技術も、すべてに原作への愛とリスペクトを感じる超大作!

8月7日についに公開された実写映画『ブルーロック』。7月から話題作が相次ぐ中で迎えた公開となりましたが、公開直後に観た人の反響を呼び「Filmarks」の初日満足度で第1位を獲得! ラージフォーマット上映や応援上映が決定したりと、勢い止まらず。
 
昨今、入場特典をつけてリピートしてもらう作品が多く見られますが(これはこれでファンにとって嬉しいもの!)、本作は作品の評判とファンの愛だけで動員数を獲得しているところも“エゴい”ポイントです。
 
大人気コンテンツの実写化に、当初は正直賛否ありました。原作への愛、キャラクターへの愛が深ければ深いほど、実写化への抵抗はあるもの。私もかつては抵抗があったので気持ちはとてもわかります! けれどいろんな方のレビューでも見られるように、原作ファンの方でも納得のいく作品になっていると思います。ちゃんと『ブルーロック』への愛を持って製作されていることが伝わってくるので、観るか迷っている原作ファンの方にもぜひ見ていただきたい! その思いを持って、本記事では映画の見どころとレビューを語らせていただきます。
 

関連記事
実写映画「ブルーロック」
「日本サッカーに足りないのは、エゴだ――」日本をサッカーワールドカップ優勝に導く革命的なストライカーを育成する施設〝青い監獄(ブルーロック)〟に、全国の高校生FWたち300人が招集された。勝ち上がれるのはたったひとり、敗者は日本代表入りの権利を生涯失うという熾烈なサバイバルマッチに、己のサッカー人生をかけて挑む主人公の潔世一(高橋文哉)たち。世界一“エゴイスト”なストライカーの座を掴み取れ――生き残れるのは、誰だ?作品名実写映画「ブルーロック」放送形態実写映画シリーズブルーロックスケジュール2026年8月7日(金)キャスト潔世一:高橋文哉蜂楽廻:櫻井海音千切豹馬:高橋恭平國神錬介:野村康太五十嵐栗夢:青木柚成早朝日:西垣匠我牙丸吟:橘優輝雷市陣吾:石川雷蔵伊右衛門送人:岩永丞威久遠渉:浅野竣哉今村遊大:櫻井佑樹吉良涼介:倉悠貴凪誠士郎:K(&TEAM)御影玲王:綱啓永剣城斬鉄:樋口幸平馬狼照英:東啓介大川響鬼:木田佳介二子一揮:富本惣昭鰐間淳壱:三浦獠太鰐間計助:三浦獠太絵心甚八:窪田正孝帝襟アンリ:畑芽育友部一心:平山祐介多田友也:山時聡真潔一生:野間口徹潔伊世:野波麻帆不乱蔦宏俊:春海四方糸師凛:八木勇征蟻生十兵衛:渡邊...

 

原作へのリスペクトが光る脚本

原作ファンにとって一番気になるストーリーの改変。それが本作においてはほとんどなく、原作に忠実。約2時間という尺に合わせるためにカットされたシーンはあるものの、『潔世一の物語』として抑えるべきところを抑えていて、原作へのリスペクトを感じました。
 
原作を読んでいなくてもストーリーがわかる脚本になっていたので、この映画で『ブルーロック』を知ったキャストのファンの方でも十分に楽しめるところも良かったと思います。
 
あるインタビューでプロデューサーの方が、金城先生とノ村先生には脚本から関わってもらったと話していました。先生たちがこだわったのは「仲良し青春映画」にしないこと。ブルーロックは隔離空間で選手たちが凌ぎを削り世界一のストライカーを目指す物語。そのデスゲーム感やひりつく空気もしっかりと感じられ、展開を知っていても最後までハラハラしながら楽しむことができました。

天才的なキャスティング

キャスティングに定評のあるCREDEUSの製作ということもあり実写化が決定した頃から期待していましたが、キャストが解禁されビジュアルが出た時はキャラクターの再現度の高さに驚きました。彼らが動いたらどうなるのだろうとさらに期待が増し、その後にPVを見た時の高揚感を今でも覚えています。
 
スクリーンで観て感じたのは、リアルを追求したキャラクター作り。“『ブルーロック』のキャラクターが実在したらこういう感じ”の正解を叩きだしたのでは、という印象でした。キャラクターがひと目でわかるように髪型や色は実際にいても不自然のない程度に再現され、メイクも作り込み過ぎずに化粧ッ気のないところが“サッカー少年”のリアルさを感じられました。
 
それにプラスして、表情、雰囲気、声色では原作愛を感じられる作り込みがされていて、どのキャストさんもハマり役でした。主人公・潔世一役の高橋文哉さんは、普段あんなにキラキラしているのに、一変してこの映画の中では素朴なごくごく普通の高校生さを演出している。役者の方の雰囲気作りの凄さを実感します。


 
今回特に難しい役として注目されていた千切豹馬役の高橋恭平さんですが、自分のことを話さずチームに馴染もうとしないミステリアスさを纏った雰囲気や、足のケガによる“恐怖”という鎖を引きちぎり走り出す「千切と言えば!」のシーンでは観客の心を震わせる演技を見せてくれました。他作品で陸上選手の役を担ったこともあり、その時の経験が活かされているのでしょうか。走る姿はとても美しかったです!
 

 
私の中で印象に残っているのが鰐間兄弟。一人二役を演じた三浦獠太さんの演技がとても良かった。喋らずに表情で物語る兄と、「腹立つ~」と思わせる話し方をする弟の演じ分け、そしてサッカーがちゃんと上手い! これは父親がキングカズ(三浦知良さん)という遺伝子レベルのものなのか……。チームZとチームWの試合は千切の覚醒シーンもあり見応え抜群。ぜひ注目してほしいです。
 

 
そしてキャスティングにおいて語らずにいられないのは、窪田正孝さん演じる絵心甚八。ビジュアルも、シルエットも、声のトーンも、焼きそばの食べ方も、すべてが絵心甚八そのものでした! 存在感を放つ窪田さんの絵心によって“青い監獄”に説得力が増し、ぴりぴりした空気がスクリーンを通してこちらにまで伝わってきます。さらに選手たちが覚醒していくシーンで見られる“絵心のしたり顔”にゾクゾク。圧倒的な演技力に魅了されました。
 

今までになかったサッカー作品

舞台挨拶で監督が話されていましたが、本作のようなサッカーを扱う作品が約30年ぶりとのこと。それほどにサッカー作品を作り上げるのは難しいのだと思います。それが本作ではキャストが“ちゃんと”サッカーをしている。
 
キャストもサッカー経験者やスポーツ経験のある方を起用し、1年半もの時間をかけて技術を身につけていることから、サッカーシーンをリアルに描きたい製作陣のこだわりが感じられますし、キャストの額から流れる汗もリアリティを増していました。


 
印象的だったのはシュートモーションが原作どおりだったこと。とくにKさんの凪誠士郎の超人技のようなトラップやシュートの再現は圧巻でした。技の再現だけでもすごいのに、凪の身体のしなやかさまで追求したとの。サッカー監修の松井大輔さんがプレーした動画を見て練習したりと、キャスト陣の運動神経とセンスに脱帽です。
 
キャスト解禁時からサッカーの上手さにおいても注目されていた櫻井海音さんですが、やはりダントツで上手かったです。チームZ対チームV戦で蜂楽の個人技が際立つシーンがあるのですが、引きで撮影していてもずっと見ていられるほどにテクニックが優れていて、「そこに蜂楽がいる!」と思わせるほど。技術だけでなく、蜂楽のニコニコ元気溌剌な雰囲気と、潔に「ビビってんの?」と言ったときのスンとした顔になるところなどの表情管理も含め、本当に適役でした。
 

潔世一とライバルたち

潔の進化に欠かせないライバルたちも印象的でした。
 
“青い監獄”に来て初めての課題「鬼ごっこ」では、日本サッカー界の宝・吉良涼介の爽やかなイケメンのイメージが壊れていく様を倉悠貴さんが絶妙に演じていましたし、まだストライカーとして未熟な潔の前に立ちはだかる馬狼照英の圧倒的強者感を、体格とビジュアルからも演出していた東啓介さん。


 
潔の空間認識能力が開花していくきっかけにもなったチームY戦終了後、普段は目を隠し表情を見せない二子一揮が唯一見せた悔しさをにじませた表情——あの富本惣昭さんの目はとても印象に残っています。
 
そして何と言ってもK(&TEAM)さん演じる凪誠士郎。ビジュアル、等身、プレー、すべてにおいて“天才”なキャラクターの凪を実写化するなんて無理だろうと誰もが思っていたであろうに、みんなを納得させるキャスティング。どこを切り取っても“凪”でした! チームV戦は潔だけでなく凪も覚醒していく見どころの多い試合。食い入るように見ている自分がいました。
 

 
試合終了後に潔と凪が話すシーンがあるのですが、映画オリジナルの台詞もあり原作と少し違うニュアンスになっています。けれど今後の二人のライバル関係を匂わす印象深いシーンで、先が気になる!と思わせます。
 
そして最後にサプライズキャスト。続編への期待が高まる終わり方になっているので、ぜひエンドロール後まで席を立たずに楽しんでください。
 

終わりに——玲王ファンのつぶやき

最後に玲王ファンとして少し書かせていただくと、私は綱啓永さんが御影玲王を演じると発表されたとき「ぴったり!」と思っていました。綱さんのいるだけで場を明るくするような、周りを笑顔にするような振る舞いは、玲王と似ているなと感じています。ビジュアル解禁時は「マロ眉じゃない……」という声も見られましたが、考えてみればあんなマロ眉が似合うイケメンは2次元の中だけでしか成立しませんよね(笑)
 
本作では凪と玲王の関係性はほぼ描かれていないのですが、それでも綱さんとKさんが、凪と玲王が“青い監獄”に来るまでにどういう時間を過ごしてきたかを理解し、彼らの距離感・空気感をしっかり演じてくれていたのでファンとしてとても嬉しかったです。金城先生がマストで入れるよう希望したという食堂でのおんぶのシーンにも歓喜! 『ブルーロック』初見の人は、なぜ高校生男子がおんぶ?と思うかもしれませんが、この二人には無くてはならないシーン。スクリーンで見られて大変満足です。


 
個人的には綱さんの「なぎー!」という呼び方が最高に良かったです! 凪がサッカーの面白さに気づき始めたことを感じとった玲王の、複雑な表情も完璧でした。もし続編が公開されることになり、二次選考での凪と玲王の“あの”シーンを綱さんが演じることになったら……どんな玲王を演じてくれるのかという見てみたい気持ちと、あのシーンが現実になるなら見たくないという気持ちで、想像しただけで情緒がおかしくなりそうです。
 
実写『ブルーロック』、私は大変楽しませていただきました。原作が大好きな方もぜひ、勇気を出して観てみてほしいです!
 

この記事をかいた人

万木サエ
アニメイトタイムズとテーマパーク系雑誌の仕事の二刀流! “好き”を仕事にできる喜びが、今の自分の原動力!

 

おすすめタグ
あわせて読みたい

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2026年夏アニメ一覧 7月放送開始
2026年秋アニメ一覧 10月放送開始
2027年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2026夏アニメ何観る
2026夏アニメ最速放送日
2026夏アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
放送・放送予定ドラマ作品一覧
周年アニメまとめ