
『幼女戦記Ⅱ』第7話「煉獄」を振り返ろう! 休暇で帝都に戻ったターニャは、前線とはまた違う厳しい現実を直視する【ネタバレ注意】
2026年7月8日(水)より放送開始となったTVアニメ『幼女戦記Ⅱ』(以下、本作)。
原作は著:カルロ・ゼン先生&キャラクター原案:篠月しのぶ先生による、KADOKAWAから刊行されているライトノベル。東條チカ先生によるコミカライズも人気を博しています。
本稿では、そんな本作の第7話「煉獄」を振り返りつつ、今後の見どころやキャラクターたちの動きを整理していきます。なお、まだご視聴前の方はネタバレが含まれますのでご注意を。
第7話「煉獄」あらすじ
ソルディムでターニャ達は持ちこたえた。ところが、肝心のアンドロメダ計画が頓挫。
休暇を兼ねて帝都に戻ったターニャは、そこで、後方がなお勝利に執着する実情に驚愕することになる。
ゼートゥーアと腹の内を探りあったターニャは、ひとまず休暇で帝都へ戻ることに
前回のエピソードで交わしたお茶の約束を果たすターニャとゼートゥーア。その際の救援についてゼートゥーアは至高の援護としてはこれ以上にない戦果だと賞賛しますが、ターニャは将兵を肉壁としてすり減らしたまでと謙遜しました。
ゼートゥーアには「ひいてはそれを命じた人間の責任と?」と嫌味だと受け取られてしまいますが、ターニャは形式的な儀礼を尊重すると黙して語らず。そんな話をしながらも存在Xのような輩に己の運命を委ねることはないと考えつつ優雅にお茶会と洒落こんでいると、ゼートゥーアからアンドロメダ計画が頓挫したとの凶報が。
連邦の南部諸都市を抜いて資源地帯を確保することを目的としていましたが、なんとヨセフグラードまで進攻したところで補給が破綻。防備を固められて如何ともしがたい戦況になってしまったのだとか。
ゼートゥーアいわく鉄道部は頑張っていたものの、物動がうまく行っておらず、糧食や砲弾といった戦争を続けるために必要な物資の調達が不足しているそう。さらにゼートゥーアが上層部にいた頃は、無い袖を振ってでもやりくりしていた事実も発覚。
優秀な人物のおかげで前線を支えていたにも関わらず、そんな人物が戦争継続に反対したからと左遷までして戦争の継続を望む......それを選んだ帝国の現状は非常に危ういものがあります。ターニャでなくとも上層部は現実が見えてないと考えてしまうでしょう。
ゼートゥーアは帝国は勝利依存症なのだと一言。だからこそ自分たちは内なる課題に勝利せねばならず、そのためには悪い手管を覚える必要もある......とも。
東方での戦いに専念するには、西側での戦いにも勝たなければならないとゼートゥーア。ターニャは西方航空戦のことかと問いますが、それよりはもう少し東側だとのこと。今西方で敵と戦っている場所より東側だなどと、それはもう国内の話になってしまいます。
これを聞いたターニャは味方を撃つのは勘弁願いたいと思ったのですが、そこへゼートゥーアから「ひとつ、貴官も共犯者になってくれたまえ」とあからさまなクーデターの誘いが。
この誘いに喜び勇んで乗ったとしても、ゼートゥーアが本気ではなく単にターニャに反逆の意思があるか詮索するためだった場合、上官の前でその意思を示したことになるでしょう。また、ゼートゥーアが本気でクーデターを画策していた場合は、露骨に否定したり上層部に報告するような素振りを見せたら消されてしまう可能性を考えなければなりません。
何をどう答えようが角が立つ詰みな状況のため、ターニャは「僭越ながら、小官は帝国軍の軍人です。合法的な命令に服従する義務を負った、軍事機構の一員に過ぎません」と否定も肯定もしない形で切り抜けようと考えます。
こう答えるしか道はなかったように思いますが、このターニャの回答を聞いたゼートゥーアからは「よもや違う返答であれば、撃たねばならなかったな」と冗談にしてもタチの悪い賞賛が飛んできました。
そしてゼートゥーアは、貴官は何か勘違いしているようだとターニャに指摘すると、まずは帝国の現状を見てくるようにと伝えました。そして休暇のために帝都へ戻ったターニャたち。駅では自分たちの部隊の司令官にあたるレルゲンが出迎えてくれました。
ヴァイスとセレブリャコーフに他の部隊員たちを任せ、レルゲンと現状報告を行うターニャ。レルゲンからは取り急ぎ3つ。ひとつ目は参謀本部と最高統帥府が東部作戦の責任問題で紛糾しており、軍はこの戦争を素晴らしい勝利で終わらせろと無茶ぶりされていることが判明。
ふたつ目は、ひとつ目を実現するためには東部の空を確保せねばと指摘するターニャにとって悪い報せで間違いなく、西方の航空情勢が著しく悪化しているとのこと。なんとこれによって、東部どころか南方大陸からの撤兵すら検討しているのだとか。
最後に3つ目は「首都空襲をやってもらうことになるやもしれん」。これを聞いたターニャは連合王国の首都ロンディニウム、ルーシー連邦首都モスコーの再襲撃を目標とするのかと考えますが、ターニャの答えを否定してレルゲンが指刺したのはこの帝都の空であり……!?
しかし、「いや、やめておこう……」と踏みとどまるレルゲン。相変わらず胃痛が止まることがなさそうな仕事を回されているようで、かなり憔悴している様子。
そしてレルゲンはターニャに、自分がイルドアを介した講和交渉の一端を担っていたことを明かしました。レルゲンからすればあの講和は本気だったものであるし、軍が用意した停戦案をこの国の政治家が認めさえすればこの戦争を終わらせられたのだはないか……そう思わずにはいられなかった様子。
ここでターニャ自身も、現状を変えるには政治家たちの目を覚まさせるしかないのかと考え始めました。
戦いから離れた帝都にも戦争の影響が……このまま続けても傷口が広がりそうですが!?
続いて参謀本部でルーデルドルフに会うターニャ。前線からの意見を報告しようとしますが、ルーデルドルフには先に結論から言えと急かされてしまいます。これを受けたターニャは、現場からでは勝利への道筋が見えないと上層部の意向をバッサリ切り捨てました。
どうやって戦争を終わらせるのか、敵野戦軍の殲滅なのか、それとも要衝の占領なのか、何を勝利とするのか、上層部が具体的に何を求めているのかがわからないと語るターニャ。そんなターニャ、ひいては前線で戦う将兵たちの疑問の答えとしてルーデルドルフが話してくれたのは「勝利」という言葉ただひとつ。
「勝利」というゴールは決まっているものの、そのゴールがどこにあるのか、何をすればゴールなのかも決まっておらず、現状ただ「勝利」のために戦う羽目になっていると知って流石のターニャも「左様で……ありますか……」と絶句。
「つまり最高統帥府は、目指すべき実質的なゴールすら策定し得ないと?」なんて確認までするのですが、ルーデルドルフの答えは「その通り」の一点張り。「そんな馬鹿なことが……」とまだ信じられないターニャですが、嘆けど祈れどこの現状は変わりません。
そんなルーデルドルフに、レルゲンも憔悴しておりどうすれば後方に現実を理解させられるか考えていたと伝えると、思い違いをしているようだとターニャにルーデルドルフは木を見て森を見ずというやつかと指摘します。最高統帥府の政治家たちも国民感情を恐れる生身の人間であり、世論に溶かされたくないのだとか。
そしてターニャが今の帝都を肌で感じ、祖国の世論を知る必要があると察したルーデルドルフはターニャをある場所へと誘いました。
その夜、同期のウーガと食事に赴いたターニャ。ルーデルドルフとの話について聞いてみると、ウーガいわくその場でルーデルドルフが言ったことの一端は目の前にあるとのこと。それはハーブティーで、いわく健康には良く流行しているそうですが、ターニャが一口飲んだだけで顔をしかめるくらいには美味しくなかった模様。
しかも出てきた料理がデデ肉(※第一次世界大戦時に実在するとある国で作られていた代用肉的なもの)やKパン(※こちらも第一次世界大戦時に実在するとある国で作られていた、ジャガイモを主な原料としたパンのこと)と、お金を払って食事する店ですらそんな料理が出てくる始末……前線も地獄でしたが後方もこれでは、戦場に出ない民衆もかなり疲弊しているはずなのです。
こんな現状を直接見ても「総力戦とは恐ろしいものでありますな」と語り、「ですが所詮は穏やかな労苦です、戦時下ともなればそれくらいは甘受してもらうほかありますまい」と冷静に指摘してしまうターニャ……。
それを見かねたのかウーガは「ひとつ貴官に提案がある」と一言。そして悪くとってほしくはないと前置きしつつ「貴官には少しばかり人間の感情を汲んでもらいたい……平たく言えば、人間としての当たり前をやってもらいたいのだ」と語りました。
そのままの意味で受け取ると誹謗中傷なので、流石のターニャも「それは、小官の人間性に対する疑義でありますか?」と苛立たし気な様子。もちろんターニャの人格を否定する意図はないとフォローを入れるウーガですが、ターニャは物事の理非に即決を求めすぎであり、出来ぬ輩を否定し過ぎるとも。
感情は頑強なもので拗れると解きほぐすのに時間がかかるというウーガに対してターニャは、お気持ちはわかりますが必要が理性を求める。断固たる意思の欠如は機会損失と同義であり、妨げでしかありえないとピシャリ。
そんな生き方をみんながみんなできる訳ではありません……参謀将校としての訓練も受けたが、今の自分はそれでも幼子のように泣きだしたくてたまらないとウーガ。後方勤務の軍人ですらこの憔悴っぷり……しかも娘が生まれた時から軍人としてあれないと考えているなんて、あまりにも辛すぎます。
翌日、ターニャがルーデルドルフに呼び出されたのは戦没者の式典でした。ルーデルドルフの言葉を頼りにその光景を、今の帝都の日常をじっくり見ていきます。
棺には遺体は入っていないのですが、それを重そうに担ぐ兵士たちも怪我をして体調が悪そうな様子。そんな戦えない軍人が、戦って死んでも遺体すら帰って来なかった故人の棺を担ぐ……なんといびつな光景でしょうか。
この光景こそが帝国の現状を正しく物語っているというルーデルドルフ。しかし、「だがそれとは違う物語もある」とターニャに「人々の顔をよく見てみろ」とも要求しました。
悲し気なメロディのトランペットの演奏が町中に響き遺族が涙する中、国のために戦った兵士の式典には目もくれず、いつも通りの日々を送ろうとする人々……中には綺麗な格好の親子が仲良く並んで歩いており、新しく買ってもらったのか子供は人形に夢中な様子。
そんな時ターニャの頬に一滴、雨の雫がはらりと落ちてきました。それは血の色をしており……モノクロの世界に血の雨が降る不気味な光景を幻視するターニャ。
「ここにあるのは歪んだ日常……非日常であるべきものが日常と化して久しい壊れた平穏」「狂気は後方まで沁み込んでいる」「人間性をすり潰されるのは、最前線だけと思っていないか?」と……だから弱い人間には超越的な存在が必要であり、信仰を求めるのだとまるで存在Xを肯定するかのような言葉を聞かされてしまいます。
現実へ戻ってくると、ルーデルドルフから帝都の住人にとって戦没者の棺は日常になっていることを伝えられました。ターニャはまだ民衆が理性的なら希望は見出せると語りますが、ルーデルドルフはそんなターニャの言説を「貴様アホか」とバッサリ。
もう少し頭を使え、そして常識を取り戻せとルーデルドルフ。ウーガから既に「少しばかり人間の感情を汲んでもらいたい」と言われてしまっていただけに、ターニャはこれには異論を挟むことができずこの話には耳を傾けることに。
怒りは限度を超えると平坦に……沸騰しきった人間ほど案外落ち着いて見えるのだと人間の感情を教えてくれるルーデルドルフ。どん底に落ちて声が出なくなった人が一番恐ろしいもので、今や帝都は爆発寸前の火薬庫なのだそう。確かに今は戦争に勝っているという情報が届いているので踏みとどまっていますが、これで負けた、勝てないなんて話が出てきたとき……一体世論がどのように動くかが恐ろしい。
戦争のために物資も食事もここまで我慢を強いられて、それで負けましたとなった時、一体民衆はどんな選択をするのでしょうか。既にアンドロメダ計画は頓挫しており、その情報が帝国の人々に伝わった時のことを考えると本当に恐ろしいです。
それでも平和のためになすべきことをなすと語るターニャに、そこまでの平和愛好家だとは思わなかったと語るルーデルドルフ。そこでターニャが自分は臆病者だと言うのですが、この冗談にルーデルドルフは「何かの童話になるほどだ」と少し笑みを見せました。
そして印税を期待するというターニャに、無事に戦後を迎えられたらこのターニャの告白を「臆病者の英雄」というタイトルの絵本として出版すると約束しました。この約束が果たされる日はくるのでしょうか。
ルーでルドルフと別れ帰路についたターニャは、道すがらの売店で帝国軍の華々しい勝利ばかりを伝える新聞を目にしてしまいます。「酷い戯言だな……プロパガンダとは信じさせるものだろうに」と悪態を吐きますが、直後そんな新聞を読んで語り合う人々を見てしまい……!?
もう真実が伝えられているかどうかは関係なく、おそらく信じたいもの、信じさせたいものを新聞に書かれるようになってしまったのでしょう。散々ウーガやルーデルドルフから指摘を受けていたことから、ここでおかしいのは自分の方かと気づいたターニャ。
そんな現実を直視して、「よくもこんな世界に放り込んでくれたな……クソったれの存在Xめ……!!」と因縁のある敵への怒りを露わにしたところで第7話は終幕。
帝都の民衆にアンドロメダ計画が頓挫したことが伝わった時、本当に恐ろしいことが起こるのではないかと予感せずにはいられません。もちろん軍や政治家は隠そうとするのでしょうが、そうなった場合もさらなる戦果を求めて戦い続けるしかないので、恐ろしいことになるのは目に見えています。
今後は今以上に戦火が拡大することを予感させますが、ターニャやレルゲン(※サラマンダー)戦闘団のみんなはどのようにして生き延びるのでしょうか。戦死者など出なければいいのですが……。
また、軍部ではクーデターも辞さないといった人物が出てきてしまっており、その場合もさらなる混沌が待ち受けているはず。本当に一体どうなってしまうのか、今後の展開から目が離せません。























