
「これ以上ないほど“嵐”を証明している楽曲。新しい理由で歌えたことがすごく嬉しかった」——「東京カラーソニック!! Begin on -SESSION3-」楽曲『嵐光』小宮山嵐役・千葉翔也さんインタビュー
2021年に1stシーズンが始まり、2026年6月6日に5周年を迎えた『東京カラーソニック!!』。「歌手」と「作曲家」がバディを組み、楽曲制作を通じて葛藤や成長、互いの絆を丁寧に描く青春エンターテインメントとして多くのファンを魅了しています。
7月31日より、『東京カラーソニック!!』集大成となるFINALシーズンが始動! バディとして歩んできた時間の中で育んだ想いや経験を胸に、それぞれが自分の音で世界に立ち、“個”として歩き出す新たな物語が描かれます。
「東京カラーソニック!! Begin on」と題し、5組のバディによるドラマ&楽曲が5か月連続でリリース。ドラマ&楽曲のダウンロードシリアルコードに加え、歌詞カードやオリジナルグッズを同梱したセット商品を展開するほか、アニメイト特典では、2027年1月24日に開催されるイベントチケット優先抽選申し込みシリアルコードが付いてきます。
本稿では、9月25日にリリースとなる「東京カラーソニック!! Begin on -SESSION3-」楽曲『嵐光』のレコーディングを終えた小宮山 嵐役・千葉翔也さんにインタビューを実施! 楽曲を通して、嵐のこと、そして宙のことを真剣に考えたという千葉さん。楽曲の魅力はもちろん、『カラソニ』に込められた想いにも迫ります。
この楽曲を通して出した答えは「混じり気のなさ」「ピュアさ」
——レコーディングお疲れ様でございました。本楽曲のデモをお聴きになった際、最初にどんな感情や情景が浮かびましたか? また、その第一印象はレコーディングを経てどのように変化しましたか?
小宮山 嵐役・千葉翔也さん(以下、千葉):本編のドラマを経て、宙と嵐はさらなる高みを目指していく、僕の中でもすごく“馬力”のある状態をイメージしていたんです。
でも、この楽曲を聴いた時は「ついに真っさらな2人になれたのかな」と感じました。表現の自由度がすごく高い曲だな、と。言葉で「これはこういう曲です」と説明するのではなく、もうそこに自然と存在しているかのようにスッと入ってくる楽曲だったので、第一印象としては単純に意外でしたね。
カラソニとしての作品の締めくくりであり、嵐が出会う曲としてはおそらく区切りになるタイミングだったので、もっとパワフルで『RADIANT』にちかいものを想像していたんです。
だからこそ、まずは歌詞をちゃんと読み込もうと思いました。今回は原作チームから「こんな曲にしたい」という丁寧な申し送りを事前にいただいていたので、入り口が“宙の感情”であるということは間違えずに読み解くことができて。その上で、「この結果、嵐は宙にとってどういう光であるべきなのか」は、僕自身がしっかり考えなければいけないな、と思ったのが第一印象でした。
その答えとしては、「混じり気のなさ」や「ピュアさ」なのかなと。ただ、そこにはもう幼さや青さはなくて、まっすぐ伸びていく黄色いラインのようなイメージです。濃すぎず薄すぎず、でも芯がある。どういった歌声でアプローチするかは、レコーディング現場でスタッフ全員の共通認識を合わせてから録りたかったので、それが実現できて本当によかったです。
前作の『Replica』がかなり歌唱表現に寄ったエッジのある曲だったので、嵐としてのあのニュアンスをどう出すべきか、あるいはあえて出さない曲にするべきなのか、僕の中でもすごく考えさせられました。
あと、今回は『Begin on』のドラマ音源を、特に宙と一緒に録った大事なシーンを1から10までしっかり聞き返してから現場に来たんです。そのおかげで、曲に対する解釈は自分の中で自然と一本化できていました。
あとは声質の部分ですね。嵐の優しい部分を出すのか、それとも宙の悩みを打ち払うような強さを出すのかという選択でした。これまではキャラクター性にたどり着くための声質の調整が多かったのですが、今回は今までとはまた違った、一段上の次元で向き合えた気がします。
—-嵐としてはソロで歌う最後の楽曲となります。「最後の楽曲」として、この曲は千葉さんにとってどんな曲となりましたか?
千葉:この5年間、『東京カラーソニック!!』に携わる中でいろんな曲を歌ってきましたが、僕が嵐を演じる時のマインドの軸が、ドラマを重ねるごとに変化してきたなと感じています。初期の頃は、怒りや焦燥感がベースにあって声も低く攻撃的だったのですが、そういう部分が解けていった。じゃあ、今の嵐にとっての「強さ」とは何だろうと考えさせられました。
でも、やっぱり答えはドラマの中にあったんです。宙に対してどうしようもなくなってしまった時、海吏や巴が「もっとできると思ってた」というような言葉をかけてくれたのが、僕の中で救いになっていて。
「何も考えない(ピュアな)嵐」というものが、次の成長には必要なんだと思えました。5年間やってきたからこそ、そこは変に計算せずに行きたかったんです。過去の楽曲の焼き増しや、「パワーアップ感」を狙いすぎてしまうと、あざとくなってしまうなと。
それから、自分自身のレコーディングへの向き合い方としても、この曲は一つの「終着点」になりました。これまでは「テイク数を重ねること」が僕の中での正義だったんです。10テイク、20テイクと納得いくまで重ねるほど、自分の中で手応えが強くなっていった。
ただ最近、それは逆に「曲の意味を説明しすぎてしまう」ことにつながっているかもしれない、というのが自分自身の課題でもあって。この新曲にこれまでの5年間の欲や重みを乗せすぎてしまうのは違うなと思ったんです。
ちょうど最近、アーティスト活動の中で初めてご一緒したディレクターさんに録ってもらった際、僕がまだ色合いをつける前のファーストテイクに対して「すごく良い」と言ってくださる経験があって。「何もしない状態のほうが、曲と融合できているのかもしれない」と気づかされたんです。お芝居でも「1発目が一番新鮮で良い」と言いますが、それができる地力が、5年を経てやっと自分にも備わってきたのかなと。
だから今回のレコーディングでも、「誰かが良いと言ってくれた瞬間に、それを信じて潔くやめる」というのを徹底しました。お仕事として一つの区切りでありつつ、明日からの次のステップに進むための、今の僕だからこそ臨めた最高のレコーディングでした。
——歌いながら嵐として宙に向けてどんな気持ちを込めましたか? また、二人の関係性の中で、この曲にしか表現できないと感じた感情はありましたか?
千葉:原作チームの皆さんにも最初にお伝えしたのですが、この歌詞を背負って歌う嵐のことを想像した時に、「抱きしめてあげたくなるような、ちょっと微笑ましい感情」になるなと思ったんです。
例えば2番の歌詞にある「子供のように世界に怒っている」というのは間違いなく嵐のことですし、プロローグから一貫して「音楽で世界を変える」と言い続けている状態を指しているのかなと。そう考えると、嵐自身はちょっと照れくさいだろうなと思ったんですよね。
それをどう歌にするか。「宙の感情を追体験するように歌う」のか、それとも「嵐というひとりの人間として歌うことで形にする」のか、2つの選択肢があるなと。ディレクションの中で「宙の感情と、音楽を世界に届けたいという気持ちで」と言っていただき、それがすごくしっくりきました。
これまでの『東京カラーソニック!!』では、「勝つため」「宙のため」「2人のため」という理由が僕の中で大きなウエイトを占めていたのですが、今回は初めてのモチベーションというか、新しい理由で歌えたことがすごく嬉しかったです。現場で1時間ほど練習してからレコーディングに臨んだのですが、それぞれのテイク数は、これまでの5年間の中でもかつてないほど少なかったんじゃないかと思います。
最終的にこの楽曲の完成をもって強く思うのは、この作品は単に歌唱力やテクニックを楽しんでもらうための音楽コンテンツではない、ということです。やっぱり、そこにある「魂の熱さ」みたいなものを感じてほしくて。
そういう意味では、前作の『Replica』のほうが技術的には難しいことに挑戦していたんです。だからこそ今回は、それぞれの楽曲で本気で向き合ってきたからこそ、いい意味で肩の力を抜いて、すべてを剥き出しにした“抜き身”の状態で歌えたのだと思います。
僕自身、今後も一人の表現者として生きていく中で、歌にさらなる変化があったり、新しいテクニックを習得したりしていくはずです。でも、「5年間、嵐と全力で向き合ってきたマインド」で臨めるレコーディングは、間違いなく今この瞬間しかありません。そういう意味でも、嵐とはもう変わることのない特別な関係になれたのかなと思っています。


























