
『楽園追放 心のレゾナンス』11.13公開前リレーインタビュー連載 第6回:アニメーションスーパーバイザー・荻田直樹【後編】|「アニメーターは俳優」CGアニメで追求するキャラクターの芝居
水島精二×虚淵玄 再び。『楽園追放 -Expelled From Paradise-』(2014年)のその先の物語を描く続編『楽園追放 心のレゾナンス』が11月13日に公開されます。アニメイトタイムズでは、公開まで、さまざまな主要スタッフへのインタビューを敢行! その成り立ちから物語に至るまで、多角的に迫っていきます。
連載第6回は、アニメーションスーパーバイザーの荻田直樹さん。作画アニメでいう総作画監督というポジションなのですが、作画に対するこだわり、『楽園追放 心のレゾナンス』に懸ける想いを聞きました。後編は『楽園追放 心のレゾナンス』を中心に語っていただきました。
シナリオを見て感じた面白さ、ただ、作るのは「しんど」
──作画アニメだと、シーンによってアニメーターの色が出ることがあると思うのですが、CGでも色は出るのでしょうか。
荻田直樹さん(以下、荻田):出ていると思います。わかりやすいところだと、日本人アニメーターと海外の方のアニメーターで、テイストが全然違うんです。スーパーバイザーという立場だと、そこが一番困るところでもあるんですけど(苦笑)。
今回の『楽園追放 心のレゾナンス』(以下『心のレゾナンス』)では、作画アニメっぽいテイストを目指しているので、“タメツメ”を強くして、動くところは動き、止めるところはしっかり止めるというのを、前作の流れでやっているのですが、海外の方はピクサー作品のように、ぬるぬる動いてしゃべっていることが多く、直しても直しても動きが増えてくるんです(笑)。なので国内と国外では特に仕上がりが凸凹になりやすいんです。
国内の方でも、関わってきた作品のニュアンスがあったりするので、そのあたりをある程度慣らしていく作業はするのですが、これは水島精二監督とも相談して、アニメーターの個性を活かせるところは活かしていこうという話はしているんです。なのでテイストが変わるというか、映画を通して、ここだけ印象が違うな、というのはあると思います。
──シーンを振るときは、たとえばアクションが得意な人にはアクションシーンを振ったりするのですか?
荻田:社内ではそうです。社外だと、やはり今回はゼロから始めた会社で、付き合いが長くないので、どうしたってたどり着けないところはありました。ただ、自分の信条としては、社内に入っていただける人には、やりたいカットや得意なところを振ろうと思っていました。社内は少数精鋭で、メインのシーンをやろうという区切りにして、あとは広く協力会社さんにお願いをしています。
──具体的な制作についてですが、『楽園追放 心のレゾナンス』の絵コンテや脚本を受け取ったときの印象をお聞かせください。
荻田:2つの視点があって、ファン目線と実際に作る側の目線です。具体的な内容に関することは言えないのですが、シナリオを読んだときは「なるほど、こっち方面なんだ!」と思いましたし、面白かったです。そして作る側の目線では、シナリオを見たときから「しんど!」と思いました(笑)。
──そうなんですね。
荻田:そこから絵コンテを見たときは、「こんなに大変ならもっと早く上げてほしかったぁ……」と思いました。コンテが上がるまでは時間があったので(笑)。
──コンテがないと、作業は進められないですからね。
荻田:そうなんです。アニメーターってモデルがないと何もできないんですけど、コンテが決まってから作るモデルを決めて、そこでやっと動き出せるので、なかなか手出しができなかったんです。自分は早い段階でプロジェクトに入っていたので、やることがあまりない時期が長く、それがあったから仕様作りをできたところもあるんですけど、プロデューサーからは、いろいろ言われるという立場でした(笑)。
野口プロデューサー:1カットを3ヶ月かけて作っていたんですよ(笑)。
荻田:仕様決めとか他の事やりながらなので、そのカットだけに3ヶ月かけていた訳じゃないですからね!
野口プロデューサー:しかもそのカットを水島監督が没にしようとしていたから、いやいやいやいや! 待ってくれと(笑)。
──主要キャラクターのモデルは作っていたんですよね?
荻田:キャラクターデザインはあるので、メインキャラクターは作っていました。どこかのインタビューでも話しましたが、当初自分が合流する前、ある程度作り込まれたものがあったんですけど、前任の方がプロジェクトを外れて、僕がスーパーバイザーになったという流れがあります。そこで、自分が水島さんに修正を提案して、そこで一度、3Dモデルのスーパーバイザーの方に相談し、水島さんとも話した上で作り直し、今の形になりました。だから下準備はしていたけど、本制作に関わるようなガッツリしたことがなかなかできなかったという感じです。

































