この記事をかいた人

- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

『ONE PIECE』第1話から登場し、物語が動き出すきっかけを作った重要キャラクター、シャンクス。四皇クラスの大海賊でありながら偉ぶらず陽気で友達思いな人格者で、多くの人々に慕われています。主人公のルフィにとっては命の恩人かつ憧れの人であり、彼がいたからこそ海賊になったと言っても過言ではありません。とはいえ作中での登場回数はそう多くなく、謎多き人物でもありました。
そんなシャンクスですが、連載開始から25年以上の時を経て、ついに驚くべき出自と経歴が判明しました。ネット上を賑わせた「双子説」の答え合わせから、出生の秘密と家族構成、そして空白の経歴まで、最新情報を交えて徹底解説します。
一時期、シャンクスに関する考察の一つとしてネット上に広まったのが彼の双子説。この説を盛り上げたのは、主に2つのシーンに張られた伏線でした。
1つは原作第907話において、シャンクスらしき赤髪の男が聖地マリージョアのパンゲア城内で五老星と直々に対面し「──ある海賊について話が…」と切り出す場面です。ここでは五老星側が「何の用かね わざわざここまで」「今は「世界会議(レヴェリー)」──立場上君は政治に関わるべきではないぞ」「君だから時間を取った」と言葉をかけており、まるで四皇という立場がありながらわざわざ聖地までやってきたシャンクスの足労をねぎらっているかのようにも見えます。
ですが、シャンクスと五老星に「君だから」と言われるほど深い繋がりがないはずのこと、シャンクスのトレードマークともいうべき目の傷や、服装、左腕、名前など彼だと判別できる情報が徹底的に伏せられているといった違和感から、双子やクローン説、さらに二重人格説まで浮上し話題になりました。
もう1つは、シャンクスとその娘・ウタの絆が描かれた映画『ONE PIECE FILM RED』です。ウタがシャンクスの娘と知った五老星は、「ウタがフィガーランド家の血筋かもしれない」と神妙な面持ちで話し合います。実際にはシャンクスとウタは血の繋がりがない親子なので、五老星の心配は杞憂でした。
しかし、“フィガーランド”という姓はこのシーンが初登場であり、思い返せばこれはシャンクスが天竜人であることを示唆する手がかりだったのです。
さらに当時、同映画の特典として配布された40億巻では、赤ん坊だったシャンクスは財宝に紛れて宝箱に入っていたところをロジャー海賊団に拾われたという事実も明かされます。シャンクスの“訳あり”な出自の謎がより深まることになったのです。
このように高まっていったシャンクスの双子説や天竜人説。のちに神の騎士団・フィガーランド・シャムロック聖や、元神の騎士団で現五老星のフィガーランド・ガーリングが登場したことにより、シャンクスに双子の兄がいること、天竜人の血を引いていることが確定します。
では、シャンクスはなぜ双子の兄とともに天竜人らしい人生を歩むことなく、海賊として生きる道を選んだのか? ここからは、詳しい出身と家族構成、経歴といった情報に迫ります。
じつは、シャンクスの出自と38年前に起きた「ゴッドバレー事件」には密接なつながりが。シャンクスの出生地(出身地)は、ゴッドバレーだったのです。
シャムロックとシャンクスは、若き日のガーリングと、ゴッドバレーに住む赤髪の女性との間に生まれました。双子の兄弟は天竜人同士の子どもというわけではなく、天竜人が「下々民(しもじみん)」と蔑む一般の民とのハーフ。そのためか、ガーリングは双子の母である赤髪の女性を対等な人間として扱いませんでした。
当初は表情や口調が穏やかで、女性をあからさまに蔑む様子はなかったガーリングでしたが、いざ双子が誕生すると、自らにふさわしい妻を“発注”したから一緒に暮らすことはないと赤髪の女性をあっさり切り捨ててしまいます。さらにはゴッドバレー事件のさなか、当時まだ1歳の赤ん坊だったシャムロックとシャンクスの目の前で彼女を殺すというショッキングな場面も。
そんな経緯で母を失ったシャムロックとシャンクスを事件の混乱から逃がしたのが、若き日のドラゴンでした。その際、シャンクスはドラゴンが気付かぬうちに宝箱に紛れ込み、ロジャー海賊団に拾われることに。シャムロックはマリージョアに戻り、ガーリングに引き取られます。こうして、双子はまったく異なる人生を歩むことになりました。シャンクスは、ゴッドバレー事件の生き残りの1人なのです。
天竜人の血を引くシャンクス。血縁がある家族の構成は以下のとおりです。
父:フィガーランド・ガーリング聖
かつて神の騎士団として活躍した強者。神の騎士団最高司令官を経て、現在は五老星の防衛武人の座につく。
兄:フィガーランド・シャムロック聖
神の騎士団団長。赤い髪や顔立ちはシャンクスとよく似ているが、シャンクスよりも髪が長く、性格は陽気なシャンクスに比べ冷酷さが目立つ。
母:ゴッドバレーに住むの赤髪の女性
シャンクスたちが1歳のころ、ガーリングによって殺害される。
天竜人の血を引いて生まれたシャンクス。ゴッドバレー事件をきっかけに幼少期をロジャー海賊団で過ごし、ロジャー亡き後は赤髪海賊団として名を上げ四皇へと上り詰めていきます。
天竜人の父を持ちながら、物心ついたときから海賊としての人生を歩んできたシャンクスですが、じつは一時的に聖地マリージョアに戻っていた時期があるとエルバフ編で明らかになります。
聖地では、神の騎士団の見習い的な立ち位置である「神の従刃」としての日々を送り、双子の兄・シャムロックと並ぶ姿も描かれました。
とはいえ、シャンクスは本当に天竜人として生きるために聖地へ戻ったわけではありません。真の目的は、世界政府内部を探り、情報を得るための潜入だったのです。そこで彼はイムの存在をはじめとする政府の実態を掴み、元ロジャー海賊団のスコッパー・ギャバンにそれを共有しています。
聖地に戻っていた時期、シャンクスは形式上は血縁の家族であるシャムロックやガーリングと、どのような距離感で関わっていたのでしょうか。
シャムロックとの会話シーンでは、情報を聞き出すべく自ら口数多く話しかけている一方で、「お前にはわからねェよ」「全てが嫌いだった!!!」(『ONE PIECE』第1167話)など、平常心で接しつつも、言葉の節々に出自や天竜人への嫌悪感が滲見え隠れします。
さらに、聖地へ戻ったときにガーリングから「下民共は人にあらず!!下界の事は忘れろ…!!」(『ONE PIECE』第1171話より)と言われたことを反芻して苦しみ、ギャバンから「悪いクセだぞ…!!出生を恨むなんて……!!!」(『ONE PIECE』第1171話より)と宥められる場面も。
やはり、血の繋がりがあるシャムロックとガーリングでも例外なく、天竜人を激しく嫌っていることは明らかです。
一方で、シャムロックとガーリングは、シャンクスを嫌っているというわけではなさそう。
シャムロックは、(実際には政府の情報を得るためですが)任務に奮闘するシャンクスに、身体を気遣う言葉をかけています。
また、聖地を離れて長い時間が経った現在も「…その海賊は生き別れた私の双子の弟だ…」「一度は聖地に戻ったのだがこのウス汚れた“下界”が好きらしい…」(『ONE PIECE』第1138話)と、シャンクスが弟であることを隠さず、その生き方もある程度尊重しているかのような物言い。
ガーリングもまた、天竜人しぐさが裏目に出てはいるものの、聖地へ戻ったシャンクスに「今まで不自由だったろう…哀れな子!!」(『ONE PIECE』第1171話より)と、息子の帰還を歓迎する彼なりの優しさをみせています。
とくに、シャムロックがみせるシャンクスへの反応は読者の間でも話題になり、SNSでは「シャムロック、別にシャンクスのこと嫌ってなさそう」「やれやれ…下界で海賊なんかやって…ってやんちゃな弟に呆れてるくらいの感覚なのでは?」「なんなら、いつかお兄ちゃんが下界から救い出してやる!って思ってそう」といった意見も目立ちました。
ガーリングはさておき、今後起こるとされている「世界中を巻き込む程の“巨大な戦い”」(白ひげ談)がはじまれば、確実に敵対することになるシャンクス(海賊)とシャムロック(神の騎士団)。そこで2人は直接対決をすることになるのか、それともなんらかのきっかけで兄弟の絆が生まれ共闘する日がくるのか、展開が楽しみですね。
『ONE PIECE』という壮大な物語のはじまりを担うキーマン・赤髪のシャンクス。主人公の憧れで、四皇の称号を持つ大海賊である彼が、じつはゴッドバレー出身の天竜人ハーフであり、父は五老星のガーリング、双子の兄は神の騎士団団長のシャムロックだったという衝撃の事実は、第1話当時には想像もつかなかったですよね。
1歳で親と故郷を失い、海賊王と航海を共にしたのち、苦しみながらも世界政府に潜入、さらに大切な麦わら帽子をルフィに託し、四皇まで駆け上がった末にワンピースを「奪り」にいくと宣言。壮絶な半生のなかで、世界のタブーをたくさん見てきた彼が思い描くのは、いったいどんな未来なのでしょうか。続々と明らかになっていくシャンクスの生き様から目が離せません。
[文/まりも]