
「片田舎のおっさん、剣聖になるII」キャスト連載インタビュー第6回!ベリル・ガーデナント役 平田広明さん|「親父を超えたのだから、自分の剣に責任を持たなきゃならない」……その自覚があることをただ感じてほしい
昨年(2025年)に放送されたTVアニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる」。その配信プラットフォームが、2026年6月22日(月)より拡大されました。また、7月8日(水)より放送を開始した第二期「片田舎のおっさん、剣聖になるII」も最終回を迎えました。
現在アニメイトタイムズにおいて、放送前に実施したスタッフインタビューに引き続き、第二期の放送に連動する形で出演キャストへの連載インタビューを掲載中。第6回は主人公ベリル・ガーデナント役の平田広明さんが登場です!
作品も最終回を迎え、この連載インタビューも最終回を迎えるということで、平田さんにはベリルというキャラクターとの出会いに加え、これまでの物語を振り返るようなお話を伺っています。
特に第二期第6話「片田舎のおっさん、父と対峙する」に関する話題は必読ですので、ぜひご一読いただき再度作品をご覧になっていただければ幸いです。
年齢感の違うベリルを演じる上で大変だったのは「プレッシャーをはねのける」こと
──ベリル役はコミカライズのPVから継続してのオファーだと伺いました。珍しいケースだと思いますが、改めて主役を演じられた感想をいただけますでしょうか?
ベリル・ガーデナント役 平田広明さん(以下、平田):コミカライズの帯代わりなんていうと恐れ多いですが、そのPVの収録のため秋田書店さんからお声がけいただいたのが最初でした。その当時は「アニメ化されるといいですね!」なんて半ば社交辞令のつもりで言っていたのですが、本当にTVアニメ化が決まった時は「マジか!?」となりましたよ。
第一期もみなさんから良い反応をいただきましたし、放送前にもう第二期の制作は決定していましたが、原作の佐賀崎しげる先生も感慨深いものがあったんじゃないかなと思います。僕としてもPVの時のほんの短いナレーションがここまで大きくなって、大変ありがたく、嬉しいという気持ちが強いです。
──そのPVの流れで平田さんへベリル役のオファーがあったそうですね。
平田:ありがたいことです。オーディションをやると大抵落ちてしまうので。
──本当に厳しい世界なんですね。
平田:どんな大ベテランだろうとキャラクターにあってないと落ちるので、それまでのキャリアは関係ないんですね。昔はテープオーディションなんてなかったけれど、今はそれが主流になっており、より多くの声優たちに機会が与えられるようになりました。
先日、以前関わった作品のプロデューサーさんとお話しする機会があったのですが、メインどころのキャラクターの10人ぐらいは1キャラクターにつき100人分ぐらいのオーディションテープを取り寄せるそうで、10人全員決めるまでにおよそ1000人分もの声を聴くそうなんです。
大変だろうとは思いますけれど、受ける側としてはもし受かったのならその1パーセントに残れて良かったなと感じるでしょうね。でも99%は落ちる。だからこそ、この作品はオーディションではなくて良かったと思っています。
──第一期では幼い頃の弟子たちとのシーンがいくつかありました。その際は細かく年齢の違うベリルを演じられていました。
平田:台本を読んだ時から凄く細かく年齢が設定されていたのですが、本当に苦労しました。例えば第一期では弟子たちと出会った頃の回想シーンがいくつか挟まっていたと思うのですが、この子との出会いは31歳で、この子は33歳でと明確になっていてこれはプレッシャーでした。
31歳と33歳をきっちり演じ分けろなんて言われているみたいで……役者としては萎縮してしまうじゃないですか。もう大変です。こんなの演じられる訳がない……「俺はあの海賊のコックを地声のまんまやってんだぞ!」って。
一同:(笑)。
平田:あのキャラクターは作品が始まった時は19歳だったけれど、年齢を意識してキャラクターを作っていないんです。今は21歳だけどそれも意識していないですし、そう思わないままもう二十何年も演じています。自分がひとつ歳を食ってもアイツは歳を食っていないから、一歳若くお芝居しなきゃなんて考えてないですからね。
本当に31歳と33歳を演じ分けられる声優がいるんだろうか……!?
実は収録中にも「今のは32歳っぽかったので、もう一回お願いできますか!」とディレクションがあったりしたんです。そこの年齢感があまりにも難しいので、ついつい「32と33の違いが分かるのか監督はっ!?」ってツッコんでしまったこともありましたよ。
──15歳と30歳みたいに倍くらい差があるならまだしも、30代前半の、それも1歳から2歳の違いを声のお芝居で表現する……もう聞いただけでも大変そうです。
平田:この年齢感の違いを表現する上で難しかったことと言えば、芝居を反省するのではなく、スタッフさんたちからのプレッシャーを跳ねのけようと頑張ることだけでした。
もう長年やっているとですね、アフレコブース後方のミキサールームにいらっしゃるスタッフさんたちを振り返って「今のは31歳でしたよね!!」「大丈夫でしたよね!?」ってこちらから先手を打った上で、「あっ31歳でした!」と言わせるんです。ほとんどパワハラ。もちろん、どうしても調整が必要なものは録りなおしをする前提ではありますけれども。
──(笑)。予告のおっさんネタも中々好評だったと思います。この収録の裏話もお聞かせ願えればと。
平田:僕としても嫌いじゃなかったですよ。以前掲載されたシリーズ構成・脚本の岡田邦彦さんのインタビュー記事でも僕ありきの予告になっていると語ってくれていて、凄くその部分のシナリオを岡田さんが楽しそうに書いてくれたことは、僕も原稿をいただいた時点で伝わってきたので楽しくやろうと思っていました。
第一期ではいくつかのボヤキが尺に入らないことがあって、ちょっとお待ちくださいとなったことがありました。どんな修正が入るのかなと思っていたら、その日の収録では飛ばすことになり、そんなに真剣に考えてくれているのかと驚きました。
何週間か後になって言いやすい尺で作られたものがあがってきたのですが、もうちょっと気楽に考えてくれていいのにとは思いつつ、予告と言えど一生懸命作ってくださっているんだと思ったら僕も嬉しかったですし楽しかったですよ。
──印象に残っている予告の話数はあったりしますでしょうか?
平田:そうだなぁ……でも収録自体は本当に大変だったんです。メインはどうしてもサブタイトルの「次回! 片田舎のおっさん、○○する」という部分を決まった尺の中で一番に立てること。話数によっては文字数も増えたりするので、どれぐらい前までにネタの部分を終わらせておかなきゃならないか事前に考えておかないといけませんでした。
食べ物や飲み物に関するネタが多かったですし、「いやー、食べた食べた」みたいな感嘆詞だとか、そういうところはもうちょっとやりたいなと思ってみたり‥‥
口パクがないから割と自由にできるんだけど、逆に口パクがない分だけ尺に追われるので、岡田さんが書いてくれたものはもっとこう言ってほしいんだろうなと思ってしまう。納得のいく予告が録れた記憶は少ないです。
制約の中でお芝居するのは仕事として当然のことですし、役者としても修業になるので嫌じゃなかった。だけど、本当はもっとここで愚痴れるのになとか、ボヤけるのになとか、出来上がりを聞くと自分の力不足を痛感しましたね。




































