
【今週の『キングダム』の話題は?】カイネの壮絶な過去、「雁門」にて李牧との出会い「見捨てられた地」〈889話〉
『キングダム』は「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の、紀元前中国 戦国時代の大河ロマン。作者は原泰久先生で、今年は連載20周年のメモリアルイヤーとなっています。
ここでは10月1日(木)発売の「週刊ヤングジャンプ(2026.10.15 No.44特大号)」に掲載の、『キングダム』最新889話「見捨てられた地」のあらすじと、SNSの反応を見ていきたいと思います。
※本記事には最新話のネタバレが含まれます。コミックス派やアニメ派、映画派の方はブラウザバックをお願いします。また、「ヤングジャンプ」をこれから読むという方も同じくです。
「雁門」の過去
現在、「秦趙(しんちょう)大戦」の真っ最中。飛信隊(ひしんたい)は、趙の王都 邯鄲(かんたん)直前で壊滅の危機に。隊の軍師 河了貂(かりょうてん)は、自ら兵を率いて囮(おとり)となり、隊長 信を逃がしたのでした。
趙兵に捕らえられた河了貂のところに駆けつけたのは、敵であるはずのカイネ。カイネは、自分の立場を理解しつつも、死んだ妹の姿を河了貂に重ね、河了貂に寄り添うのでした。
暗黒の地
河了貂の隣に腰掛けたカイネは、自分の過去を語りはじめます。それは、李牧(りぼく)が赴任してくる以前の雁門(がんもん、趙の北部国境沿い)での出来事です。
カイネが生まれ育った雁門は、日々が匈奴(きょうど)との戦いで——。
匈奴というのは、遊牧をしながら騎馬で中華世界の北の草原を移動しながら生きる人々。天候不順や地球規模の気候の変化があると、南下してきて中華世界の農耕民を襲うというのは、中国史あるあるかと思います。
カイネは、当時から戦士として、匈奴の侵入を阻むべく頑張っていました。しかし、あるとき、自身の集落も襲われてしまいます。助けに駆けつけるも間に合わず、目の前で両親と妹が惨殺されるという憂き目にあうのです。
この出来事を機に、復讐の鬼となったカイネ。現れる匈奴を斬りまくりますが、匈奴の侵入は止まらず、戦いの日々が続きます。SNSでは、「カイネの過去、エグい」「これはつらい」などの声が上がっています。
李牧が赴任してくる
この雁門へ、新たに北方守備の司令官として中央から派遣されてきたのが、李牧です。カイネは、骨珉伯(こつみんはく)・馬南慈(ばなんじ)・馬風慈(ばふうじ)らとともに、李牧の話を聞くことに。着任の挨拶でしょうか、雁門の人々が集められたのです。
李牧の策とは?
中央には期待できない、と冷ややかな態度の雁門の人々を前に、「やー どうもどうも」と太陽のように自己紹介をする李牧。加えて、この地の守備は「簡単」と言うのですから、皆唖然どころか怒るのも当然。特にカイネは、どう簡単なのか教えろと、李牧に食ってかかります。
すると李牧は、策があると言うのです。その策とは、「不戦逃避(ふせんとうひ)」。意味は、”匈奴が現れても戦わずに、財産を持って砦の中に逃げろ” とのこと。「ふざけるな」と息巻くカイネに対して、従わなかったら斬首です、と涼しく微笑む李牧。その表情には、自分の策に対する自信と、人々への優しさが窺えるようです。
砦の中に逃げればいいと言われても、それで上手くいくのなら、もうとっくにやっていたのでは? 砦は既存のものなのですよね?? と、カイネの反発にすごく共感してしまいますが、次回でこの策の詳細がわかるのでしょうか。早く続きが読みたいですね。
SNSでは、「李牧の表情が今と違って穏やか」「次は李牧の活躍シーン?」「カイネにとって李牧の登場は王子様だな」などの感想が上がっています。
おまけ:匈奴の歴史
匈奴について、史実も調べてみました。
ウィキペディアによると、匈奴は「紀元前3世紀から紀元1世紀後半まで、東部のユーラシア・ステップに住んでいた遊牧民の部族連合体である」とされています。紀元前3世紀より前はもっと東にいたらしいのですが、詳しいことはわかっていません。中国の史書に出てくるのが、この頃というわけですね。
『キングダム』より先の話になってしまいますが、司馬遷『史記』には、秦の中華統一後、将軍 蒙恬(もうてん)が、「万里の長城」の建設とともに対匈奴戦で活躍したことが描かれています。また、秦の滅亡後は、冒頓単于(ぼくとつぜんう)が匈奴帝国を建国した(紀元前209年以降)という記述もあり、この頃に部族の連合体としてひとつのまとまりが成ったことがわかります。
この後も、大陸の民族の動きはダイナミック。俯瞰で歴史を見ると、農耕民と遊牧民とがぶつかり合いながらも、血縁的には混ざり合っていく様がわかります。と、後世からは呑気に言ってられますが、確かにその時そこに生きていたら大変でしょう。人間、どの時代もいろいろ大変ですね。



























