
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第七章 虹色の輪廻』は未来にもずっと残り続ける物語。新たな旅路でヤマトが辿り着いた結末|古代進役・小野大輔さん&アルフォン役・古川慎さんインタビュー
土門にかつての自分を重ねる古代……その理由とは
──アフレコ自体は最後までご一緒する機会がなかったそうですが、何か意図があってのことだったのでしょうか?
小野:スケジュールの問題もありますが、このリメイクシリーズはあまりにキャラクターが多いので、いくつかのグループごとに収録する形をとっているんです。遡るとコロナ禍以前の『2199』の頃から地球側とガミラス側と別個で収録をしていて、その当時からデスラー役の山寺宏一さんとスタジオですれ違っていましたよ。
だから今回の収録も違和感はなかったのですが、その向こう側にある意図が気になってしまったんです。古川くんのグループに雪役の法子さんも入っていたのですが、改めて思い返すと、雪はアルフォンが匿っている状態なので、一緒に収録するのは理に適っています。でも、僕が所属していた古代やサーシャたちのグループが収録を終えてスタジオを出ると、古川くんや法子さんが順番を待っていて。
古川:何回かありましたよね。
小野:3~4回は確実にあったと思う。だから、「もしかして、わざとなんじゃ……?」と疑い始めたんです。だってもう少し頑張ったら一緒に収録できるじゃないですか。だけど、そういう別々に収録に臨む関係性を構築できたこと自体は良かったんです。
このリメイクシリーズでは、度々先の展開を知らないと演じられない役があります。例えば前々作『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』で神谷浩史さんが演じたクラウス・キーマンがそうで、神谷さんは凄い先まで物語を知っているけれど、僕は何も知らないみたいな図式でアフレコをしてきました。
『REBEL3199』では僕が一番、先の展開を知らなかったと思います。古川くんは確か、アルフォンがどういう存在なのかだとか、この先どうなるかを聴いていたんだよね?
古川:そういった情報は伺っていました。
小野:後から紐解いていくと、やっぱり一緒に収録しては駄目だったとわかってしまうんです。こちらからすると相手のことがわからないから挑んでいくし、わかるからこそ悲哀が生まれるじゃないですか。最終的にアルフォンがどうなるかこの第七章で判明した時に、僕は「ごめん」と申し訳なくなりました。
きっと自分の命が偽物だと知って思いつめたりもしたのだろうけれど、それでも雪のために部下のイジドールと一緒に動いてくれる。色々な出来事によって人の心が芽生えた上での行動ですが、それが男としてめちゃくちゃカッコよかったと思っています。最初はいがみ合って命を奪い合うこともありましたが、次第に共闘し始める……異星人ともわかりあえるなんて、古代がずっと信じて進んできたことなんですよ。
だから古代も生きる意味みたいなところについて、何か気づかされたものがあったんじゃないかと思います。アルフォンのおかげで、今を一生懸命に生きなきゃならないって思えるようになった気がしますし、だからこそ最後の収録まで古川くんとは会わなくて良かったのかもしれない。
古川:僕も古代側の事情を知らないままで良かったと思っています。もちろん色々なイベントに出演させてもらう前に完成した映像をいただくので、そのエピソードの中で何があったのかは事実として理解しています。けれどアフレコ中に知ってしまうとお芝居がブレてしまっていた気がするので、アルフォンとしてもそこは感じなくて良かったなと。
最終章では一緒に収録ができたので、遂に会えましたねと感慨深くなりました。アルフォンが古代に絡むことはなかったのですが、「これを付けて伝えてほしい」と雪に伝えられた。そしてアルフォンとして、古代と雪の会話を聴けたことが一番嬉しかったです。
これが自分たちデザリアムが失ったものであり、その根底にある儚さと輝きなのかと。それを聴きながらアルフォンの最後のシーンを迎えられたのは、僕は幸せなことだと思っています。きっと自分たちはこれに焦がれていて、人間性を失った種族であるデザリアムの自分が、その愛というものの片鱗を見られた。
それが欲しくてアルフォンはここまで来たのだけれど、最後の最後に一番美しいものが見られた……個人的にはそういった感覚がありました。その瞬間は一緒に収録できましたし、自分の台詞がないところまで感じ取って終われるのは役者冥利に尽きるものでした。
──古代なら土門竜介、アルフォンならイジドールとそれぞれ部下との関係性も描かれ続けたかと思います。小野さんは土門、古川さんはイジドールについてお聞かせ願えますでしょうか。
小野:土門は昔の古代ですね。後輩という立ち位置ですが、古代は彼に若き日の自分を重ねていると思います。考えるよりも先に行動を起こしてしまうし、自分の正義に突き進んでしまえる……ともすれば羨ましさすらあるので、古代もあんな風に生きたかったのかもしれません。
古代の中にも土門のような熱い想いと、それを行動に移してしまうような血気盛んな一面が必ずあります。けれど、どうしたってここまで歩んだ道の中で古代自身が気づいたことや、人と人との大いなる和を自分の言動、そしてヤマトに乗ることで体現していかなきゃならない。もう古代は、土門のようには生きられないんです。
自分に似ているからこそ呼応するし、共感もする。また反乱もされましたけれど、以前の古代だったら自分自身でやっていたかもしれません。だから土門の危うさにも気づいている。その自分もそうしたかったという想いと、今の自分が背負っているものとの間でせめぎ合いを起こしているのが今の古代なのではないかなと。
そんな古代だからこそ、きっと土門に自分の理想像を見るのかもしれません。同じ艦に乗るのもそれが理由だと思いますし。古代が今の立ち位置になったのも、沖田さん、土方さん、山南さんとヤマトの艦長を務めてきた先達たちの背中を見てきたからこそです。
だから行き着く先はきっと、古代は土門にヤマトの艦長になってほしいんじゃないかと見ていて思いますし、演者である僕個人としてもそんな願望を持っています。
古川:イジドールには「ごめんね」という気持ちが非常に強いですね。第六章では彼独自の考えで動いてくれましたが、アルフォンからすると彼はデザリアムに寄った考え方の人間ですし。そんなイジドールがデザリアムらしい行動や言動をしてくれたからこそ、デザリアムであるはずのアルフォンの特異性や、人間性の発露が際立ったと思っています。
とはいえ、そんなイジドールもイジドールで、激情に任せた反応を見せることがありました。だからやっぱり不思議ですし、面白いキャラクターですよね。それはきっとみなさんも感じて下さっているのではないかと思います。
この第七章においては「あっ、そういうギミックが働くのか」と非常にやるせない気持ちにさせてくれるのですが、それでもやっぱり憎むことはできません。アルフォンからしても彼を恨むことはないどころか、むしろ恨まれても仕方ないことをやってきたと思っているからなのかもしれません。
なので、まあしょうがないよねと思う部分がたくさんあります。僕としては色々なことがあったけどここにいてくれて良かった、彼が彼でいてくれて良かったです。
──最後に、ここまで『ヤマトよ永遠に REBEL3199』を追いかけてくれたファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
古川:これまで『宇宙戦艦ヤマト』に触れてきていただいたみなさんだけでなく、リメイクシリーズに今作から触れてくださった方もおられるかと思います。僕としては物語の結末は素晴らしいものが見られたと思っています。
覚悟を持って劇場に来てもらいたいですが、その後に何も残らないものでは決してありません。終わってしまったのではなく、次の日から自分の中で生きるための何かが芽生えるものになっているのではないかなと。ぜひ、何かひとつテーマを持って帰っていただいて、頑張ってこの先の日々を一緒に生きていきましょうという気持ちです。
小野:改めて『ヤマトよ永遠に REBEL3199』という艦に乗り込んでくれたヤマトクルーのみなさんに本当に感謝しています。この作品で描いているテーマは普遍的なものなので、ご覧くださったみなさんの心の中にもそうですし、この先の未来にもずっと残り続けると思います。
今を生きる上で必要な、大切にしなきゃならないテーマを描いていますので、そのメッセージを劇場で受け取っていただき未来に繋げていけたら嬉しいです。ぜひ最後まで、このヤマトという艦に乗り込んでください。
[インタビュー・撮影/胃の上心臓]
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第七章 虹色の輪廻』作品情報
10月30日(金)上映開始
あらすじ
この記憶は真実なのか。
信じてきた現実が崩れ、サーシャは自らの生きてきた証すら見失う。
アルフォンもまた、己の存在への疑念の果てに、怖るべき結論へと至る。
全人類を初期化する重核子爆弾──グランドリバース。
迫る破滅に抗うため、“縁”に導かれるかのようにパルチザン艦隊が結集。
最後の切り札、宇宙戦艦アリゾナが飛び立つ。
いまだ潰えぬ、マザー・デザリアムの目的。
そして明かされる、デザリアムの真の姿。
必ず帰る。
雪との約束を胸に、艦長席に座る古代。
数多の“謎”の答え、そして地球の“未来”を求めて。
いま宇宙戦艦ヤマトは、デザリアム本星へと突入する――。
キャスト
(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会


































