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- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島での心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、まもなく連載30周年を迎える現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
10月19日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1196話“死にたがりの愛に価値なんてない”では、サンジの意外な“恐いもの”が登場し、自身の弱点に向き合うことに。覚悟を決めて“自虐”を乗り越えたサンジが、キリンガムに放った言葉とは? 本記事では、SNSでの反響とともに、最新話の注目ポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1196話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方など、ジャンプ未読の方はご注意ください。
イムとの契約によって不死身の身体を誇る神の騎士団との戦いで重要となる覇王色の覇気。ゾロに続き、サンジも自身に備わる覇王色を開花させるべき局面へ突入します。
そこで避けては通れないのが、“自虐”という弱点の克服。打開のカギとなるであろうイワンコフの存在をはじめ、苦い記憶ばかりが脳裏に浮かぶサンジに、キリンガムは“夢出力(アうとうとプット)”を行います。
「サンジの恐いもの」として現れたのは、なんとイワンコフのMMA。あまりにもインパクトの強い、キリンガムとの合体も印象的です。
サンジ本人も意外な人物が出てきたことに驚きつつ、イワンコフを恐れる理由を自分の“弱さ”を見抜くからだと自覚します。彼がカマバッカ王国での日々にトラウマを抱えているのは、単にキャンディたちに追いかけ回され、スイーツドレスを着せられそうになったからというだけではなかったのです。
じつは当時、サンジはイワンコフから“自虐”に関する指摘をいくつも受けていました。
自分を雑に扱っていること、自分を低く見積もっているのが防御の甘さに現れていること、このままでは頑丈な体もいつか壊れてしまうこと。つまり、自己肯定感の低さが顕著なサンジには、“自己愛”が徹底的に不足しているというのです。
そんな“自虐”に自覚のないサンジは「いいだろ自分なんか!!」「俺は愛の男 ナミさんやロビンちゃんの為なら死ねる!!!」と突っぱねますが、イワンコフは「己を愛せない者に!!!他人など愛せなブル!!!」「死にたがりの愛に価値なんてない!!」と決定的なダメ出しをします。さらに、このままの戦い方ではいつか救いたい者も救えない限界がやってくるという旨の助言も。
鋭い指摘ですが、これまでのサンジを思えばイワンコフの言葉の数々は納得できるものばかり。SNSでは「マジで名言」「いい師匠すぎるだろ」「厳しいけど愛のある言葉だな」「イワちゃんかっけぇ……」と、イワンコフの金言に心を揺さぶられる読者の声が相次ぎました。とくに、自己肯定感の低さを感じたことがある読者であれば、作品を飛び越えて自分自身にも刺さる内容だったのではないでしょうか。
サンジが受けたこれらの教えを振り返ると、くまが彼をイワンコフの元へ送ったのも頷けますね。同じく自己犠牲的な気質を持つくまだからこそ、率先して死のうとするサンジの“自虐”を見抜き、希望を絶やさないイワンコフに救われたかつての自分と彼を重ねたのかもしれません。
イワンコフに釘を刺された“限界”が今だと感じたサンジは、これまでのようにつらかった過去に無理やりフタをするでもなく、ルフィに期待されている自分や、一味の胃袋を支える自分の価値を前向きに捉えはじめます。
ゾロの“己を確立する”という課題とは、どこか似ているようでもありベクトルが違う弱点でしたが、素直に自分を大切にすることを受け入れると、イワンコフのMMAは消失。そして、サンジがキリンガムに対して放ったのは「もう一発たりともお前の攻撃は受けねェ……!!」「頭が高ェ!!!!」という言葉でした。
このセリフ、なんとなく聞き覚えがあった方も多いのではないでしょうか。意識的にオマージュされているのか、ゾロがMr.1戦で言った「いいんだ もう受けねェ…」、カク戦で言った「頭が高ェ!!!」と重なっているのです。
この対比には、SNSの感想も「サンジがゾロと同じこと言ってる!」「激アツじゃん」「同格の両翼になったってことかな、エモい」「“頭が高ェ”ってセリフ、ゾロはカクに、サンジはキリンガムに言ってる。どっちも相手が麒麟なのお洒落だな」と盛り上がりました。
また、今回は見て見ぬふりをし続けてきた弱点に向き合い、あっぱれな成長を見せたサンジの姿に、涙を流す往年のファンも多かったようです。(もちろん、筆者もそのひとり。)ついに覇王色をまとう準備が整った、新生サンジの戦闘が楽しみですね。
[文/まりも]