
ReoNaが学生たちに届けた歌と“逃げて逢おうね”のメッセージ──「これからの日々に何かひとつ足せる“よりみち”であったらいいなと思います」AOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」ReoNaライブ後インタビュー
「逃げる」ことは、ときには自分から動くことでもある
──さらに、同じ事務所に所属する傘村トータ(LIVE LAB.)さんの「敗走」のカバーもありました。大人にもグッとくる一方で中学生、高校生にも刺さる楽曲ですよね。
ReoNa:楽曲に初めて出会ったとき、なんとなくイメージしたのが受験や就活だったんです。そんなイメージを受ける楽曲なんですよね。それこそ年齢という目盛りだったり、学年という目盛りだったり、人生の節目を一緒くたに決められているような感覚を、私も学生の頃に感じていて。
「たった3年で、自分の一生なんて決められるわけないじゃん」という想いがありながらも、みんなそれを受け入れてそうしていくのが普通なんだ、当たり前なんだ、と。納得しなきゃいけないような、でも納得できないような。「本当に、ここで一生決まっちゃうの?」って。そういう想いが学生時代にありました。私は戦わずして逃げ出して、逃げ出して、逃げて、逃げて。
でも逃げ込んだ先で、大人になった今も好きだと思うものがあって、好きだと言い続けられるものに出会えました。あのとき逃げたからアニメと出会えて、インターネットと出会えてよかったなと思っています。“逃げる”って、ときには自分から動いていいことでもあるんじゃないかなと思うんです。本当に最悪の選択肢を選んでしまうくらいだったら。
ずっと「逃げて逢おうね」と言ってきた中での「敗走」は、その「逃げて逢おうね」にひとつの出会いをくれたというか。「こういうことなんじゃない?」という想いをくれたお歌だなと思います。
──最後はヴィヴァルディ「四季」の「春」「冬」がモチーフとなっている「ALONE」でした。エルザにはじまり、エルザで終わるセットリストで。
ReoNa:そのセットリストは偶然ではあったのですが……ちょうど季節の変わり目で、いろいろな草木が葉を落として冬支度をしていく中でした。「よりみち」も最初にお届けしたのが子どもの日の時期で、そこからまた季節が巡って、今回2回目をやらせてもらって。「初めましての方?」と聞いたら、本当に初めましての方もいらっしゃいましたし、一方でグッズを身につけていて「いつも来てくれているのかな」と思う方もいました。
私たちはそれぞれ、まったく別の人生を歩むそれぞれの人生の主人公。一人ひとりが、それぞれの旅路を歩んでいる中で、“よりみち”というタイトルのもと、この回る星の上で巡り合ってあなたと同じ時間を過ごす。今日という日が終わったら、またそれぞれの旅路に帰っていくけど、またどこかで一緒に“よりみち”したり、“回り道”したりして出会えたらいいな、という想いも込めながら、最後に「ALONE」を歌わせていただきました。
──今日、会場に来ていた方が受け取ったものもたくさんあったと思うのですが、逆にReoNaさんが受け取ったものはありましたか?
ReoNa:ライブについて、ずっと“一対一”だと表現しています。こうして近い距離で表情を見ながらお歌をお届けさせていただくと、眼差しだったり、表情だったり、手拍子だったり。本当に目の前にいる人の姿を見て、私は勝手にいろいろ想像しちゃうんです。
笑顔で受け取ってくれていたら「もしかしてもともとこの曲を聴いてくれていて、好きでいてくれているのかな」とか。目に涙が浮かんでいるような人だったら「この人が抱えているものに寄り添えているのかな」とか。私の中でもいろいろ想像しながら「あなたが自分ごととして、この歌を受け取ってくれますように」という想いで歌わせてもらうのですが、今日は特にすごくよく顔が見えました。
──この距離でReoNaさんを見られることは、とても贅沢だなと思っていました。今回は私の子どもも一緒に参加していたのですが、すごく楽しんでいて。「あっという間だった」「えっ、もう1時間!?」と時間を確かめていました。
ReoNa:うれしい。本当に何よりです。今日初めてReoNaのライブに来てくださった方もいたので、今日をひとつの出会いとして。今日お届けした曲だけじゃなくて、今までリリースしてきたたくさんのお歌の中から「この歌、今の自分かも」と思ってもらえたり、「この歌があるんだったら、ちょっと次もライブに行ってみようかな」と思ってもらえたりしたらって。これからの日々に何かひとつ足せる“よりみち”であったらいいなと思います。
──そして、この“よりみち”から、今度は“De:TOUR -静脈”というホールツアーの“回り道”へバトンタッチしていきます。どんな景色が待っていそうですか?
ReoNa:『動脈』とも『よりみち』ともまたまったく違う、コンサートホールツアーだからこそのものをお届けできるんじゃないかなと思っています。“回り道”がたどり着いていく先には、来年のぴあアリーナMMでの2日間、『ハロー、アンハッピー ~逃げて逢おうね~』と『ハロー、アンハッピー ~やっぱり人が好き~』があって。
3rdアルバム『HEART』をリリースさせてもらってから、そこからいろいろなものを拾い集めて、ずっと“回り道”してきたような感覚があるんです。『HEART』から始まって、お歌という血液を持って、いろいろな場所を歩んできた2026年。その最後に『静脈』、静かに脈打つ“静脈”に帰ってきて、お届けしていくので。ぜひ、この先のワンマンライブ、ツアーも見届けていただきたいです。
──今日来ていた方も、前回来ていた方も、またどこかで会えたらうれしいですよね。
ReoNa:どこかで、今度は“回り道”で会えたらうれしいです。
【インタビュー:逆井マリ 写真:中井智久】




































