2016/3/23 12:15

劇場版『名探偵コナン』が「通常の3倍」観たくなる奇跡の対談!――劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」』インタビュー

 今年でTVアニメ&劇場版シリーズが20周年に突入した『名探偵コナン』。そんな記念すべき第20作目となる劇場版最新作『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』が2016年4月16日(土)より全国東宝系ロードショー!

 本作の公開に先立ち、物語の鍵を握る人物・赤井秀一役の池田秀一さんと安室透役の古谷徹さんにインタビューを敢行! 過去の他作品でも、ライバルとして戦ってきた長いお付き合いになる池田さんと古谷さん。『名探偵コナン』でも、ライバル関係にあるお二人ならではの見どころから、お仕事に対する姿勢、そしてプライベートでのお付き合いまで、たっぷり語っていただきました!

 おふたりのファンで、まだ『名探偵コナン』みていない人、記事で興味を持ち『名探偵コナン』をこれから見る人は、ネタバレも含みますのでご注意ください。

▲左より、古谷徹さん、池田秀一さん
▲左より、古谷徹さん、池田秀一さん

 
■「赤い?」に「アムロ?」! 池田さんと古谷さんは、キャラクターの第一心象は?

――本作で、赤井と安室の二人が物語のキーパーソンになると聞いた時の率直な感想をお聞かせください。

安室透役・古谷徹さん(以下、古谷):いやぁ、もう楽しみでしょうがなかったです! TVシリーズでは、まだ直接は出会ってないんですけど、もうお互いの正体はわかっていて……。安室的には、同僚を失った件に赤井が関わっているということで、赤井に対して確執があったので、今回の映画で安室と赤井が対決するのではないかと楽しみにしていました。

赤井秀一役・池田秀一さん(以下、池田):いや、本当にね。お待たせしました! 誰に対して言っているのか、わからないですけど……(笑)。今はゲームとかいろいろやっていますけど、だいたい収録は別録りですから、古谷さんと対峙するのは久しぶりです。『機動戦士Zガンダム』の劇場版(『機動戦士Zガンダム A New Translation』、三部作で、2005〜2006年に公開)以来じゃないかな。

古谷:そうですね。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でも、まだ出会ってないですしね。あの時以来ですね。

池田:10年ぶりぐらいですね。

▲左より、赤井秀一(CV:池田秀一)、バーボン(CV:古谷徹)
▲左より、赤井秀一(CV:池田秀一)、バーボン(CV:古谷徹)

――この役名を、このキャストで演じると聞いた時は、どのように思われましたか。

池田:赤井秀一という役をいただいた時に、どっかで聞いたことある名前だなっていうのが第一印象でした。それでやっていくうちに、だんだんわかってきまして、僕の考えていたことが正しかったんだなと……(笑)。

僕は赤井秀一として、15年前ぐらいから作品に出させていただいているんですけど、知らないうちにアムロ(『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイ。CV:古谷徹さん)じゃなくて、安室っていうのが出ていると聞いて、「えぇ? 誰の許可を得て?」って思ったんです(笑)。でも、久しぶりに古谷さんとご一緒にバトルをやることができて、光栄に思っている今日この頃です(笑)。

古谷:よく言う……(笑)。僕も実は10周年記念の映画『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』という作品で、犯人役をやらせていただいて、それ以外にも、TVシリーズでもちょっとした犯人役で、何度かコナンには出させていただいているんですね。実は、家族みんながコナンの大ファンなんです。TVシリーズもですが、特に映画は、もう何度も劇場に観に行くというほどコナン好きだったので、まず10周年の作品で、メインキャラクターとして出させていただいた時には、もう父親冥利に尽きるといいますか、もう自慢しまくりでした(笑)。

その後、TVシリーズで、安室透という役で出させていただくとお話をいただいた時に、「名前が安室透って、やっぱりこれは僕しかできないだろう!」って(笑)。まぁ、赤井秀一のことは知っていましたから、「この二人は何かあるぞ!」と思っていましたし、すごく楽しみでした。それで、キャラクターを見たら、超イケメンじゃないですか!しかも演じていくうちに、頭はいいし、イケメンだし、ボクシングもできるし、テニスは上手いし、最近ではギターも弾けるし、「もう何でもできるスーパーヒーローじゃん!やったぜ!」って思いました(笑)。

この役を描いてくださった原作者の青山剛昌先生には本当に感謝していますし、僕にとってはずっとライフワークにしたいと思うぐらい大好きなキャラクターになりました。だから今回の映画は、本当に楽しみで、もう……燃えつきました(笑)。

▲左より、キール、バーボン(CV:古谷徹)
▲左より、キール、バーボン(CV:古谷徹)

――青山先生から、キャラクターについて何か言われたことはありましたか。

古谷:一度、サイン色紙を持って会食をさせていただいて(笑)。そしたら、青山先生も色紙を持っていらして……(笑)。そこでお互いファンだということがバレバレになりまして、お互いのサインを交換させていただいたんです。その時にも、先生は「ガンダムが大好きなんです」と話してくださったので、やっぱりそうなんだなと……。

確かその時に、僕が原作の最新刊を持っていて、降谷零(安室透の本名。CV:古谷徹さん)という名前が原作に出ていたんです。それで、「ちょっと名前が安易すぎるんじゃないんですか!」って、先生にツッコミを入れたんですよ(笑)。ガンダムのキャラクター名だけでなく、僕の本名まで入れてくださったということが僕にとっては本当に嬉しくて、そのことを伝えたら、先生が「実は、ちゃんと意味もあるんですよ」と……。零というのが0に繋がるという話を聞きました。その後、出演者とスタッフのみんなで鳥取の「青山剛昌ふるさと館」へ足を運んだ時に、先生がシャアのコスプレをしている学生時代の写真が飾ってありました。

池田:ちょっと嫉妬した?

古谷:ちょっと、しましたねぇ。「何だ、アムロのコスプレしてないんじゃん」って(笑)。でもそうやって、僕らの代表作品であるガンダムをリスペクトしていただいて、自分の作品に描いてくださっているっていうのは、本当に嬉しい限りですよね。

▲赤井秀一(CV:池田秀一)
▲赤井秀一(CV:池田秀一)

――池田さんは赤井に対して、どのような印象を持っていますか。

池田:あんまり何もしないやつですよね(笑)。あまり何もしないのに、おいしいところだけもっていくっていうね(笑)。もう本当にありがたい役で、そんなにベラベラしゃべるわけじゃないし、助かります!

古谷:助かりますって!(笑)。

――青山先生から、キャラクターについて何か言われたことはありましたか?

池田:そういうお話はあまりしたことないですね。お会いしても、作品の話はしないです。ただ、今年のお正月にパーティーがあって、そこで久しぶりにお会いして、先生が「赤井、今度の劇場版で描きましたから!」と言われたので、僕は「頑張ります!」と答えました。

■7年のブランク、池田さんは赤井が死んだと思っていたのか?

――本作でキャラクターを演じる際に、特に意識した部分などがありましたら、お聞かせください。

古谷:今回の作品の中で、どこが見どころなのかなって、いろいろ考えたんですけど……。安室的には、まずバーボン(安室透の別名。CV:古谷徹さん)とキールが黒の組織に拉致されてしまう。そこは予告でも出ているのですが、そこからバーボンは脱出するんです。縛りつけられて、銃口を向けられていたところから、どうやって脱出するのかというトリックのようなものがあるわけですが、ここは、見どころになるんじゃないかなと僕は思います。



その後で、実は安室の口から解説というか、タネ明かしするんですよ。そのシーンは延々と安室一人でしゃべるし、演じていても大変だったんですけど、僕もちょっとポイントをおいて、お芝居をしたところなので、そこをしっかり観ていただきたいなと思っています!

池田:その安室のシーンをしゃべっている時に、赤井はその話を黙って聞いているわけです(笑)。

古谷:そういうキャラクターですもんね。楽してますね(笑)。

池田:楽してますねぇ~(笑)。

古谷:本当に憎たらしいったらね~(笑)。

▲左より、黒ずくめの組織・ウォッカ、ジン
▲左より、黒ずくめの組織・ウォッカ、ジン

――収録現場で、監督やスタッフといろいろとお話されましたか。

古谷:もちろん本作がけっこう深い話で、しかも長い歴史の中の本筋なので、座長であるコナン役の高山みなみさんにいろいろ聞いたりとか、それをスタッフに確認したりとかしながら、作っていきました。安室でいえば、安室透である部分とバーボンである部分と降谷零である部分がひとつの作品の中に全部入っているわけです。(編集部注:古谷さんは、『名探偵コナン』で、同一人物でありながら3つの名前と顔を持っているキャラを演じています。安室透は表の顔の名前で私立探偵。バーボンは2つ目の名前で、潜入捜査中の組織のコードネーム。3つ目の降谷零は本名。)だから、そこで対する相手にもよりますけど、特に赤井に対しては、言葉遣いも変わるわけじゃないですか。台本に書かれたセリフの語尾とか、ちょっと違和感を覚えたところなんかは、自分でセリフを直してやらせていただきました。

池田:僕は直すほど、そんなにしゃべってないんで……(笑)。

古谷:そんなことないですよ(笑)。

池田:でも途中、7年も出てなかったので……。

古谷:池田さんは赤井が死んだと思っていたんですか?

池田:いや、死んだとは思ってない。これで死んだのかなって、一瞬思ったわけですよ。青山先生も、もう赤井に飽きて、新たなキャラクターを用意してるなと……(笑)。それでも10年ぐらいお世話になったんだから、「ありがとうございました!」と心の中で思っていたら、コナン役の(高山)みなみちゃんが「死んでません!」って、小声で教えてくれたので、「あぁ、やっぱりな」と思って……。おかげさまで、まだ生かしていただいております(笑)。

■ふたりが感じる『名探偵コナン』が愛され続けるワケ

――今作はTVアニメ&劇場版20周年の記念作品になっています。長く、作品が愛されている理由や魅力を演じる側から見て、感じるところがあれば教えてください。

古谷:たくさんのキャラクターが出ていて、それぞれのキャラクターがとても魅力があると思うんですけど、一番は謎解きですよね! コナンは名推理して、謎をみごとに解決していくじゃないですか。やっぱり観ていても、自分なりに視聴者として、考えるんですけど、なかなか正解にたどり着けなかったりする。それを謎解きされると、「そうだったんだ~!」って納得させられる。そこの妙技というか、それがすごく面白いから、ついつい毎週観るんですけど……。その1話の事件に対する謎解きと、黒の組織の謎と2つある。これが本当に他の作品にはない魅力なんじゃないかなと思います。謎が謎を呼ぶ感じ。新しいキャラクターが出てくると、また謎が増えちゃうみたいな……。これが不思議なんだけど、とても面白い!

池田:僕は今、古谷さんが言っていた謎を解くっていうのは、あんまり考えていたら、頭が痛くなるので、そっちの方向は人にお任せしています(笑)。コナンの現場は、俳優、スタッフ、スタジオの雰囲気も含めて、チームワークがいいんですよ! だから、久しぶりにスタジオへ行っても、あたたかく迎えてくれる。アフレコ収録が終わって、一緒に飲んだりして、バカ言ってね……(笑)。

座長の(高山)みなみちゃんがいろいろとわかっている範囲で教えてくれる。TVシリーズの時には、収録前に台本はいただいているんですけど、フィルムを観ていないんですよ。

古谷:リハーサルDVD(のこと)ですね。

池田:収録当日の現場、みんなで一緒に1回観て、マイク前に立つんですけど、そういう時でも、率先してみなみちゃんは声を出すし、もう僕なんかは「今、このシーンをやってるんだ。助かる~!」って(笑)。そういうチームワークっていうのも20年続いている感じがしますね。

古谷:TVシリーズは、アフレコの終わる時間が夕食タイムになるので、これ言っていいのかわからないですけど……。毎週おいしいお食事とお酒を飲ませてくれるアニメは、他にはないです(笑)。僕は今年アニメデビュー50周年になるんですよ! 13歳の時からやらせていただいているので、もう何百本とやらせていただきましたけど、こんなおいしい作品ないですよね(笑)。

池田:でも、古谷さんは飲み始めたのが遅いんですよ。もう30歳近くになってからですよね?

古谷:ずっと飲まなかったですからね。ガンダムの頃は全く飲めなかったんです。

池田:僕が毎週飲みに行くと、(古谷さんが)バカにしてたんですよ。「何やってんだよ~」と、心の中ではね(笑)。

古谷:バカにしてたわけじゃないですよ(笑)。

池田:それが今やね……。もっと早く気がつけばよかったってね(笑)。

古谷:今は率先して誘っている方ですね(笑)。

――今回の劇場版で謎がひとつ解決するようなことはありますか。

古谷:それは言っちゃいけない(笑)。ぜひ映画を観て、確認していただきたいです。

池田:そうですね。

■ずっと一緒にやってきた二人だからこそ知る、仕事やプライベートの話!

――赤井秀一も安室透も、自分の確固としたポリシーや信念を持って、組織の中で行動していますが、お仕事をする上で、ご自身が何か心がけていることはありますか。

古谷:僕はとにかく、実際マイク前に立って、セリフを発する前までに、自分ができる限りの役作りをします。様々な情報を集めて、インプットして、咀嚼して、こんな声でいこうとか。このキャラクターはこうやって演じようとか。最初にある程度、固める方ですね。

台本をいただいたら、自分の演じるキャラクターの動きと同じ動きをしながら、しゃべってみたりして、その時の自分の声の状態を記憶しておいて、それを再現するようにしています。ただ、一番大事だと思うのは、感性、感受性ですね。それと、最終的には、実際にスタジオに入ってから、ルーティーンがあって、3分から5分ぐらいの決まった形のストレッチを必ずやるようにしています。

池田:僕は何もしません(笑)。

――たとえば、お仕事の前の日に、特別に好きなお酒を飲まれるとか……。

池田:今は前の日は、飲まないです。

古谷:大事なお仕事の時は、逆に飲まないですよね。

池田:それは古谷さんみたいに、晩酌として一杯、二杯はいいんですけど、僕は飲み始めると、止まらなくなるんですよ。

古谷:そうそう(笑)。

池田:昔はね、飲んでも大丈夫だったんです。ガンダムの頃の35、6年前は、夜中まで飲んでいても、どうってことなくて……。次の日、仕事に行っても大丈夫だったんですけど、最近そういかなくなっちゃったんで、飲まないと一応、決めているんです。まぁ、多少お酒を入れておいた方がよかったってことも、ありますけどね(笑)。

古谷:そんなことないでしょ(笑)。

――『名探偵コナン』では、赤井秀一はライ(かつて赤井が、潜入捜査をしていた時のコードネーム。CV:池田秀一さん)、安室透はバーボンというコードネームですよね。「ライ・ウイスキー」と「バーボン・ウイスキー」というお酒繋がりのお二人ですが、実際のお二人はどんなお酒を飲まれますか。

池田:最初に焼酎のお茶割を飲んで……。僕は最終的に日本酒です。

――けっこう飲まれますか。

池田:けっこう飲まれますね……。飲まれるって、(お酒に)飲まれちゃうってね(笑)。

古谷:そっちかいっ!

池田:そっちもありますね(笑)。

古谷:僕が本格的にお酒を飲み始めたのは、40歳過ぎくらいからです。池田秀一さんは(お酒も)大先輩なので、量的にはまだ全然かなわないんですけど……。

池田:いや、きれいなお酒ですよ。

古谷:きれいなお酒って何! 実はウィスキーはどちらかというと、苦手ですね。ビール、焼酎、ワイン、日本酒など、お料理に合わせて。やっぱり和食だと、日本酒がよけいにお料理をおいしく感じられるようになるので、そういう飲み方をしています。ただ、池田さんみたいに大事なお仕事の前には、1週間お酒を空けるということはしないので、毎晩少しずつ飲んでいます。やめられないというか……。家で飲むことの方がむしろ多いですね。

―――コナンのメンバーでお酒を飲みに行かれた時に、何か印象的なエピソードはありますか。

池田:僕はそういうことは覚えてないですから、周りは大変なのかな……。

古谷:もう池田さんとは、ずいぶん一緒に飲んで分かっているので、池田さんがそうなる前にフェードアウトするようにしています(笑)。

池田:(古谷さんは)いなくなっちゃいます(笑)。

――ガンダムの頃は、ご一緒にお酒を飲みに行かれたりはしなかったのですか。

古谷:その頃は飲めなかったので、お付き合いできなかったですね。僕の代わりに、鈴置洋孝(『機動戦士ガンダム』に登場するキャラクターのブライト・ノア役)さんが、もう今は故人になってしまいましたけど、ブライトがシャアに付き合っていました(笑)。

池田:そう。だから、僕はわりと連邦軍と飲んでいたんです。だいたいジオンって、そんなに出てこないんだよね。兵隊ぐらいしか……(笑)。

古谷:ですよね(笑)。

――その頃に、古谷さんがお酒を飲んでいたら、何か演技的に変わっていたのでしょうか。

古谷:当時は15、6歳の純粋でナイーブなアムロを演じていたので、飲めなくてよかったと思います(笑)。

池田:飲まなくてよかったですよ(笑)。

▲黒ずくめの組織・ジン
▲黒ずくめの組織・ジン

■素手で戦うシーンは、かつての『G』を思い出す!?

――作品内での二人の関係性は、どのように感じていますか?

古谷:やっぱり公安の降谷零にとっては、FBIの赤井にはライバル心があるみたいですよね。コアに確執があるとは思うんですけど、それとは別に、公安の組織対FBIの組織。そして人間としても、ライバル心があって……。プライドみたいなものがあると思います。でも、今回の劇場版を観終わると、二人の関係性に少し変化が感じられると思うので、それも楽しみにしていただきたいと思います。

池田:僕は二人の関係性って、まだよくわからないんですよ。わからないままでいたいなと思うんですけど、いずれわかるのかな……。今のところ、僕が勝手に思ってるだけなんですけど、優位に立ってるんですよ(笑)。でも、青山先生のことですから、これからどういうふうに立ち位置が逆転するかはわからないですけど、なるべく逆転しないように願っている次第でございます。某作品とは違って、優位なままで……というのが正直な気持ちです(笑)。

――予告編にある赤井と安室が格闘しているシーンはかっこいいですよね。お二人がマイク前で戦いを繰り広げるというのは、コナンファンだけじゃなく、やはりガンダムファンも含めて見どころだと思うんですが、あのシーンの収録はいかがでしたか。

古谷:大変でしたね(笑)。安室はボクシングがプロ並みですし、赤井はジークンドーがプロ並みなので、動きがメチャクチャ早いんですよ。だから、すごいキレがあって、かっこいいんですけど、声を出す方としては画に合わせるのが難しくて、非常に大変でした。

池田:(収録時に)そのシーンだけ、画がないんですよ。線画というんですけど、一番大変なんです(笑)。

古谷:一応、線は動いているんです。ただ、やっぱり詳細な動きがわからないので、最初のパンチより、次のパンチの方が強いのかとか、わからないわけです。だから、そこが難しかったですね。

池田:そこはスタッフに聞きながらね。

古谷:スタッフを信じて、やらせていただいたので、仕上がりが楽しみですね!

――その辺は長年の経験や勘で、息の合ったシーンになっているのではないでしょうか。

池田:(古谷さんに)ニュータイプですから(笑)。

古谷:合ってなかったら、どうするんですか(笑)。

――言える範囲で結構ですので、どちらが優勢だとか教えていただけませんか。

古谷:詳細はお楽しみに!

池田:「ぶたれたこともないのに!」って……(笑)。

古谷:それは言ってないでしょ! それ言っちゃ、まずいじゃない。強いんだから(笑)。

池田:まずいね(笑)。

古谷:ボクシングなので、シュッシュッとか(効果音が)あるじゃないですか。リハーサルで右ストレートを出す時に、思わず「シャア―!」って言っちゃいました(笑)。でも、やられて傷だらけになっている二人がかっこいいんですよ。これがまた色気があるっていうかね。絶対、映画館で若い女性のため息がもれると思いますよ(笑)。

――お二人の格闘シーンとなると、演じる方としては燃えるところがあったりしますか。

古谷:そうですね。素手で戦うシーンは、かつての『G』(『機動戦士ガンダム』)の作品にもありましたからね。やっぱり、そういう思いはありますね。

池田:10年ぶりに(収録を)隣でやるっていうのは、なかなかいいもんですよ(笑)。何か、昔の女に会ったような感じ……(笑)。

古谷:えぇっ~~!

池田:(二人で笑い合いながら)ごめん、ごめん(笑)。

古谷:僕にとって池田さんはライバルでもあるし、戦友でもあると思っているんです。役もそうですけど、この業界の中でも、僕らはちょっと特殊な立場にあると思うんですよ。すでに終わっている作品なのに、35年以上、世界的に人気のある作品のキャラクターを毎年ゲームとかで演じて、必ず同じセリフの収録が繰り返しありますし、そういう立場でいられるのは、本当に幸運だと思っています。なかなかこの声優業界にも、いないんじゃないですかね。僕ら二人は、本当に特別な立場になっていると思うんです。

だから、たとえば、声優が今までやったことのないような新しい仕事のオファーがあった時なんかは、僕は池田さんに相談したりするんですよ。事務所は違いますけど(笑)。これって、引き受けていいのかなとか、どういう条件でやればいいのかなとか。やっぱり他の人に相談できないので、そこは頼りにしています。

池田:でも、だいたい人に相談する時って、やる方向に決まってるんですよ。「やるべきだよ!」って、背中を押してほしい時だから……。それでダメになったら、俺のせいにすればいいんだから(笑)。

■赤井に安室に、風見(CV:飛田展男)が、加わる奇跡の現場!

――今回の映画は、カラーがテーマとなっていて、青山先生も「今度の映画は真っ黒な話ですが、観終わったあと、何色の気持ちになれるかはあなた次第です(笑)」というメッセージを寄せています。お二人はこの作品を観た後、何色のカラーイメージが浮かびましたか。

池田:アフレコの時は失礼だけど、(画面に)色はなかったんで…。

古谷:その色じゃない(笑)。

池田:(古谷さんに)何色ですか?

古谷:(唐突にふられて、驚きつつも)僕は白ですね。

池田:あぁ、白! それじゃ、俺は赤?

古谷:でしょうね!(笑)。このポスター(劇場版のポスターの背景が赤井は赤、安室は白)とかもそうじゃないですか?

池田:あぁ、そうだね。

古谷:それで、謎の女性はね、最後に自分の色をみつけたわけですよ。

池田:今、言えないよね……。だから、レインボーなんでしょうね。レインボーっていうのは、いいんですよ。レインボーが出ると、パチンコは絶対当たりますから(笑)。

古谷:あぁ~、(収録時)中抜けの時、パチンコ行ってましたもんね(笑)。

池田:行ってました(笑)。夢にまで出てきますよね……(笑)。

古谷:えぇ? 映画の話じゃないの? でも、コナンの映画って、クライマックスはハラハラドキドキして、一難去って、また一難って必ずありますよね。それが最後にはホッとして、「はぁ~、よかった!」って思う。僕は今回もそうでしたけど、やっぱり最後は「コナンすげぇ!」って思うんですよ。それは安室的にもそうでした。「あの子、すごい!」って……。

――劇場版において、お二人が演じられた役柄以外で、気になったキャラクターはいますか。

古谷:公安の捜査官で風見裕也という安室の部下が出てきますけど、このキャラクターは飛田展男君が演じたんです。

池田:あぁ、そうだ! カミーユ(『機動戦士Zガンダム』に登場するキャラクターのカミーユ・ビダン)も出てた(笑)。

古谷:キャラクターの名前からして、そうなんですけどね(笑)。風見裕也君は、カミーユとは全然違って、クールに演じていたのが素敵だと思いました。

池田:それは彼もやりにくかったと思うよ。俺たちに挟まれてさ(笑)。律儀にやってたよね。

古谷:律儀にやってましたね(笑)。映画の最初の方に、各国スパイの情報を盗まれるシーンがあるんですけど、その時に公安は待機していて、彼も事前に謎の女が来ることをわかっていたのかどうか。そういうところも一緒に詰めながら、やっていったんですけど、飛田君もしっかり掘り下げてましたからね。でもやっぱり、僕らとまた一緒にやれて嬉しかったんじゃないですか。

池田:そうですよ。

古谷:しかも、こっち側の! 連邦じゃないですけど、安室の後輩になるんですから、ちょうどよかったですもんね。そういう意味でもFBIじゃなくて、よかったと思って(笑)。

――いろいろなお話も聞けましたので、最後に、映画を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

古谷:安室透と赤井秀一は、もともと魅力的なキャラクターですが、この作品では、さらに3倍魅力的になると言っておきます。ぜひ楽しみにしてほしいです!

池田:今回は『G』ではなく、『名探偵コナン』ですから……。でも、それをわかった上で、わかる人には楽しんでほしいと思うし……。メッセージとしては「遊びでやっていません、僕たちは!」というようなことでいいのかな……。みなさんに「遊んでるじゃねぇか!」って思われないかな……。

古谷:そんなことはないです。大丈夫です!

池田:けっこういいものになっていると思いますので、ひとつご贔屓に!

――ありがとうございました!

[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)

■作品概要

2016年4月16日全国東宝系にてロードショー

【イントロダクション】
暴かれるダブルフェイス!
純黒に染まる記憶が解き放たれる時、頂上決戦が始まる!

リニューアルされた東都水族館にやってきたコナンたちは、謎の記憶喪失の女性と出会う。彼女は、左右の瞳の色が異なる“オッドアイ”の持ち主だった。瞳の特徴から、その正体が組織のNO.2=ラムかもしれないと恐れる灰原。一方、宿敵に迫るチャンスを探るコナン。時を同じくして、世界各国で黒ずくめの組織による暗殺事件が発生!組織の目的とは? 謎の女性との関係とは?
やがて、FBI・赤井秀一の捜査により、日本警察から各国のスパイのリスト「ノックリスト」が盗まれた事が判明する。このデータが組織に渡ると、組織に潜入している公安・安室透とCIA・水無怜奈の命も危険にさらされてしまう。コナンは赤井と共に事件を追うが、時を同じくしてジンが安室と水無を拘束。その時、傍にいたベルモットの携帯が鳴り響く。その指示を出していたのは―。

【キャスト】
江戸川コナン:高山みなみ 
毛利蘭:山崎和佳奈 
毛利小五郎:小山力也

【スタッフ】
原作:青山剛昌(小学館・週刊少年サンデー連載中/読売テレビ・日本テレビ系放送中)
監督:静野孔文 
脚本:櫻井武晴 
音楽:大野克夫

>>公式サイト

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(C)2016 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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