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『重神機パンドーラ』前野智昭さん×梅原裕一郎さん対談#1

『重神機パンドーラ』放送開始記念!前野智昭さん×梅原裕一郎さん対談【オーディション裏話に迫る! #1】

『マクロス』シリーズ、『アクエリオン』シリーズなどを手がけた河森正治さんが総監督を務める『重神機パンドーラ』(以下、パンドーラ)が、2018年絶賛放送中!

近未来の荒廃した世界を舞台に、迫力あるメカアクションが話題となっています。しかし、それだけではなく、高頻度でキャラクターたちの食事シーンが描かれており、2018年春アニメの中でもトップクラスの飯テロアニメでもあります。

そこで今回は、レオン・ラウ役の前野智昭さんとジェイ・ユン役の梅原裕一郎さんに、作品にちなんだ高級中華料理とお酒に舌鼓を打ちながら、『パンドーラ』を語ってもらいます。

取材日はAnimeJapan 2018が開催された3月24日。イベント終了後、チャイナ服にお色直しした2人に聞いたのは以下の3テーマ。

【1】『重神機パンドーラ』との出会いについて
【2】河森正治総監督作品の魅力について
【3】声優として仕事に向き合う姿勢

全3回に分けて連載する、前野智昭さん×梅原裕一郎さんの対談が、今はじまります!

↓第2回はこちら!
●『重神機パンドーラ』前野智昭さん×梅原裕一郎さん対談#2

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●『重神機パンドーラ』前野智昭さんインタビュー
●『重神機パンドーラ』梅原裕一郎さんインタビュー

やっぱりバンプはすごい!

――『重神機パンドーラ』の成功を祈って乾杯!『AnimeJapan2018』初日お疲れさまでした。今日のステージでは色々な発表がありましたね。

前野智昭さん(以下、前野):今日のステージで、第3弾のPVが公開されたんですが、僕たちも会場で流れるまで映像を見ていなかったんです。みなさんと同じ条件で映像を見たわけですが、すごく感動しましたね。

OP・EDを『BUMP OF CHICKEN』さんが担当するということも大きいですし、絵もすごく綺麗。音楽との相乗効果もあり、改めてすごい作品だなと感じました。

梅原裕一郎さん(以下、梅原):会場にもたくさんのお客さんが集まってくれて、すごく期待されているんだなって思いました。登壇者全員が現場で熱をヒシヒシと感じたというか。

前野:そうだよね。当日は『BUMP OF CHICKEN』さんのPVの振り映像まであったし。メディアにあまり露出されないバンドなのですごく貴重な映像でした。

元々、メンバーのみなさんがアニメ好きというのは有名な話なので、河森さんの作品もご覧になったことがあるでしょうしね。梅原くんもステージ上で言ってたよね?「まさかお仕事をご一緒できるなんて・・・」って。

梅原:本当に嬉しいです。今日はじめて曲(OPテーマ『シリウス』)を聞けましたし。

前野:元々、主題歌を歌うというのは教えて頂いていたけど、PV振りの動画を撮影しているっていうのは聞いてなかったんだよね。だから、本当にビックリで。

これまでも『テイルズ・オブ・ジ・アビス』や『血界戦線』でタイアップはあったんだけど、OP・ED共にBUMP OF CHICKENさん書き下ろしの楽曲を提供するのはというのは実は初めてなんですよ。『BUMP OF CHICKEN』ではじまり『BUMP OF CHICKEN』で終わるというか。もう現場では裏手でメイクさんがキャーキャー言っていました。

――『AnimeJapan』のステージでは梅原さんが『BUMP OF CHICKEN』のコピーバンドをやっていたというお話が出ましたね。

梅原:学生時代4人でバンドを組んでいました。『ガラスのブルース』とか『K』を演奏していましたね。

――名曲揃いですね。イベントでは、さらに追加キャラクターの発表もありました。

前野:今日、発表になったことが本当に多くて。会場の反応からも手応えを感じるステージになりました。

梅原:結構前にアフレコが始まっていたので、それがいよいよみなさんに届く日が来たということも実感できました。本当に期待を裏切らないものになっているんじゃないかなって思いましたね。

前野:もうアフレコは残り数話だもんね。オン・エアー前にアフレコ終わっちゃうんじゃないか? って話もしていたし。それがいよいよ来たかって感じだよね。

梅原:そうですね。PVが流れた後の客席すごかったですよね? 本当にみなさん期待して会場に来てくれたんだなって。

■□■ 1品目 お通し ■□■

――今回、高級中華料理をお召し上がりながらの取材なのですが、こういった取材ってこれまでにありましたか?

前野:取材ではないですね。出演させていただいている番組で食事をしたりはありますけど。

梅原:僕も取材ではないですね。

前野:しかもね。このような中華服までご用意いただいて。ありがたい話です。

――普段、中華料理を召し上がる機会は多いですか?

前野:好きですね。

梅原:割と食べますね。ただ、こんな高級なところは滅多にないですけど(笑)。

「これは受かりたい!」「これは受からない……」オーディション秘話

――『重神機パンドーラ』にご出演が決まった時の話を聞かせてください。

前野:僕は河森監督の作品がすごく好きで、以前からよく見ていたんです。オーディションの段階から河森さんの新プロジェクトと聞いて、「自分が携われたらどんなに幸せなことだろう」と思っていました。

河森監督って僕から見たら偉人なんです。だから、レオン役が決まった時は、そんな偉大な方とお仕事させていただくプレッシャーも感じました。河森さんの作品に出るからこそ、しっかりした芝居を残していかなければいけないなと。

でも、純粋に嬉しかったかな。僕はロボットものやヒューマンドラマの作品がすごく好きなので。自分がその世界で重要なキャラクターを演じられるのは、声優としてこれ以上ない喜びだなって。

梅原:僕は『アクエリオンロゴス』以来の河森監督作品のお仕事でしたね。河森さんと佐藤さん(佐藤英一監督)がオーディション現場にいらっしゃってて。僕としては、ロゴスから数年経ってまたご一緒に仕事ができたら素敵だなって思っていたんです。

『パンドーラ』のオーディションを受けた時にもすごく楽しそうなお話だし、ジェイというキャラクターも含みがある存在だと感じていていたので、受かりたいという気持ちは大きかったです。

合格の知らせを聞いた時はすごく嬉しかったです。また、河森さんと佐藤さんと一緒に仕事ができるんだって。

――オーディションはいかがでしたか?

前野:『パンドーラ』はまず、テープオーディションだったんです。それから選ばれた役者だけがスタジオオーディションに進んで。僕はレオンとジェイのテープを録ったのかな。スタジオでは他にも何役か受けた覚えがありますね。

■□■ 2品目 エビチリ ■□■

――お話の途中ですが、梅原さんの大好きなエビチリが登場です。

梅原:ふふふ。いただきます。

前野:じゃあ、召し上がりつつ。テープオーディションを経てのスタジオオーディションはよく覚えています。あの日は火曜日。

当日、津田さん(ダグ・ホーバット役:津田健次郎さん)も同じ現場にいたので、2人でその現場が終わり次第駆けつけでオーディションに向かったんです。一日の終わりで、疲労困憊だったんですが、それが逆に良かったのかなって思いますね。

梅原:レオン的にはそうですよね。

前野:変に力を入れずに今持てる最大限の力でレオンを演じたというかね。それが良かったのかも。

梅原:もっさり感が大切なキャラクターなので。

前野:そうそう(笑)。

――レオンって普段の前野さんが演じるキャラクターとはちょっと違う雰囲気ですよね。

前野:あんまりレオンみたいなキャラ自体が多くないですよね。さらに主人公になるともっと珍しい。
そうだ。レオンってすごく猫背なんですよ。僕と姿勢は似てるなって思いました。

――猫背が共通点と(笑)。梅原さんのオーディション秘話もお聞きしたいです。

梅原:僕もレオンとジェイを受けていたんです。でも、スタジオでレオンを演じた時に「これは受からないな」って思っちゃって。正直、全然手応えがなくて。レオンが醸し出すもっさり感が表現できなかったというか。

その後、ジェイを演じた時は違和感なく演じられた気がしますね。

現場で前野さんが演じるレオンを見たら、「これがもっさり感なんだな」って思いました。これは僕の中にはなかったな、と。前野さんもおっしゃいましたけど、レオンみたいなキャラをメインに据えるってすごく面白いなって思うんです。

研究に没頭していて他人とのコミュニケーションを疎かにしている感じが、すごくリアルに現れていて素敵だなって。

――レオンのもっさり感は前野さんのどの引き出しから出ましたか?

前野:僕も普段テキパキしてるタイプではないんです。そういうところでは共感を得られるキャラクターですよ。無理に作り込みすぎず、自然に演じているというか。実際、難しいんですけどね。加減だったりとか。

梅原:クロエ(クロエ・ラウ、CV:東山奈央さん)にかける言葉も優しすぎてもキャラから外れちゃいますしね。

――ちなみにオーディションって、演じてみた手応えと合格がリンクしていたりしますか?

前野:今、とても勢いがある梅原くん的にはどう?

梅原:いやいや(笑)。そうですね。手応えはアテになりません。オーディションの結果を聞いて納得することは多いですよ。やっぱりあの人か、みたいな。たまにオーディションの原稿を読んだ瞬間に「この役はきっとあの人が演じるでしょ?」って思う時もありますし(笑)。

前野:うん、あるね。

梅原:そうなると、オンエアされた作品を見てもハマっているので。受かるべくして受かることが多い気がします。

前野:正直これはあるあるですけど、(オーディションで)手応えがあったと思った時ほど落ちますよ。
 
梅原:(笑)。

前野:これはいけたかな? と思ったら大体落ちてるかな。逆にこれは無理だなって思ったのが以外と残ったりもするし。

――『パンドーラ』についてはいかがでした?

前野:なくはないけど、難しいかな? という感じでしたね。今日のイベントでも河森さんも仰っていましたけど、「すごい人数の方たちのテープをいただいて、スタジオにお呼びした」って。

そうした状況で、限られたキャラクターを射止めるのって相当な確率じゃないですか。そんな熾烈な争いの中で、純粋に声やお芝居で選ばれたのは嬉しいですね。

――梅原さんは、ジェイを演じた時に手応えはありましたか?

梅原:レオンかジェイかで言えば、ジェイだなって思っていたくらいですね。でも、前野さんが仰ったとおり、本当に多くの人がオーディションを受けていたので、合格する自信はなかったというのが本音です。

もし受かったらすごく嬉しいし、光栄だし絶対に演じきりたいと思ってはいましたけど。

僕の声優人生で「絶対受かったぞ!」って、手応え自体感じたことがないので(笑)。いつも通りにオーディションを受けたら作品、キャラクターとご縁があったという感じですね。

今回のキーワードは「歌」ではなく「食事」?

――『パンドーラ』の世界観についてお二人はどう感じましたか?

前野:実際に起こり得る未来の世界ですよね。何か世界的に影響が出る大きな出来事があって、生物が進化してしまったという話です。本当にあり得ないことではないと思います。身近に感じられる作品ですし、着眼点が面白いなって思っていて。

――『パンドーラ』の世界が荒廃するきっかけとなった量子リアクターの暴走が2031年なので、そう遠くない未来ですよね。梅原さんは設定資料などを読んで思ったことはありましたか?

梅原:最近の作品と比較するとキャラクターの年齢が高いなと。20代後半からだったり。いわゆる高校生くらいの年代が主役の作品とは全く違う色の作品になるんだろうなって思いました。

大きな事故が発生した後を生きるキャラクターたちは、その影響でさまざまな過去を抱えています。みんなが明るいわけでもなくて。全員が何かを背負いつつも、必死に前に向かって生きている世界観は考えさせられるものがあります。

ただ、楽しいとか嬉しいとかではなくて。喜怒哀楽がリアルに描かれていると感じました。

――『重神機パンドーラ』で特徴的なシーンはどんなところでしょう。

梅原:食事シーンですかね?

前野:そうだね。毎回なにかしら食べてるよね。今回って「歌」がないからどうやって戦闘を終わらせようか? ってスタッフさんが冗談ぽく話してたんですよ。なので食事がキーになるのかな? いや、ないな(笑)。

ひょっとしたら「歌」がいきなり出てくるかも。急に誰かが「オレの歌を聞けー!」って。

梅原:びっくりしますよね(笑)。

前野:河森さんは「歌う予定はない」っておっしゃっていましたけど、何が起こるかは分からない(笑)。

ん! このエビチリ美味しいですね。高級な味がします。うちの近所の中華屋とは全然違う。

――前野さんが辛いもの好きということで、ちょっとピリ辛に仕上げていただいています。

前野:ありがとうございます! すごく美味しいです。

レオンとジェイ、その関係

――エビチリもなくなったということで、前野さんが演じるレオンと梅原さんが演じるジェイについてお聞きしたいです。

前野:ジェイが一方的にレオンを意識してるよね?

梅原:そうですね。ジェイもレオンも優秀な人間ではあるんですけど、レオンの方が軽くすごいことをやってのけちゃうタイプ。ぼんやりしてるのに、自分を軽く超えてくるところに、ジェイとしては思うところがあるんです。

レオンが嫌いというよりも、不甲斐ない自分に対して怒っているんですよ、ジェイって。なので、2人の関係がギスギスしているわけではないんです。

前野:なんでジェイがイライラしているのかについては、物語が進むにつれて明らかになるので、楽しみにしていただきたいよね。

梅原:そこまで見ていただければ、納得できると思います。

前野:さっき、ジェイのオーディションも受けたってお話したじゃないですか。その時に「このベ○ータみたいなキャラどう演じればいいんだろう?」ってマネージャーと相談してたんです。

梅原:(笑)。

前野:ライバルだけど最終的に認め合うみたいな。だから、僕がレオンに決まりましたって聞いた時に「ベ○ータは誰なんですか?」って聞いたら「梅原さんです」って聞いて、なるほどな! って思いましたよ。

ジェイはスタイリッシュだし、有能だし。そういった点でも梅原くんとリンクするなって思ったね。

と、盛り上がってきたところで#1はここまで。次回は河森監督や河森作品について2人が語り合います。お楽しみに!

[取材・文/川野優希 写真/アイザワヒロアキ]

↓第2回はこちら!
●『重神機パンドーラ』前野智昭さん×梅原裕一郎さん対談#2

作品情報


TVアニメ「重神機パンドーラ」

<放送・配信情報>
2018年4月4日より
TOKYO MXに毎週水曜23:30~

4月6日より
WOWOWにて毎週金曜21:30~

4月6日より
BS11にて毎週金曜23:30~

4月7日よりMBSにて
毎週土曜27:38~

2018年3月29日より
Netflix にて日本先行独占配信/全世界展開決定

<INTRODUCTION パンドーラ編>
2031 年、次世代エネルギーとして開発されていた量子リアクターの暴走事故「翔龍クライシス」により世界は激変した。突如、地下から広がったその閃光は都市ビル群を呑み込みながら大地を覆い尽くし、やがて生物、機械、植物を超越・融合した未知なる特異進化生物「B.R.A.I」が出現した。

7年後、翔龍は絶対防衛都市「ネオ翔龍」へと生まれ変わっていた。驚異的スピードで進化を遂げ人類を滅亡の危機に陥れたB.R.A.I に対抗する、人類最後の希望の砦である。運命に導かれネオ翔龍に集う、レオン、クロエ、クイニー、ダグ。彼らを防衛軍へと迎え入れる、セシル、ケイン、ジェイ、グレン。そして、人類の存亡をかけて戦う特殊部隊「パンドーラ」が誕生する。契約の時、希望は彼らに託された――

<STAFF>
原作:河森正治・サテライト
総監督:河森正治
監督:佐藤英一
シリーズ構成:根元歳三
キャラクター原案:江端里沙
キャラクターデザイン:安彦英二
重神機デザイン:河森正治
色彩設計:林可奈子
美術監督:伊藤聖
美術設定:青木智由紀、森岡賢一
撮影監督:久保田淳
編集:兼重涼子
CG ディレクター:後藤浩幸
CG スーパーバイザー:原田丈
重神機モデリング:小川朗広、渡邉健人、忽帥
モニターグラフィックス:影山慈郎
特殊効果:飯田彩佳
音響監督:濱野高年
音響効果:中島勝大
音響制作:マジックカプセル
音楽:得田真裕、眞鍋昭大
音楽制作:フライングドッグ、ワンミュージック
オープニング主題歌:BUMP OF CHICKEN「シリウス」(TOY'S FACTORY)
エンディング主題歌:BUMP OF CHICKEN「Spica」(TOY'S FACTORY)
挿入歌:西沢幸奏「Meteor」(フライングドッグ)
制作:サテライト

<声優>
レオン・ラウ:前野智昭
クイニー・ヨウ:花澤香菜
ダグ・ホーバット:津田健次郎
クロエ・ラウ:東山奈央
グレン・ディン:内田雄馬
ケイン・I・ハサン:石塚運昇
ジェイ・ユン:梅原裕一郎
セシル・スー:茅野愛衣
Mr.ゴールド:檜山修之
ジーク:中村悠一
ワン:近藤孝行
フォー:石川界人
ロン・ウー:石田彰
???:瀬戸麻沙美
???:能登麻美子

TVアニメ「重神機パンドーラ」公式サイト
TVアニメ「重神機パンドーラ」公式ツイッター(@unit_pandora)

(C)2017 Shoji Kawamori, Satelight / Xiamen Skyloong Media
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