引田香織さん1stアルバム&『マリア様がみてる』ED同時発売..

引田香織さんが1stアルバム『natural』&アニメ『マリア様がみてる』のED曲「くもりガラスの向こう」を2月25日同時リリース!記念インタビュー

 アニメ『少年陰陽師』のOP曲「笑顔の訳」や『LOVELESS』のED曲「みちゆき」、そして現在放送中のアニメ『マリア様がみてる』のED曲「くもりガラスの向こう」などを歌う引田香織さんが2月25日に1stアルバム『natural』をリリースする。

1stシングル「みちゆき」から5thシングル「名まえのない道」までの各シングル曲と、『LOVELESS』のOP曲「月の呪縛(カース)」のカバーに、初めて自身で作詞・作曲した楽曲をCD化したという「H∧NT!」と「口笛のワルツ」も収録。梶浦由記さん制作の壮大な楽曲から引田さん自身が描いた身近な恋の歌まで幅広い世界観と様々なサウンド曲を引田さんが丁寧に歌い分けている。

 またアルバムと同日には「くもりガラスの向こう」も発売される。この曲は『マリア様がみてる』の原作の今野緒雪先生が作詞していることで話題だが、女の子のせつない恋心を描いたストーリーと、サビメロの印象的なフレーズが印象的なミディムチューンとなっている。

 アルバムとシングルの同日発売は「これまでの私と、これからの私を見てほしい」(引田さん)という願いから実現した。時にやさしく、時に力強い、魅惑のシンガーの歌を聴いてほしい。

 今後、キャンペーンの予定も目白押しで、『マリア様がみてる』が結んだ縁で出演が決まった『佐藤利奈のあの空で逢いましょう♪F』の公開録音にはアニメのキャスト陣とのトーク&ミニライブがあり、アルバムのキャンペーンでも『natural』の曲を生で聴けるとのこと。ぜひ生で引田さんの歌声に触れてみよう!


●満を持してリリースされる待望の1stアルバム

――2005年にデビューされてからシングルも5枚リリースして、今回待望の1stアルバムですね

引田さん:「まだ出てなかったんだ?」と言われることも結構あって(笑)。これまでの4年間はアニメのタイアップ曲を次々にリリースさせていただいていたので集大成的な意味合いがあり、自分の中でも節目というイメージが強いです。初めてのアルバムということでよくわからない部分も多くて、戸惑いもありつつ、今の引田香織を精一杯出せたかなと。


――アルバムはいつ決まったんですか?

引田さん:昨年の11月初旬あたりですね。今、放送中の『マリア様がみてる』のED曲を歌うのが決まった頃で、ED曲のシングルとアルバムを同じ日に発売するのはいいタイミングなんじゃないかと。また昨年6月にリリースした5枚目のシングル「名まえのない道」は自分にとっては特別な曲で、昨春、大学を卒業して4月に地元の福岡から上京してきたんですが、全然知らない世界に飛び込んできて「どうやっていったらいいんだろう?」と悩んでいた時、この曲に出会って「これからも歌っていこう」と改めて思うことができたんです。この5枚で一つの区切りが付いて新しくスタートできると思っていたこともあって、私にとってもベストなタイミングでした。


――アルバムタイトルの由来は?

引田さん:『natural』には“自然”という意味があって、自然には晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、いろいろな表情があって、このアルバムもアップテンポの曲もあれば、バラードもあって、自分で作詞・作曲した曲などもあり、バラエティに富んだ曲が入っていて、いろいろな表情の引田香織を見てもらえたらいいなと。私はO型なのでおおらかで大雑把みたいに思われますが見えにくい繊細な部分や激しさもあるんだよって、わかってほしくて(笑)。
 そして、どの曲を歌う時にも、楽曲を聴いた時に感じたものを素直に出せる自分でありたいなと思っていて、自然体な自分でいつも歌っていたいという願いも込めて付けました。


――シングル5曲が収録されていますが、どの曲もアニメのテーマということもあり、インパクトがありますね

引田さん:今までの楽曲は雰囲気も世界観も違う曲ばかりだったので、1枚にうまくまとまるのかなとワクワクする気持ちと不安感の両方がありました。でも、でき上がったものを聴くとその時々の私の声が刻まれていて、「あの時はこうだったな」と自分自身を振り返ったりできてよかったかなと。またシングル曲以外の曲も入るとバランスがよくなり、アルバムの曲としての存在感とハーモニーを奏でていると思います。


――新録曲も興味深いですね。カバー曲もあって

引田さん:まず私のデビュー曲「みちゆき」がEDテーマになっていた、アニメ『LOVELESS』のOP曲「月の呪縛(カース)」をカバーさせていただきました。オリジナルでは翁鈴佳さんが歌われていましたが、バラードナンバーの「みちゆき」とはまったく正反対の性質の曲なので「これを引田香織が歌ったらどうなるんだろう?」と当時から言われて。私自身もオリジナルとは別の視点で表現できたら面白いかなと。歌ってみると新しい発見がたくさんあって。リミックスもされていて、例えばウインドチャイムの音やドラムを少し足してもらったりしました。きらびやかな感じが出ればいいなと。『LOVELESS』から私のファンになってくださった方も多いのでそんな皆さんにも楽しんでいただけるのではないでしょうか?


●レコーディング中に進化していったサウンド

――ご自身で作詞・作曲されたについてご説明いただけますか?

引田さん:オリジナル曲はデビュー前から結構作ってありましたが、上京してから作った曲で、自分の中からポンと出てきた感情や想いを歌にしました。私が曲を書こうと思う時って想いが叶わなくてうじうじしてる時で、もやもやしたマイナスな気持ちをいかに昇華するかという感じで曲が生まれることが多いんです。
 まず「H∧NT!」は“狩り”という意味なんですが、私は恋愛のスタートは狩りと同じだと思っていて。この曲では大好きな人がいるけど、全然自分のほうに振り向いてくれない、そんなもどかしい想いを書きました。好きになった相手が同じ会社の人だったり、奥さんがいるというシチュエーションをイメージして、恋愛がうまくいかなくなったけど、私はどうしても手に入れたいという葛藤を曲にしてみたくて。恋愛って永遠がないじゃないですか? すごく好きでもある瞬間から「顔も見たくない」、「声も聴きたくない」って変わってしまったりすることもあって。そして自分が愛してると思う気持ちさえも信じられなくなって。
 また、今までは楽曲の中で結論が出ているケースが多くて、例えば「願い」だったら「あなたと一緒にいられるだけで幸せ」とか、「みちゆき」では「絶対つながりあえないのはわかっているけど突き進んでいる」とか。でも恋愛って結論が出ないで、同じところをぐるぐる回ることが多いじゃないですか? そういう曲もあってもいいかなと。サウンドも思いきりロックサウンドになっていて、激しい感じになっています。


――激情をサウンドでも表わしているような……

引田さん:そうですね。アレンジをしてくださった大内義昭さんは「愛が生まれた日」などを作られた方で、70~80年代のロックの大御所。そんなロックの王道的なサウンドと現代っぽい詞をミックスした、おもしろい曲になったと思います。たぶんシングルとして出すのは難しいと思うので今回アルバムに収録できてよかったです(笑)。
 またレコーディングでどんどん変わっていた曲でもあり、最初はイントロのところで楽器の音だけでしたが、ざわついた感じが足りないと思って急きょラジオボイスを足したり、コード進行もレコーディング途中で変えました。本当はもっとマイナーな曲でしたが、ミュージシャンの皆さんが弾けて演奏されていたので「こんなに楽しい感じなら明るい曲にしちゃおう」って(笑)。


――もう1曲の「口笛のワルツ」はどのように誕生したんですか?

引田さん:このアルバムには梶浦由記さんの楽曲が多くて、ある意味、全体のカラーを占めている部分もあるので、私もそのカラーに溶け込むように書いてみようかなと。そして制作やプロモーションなどの打ち合わせ中にふと思い浮かんで、大人達のまじめな話が飛び交う中、片隅でこそこそっと“風の記憶たどって”と書き始めたという会議室で誕生した曲です(笑)。また恋愛の曲なんですけど、私にとって人生とは「仕事」と「恋愛」と「健康」できていると思っていて。まだ「健康」の歌は作ったことはないんですけど(笑)。
 ♪風の記憶たどって愛の記憶探そう♪という歌い出しで始まるんですが、消えてしまった愛や壊れてしまった愛を思った時、その人と過ごしてきた時間や景色の記憶は消えることはないんですよね。例えどんなにひどい別れ方をしたとしてもその人と過ごした時間は自分の中に残っていて、その経験をしたから今の自分がいるので、まったく無駄じゃなくて。自分が大事にしてきたものは決して消えないと。九州で育った時の記憶や小さい時に見た山、空、海の情景はしっかり残っていて、その感性のまま、今も物事を見ているとこともあって。懐かしいような、温かいような気持ちと寂しい気持ちってリンクしている気がしているので、「口笛のワルツ」には悲しい雰囲気の旋律を奏でながらも、昔過ごした大事な時間や景色など温かくて懐かしいものが詰まっている楽曲になっています。


――サウンドはミディアム系の落ち着いた雰囲気ですね

引田さん:サウンドも「H∧NT!」とは対照的に、ギター、ピアノ、ストリングス、ベースで大自然をそのまま感じられるような、シンプルな構成になっていて、お気に入りの1曲になりました。


――あとシングル曲のカップリングの中で唯一収録されたのが「You will find your HERO」で、こちらは爽快感があって元気が出てきます

引田さん:サッカーのJFLに所属するニューウェーブ北九州の応援ソングになっていて、北九州で試合がある時にはちょこちょこ呼んでいただいて、歌わせていただいています。サッカーだけでなく、先日もバスケット・bjリーグのライジング福岡の試合でも歌わせていただきました。お客さんも手拍子でノリノリになってくれるので、みんなを元気付けられる1曲になればいいなと思っています。


――途中で入る男性のラップがアクセントになっていて、盛り上がりますね

引田さん:当初は入れる予定ではなかったんですが、レコーディングをしているうちに「もっとガッツが欲しくない? ほえる感じがあるといいよね」とMCなどで活躍されているヤマコーさんに入れていただきました。クラップもスタジオのみんなで入れたりして楽しくて今でも印象に残っています。アルバムにはカラっと明るい曲が少ないので、前向きで太陽のようにまぶしいこの曲を入れたかったんです。


――これまでシングルが強烈な個性を持つあまり、それぞれの曲の印象が、引田さんのイメージになっていた部分もあったと思いますが、アルバムを全部通して聴くことでより自由でイメージが広がった気がします

引田さん:それはうれしいですね。ファンの方も「バラードがあってますね」とおっしゃる方もいれば、「『笑顔の訳』のように激しい曲が好きです」とおっしゃる方もいて、「自分のカラーって何だろう?」とわからなくなったこともありましたが、今回まとめて1枚にしたことでどんなタイプの曲でも「引田香織の声で歌っている」と一本筋が通ったかなと。これからまた違った曲を歌っても引田香織の一面として見ていただけるのではないかと思うし、大きなチャンスになったと思うとうれしいです。


●元ロケット工場(?)で撮影したナチュラル&シンプルなジャケ写

――レコーディングで印象に残っているエピソードはありますか?

引田さん:自分が作詞・作曲した「H∧NT!」と「口笛のワルツ」を録った時は試行錯誤も多かった分、やりがいもあって印象に残ってますね。まず自分が作曲家としてレコーディングに参加するのは初めてでしたが、アレンジャーさんとかミュージシャンの方に音のイメージなどを自分から細かく伝えていかなくてはいけないし、責任も強く感じたけど、オケの録音も最後までつき合わせていただくことですごく勉強になりました。スタッフやミュージシャンの方との話し合い、意見のぶつけあいの中で生まれてくるものを実感できて楽しくて。ミュージシャンの方のプレーも素晴らしく、曲自体もどんどん成長していきました。1日12時間くらいスタジオで作業をしてもまったく疲れなくて、魔法がかかったような時間の中にいるようでした。


――今回のジャケットはこの前の「名前のない道」のアップと違って、全身を引いた感じで撮影していて、神秘的なイメージですね

引田さん:「名前のない道」で私の顔がドカンとアップで使われてちょっと照れくさかったんですけど(笑)、その時の写真が頭全体に緑が覆っているような、自然と溶け合った写真でしたが、その時に「アルバムのジャケット写真を撮るなら、このイメージの延長線上かな」とスタッフと話していました。今回は千葉県の木更津にあるスタジオに行きましたが、そこは昔ロケットを作っていた工場を改装したらしいと聞いて、どんな感じかなと思ったら、全体的に白っぽくてシンプルな内装でホッとしました(笑)。お昼から撮影を開始して、一切照明を使わず、自然光だけで撮りました。


――ヘアメイクもすごく凝ってますね。特に髪型が。時間がかかったのでは?

引田さん:花屋さんも近くにいらっしゃって、私の頭のサイズを測りつつ、花を挿してかぶせるという作業が行われました(笑)。


――引田さんがいないジャケット裏の風景も意味ありげです

引田さん:白い扉っぽいオブジェの近くに旅行カバンが置いてあって。これまでいた部屋から新しいドアを開けて旅立つというイメージです。今の私の心境そのものですね。


●今野緒雪先生の「見たことがないほど衝撃的な」サビとは?

――そしてアルバムと同じ日に6枚目のシングル「くもりガラスの向こう」もリリースされます

引田さん:アニメ『マリア様がみてる』のED曲として流れているので、既に聴いてくださった方も多いと思います。この曲は原作の今野緒雪先生が作詞してくださったんですが、驚いたのがサビの始まりが“窓ガラス”×2回になっていて。今までこんな衝撃的なサビって見たこともなくて。「この部分にどう恋心を込めて歌えばいいんだろう?」とすごく悩みました。でも今野先生の詞はストーリー性があって、Aメロからラストを何回も読んでいくうちに、一編の小説で素敵だなと。そして実際に歌ってみたら“窓ガラス”の部分も自然に歌えて。この部分には“窓ガラス”しかありえないと。


――“窓ガラス”のフレーズは一度聴いたら頭から離れない中毒性もありますね(笑)

引田さん:そうなんですよ! レコーディング後、知らない間にサビを口ずさんでることが多くて、「ヤバい」って(笑)。聴きやすい曲なのに、一度聴いたらずっと抜けないという。メロディの良さもあるし、緒雪先生の詞も素敵でいい楽曲になったなと思います。


――レコーディングではどんなディレクションがあったんですか?

引田さん:「冬の街の雑踏にたたずんでいて、大切な人を目で追いかけているイメージで歌ってください」と言われて、スタジオの電気を落としてもらったり、雰囲気を作りながら歌いました。


――今までの楽曲とは180度違う感じがします

引田さん:今までのシングルは神秘的だったり、壮大な感じの曲が多くて「自分は何ぞや」みたいに掘り下げながら歌っていました、今回はいち女の子として素直な気持ちで歌うことができて。身近な恋、そばにいるのに何を考えているのか、わからない不安やもどかしい気持ちをさわやかなメロディにのせつつ、キュンとくる切なさがいいですね。聴きやすいですし、ファンの方からも「新鮮でした」とか「この曲が一番好きかも」という声が多くて、よかったです。


――ただ今、キャンペーンの真っ最中で、各地でイベントも開催されます

引田さん:キャンペーン自体が人生初なんですが、楽しいですね。イベント自体が少なかったので皆さんと直接お会いできるのがうれしいし、その土地土地で出会う方と触れ合えることは刺激的です。イベントもいろいろあって、佐藤利奈さんのラジオ番組『あの空で逢いましょう♪F』と『マリア様がみてる』のコラボレーションイベントではアニメの出演者の方々とのトークショーやミニライブがあって、「くもりガラスの向こう」をもちろん歌います。アルバム発売記念イベントも全国各地を回ります。まさか渋谷のタワーレコードで歌えるなんて思っていませんでした。こちらはフリーライブなのでお時間があったら遊びに来てください。


――アルバムもリリースしたことですし、次はソロライブですか?

引田さん:やりたいですね。ライブでは集まってくださった皆さんからパワーをもらって、私がそれを元に何か新しい力が生まれて、それを何倍にして返せると思うんです。みんなと一緒に素敵な空間を作って、元気になってもらえたり、ホッとしてもらいたいです。そして私の夢は日本武道館でのライブなんです。高校時代にブラスバンドの全国大会でステージに立ったことはあるんですが、「またこのステージに戻ってこよう」と誓ったのでいつかたどり着けたらいいですね。


――最後にメッセージをお願いします

引田さん:私の歌をずっと聴いてくださった方はもちろん、それぞれアニメのテーマ曲で私のことを知ってくださった方にこのアルバム『natural』で私の曲をまとめて聴いていただけることはとてもうれしいです。『natural』には過去4年間の歩みが詰まっていますが、シングル「くもりガラスの向こう」は新しい引田香織の方向性が垣間見えるかなと思います。過去と未来、どちらも見ていただきたくて同時発売にしていただきました。このアルバムのレコーディングを通じて、私は本当に素敵な曲達と出会えたと素晴らしい巡り合わせに改めて感謝しています。そしてもっとオリジナル曲を増やしたいという気持ちも強くなったのでこれからも提供していただく曲も精一杯歌いつつ、曲も作っていきたいです。そしてこれからも皆さんに私の歌をお届けしながら、実際にお会いできることを楽しみにしています。今後も引田香織をよろしくお願いします。


『natural』/引田香織
2月25日発売
2,625円(税込)
発売:フロンティアワークス

「くもりガラスの向こう」/引田香織
2月25日発売
1,050円(税込)
発売:フロンティアワークス

アルバム『natural』発売記念キャンペーン
3月8日(日)大阪・アニブロゲーマーズ 14:00~
3月14日(土)福岡・大名MKホール 14:00~
3月20日(金)東京・とらのあな秋葉原本店 13:00~
3月28日(土)東京・タワーレコード渋谷店 14:00~

『佐藤利奈のあの空で逢いましょう♪F』in 『マリア様がみてる』公開録音
3月7日(土)名古屋・アニメイト名古屋店 14:00~
3月15日(日)神奈川・アニメイト横浜店 13:00~

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