超豪華声優陣のセリフ遊びに爆笑と歓喜の連続！『声優フェスタ春 ～声の大響宴～』が渋谷C.C.Lemonホールで開催！

　3月20日、東京国際アニメフェア2009の連動企画として『声優フェスタ春 ～声の大響宴～』が開催された。大ベテランから第一線で活躍中の中堅、若手と幅広い世代の声優たちが同じステージに立ち、朗読と歌の2部構成で声の芸をたっぷりと披露した。朗読ステージでは大御所声優たちが国民的人気キャラの有名なセリフを次々と繰り出し、そのあまりに豪華なセリフ遊びに観客はもちろん、共演している中堅や若手声優たちまでもが痺れていた。後半のサウンドステージでもベテランから若手までが男女取り揃えられ、あらゆる世代に向けて魅力あるステージを繰り広げた。

　出演は羽佐間道夫、内海賢二、納谷六朗、大塚明夫、古谷徹、関俊彦、関智一、杉田智和、羽多野渉、田中敦子、國府田マリ子、井上喜久子、折笠富美子、新谷良子、COCO（野島健児、菅沼久義）、LUX-AGE（立花慎之介、成瀬誠）、POARO（鷲崎健、伊福部崇）、鷲崎健、ignition（松尾大亮、実川学、宮澤真一）。

大御所どうしのセリフ遊びが飛び交う朗読劇。古谷徹さんのペガサス星矢と納谷六朗さんの黄金聖闘士カミュが教室で激突!?

●第1部の朗読ステージは大爆笑の学園モノ！

　まずは「星有第1中学校　新任教師の大災難」というタイトルの朗読劇から。新任の熱血教師役の関智一さんが、自由奔放すぎる14歳の生徒たちにてんてこまいさせられるストーリーだ。

　ジャージ姿で熱血漢をアピールする関智一先生が、問題児が多いクラスと言われる3年A組の教室に入ると、生徒は折笠富美子さん、杉田智和さん、羽多野渉さんの3人しかいない。3人が「朝から来ているのはいつもこの3人だけです」というので、「なんで？」と聞き返す関先生に、3人は萎縮した様子で「みなさん大御所ですから」と同級生相手とは思えない態度を取る。関先生は生徒相手に敬語なんて使わないと言い放つが、折笠さんに「絶対ですよ！？」と必要以上に念を押され、首絞めフラグを立てさせられる。

　最初にやってきたのは、「ランラランラランララ～ン♪」と鼻歌とスキップで現れた井上喜久子さん。「井上喜久子17才です！（おいおい）」の自己紹介に会場は独特の雰囲気に包まれるが、関先生は「おかしいでしょ！　中学生なのに17才って！」とボケたツッコミで笑わせる。なお生徒らしく学生服姿で登場した井上さんは、杉田さんに「自前ですか？」と聞かれ、「自前ですっ！」と応えていた。

　次にやってきたのは関俊彦さん。「俺、参上！」と『仮面ライダー電王』のモモタロスの決めゼリフをポーズ付きで決めて喝采を浴び、そこに杉田さんも「キバっていくぜ!!」とキバットバットIII世のセリフで乗る。また関先生が新任教師として名乗ると、生徒の関さんが「関は2人もいらねぇんじゃねぇか？　この業界に」と凄み、関先生が「カンベンしてください！」と土下座する。

　続いて教室に入ってきた大塚明夫さんには、一目見るなり逃げ腰になるが、大塚さんが「先生、遅れて申し訳ありませんでした」と頭を下げるので、関先生も「こちらこそすいません！」と土下座する。

　さらに、ミリタリールックの田中敦子さんが教室に入るなり、『攻殻機動隊』の草薙素子の口調で難解な長台詞を関先生に放つ。関先生が「まったく意味がわからないんですけど」と戸惑うと、すかさず大塚さんが「彼女の言っている意味がなぜわからない!?」とバトーの口調で畳み掛ける。そこから素子とバトーのセリフの応酬が始まり、間に入って止めた関先生に田中さんが「命拾いしたわね」と告げ、関先生をパニックに陥れる。

　ここからいよいよ大御所ゾーンへ。まず内海賢二さんが現れ、「こんな14歳いないでしょ！　どう見ても還暦越えてるでしょ！」とつっこむ関先生。続いて羽佐間道夫さんがナレーション口調で状況を事細かに実況しながら登場し、「それが彼の遺した最後の言葉になるとはその教師自身には想像もつかなかった！」と勝手に盛り上げてしまい、「私を殺さないでください！」と関先生も半泣き状態に。最後に登場した納谷六朗さんには、関先生も「おじいちゃんが出てきちゃったよ！　これで14歳って60歳くらいサバ読んでるでしょ！」ともはや呆れ気味になっていた。

　と、そこへ「父ちゃん！」と教室に飛び込んでくる声が。関先生の息子の徹くん（古谷徹さん）が「ぼくも一緒にお勉強したいんだ！」と駄々をこねるが、「先生、よかったら私がどかせてみせましょう」と納谷さんが前に出てきて徹くんに対峙。「私がお前をどかせてみせよう。この凍気で！」「お前は、水瓶座の黄金聖闘士カミュ！　なんで中学生やってるんだ！？」と『聖闘士星矢』ごっこが始まってしまう。しかもカミュの必殺技「オーロラエクスキューション」のセリフで吹き飛ばされた徹くんが、「殴ったね！　父ちゃんにもぶたれたことないのに！」とアムロのセリフで返すなど、持ち役を縦横無尽に使う古谷さんの芸達者ぶりには大喝采が起きていた。

　ようやく始まった国語の授業でも、関先生が昔話の『桃太郎』を勉強すると言った途端、関さんが「言っとくが俺は最初からクライマックスだぜ！」とモモタロスの決めポーズ。桃から珠のような何が生まれてきたのかという質問には、内海さんが「珠のようなものを七つ集めると、そこに大きな龍が現れて、『お前の願いをひとつだけ聞いてやろう』」と『ドラゴンボール』の神龍を降臨させる。さらに、いつの間にか羽佐間さんがナレーションを取って代わり、納谷さんがおじいさん役を始める大御所たちの無軌道ぶりに、関先生も「自由すぎる～～～っ!!」と相当キレ気味に。

　暴走はさらに続き、犬ときびだんごの価値が同等かどうかで田中さんと大塚さんの『攻殻機動隊』風論争が巻き起こり、羽佐間さんが『超時空要塞マクロス』のグローバル艦長のセリフ、納谷さんが『幽☆遊☆白書』の仙水忍のセリフなどを投げ込み、とどめは観念した鬼が桃太郎に言った言葉として、内海さんが「我が生涯に一片の悔いなし！」と『北斗の拳』の名場面を再現し、共演者までが「おおっ！！」とどよめいていた。ようやく村に帰ってきた桃太郎の言葉は大塚さんが「ソロモンよ、私は帰ってきた！！」と『機動戦士ガンダム0083』のアナベル・ガトーの名ゼリフで決め、疲れきった関先生が「先生は今日を最後に教師を辞めようと思います」とギブアップすると、羽佐間さんが「それが彼の遺した最後の言葉であった」とまた勝手にナレーションをつけてオチにした。


●第2部は華やかなサウンドステージ！

　サウンドステージは國府田マリ子さんからスタート。元気な楽曲と貫禄のステージで健在ぶりを見せつけた。
続く新谷良子さんは、現在のアイドル声優ブームを代表しての参加であり、観客も会場にサイリュームのウルトラオレンジの華を一斉に咲かせて盛り上げた。

　POAROはお笑い担当としてMCでも活躍し、LUX-AGEとCOCOは女性ファンの大歓声を浴びていた。

　古谷徹さんは声優活動40周年を記念したミニアルバム「HEROES ～to my treasure～」から、ペガサス星矢に捧げる「Only one shining star」とアムロに捧げる「ララの夜想曲nocturne」を披露。曲中に入るキャラクターの名ゼリフが、ファンの心を射抜く。

　関智一さんの「祈りのうた」でフィナーレとなり、アンコールでは全員でもう一度「祈りのうた」を合唱。この時、会場の入場口から現れた声優たちが、観客と握手を交わしつつステージに向かう大サービスで、最後を大いに盛り上げた。

　今回が第1回とのことで、大注目の声優イベントがまたひとつ生まれたようだ。


『声優フェスタ春 ～声の大響宴～』［09.3.20 渋谷C.C.Lemonホール］

大饗宴へのご案内
ignition「絆」

朗読ステージ
「星有第１中学校　新任教師の大災難」

サウンドステージ
M-1　キミノツバサ　歌：國府田マリ子
M-2　キミ、想フ。　歌：國府田マリ子
M-3　MARCHING MONSTER　歌：新谷良子
M-4　CANDY☆POP☆SWEET☆HEART　歌：新谷良子
M-5　dreams NEVER come true　歌：POARO
M-6　Radiance　歌：LUX-AGE
M-7　エルアモーレスタソロ　歌：COCO
M-8　空へ　歌：COCO
M-9　めがね二人　歌：鷲崎健
M-10　Only one shining star　歌：古谷徹
M-11　ララの夜想曲nocturne　歌：古谷徹
M-12　祈りのうた　歌：関智一
ENC　祈りのうた　歌：全員

制服コスプレで登場から盛り上げた井上喜久子さん

ミリタリールックに『攻殻』スタッフジャンバーを着込んだ田中敦子さんが、大塚明夫さんに銃をつきつけて『攻殻』ワールドを再現

歌の中でペガサス流星拳を放つ古谷徹さん

アンコールでは國府田マリ子さん以下、女性声優陣を中心に「祈りのうた」で全員の心をひとつにする（写真はゲネプロ時のもの）