
新世代の癒し系シンガー・IKUが5月25日にミニアルバム『ROBE』をリリースで記念インタビュー「今のIKUは“こんな感じだよ”って感じ取ってもらえる作品に仕上がりました」
ナチュラルな存在感とピュアな歌声で聴き手のハートを癒してきた北海道在住のシンガー・IKUが、ミニアルバム『ROBE』で爽やかな新風を送り込んでいる。
音楽制作ユニット・Barbarian On The Groove(バーバリアン・オン・ザ・グルーヴ/以下BOG)のプロデュースのもと、TVアニメ『とある魔術の禁書目録II』挿入歌(23話)“Pray~祈り~”をはじめとした全6曲を制作。これまでの柔らかなイメージとはまた違った表情を覗かせるナンバーが顔を揃えている。
なぜこういった作品が出来たのか──東京に滞在中のIKUに訊いた。
●他の歌い手とステージに立つことで新たな目標が出来た1年
――昨年は「電撃GENEONミュージックフェス」をはじめイベントが多く、東京に来られる機会もぐんと増えたと思うんですが、振り返るとどんな年になったと思いますか。
IKU:デビューして3年が経ったんですけど、ライヴ経験が浅い上、北海道に住んでいることもあって、これまでは他の歌手の方と同じステージに立つ機会が少なかったんです。他の歌い手さんと一緒にイベントを盛り上げていくこと自体、初めてだったので「みんなと仲良く出来るのかな」って不安がありました。でも実際、一緒にステージに立つと皆さんからパワーをたくさんもらいましたし、私ももっと自分を磨いていかなきゃいけないなって思えたし、一皮剥けたと思います(笑)。同時に発信できる立場であるということの喜びや責任を感じることができた、豊かな一年になったと思います。
――他の歌い手と一緒にステージに立つことは刺激的な部分もあったと思いますが…
IKU:これまでにはなかった新たな出会いになりました。みんなと仲良くなれたし、同じレーベルの仲間でメールアドレスを交換することも出来たし(笑)、踏み込んだ付き合いが出来るようになりました。今までは「初めまして」の付き合いだったのが、「元気だった?」に変わったというか。一緒にいることを自然に感じられるようになったことは凄く大きな出来事でした。「みんなでシーンを盛り上げていこう!」っていう気持ちも感じ取れて、私も学ぶところが凄くありましたね。
――プレッシャーみたいなものは感じませんでしたか?
IKU:ありました。でも、プレッシャーっていうことに関してはデビューの時からありました。デビュー前に「“IKU”っていう名前は最終的な看板だ」とプロデューサーに言われたので。
――それはどういう意味で?
IKU:「CD1枚出すのに、ライヴに1回出るのに、限りないスタッフの人たちが関わって、結果的にIKUっていう名前が前に出ているんだよ」って言われてたんです。今までもそれを意識してきたつもりだったんですけど再認識させられたというか。
――そういう変化は、IKUさんの音楽的な部分にも影響を及ぼしましたか?
IKU:はい。もっとライヴをやって、CDをリリースしたいなって。元々、そういう気持ちはあったんですけど…積極的に曲を作ったり、途中まで作っていた曲に着手したり、体調管理をしたり(笑)、緊張感を持つようにして、より“IKUである”ことを意識したというか。勉強になったし、いつか1人でステージに立ってみたいなっていう風に思うこともできたし、新たな目標が出来たように思います。
――野望が広がって(笑)。
IKU:はい。野望と言えば、私はMELLさんが大好きなので「MELLさんみたいな歌いかたをしたい!」って高瀬一矢さんに「ムリでしょ」って言われました(笑)。でも、自分の歌は大好きなんですよ。センチメンタル系ですけど(笑)。今後はオーディエンスを煽るような曲を1回で良いからやってみたいなと思っています。
●「“Pray ~祈り~”は風斬さんに捧げた曲なんです」
――今回のミニアルバムはいつから制作されていたんですか?
IKU:アルバムの話は去年からあったんですけど、本格的に制作に入ったのは年が明けてからですね。ギュッと濃縮した時間のなかで作りました。
――どんな気持ちで作品に挑まれたんでしょうか。
IKU:楽しみだなという気持ちがある一方、2年振りのリリースということもあって不安な気持ちもありました。でも今回、プロデュースしてくださったBOGの皆さんと打ち合わせした時に「僕たちとしてはIKUちゃんの新しい側面を引き出せればと思ってます」と言ってくださって、不安がなくなりました。また、何かしら“キュン”な部分がある曲が好きだとBOGさんに伝えたら「僕たちもそうです!」って言ってくれて、「身を委ねても大丈夫そうだな」と思うことができました。しっかり制作することが出来たと思います。
――まず、どんなアルバムにしようと考えましたか?
IKU: 1曲目の“Pray ~祈り~”は『とある魔術の禁書目録II』23話挿入歌になっていることもあって、この作品の一本の柱になるような曲にしたいなと考えました。
――“Pray ~祈り~”は祈りを捧げるかのような歌詞と爽やかなメロディーが印象的な曲ですが、どんなテーマで作った曲なんですか?
IKU:これはインデックスちゃんと当麻くんと風斬さんに――特に風斬さんに捧げた曲なんですよ。インデックスの、唯一のちゃんとしたお友達、他愛のないことを喋れる存在なので、その思いを詰め込んだ曲にしたつもりです。私は禁書目録の作品のファンで、特にインデックスちゃんが大好きなんです。コスプレしたいくらい好きです(笑)。
――(笑)。続く2曲目は“疾走感”というかなり大胆なタイトルの、正に疾走感のある爽やかな曲です。
IKU:実は元々、仮タイトルだったんです。聴いた時に「“始まり始まり~♪”って感じがするな。イントロからして疾走感がある!」って思ってたんです。私は詞を書く時、曲をiPodに落とすんですけど、その時、トラックに仮タイトルをつけるのが好きで、そこで“疾走感”って付けたんですよ。先にタイトルが決まった曲も中にはあったんですけど、ほとんどが詞を作ってからタイトルを決めていて、この曲は歌詞が出来上がった時に「やっぱり“疾走感”だね」って(笑)。
――そして3曲目 “ヒミツの鼓動”。曲調がちょっと変わっていますよね。
IKU:アダルトな感じというか、秘めごとっぽい感じというか。私の中ではサスペンスな曲です(笑)。自分が男の子になったつもりで書いた曲なんです。シチュエーションとしては、売れっ子の男性アイドルと普通の女の子との恋の歌というか…バレるわけにはいかない、でもついマンションに行ってしまう…みたいな(笑)。まぁ聴く人によって色々なシチュエーションを想像して下さればと思います。
――そんなアダルトな曲がありつつ(笑)、4曲目“花曇り”は胸がキュンとするようなセンチメンタルな曲です。
IKU:最初の仮タイトルは“昭和”でした。曲を聴いた時、単線の線路の横にたんぽぽが咲いていて、季節は春で…っていうイメージが沸いたので、ちょっと切ない曲を書きたいなと思い、叶わぬ恋と最後のいじらしさを表現しました。サビの〈きっとわたしはあなたを忘れるから/あなただけ憶えていて〉っていう部分が先に出来たので、そこから物語を紡いでいきました。
――5曲目の“セラフィム”は浮遊感溢れるイントロにドラマを感じたのですが、どんな気持ちで作っていった曲なんですか?
IKU:この曲はイントロから物語を作っていきました。「鳥の歌にしよう! 翼が見える!」と最初に思った時、セラフィナイトという、石の中に浮かぶ模様が天使が飛び立つ時の翼の残像に見えるって言われている緑色の天然石が頭に浮かんで。そこから“森の中から翼を湿らせた鳥が飛び立っていく”という曲を作ろうと思いました。
また、この曲は最後に歌詞を書いて、レコーディングも最後だったんですけど、BODの方々への感謝の気持ちを込めて歌いました。合宿みたいな形で作っていったのは初めてで、一緒に作品を作った感じが凄くあったので、感謝の気持ちも込めて、BODさんだったらどういう歌詞が好きなのかな?と想像しながらアプローチを変えて作った曲です。今までの私の世界観も損なわずに書くことが出来たので良かったです。
●“緑”を“あお”と読む理由、込められた想いとは?
――ラストのIKUさんが作曲も手がけているミディアム・ナンバー“光の詩”は“Pray ~祈り~”とセットのような感じがしたんですが…。
IKU:その通りで、私の中では“光の詩”も“Pray”っていう曲名にしても良いんじゃないかなって思ってたくらいで(笑)。“光の詩”はクリスマス・ソングを作りたいなと思って書いた曲で、今回のアルバム制作とは関係ないところで、1年半前くらいからちょっとずつ作っていた曲で、とても気に入っていたんです。ミニアルバムを作るにあたり、私の書いた曲も収録されることになり、私の曲を何曲かBODさんに聞いていただいたのですが、その時に言わずしてこの曲を選んでいただいて、とても嬉しかったです。
――ところで、“光の詩”の歌詞に〈まぶしい朝揺れる緑(あお)に色づく明日を祈りつづける〉という一節があって、なぜ緑を青と読むのかなと思ってたんですが、さきほどお話に上がった“セラフィム”の石の色も緑なんですね。緑色、お好きなんですか?
IKU:緑は落ち着くので好きです。でも、歌詞に関しては意味があるんです。緑色なのに青信号って言うじゃないですか?これは、昔の日本語には色を示す言葉は四つしかなかったらしくて(赤・青・白・黒)、それでしか表現できなかったらしんですよ。だから、緑信号じゃなくて「青信号」という言い方をする、ということからと、私、「青々とした緑」っていう言葉が凄く好きなんです。デビュー・シングルに“木の芽風”っていう曲があるんですが、これは芽吹きの季節をあらわした言葉で…北海道の芽吹きの季節って最高なんですよ。寒くて凍えてしまいそうな所から、命が始まっていくのが風や匂いから伝わってくるんです。そういう意味を統合して「緑=新しい命」「青=その奥にある無垢なもの」という気持ちを込めたつもりです。こだわりの言葉なんです。
●「私の歌が聴いてくれる人のお守りのような存在になれば良いな」
――あと、今回の作品には“明日”という言葉が多く散りばめられているような気がするのですが、これは意図的なものだったんでしょうか?
IKU:今の私の気分なのかもしれません。何があっても生きてさえいれば明日がくるって、ずっとそういう気持ちがあって。悲しいこと、辛いことは人生にはたくさんあると思うんですけど、朝が来てお天道様が登れば少しは良くなるんじゃないかなと信じたい自分がいるんでしょうね。単純に、詞を書いているのが真夜中だからかもしれないですけど(笑)。
――今作のタイトル『ROBE』はどういう意味なんですか?
IKU:魔法を唱えるときに使う法衣のことなんですけど、インデックスちゃんが着ているつぎはぎのローブが凄く印象的なんです。あのローブがあってこそのインデックスちゃん、あのローブこそがインデックスちゃんの祈りなんじゃないかなって。私の中で“歌”はメッセージを発信できる大切な道具=法衣(ローブ)なんです。また、私の歌が、聴いてくれる人のお守りのような存在になれば良いなって。お守りって言うと大げさですけど(笑)、その人に被さるベールのようなものになれば良いなと思って、このタイトルにしました。
――良いタイトルですね。今のIKUさんのモードもしっかりと感じることが出来ますね。
IKU:今のIKUを表現できたかなって。今のIKUはこんな感じだよってことを感じ取ってもらえる作品に仕上がったんじゃないかなと思います。
<Interview&Text:逆井マリ>
『ROBE』
2011年5月25日発売 2,625円(税込)
>>IKU official website
『ROBE』/IKU
2011年5月25日発売 2625円(税込)





















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