2011年7月放送開始のTVアニメ『輪るピングドラム』先行上映会イベントの模様をレポート!
7日7日よりMBSを皮切りに放送を開始した『輪るピングドラム』。これに先立ち、同月3日にアニメイト横浜店において第1話の先行上映会が行われた。
本作は幾原邦彦監督の『少女革命ウテナ』以来12年ぶりとなる映像作品として、放送開始前から大きな注目を集めていた。しかし、公式サイトでもストーリーや設定についてほとんど触れられておらず謎に包まれたままの先行上映会となった。
命を落としたはずの妹・陽毬が何者かの力によって甦り、その対価として“ピングドラム”を探すように命じられた双子の兄弟・冠葉と晶馬。変身、ロボ、そしてペンギン…。これからどのようにストーリーが展開してゆくのか、1話だけではまだ予測し難い。
どこか寂しげな印象を与えるバックミュージックや、作中の随所に散りばめられたファンタジックな要素など、ギャグテンポだけでは終わらない様子だ。
上映終了後、幾原邦彦監督、高倉陽毬役の荒川美穂さんが登壇し、プロデューサーの池田氏が司会を務めるトークイベントが行われた。
この時、初めて全編を通して見た荒川さんは「変身シーンがすごいインパクトでびっくりしました」と演者ながらもその画の見せ方に驚いてしまうという素直な感想を述べた。
続いて収録現場の様子について尋ねられると「1話では自分でも緊張が伝わって来るほどに緊張していました。分からないところを共演者の方々に教えて頂きながら、少しずつアニメのお仕事にも慣れてきて、最近ではお芝居を楽しめるようになってきました」と初々しいコメント。「キャラクターのセリフも面白くて、現場でもマネして遊んでいます。と嬉しそうに語ってくれた。主役の三人を始め、若い役者の多い活気あふれる現場のようだ。
本作でデビューを飾る荒川さんの支えとなる、石田彰さん、能登麻美子さん、堀江由衣さんらベテラン声優陣の登場も決定している。同じく新人の三宅麻理恵さんは陽毬と並ぶ第2のヒロイン・荻野目苹果役として活躍する。今後どのように高倉三兄弟と関わってくるのかが期待される。
作品の注目すべき点として幾原監督から「動物いろいろでるよ。深夜アニメでこんなに動物にフィーチャーしたアニメも珍しいよね。誰得なの?」と会場を沸かせた。「1話見て、なんだお笑いか~って油断してるでしょ? これから、えー!! そんなことになるのー!!! と思うよ」という監督の言葉に、池田プロデューサーも「そうですね。1話なんてまだ大人しいほうですよ」と続けた。ますます、展開が読めない発言に「裏切り」を期待せずにはいられない。
今さらいうまでもなく一線級のクリエイターとして君臨する幾原邦彦監督が、「虚構の物語」を通じて人々に伝えたいメッセージとは一体何なのか。2年の制作期間を経て新たな物語が幕を開けた。
全24話。とんでもない展開と、想像もできなかったような結末に驚かされることは間違いないだろう。1話たりとも見逃すことはできない。2011年後半は謎が謎を呼ぶ『輪るピングドラム』の世界に存分に翻弄されてみてはどうだろうか。
(TEXT:松田 はる菜)
TVアニメ『輪るピングドラム』
2011年7月7日よりMBS・TBS・テレビ愛知・BS-11・AT-Xにて順次放送開始
MBS 毎週木曜日26:10~
TBS 毎週金曜日26:25~
テレビ愛知 毎週火曜日25:30~
BS-11 毎週金曜日23:30~ AT-X 毎週金曜日23:30~ ほか
※放送時間は都合により変更になることがあります。
原作:イクニチャウダー
キャラクター原案:星野リリィ
シリーズ構成・脚本:幾原邦彦・伊神貴世
キャラクターデザイン:西位輝実
音楽制作:スターチャイルドレコード
アニメーション制作:ブレインズ・ベース
<キャスト>
高倉冠葉:木村昴
高倉晶馬:木村良平
高倉陽毬:荒川美穂
荻野目苹果:三宅麻理恵
多蕗桂樹:石田彰
時籠ゆり:能登麻美子
夏芽真砂子:堀江由衣
>>TVアニメ『輪るピングドラム』公式サイト