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幾原邦彦監督&声優・木村良平ら登壇 劇場版『ピンドラ[後編]』大ヒット記念舞台挨拶レポ

幾原邦彦監督&声優・木村良平さん、堀江由衣さん、小泉豊さん登壇! 劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編]僕は君を愛してる』大ヒット記念舞台挨拶レポート! 幾原監督によって作品に込められたあるキーワードのネタばらしも……!?

2011年に放送されたTVアニメ『輪るピングドラム』。その10周年を記念して制作された劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』の結末が描かれる『[後編] 僕は君を愛してる』が、2022年7月22日(金)より全国の映画館で公開中です。

8月20日(土)には新宿バルト9で大ヒット記念舞台挨拶が開催され、監督を務める幾原邦彦さん、出演声優陣から高倉晶馬役の木村良平さん、夏芽真砂子役の堀江由衣さんが登壇。MCは渡瀬眞悧役の小泉豊さんが担当し、会場に集まったファンのみなさんを盛り上げました。

ここでは、幾原監督から驚きのネタばらしもあった本イベントをレポートします。なお作品のネタバレが多分に含まれるので、観賞前の方はご注意ください。


 

プリンチュペンギンの「シビれるだろう?」ボイスは上坂さんのアイディア!?

まずは眞悧(小泉さん)による痺れる前説でイベントの注意事項を告知。小泉さんはこの日、眞悧のキャラクターを再現したウィッグと衣装で登場しており、会場のファンを大いに喜ばせていました。


 
早速トークパートへ移ると、幾原監督が会場のファンのみなさんに感想を求めました。すると温かい拍手が沸き起こり、一安心した様子の幾原監督は「喜んで貰えたのなら良かったです」とコメント。
 
木村さんは、新型コロナウイルス感染の影響で公開記念舞台挨拶に登壇できなかった事をファンのみなさんに謝罪しつつ「やっと(みなさんの前に)立てました」と語り、作品への深い想いを感じさせてくれました。
 
堀江さん演じる真砂子の活躍を掘り下げていくと、幾原監督、木村さん、堀江さんが出演したコメンタリー動画(現在は配信終了)で取り上げられたれたTVシリーズ第16話「死なない男」の話題に。
 
このエピソードは、シリアスな展開が続く中でのコミカルな話数で、真砂子の祖父の強烈なキャラクター性が印象に残り続けている方は多いはず。残念ながら映画の本編では使われていませんでしたが、堀江さんはTVシリーズの収録当時、真砂子がフグを食べる描写などこの回は非常に頑張ったそうなのです。
 
木村さんは劇場版から『輪るピングドラム』をご覧になった方に「神回なので見て欲しい」とこの回の面白さをアピール。また、コメンタリーでも真砂子推しだと話していたそうで、これを聞いた“すり潰されたい勢”のファン方から共感されたのだとか。


 
真砂子と兼ね役で堀江さんが演じているペンギンのエスメラルダについても触れられたのですが、そこからペンギンたちが話題の中心に。
 
木村さんが「最初からあそこまでペンギンたちがキャラクターの内面を表現すると決まっていたのか」を質問すると、幾原監督は物語が進むにつれて自然とあの形になったと回答。作品としての面白さを追及していった結果ペンギンたちの活躍が増えていったそうです。
 
さらに木村さんの質問から、劇場版で新たに登場したプリンチュペンギン(CV:上坂すみれ)の演技についても掘り下げられました。とあるシーンで眞悧の決め台詞「シビれるだろう?」を発するのですが、何かを咥えているような舌足らずなアクセントになっていました。
 
木村さんはここが気になっていたそうで、この疑問に対し幾原監督は上坂さんのお芝居によるものだと発言。ディスカッションを重ねいくつかのパターンを試してみたそうですが、最終的に上坂さん自身があの形に辿り着いたのだとか。


 
また、そんなプリンチュペンギンの鳴き声“バキュ”についても新たな事実が発覚。“キュ”は他のペンギンたちと共通ですが、“バ”の部分は赤ちゃんの声として用いられている“バブ―”やネットスラングとして知られている“バブみ”から着想を得たとのこと。
 
木村さんと堀江さんもこの事実には大変驚いていました。ですが会場に集まったファンのみなさんの中には、気づいていた方がチラホラ……!? 考察が盛んに行われる作品だけに、そこまで読めてしまうファンの方々の熱量の高さを感じられる一幕でした。
 

おたまじゃくしにまつわる小ネタを知ると、もう一度[前編] から見たくなること請け合い!

続いてMCが提示したテーマにそってトークを展開。まずは「注目して欲しいお気に入りのシーン」として、木村さんがマフラーを完成させた高倉陽毬(CV:荒川美穂)のシーンなど、”陽毬のおでこが光る”シーンをピックアップ。

堀江さんは「アフレコでこだわったところ」について、劇場版の収録でTVシリーズと違和感のない演技を心がけていたと話してくれました。完成した劇場版をチェックした際には自分でも違和感を感じなかったそうで、どこを新たに収録したのか思い出せなかったくらいだそう。

また、他の声優陣の演技についても10年前と全く違和感を感じなかったそうで、この話を聞いた木村さんがこの場に居ない冠葉役の木村昴さんを想って「良かったね、昴」と呟くところが見られました。

幾原監督は「(あの当時のお芝居を)再現できないのではないか」と当初デビューしたばかりだった昴さんを心配していた様子。ここで前編の舞台挨拶の際、昴さんへ幾原監督から、当時からお芝居が上手になり過ぎているとディレクションがあった事に触れられます。そんな言葉を言われてみたいと話す堀江さんに、木村さんも共感していました。

アフレコ時に複数パターン収録していたシーンについて、木村さんはそれが「一番最後のセリフ」、堀江さんは「歌」であることを明かしてくれました。


 
幾原監督に「お気に入りのシーン」を伺っていくと、ちょっとしたネタばらしとして劇場版の作中で度々見られた“音符”に込めた意図を話してくれました。
 
音符はカエルの幼生である“おたまじゃくし”とも呼ばれますが、この音符(おたまじゃくし)は最初に兄弟が現れたシーンで、彼らが着用している服の後ろのタグに付いていると言うのです。
 
[前編]の冒頭で “かえるくんピングドラムを救う”という本を探しに図書館へ向かった兄弟は、荻野目桃果(CV:豊崎愛生)やプリンチュペンギンに出会います。紆余曲折を経て[後編]ではその図書館が崩壊し、後に“カエルくん”シリーズの本のケースだけが残されるという流れです。
 
この話の最後に幾原監督は、最後に兄弟が水族館に現れた際に、首の後ろの服のタグについていた音符がどうなっているのか、ここに注目して欲しいと述べました。ここに“かえるくんピングドラムを救う”が何だったのか、その答えを用意しているそうです。


 
既に気づいているファンの方も会場では見られましたが、まだ知らなかった方はきっとまた最初から観賞したくなったことでしょう。ここでそろそろイベント終了の時間となり、堀江さんから順番にご挨拶。
 
堀江さんは、これだけ時間が経っても『輪るピングドラム』は面白い作品だと今の心境を露わにすると、その魅力を色々な方に伝えて欲しいとコメント。
 
木村さんは、舞台挨拶は自分たち声優陣にとっても大切な機会だと話しました。その理由はいつもは何も教えてくれない幾原監督が、作品について教えてくれるチャンスだから。前回の舞台挨拶は残念ながら参加できませんでしたが、新たにその機会を得られた感謝をファンのみなさんに改めて伝えていました。
 
最後に幾原監督は、10年もの間『輪るピングドラム』という作品を追いかけ続けたファンのみなさんへの感謝を表明。そして上映はまだ続くので今後も応援していただけたらと話し、本イベントは幕を閉じました。


 
劇場版[後編]の公開から1ヶ月が経過しましたが、見れば見るほど新たな発見がある本作。今回のトークをヒントにまた作品の理解を深め、10年と言わず20年、30年とこの物語の魅力を心に刻み続けていきましょう。
 
【写真=村山泰紀】

 

「劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM」作品情報

[前編]君の列車は生存戦略:2022年4月29日(金)公開!
[後編]僕は君を愛してる:2022年7月22日(金)公開!

▲前編キービジュアル

▲前編キービジュアル

▲後編キービジュアル

▲後編キービジュアル


 

ストーリー

これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、この世界の過去と未来についての物語であるーーー。
 
病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す
高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。
自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。
新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。
大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。
 
彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。

あれから10年ーー
かつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた・・・。
 

『輪るピングドラム』とは?

2011年7月にテレビ放送されたオリジナルアニメ『輪るピングドラム』。
星野リリィ原案による個性的なキャラクターたちや、「ピングドラム」とは何なのか?という謎が謎を呼ぶ展開、クリスタルワールドなどの独特のビジュアルを使用した世界観で、放送当時大きな話題を集めた。
やくしまるえつこメトロオーケストラとCoaltar of the deepersによる主題歌をはじめ、劇中キャラクターのTRIPLE HによるARBのカバー曲など、音楽面でも高い評価を得ており、今でも多くのアニメファンの間で語り継がれている。
 

スタッフ

監督:幾原邦彦
副監督:武内宣之
原作:イクニチャウダー
キャラクター原案:星野リリィ
脚本:幾原邦彦・伊神貴世
キャラクターデザイン:西位輝実・川妻智美
色彩設計:辻田邦夫
美術:中村千恵子(スタジオ心)
アイコンデザイン:越阪部ワタル
CGディレクター: 越田祐史(スタジオポメロ)
VFX:田島太雄
撮影監督:荻原猛夫(グラフィニカ)
編集:黒澤雅之
音響監督:幾原邦彦・山田 陽
音響効果:三井友和
音楽:橋本由香利
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ラパントラック
製作:ピングローブユニオン
配給:ムービック
 

後編主題歌

やくしまるえつこメトロオーケストラ
「僕の存在証明」
音楽配信中
https://linkco.re/nU03Typ0
10月12日(水)CD&アナログレコード発売
https://yxmr.lnk.to/existenceofusET

 

キャスト

高倉冠葉:木村昴
高倉晶馬:木村良平
高倉陽毬:荒川美穂
荻野目苹果:三宅麻理恵
多蕗桂樹:石田 彰
時籠ゆり:能登麻美子
夏芽真砂子:堀江由衣
渡瀬眞悧:小泉豊
荻野目桃果:豊崎愛生
プリンチュペンギン:上坂すみれ
 
劇場版公式サイト
10周年特設サイト公式サイト
アニメ公式ツイッター(@penguindrum)
幾原邦彦監督公式ツイッター(@ikuni_noise)
アニメ公式Instagram

(C) イクニチャウダー/ピングループ (C)2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン
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