
“Asriel” らしい、ミステリアスでファンタジックなステージに音が降り注ぐ――「Asriel Live“NOIR LABYRINTH”」をレポート!
6月18日、渋谷O-EAST。TVアニメ「11eyes」などの楽曲を手掛けている、黒瀬圭亮さん(コンポーザー)とKOKOMIさん(ヴォーカル)による音楽ユニット・Asrielが、ワンマンライブを行った。
約1年ぶりというオールスタンディングでの白熱したライブ。それでいて、「NOIR LABYRINTH」と冠された通り、新旧の楽曲を織り交ぜた“迷宮”のようなスタイルが、Asrielらしいミステリアスでファンタジックな空気感を作り上げていた。
会場が静かに暗闇に覆われると、シンフォニックな音の幕が、荘厳な雰囲気を連れてステージに降り注いだ。そして、すぐさまシンバルの音がダイナミックに鳴り響き、1曲目『星空舞散るあの夜に』へ。重厚なメタルサウンドの中で、伸びやかに響くKOKOMIさんのハイトーンヴォイス。
キャッチーでありながらも、ツタのように耳に絡みつく独創的なAsrielの世界へ、観客は心酔していった。
とは言え、久しぶりのオールスタンディングライブ。もちろん、力強い無数の腕と熱いかけ声が、ステージに立つメンバーに向けられていた。
その熱を高めるように、笑顔で拳を突き上げるKOKOMIさん。そんな彼女に加勢するべく、この日初披露の『緋い棘』では、バックバンドによる音の弾丸が会場の四方八方へと撃ち込まれていった。
MCを挟みつつ、怪しげな高笑いに誘われて始まったのは、『AntiQue ~2nd collection~』より『Al Phobis』。「赤いペンライトで埋め尽くしてほしい」というKOKOMIさんの希望通り、観客により生み出された真紅の絨毯が、フロアを異空間へと変えていた。
この日、KOKOMIさんが着ていた衣装は、実はファンからデザインを募集して制作したものだそう。普段ドレスを着ることが多いからと、今回は着物風の衣装を身に纏った彼女。
扇を片手に、和風な薫りの漂う『宵闇の焔に焼かれて』、そして『Hollowly Rain』を披露すると、会場は雰囲気をガラリと変えて、しっとりと大人びた表情を見せた。
また、本編で大きな山場となったのが、7分強の大作『波紋の空に還る朝』、「パレットソウル -弾魂-」のエンディングテーマでもある『ALTAIR』の流れ。
KOKOMIさんの衣装チェンジと共に本編後半へ突入すると、再び気合いを入れ直し、ハイスピード・ハイパワーでリズムを刻んでいくメンバーたち。
フロアから自然と湧き起こる息の合ったかけ声が、会場全体の気持ちを1つに束ねていく様子に、ただただ圧倒された。
静/動2つの表情を映しながら、螺旋を描くように展開していくAsrielのライブ。震災直後に歌詞を書いたという新曲『LABYTINTH』では、KOKOMIさんが涙ぐむ一面もあったが、続く『White Feather』からはラストに向かってヒートアップ。
それでも、『Angel』を歌い上げ、「みんな大好きだよ~!」と笑顔で手を振るKOKOMIさんの姿に、体の疲れも癒されたことだろう。
もはや定番とも言える「黒瀬」コールに促されて突入したアンコールでは、「11eyes」のエンディングテーマ『Sequentia』と、「今の時期にピッタリの曲です」と紹介された『灰色の雨音』を披露。
ここでもまたハードナンバー/バラードのギャップを見せると、ダブルアンコール『Moon Light Tears』で、大迫力の2時間に幕を降ろした。
“雨”を裏テーマに据えながら繰り広げられた今回のライブ。次はどんな演出で魅了してくれるのか?今から次のライブが待ち遠しい。
<取材・文:斉藤碧>
【SETLIST】
1.星空舞散るあの夜に
2.Annihilation
3.緋い棘
4.Al Phobis
5.死神の嘲笑
6.Finale
7.宵闇の焔に焼かれて
8.Hollowly Rain
9.波紋の空に還る朝
10.ALTAIR
11.LABYRINTH
12.White Feather
13.Velladonna
14.桜の姫君
15.Nocturne
16.Angel
ENCORE
17.Sequentia
18.灰色の雨音
DOUBLE ENCORE
19.Moon Light Tears
>>Asriel official website



































