音声の収録で用いられた特殊な手法とは？　『夏雪ランデブー』試写イベントレポート！　本イベントの模様は10月19日発売、Blu-ray＆DVD第1巻の特典映像として収録!!

　2012年7月～9月にかけて放送されたテレビアニメ『夏雪ランデブー』の先行試写イベントが7月1日にフジテレビで行われた。

左から、葉月役の中村悠一さん、六花役の大原さやかさん、島尾役の福山潤さん

　『夏雪ランデブー』は、フリーターの葉月と、花屋店主の六花、幽霊の島尾によって綴られる、奇妙で切ないラブストーリー。なお本作は通常のアニメ制作とは異なり、声の収録がアテレコではなく、プレスコという手法が用いられている。

　トークショウには、葉月役の中村悠一さん、六花役の大原さやかさん、島尾役の福山潤さんが出席。大原さんは、あでやかな浴衣姿で登場し、会場を沸かせた。本稿では、イベントの模様をお伝えしよう。

●低温一途青年×さっぱり未亡人×草食系執着霊＝???

　アテレコは、みなさんご存知の通り、できあがった映像に声を合わせていく手法。それに対しプレスコは、まず声を収録し、それに映像を重ねていくというものだ。この手法のメリットは、セリフひとつにかける時間や、間の取り方が声優さんにゆだねられるため、非常に自然な会話や表現が成立するという点にある。

　アテレコでは、それらが作画によって制限されてしまうため、声優さんに「このセリフは、もう少しためて、感情を込めたい」という気持ちがあっても、それが実現しづらいという側面があった。プレスコは、そういった声優さんのジレンマも払拭する手法となっている。なお、プレスコに関して試写会に出席した3名は「もう一度やりたい」と述べており、非常に有意義な収録だったことが伺える。

　また、大原さんは「完成したものを見て、すごく感動しました。息づかいとか、細かい演技やアドリブを、監督さんと作画さんがしっかり拾ってくれていて、すごく嬉しかった。いつもは、自分の呼吸ではない、キャラクターの呼吸で演技をするけれど、この作品では自分の間や尺の取りかたが尊重されていて、すごくもてなされているような気持ちになった」と、喜びの声も漏らしている。

　同じく福山さんも「実際に映像となってものを見たときに、"俺たちの声は活かされているんだ！"というのがスゴク実感できて、本当にうれしかった。言い知れない感動が得られましたね」とイキイキと喜びを語ってくれた。

また、中村さんも「この作品は日常会話の連続ですから、プレスコに向いてたよね。すごく楽しかった。でも、プレスコってセリフの間や尺が全部ぼくたちにゆだねられるから、いつも以上の責任があって、それは少し緊張したな(笑)」と、プレスコという手法に満足の様子だった。

●『夏雪ランデブー』のみどころは？

　「この作品の見どころは？」という問いには、それぞれが以下のような回答を述べ、本作品を心から楽しんで作り、そして3名ともその内容を楽しみににしている様子が伺えた。

中村さん：
　第1話では、作品の空気の統一感に注目してほしいですね。きっと楽しんでもらえると思います。

大原さん：
　多くは語りません。『夏雪ランデブー』は、低温ヤケドのように、みなさんの心をジワジワと焦がすような作品なので、ぜひともその感覚を味わってもらいたいです。

福山さん：
　日常会話が多いからか、演じているときに、セリフひとつひとつがぼくに刺さることがあったり、とにかく不思議な距離感がある作品です。11話だけですが、ぜひとも楽しんでください。

　なお、上記のような見所、聴きどころ満載な内容が展開した本イベントの模様は、10月19日(金)発売のBlu-ray＆DVD『夏雪ランデブー』初回限定生産版第1巻の特典映像として収録！　「文字だけでは物足りない！」なんていう方は、パッケージを購入して、ぜひともご覧になってみてください!!

◆『夏雪ランデブー』初回限定生産版第1巻
発売日：2012年10月19日(金)
価格：
[Blu-ray]5,985円(税込) / [DVD]4,935円(税込)
収録話数：1話～2話

【初回限定特典】
・原作・河内遙描き下ろしイラストケース
・特典CD「葉月・島尾のラジオランデブー」
(ゲスト：島尾ミホ役・冬馬由美)
・ポストカード

【通常特典】
・キャラクターデザイン：
谷口淳一郎描き下ろしイラストジャケット
・第1話先行試写会舞台挨拶
(ゲスト：中村悠一・大原さやか・福山潤)
・花コトバ【葉月】(音声特典)
・次回予告(2話)