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『劇場版サイコパス』公開直前、狡噛慎也役・関智一さんインタビュー

「最近は自分のままやっても狡噛だと認識してもらえるかな? というような感じになってきたように思います。」 『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』公開直前! 狡噛慎也役・関 智一さんにインタビュー

 昨年12月に、クライマックスをむかえたテレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 2』。年が明け、1月9日(金)からは『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』のロードショーがはじまる。

 現代からおよそ100年後の日本を舞台とした本作。国民一人ひとりの精神を数値化する「シビュラシステム」に支配された世で、刑事・潜在犯それぞれが“己の正義”を胸に対立する、ディストピアSFだ。2012年にはテレビアニメ第1期が放映。その緻密なストーリーと予測不能な展開に、当時から多くの注目が集まっていた。あれから2年。第2期の放映も終えて、満を持しての劇場版公開。物語の舞台は、ついに海を越える。

 そこで今回は、アニメ第1期の主人公でもあり劇場版にも登場する狡噛慎也役・関 智一さんにインタビュー。現在の心境からアフレコ秘話など、さまざまに語ってもらった。

※注:多少ながら劇場版のストーリーに触れた発言があります、あらかじめご了承の上お読みください。

■英語を話すシーンも多数。「脇汗すごいかきました(笑)」

<b>狡噛慎也役<br>関 智一さん</b>

狡噛慎也役
関 智一さん

――『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』では、久々に活躍する狡噛が観られますね。

関 智一さん(以下、関):2期にも出たには出たけど、“リアル”な狡噛は出なかったですからね。劇場版は、紛争地帯に身をおいている狡噛ということで、1期の頃の執念に燃えている狡噛とはまた違った感じです。日本から飛び出したことで、いままでのこの作品にはなかった風景や設定の広がりも見えるので、そういうところを含めて楽しんでもらいたいです。……というか、実は僕、1期のころからこういう展開になるっていうのは聞いていたんですよ。「たぶん外国に逃げてこういうことをしているよ」って、こっそり。

――えっ!? そうなんですね。確かに1期のラストでも狡噛の逃亡をにおわすシーンがありましたが……じゃあ、そのころから劇場版の構想はある程度固まっていたと。

関:そうなんでしょうね。でもずっと「しゃべるな」って言われてたんで。あと「2期に出ない」とか(笑)。

――そんなに早い段階で(笑)。

関:でも、2期に出ないっていうのをちゃんと教えてもらったのは、アフレコがはじまる直前くらいだったんですよ。スケジュールは全部押さえられてたんですけど、直前に全バラシ(笑)。

――ドッキリみたいですね!

関:そうそう(笑)。まあ、キャスト表には名前載ってないですからね。載ってないのに「濁せ」って言われてました(笑)。とはいえ、さっき言った通り展開は聞いていたので。そういう可能性もあるかなとは思ってましたけど。

――言うなれば、当初からそこまで綿密に組まれてたんですね。

関:そうですね。だから当時から面白い展開になっていくんだろうなあと思ってましたし、劇場版の台本を読んだときも、話を聞いていたぶん想像しやすかったです。

――そんな劇場版ですが、アフレコはどうでしたか?

関:朱ちゃんや宜野座たちとのその後も描かれているので、そこは懐かしくもあり楽しかったです。あとは、英語をしゃべるシーンっていうのが結構あって。そのへんは新鮮さがありつつも緊張しましたね。

――海外に身を置く狡噛は、英語をしゃべる機会がとくに多そうですね。

関:これまで、フランス語とかドイツ語とか、あと方言とか、いろいろな言葉のキャラを演じてきましたけど、英語はあんまりなかったんですよ。口に馴染んでない言葉だし、意味もわからない。演じようがなくて難しかったです。しかも、現場にいるキャストさんは英語が喋れるっていう条件で集められてる方がほとんどで、しゃべれないキャストは僕と石塚運昇さん(ルタガンダ役)だけっていうことが多くて。脇汗すごいかきました(笑)。石塚運昇さんも「こんなに緊張したのは久しぶりだ」って言いながら収録されてましたから。

――それは確かに新鮮な体験です。

関:ただ、だからこそちゃんと教えてもらえる環境だったので、やりやすかったですよ。「ここはこういうことを言ってるから、ここの単語が立ったほうがいいですよ」とか。あっ、そうそう、教えてくれたのが木村 昴くん(セム役)なんですよ。ジャイアンとスネ夫ですね。東宝さん繋がりで(笑)。『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』は、東南アジアでジャイアンとスネ夫が一緒に戦ってます。

――(笑)。そのあたりにも注目ですね。

■できる限り想像して、楽しく“狡噛慎也ごっこ”をしたいなという気分で臨んではいます。

――今回のアフレコを経て、関さんのなかで役としての狡噛はどう変化しましたか?

関:そうですねえ……だいぶ自分の中に馴染んだというか、浸透している感じです。やりやすくなりました。

――というと、前はどうだったんでしょう?

関:前は、(狡噛に)なろうなろうとしているところもあったので。「こういうふうにやったほうが狡噛っぽいな」「もうちょっと渋くやったほうがいいのかな」とか、意識してしまうところがあったんです。でも、最近は自分のままやっても狡噛だと認識してもらえるかな?というような感じに。内も外も擦り合わさるようになってきたように思います。

――だとすると、狡噛を演じる上でのこだわりは……?

関:いやあ、そんなものはとくに何もないですよ。

――自然に演じられているからこそですかね。

関:そうですね。あんまり構えないほうがやりやすいです。そのほうが素直な返答ができますし。ただ強いて言うなら、東南アジアで戦っているシーンの収録では、東南アジアの気候とかをなるべく想像して演じてます。実際にはあまり行ったことないんですけど、できる限り想像して、楽しく“狡噛慎也ごっこ”をしたいなという気分で臨んではいます。

――なるほど。では、狡噛慎也自身についても。関さんから見て、彼はどう変化しているように見えますか?

関:うーん。もともとすごい出来ちゃう人で、周りからも「すごいね」って言われてきた人だと思うから、自分のことを他人に吐露する機会ってあまりなかったと思うんですよね、きっと。自分ひとりで解決できちゃうというか。でも、朱ちゃんと会ったことで、話して楽になる部分も生まれてきたんじゃないかと思います。とくに劇場版では、あんまり頼ってる感じではないにしろ、悩んでることを話題に出すような描写もあったので。

――朱との関係によって、狡噛自身が変わってきたと。

関:いつのまにか信頼できる仲間ができたのかなと。自分(狡噛)と槙島も近いですけど、きっと朱ちゃんにも近いものを感じてるんでしょうね。若い頃の自分に重ねてる気がします。朱ちゃんと狡噛のあいだには、宜野座たちとはまた違う“尊敬と尊重”がお互いにありますから。

――劇場版でのふたりのやりとりも楽しみです。では最後に、読者に向けてメッセージをもらえればと!

関:はい。いつも『PSYCHO-PASS サイコパス』を応援してくれてありがとうございます。『PSYCHO-PASS サイコパス』はまだまだ、3、劇場版第2弾と続いていきますので……

――えっ!? そ、それは言っても大丈夫なやつですか?

関:ええ、僕の妄想だから大丈夫です。実際に続いていかなくても、僕の妄想のなかで続いていきますので。気になるかたは直接僕にご連絡ください。

一同:爆笑。

――「どうなっていくんですか?」と(笑)。

関:そうしたら、関 智一版の3と、劇場版第2弾をお話したいと思います。

――語りなんですね(笑)。

関:そうですね。口伝で語り継いでいきたいと思います。昔話方式で。「あのエピソードは誰々から付け加わった」とか。「関さんの話ではそのエピソードはなかった」とか。

――口伝だからこそですね。それこそ100年後にはどうなっているか楽しみな感じで。

関:そう(笑)。あとはコミカライズにしてもらうのもいいですよね。スピンオフとかたくさん出てますし。評判もいいようなのでね。

――いろいろ展開されてる『PSYCHO-PASS サイコパス』なら、夢じゃないですね(笑)。

関:『妄想版 PSYCHO-PASS サイコパス』でいきましょう(笑)。


いろんな意味で今後の展開も期待できそうな『PSYCHO-PASS サイコパス』。まずは1月9日(金)公開の劇場版を目に焼き付けるべし!

◆『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』作品情報
人々の精神が数値化される近未来で、正義を問われる警察のドラマを描くアニメーション作品「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ。それは「踊る大捜査線」シリーズを生み出した本広克行(総監督)が新たに挑む警察ドラマであり、「仮面ライダー鎧武/ガイム」や「楽園追放」を手掛けた虚淵玄(ニトロプラス)が緻密且つ大胆に書き上げたディストピアSF作品である。

そんなTV第1期で虚淵玄が築き上げた重厚な世界観を、TV第2期では「攻殻機動隊ARISE」「マルドゥック・スクランブル」の冲方丁がシリーズ構成を担当し、更なるSFクライムサスペンスに昇華させている。また、シリーズを通じてキャラクター原案の人気漫画家・天野明が人間味あふれる個性豊かなキャラクター達を生み出した。そして、それらの交錯する鋭いクリエイティブを纏め上げ、ドラマチックな映像・演出に仕上げたのは「劇場版 BLOOD-C The Last Dark」の塩谷直義(監督)。

第1期、新編集版、第2期で構成される「PSYCHO-PASS サイコパス」TVシリーズ。そしてTV2期に後続する形で、新たなストーリーが劇場版アニメーション作品としてつむがれる。

正義をめぐる物語の行方は?

【STORY】
 世界は禁断の平和(システム)に手を伸ばす。
2116年――常守朱が厚生省公安局刑事課に配属されて約4年が過ぎた。
日本政府はついに世界へシビュラシステムとドローンの輸出を開始する。長期の内戦状態下にあったSEAUn(東南アジア連合/シーアン)のハン議長は、首都シャンバラフロートにシビュラシステムを採用。銃弾が飛び交う紛争地帯の中心部にありながらも、水上都市シャンバラフロートはつかの間の平和を手に入れることに成功した。シビュラシステムの実験は上手くいっている――ように見えた。

 そのとき、日本に武装した密入国者が侵入する。彼らは日本の警備体制を知り尽くしており、シビュラシステムの監視を潜り抜けてテロ行為に及ぼうとしていた。シビュラシステム施行以後、前代未聞の密入国事件に、監視官・常守朱は公安局刑事課一係を率いて出動。その密入国者たちと対峙する。やがて、そのテロリストたちの侵入を手引きしているらしき人物が浮上する。
その人物は―― 公安局刑事課一係の執行官だった男。そして常守朱のかつての同僚。
朱は単身、シャンバラフロートへ捜査に向かう。自分が信じていた男の真意を知るために。男の信じる正義を見定めるために。

<STAFF>
総監督:本広克行
監督:塩谷直義
脚本:虚淵玄(ニトロプラス)、深見真
キャラクター原案:天野明
キャラクターデザイン:恩田尚之、浅野恭司、青木康治 総作画監督:恩田尚之
色彩設計:上野詠美子
美術監督:草森秀一
3D監督:三村厚史
撮影監督:荒井栄児
編集:村上義典
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和 
主題歌:凛として時雨「Who What Who What」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
アニメーション制作:Production I.G
制作:サイコパス製作委員会
配給:東宝映像事業部

◆公開情報
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』
1月9日(金)全国公開
配給:東宝映像事業部 
R-15指定
上映時間:113分

◆主題歌情報
凛として時雨「Who What Who What」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
2015.1.14 Out CD+DVD AICL-2795?6 1,200(tax out)
※3月末日迄の期間限定販売

>>『PSYCHO-PASS サイコパス』公式サイト
>>『PSYCHO-PASS サイコパス』公式ツイッター(@psychopass_tv)
>>『PSYCHO-PASS サイコパス』公式Facebook

(C)サイコパス製作委員会
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