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声優・木村珠莉さんが『SHIROBAKO(シロバコ)』で一番学んだことは?

宮森あおい役の声優・木村珠莉さんが『SHIROBAKO(シロバコ)』で声優として一番学んだことは? 『SHIROBAKO』最終回記念イベントレポ&インタビュー

3月27日、AKIHABARAゲーマーズ本店にてアニメ『SHIROBAKO』の最終回放送を記念したイベント「ドーナツお渡し会」が行われた。出演は“みゃーもり”こと主人公の宮森あおいを演じた声優の木村珠莉さん。そのイベントレポートと、最終回後だからこそ話せるインタビューをお届けします。

   

目次

最終回放送記念「ドーナツお渡し会」 レポート

定刻どおり19:00に木村珠莉さんがゲーマーズ本店店頭に登場すると、そこにはすでに大勢のファンが集まっていた。木村さんは全24話を終え、すがすがしい表情で応援してくれたファンに挨拶を述べながら、ひとりひとりにドーナツを渡してファンとの交流を楽しんだ。

いままで木村さんは“武蔵野アニメーション”の名刺を渡すイベントなどでファンとの交流を行ってきたが、今回は最終話が放送された後のイベントとあって、ネタバレを気にせずファンと交流。思う存分『SHIROBAKO』について語り合った様子だった。すべてのファンにドーナツを配り終えた木村さんは、最後まで残ってくれたファンに「みなさまのおかげで最終話を迎えることができました。ありがとうございます」と感謝を伝えると、あちこちから「お疲れ様!」との声が上がった。

そして最後に木村さんの掛け声で「どんどんドーナツ! どんと行こう!」と叫び、イベントは終了した。

 

イベントを終えた木村珠莉さんにインタビュー

▲宮森あおい役・木村珠莉さん

▲宮森あおい役・木村珠莉さん

――過去に名刺交換もしましたが、今回はドーナツお渡し会ですね?

木村珠莉さん:はい。一般的なお渡し会だとポストカードとかポスターが多いと思うのですが、『SHIROBAKO』なので名刺やドーナツのお渡し会です。この作品ならではのお渡し会なので、みなさんがどんな反応をしてくださるのか楽しみでした。

(※名刺お渡し会のレポートは、こちら

――名刺交換のときはいかがでしたか?

木村さん:名刺交換のときはお互いに自己紹介をしつつ、『SHIROBAKO』の感想を言ってくださる方が多かったです。すでに働かれている方は「仕事の励みになります」とか、学生の方は「将来アニメ業界に進みたいです」とか言ってくださったので、すごく嬉しかったです。もちろん、宮森さん以外の「この台詞がよかったです」とか、作品の話でも盛り上がりました。おひとりおひとりが感じる『SHIROBAKO』を直接聞けるのが嬉しかったです。

――『SHIROBAKO』に関わってよかったことは?

木村さん:もともとアニメは好きだったのですが、それ以上に「アニメっておもしろいな」と感じられたことがよかったことです。私は実際にP.A.WORKSさんに取材に行かせていただきました。本当にいろいろな人が、いろいろな愛情を注いで作られているものがアニメなんだなと感じられ、それと同じように私も愛情を注げたという経験が、一番嬉しかったです。

――そんな『SHIROBAKO』が、24話すべて終わってしまいました。いまの率直な気持ちをお聞かせください。長かったですか? 短かったですか?

木村さん:長かったですね。一般的なアフレコよりも時間がかかったと思います。『SHIROBAKO』ならではというか、つねにいいものを作ろうと、最終話はギリギリまで脚本を練られていたらしいです。これは監督とP.A.WORKSさん、それ以外のすべてのスタッフさん、みんなのこだわりだと思います。


――脚本ができなければ、アフレコはできませんね。

木村さん:普通3ヵ月の作品の場合、3ヵ月と少しで録り終わることが多いです。私たちは『SHIROBAKO』の他に『えくそだすっ!』や『第三飛行少女隊』があったのですが、それにしても約9ヵ月間くらいはみっちりと収録をしました。9ヵ月は長い時間でしたが、とても楽しい時間でした。

――木村さんが『SHIROBAKO』で学んだことは?

木村さん:24話のすべてに出演しているのは、木下誠一監督役の檜山修之さんと、高梨太郎役の吉野裕行さん、そして私の3人だけでした。おふたりに比べたら私なんかド新人なので初めは萎縮していたのですが、お芝居を交わさせていただくにつれて現場でもお話ができるようになり、スタジオの雰囲気もムサニ(武蔵野アニメーション)の雰囲気そのままになってきました。自分が一生懸命やれば、先輩たちは見てくださるんだというのに気づきました。

▲木下誠一監督(CV:檜山修之)

▲木下誠一監督(CV:檜山修之)


▲高梨太郎(CV:吉野裕行)

▲高梨太郎(CV:吉野裕行)


そして声優として一番学んだことは、「こんなに自然体で物語のなかに入れるんだ」ということです。『SHIROBAKO』という作品と人間ドラマという側面もあるのかもしれませんが、役者の先輩との掛け合いから、自然に言葉が生まれてくるんです。台詞ではあるのですが、本当に心から思える台詞を言えて、心から感じるから宮森さんの気持ちを自分の言葉で出せました。いままで自分はお芝居が得意だとは思っていなかったのに、それが嬉しい気付きというか、発見でした。

――宮森あおいが作品の中で生き生きとしているのは、木村さんの言葉ですからね!

木村さん:いやいや、とんでもない! 木下監督役の檜山修之さんには「おまえは芝居をしてない」って言われちゃったんですけどね(笑)。

――そうなんですか?(笑)

木村さん:はい。「芝居っていうより、木村珠莉と宮森あおいの境遇がすごく合っていたから、おまえがいま持ってる一番いいものを出せたんだ。だからこれからがしんどいぞ~(笑)」って言われました。でも、自分の中で芝居の苦手意識があったなかで、そう言っていただけたのは嬉しくって、自然に役に入れる環境を与えてくださったのは幸せだったと思います。

――では本日の「ドーナツお渡し会」について伺います。イベントを終えた感想をお聞かせください。

木村さん:関西や北海道から来てくださった方もいて、本当に嬉しかったです! お話をしてくださった内容は、最終回と23話の感想を語ってくださる方が多かったです。思い出すと私もうるうるしちゃいます。あのシーンはすべてがすばらしいシーンだったので、いろんな人に伝わったんだと感慨深かったです。

――いままでのお渡し会と違いましたか?

木村さん:そうですね。いままでは「この先はどうなるんですか?」と聞かれても、私は「言いたいよぉ~」と思いつつも「おもしろくなります」としか言えませんでしたから(笑)。だけど今回は思う存分感想を言い合えました。まだご覧になっていない方もいらっしゃったので、全員と最終話についてお話ができたわけではありませんが、お互いに思いっきりお話ができて幸せでした。

――ファンのみなさまから言われて嬉しかったことはありますか?

木村さん:「木村さんが宮森でよかった」と言ってくださったのが、なによりも嬉しかったです。心が暖かくなるというか、24話ずっと宮森さんでいられたことが幸せでした。


 

――最後にファンのみなさまにメッセージをお願いします。

木村さん:私は1話の台本を見たとき、「これはおもしろい。みんなに愛される作品に違いない」と思っていました。だけど監督を初め、制作陣の方たちはアニメに長く関わっていらっしゃる方々なので、「内輪ネタに思われないか」とか「本当におもしろいのか」とか葛藤されながら作った作品だと思います。ですが放送が始まると、見てくださっている方々が盛り上げてくださって『SHIROBAKO』は話題になりました。これは作品を作っているスタッフのモチベーションになりました。みなさんが愛してくれたからこそ、『SHIROBAKO』は万策尽きずに完成しました。本当に最後まで見てくださった方々には感謝しかありません。

――『SHIROBAKO』のこれからが気になります。

木村さん:もちろん私はずーっと宮森さんでいたいですし、『ツーピース』や『七福神』のことなど、気になることがたくさんあります。ですが、『SHIROBAKO』はすごくキレイに終わったので、個人的には「続編はないんじゃないかな?」と勝手に思っています。応援してくださったみなさんも、それぞれお気に入りのキャラクターがいると思います。アニメが終わった後も、そういうキャラクターのことを「もしかしたらどこかにいるんじゃないかな?」と想像しながら、ときどき『SHIROBAKO』のことを思い出してくださると嬉しいなと思います。本当にありがとうございました。

[取材・文・写真:佐藤ポン]

 

パッケージ情報

SHIROBAKO Blu-ray プレミアム BOX vol.1 初回仕様版

≪収録内容≫
【 Disc-1 】 ( Blu-ray )
第01話 「 明日に向かって、えくそだすっ ! 」
第02話 「 あるぴんはいます ! 」
第03話 「 総集編はもういやだ 」
第04話 「 私ゃ失敗こいちまってさ 」
第05話 「 人のせいにしているようなヤツは辞めちまえ! 」
第06話 「 イデポン宮森 発動篇 」

【 Disc-2 】 ( Blu-ray )
第07話 「 ネコでリテイク 」
第08話 「 責めてるんじゃないからね 」
第09話 「 何を伝えたかったんだと思う ? 」
第10話 「 あと一杯だけね 」
第11話 「 原画売りの少女 」
第12話 「 えくそだす・クリスマス 」

【 Disc-3 】 ( Blu-ray )
『 えくそだすっ! 』 第1話

【 Disc-4 】 ( CD )
オリジナルサウンドトラック 1

【 Disc-5 】 ( CD )
武蔵野アニメーションアンサーフォンボイス集 1

【 Disc-6 】 ( CD )
『 えくそだすっ! 』 主題歌
♪. OP 『 あいむそーりーEXODUS 』
歌 : トレイシー [ あかね ( CV. 中原麻衣 ) &あや ( CV. 伊藤静 ) &あるぴん ( CV. 茅野愛衣 ) ]

♪. ED 『 Cメロから愛を込めて 』
歌 : あかね ( CV. 中原麻衣 )

 

SHIROBAKO Blu-ray プレミアム BOX vol.2 初回仕様版

≪収録内容≫
【 Disc-1 】 ( Blu-ray )
第13話 「 好きな雲って何ですか ? 」
第14話 「 仁義なきオーディション会議 ! 」
第15話 「 こんな絵でいいんですか ? 」
第16話 「 ちゃぶだい返し 」
第17話 「 私どこにいるんでしょうか… 」
第18話 「 俺をはめやがったな ! 」

【 Disc-2 】 ( Blu-ray )
第19話 「 釣れますか ? 」
第20話 「 がんばりマスタング ! 」
第21話 「 クオリティを人質にすんな 」
第22話 「 ノアは下着です。 」
第23話 「 続・ちゃぶだい返し 」
第24話 「 遠すぎた納品 」

【 Disc-3 】 ( Blu-ray )
『第三飛行少女隊』第 1 話

【 Disc-4 】 ( CD )
オリジナルサウンドトラック 2 + 「 SHIROBAKO 音頭 」

【 Disc-5 】 ( CD )
武蔵野アニメーションアンサーフォンボイス集 2

【 Disc-6 】 ( CD )
『 第三飛行少女隊 』 主題歌
♪. OP 『 アリス・イン・ブルー 』
歌 : Rita

♪. ED 『 Angel Fly 』
歌 : Rita
 

STAFF

原作=武蔵野アニメーション 監督=水島努 シリーズ構成=横手美智子 キャラクター原案=ぽんかん⑧ アニメーションキャラクターデ ザイン=関口可奈味 アニメーション制作=P.A.WORKS

CAST

宮森あおい : 木村珠莉 安原絵麻 : 佳村はるか 坂木しずか : 千菅春香 藤堂美沙 : 髙野麻美 今井みどり : 大和田仁美 本田豊 : 西地修哉 落合達也 : 松岡禎丞 矢野エリカ : 山岡ゆり 高梨太郎 : 吉野裕行 小笠原綸子 : 茅野愛衣 渡辺隼 : 松風雅也 興津由佳 : 中原麻衣 ほか

STORY

「第三飛行少女隊」の最終回完成に向けて、宮森あおいはスタッフのスケジュールの調整を行ないながら制作を続けていく

(C)「SHIROBAKO」製作委員会
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