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『キズナイーバー』が初のpixiv公式アカウントページを開設!

ファンとのキズナは生まれるか?『キズナイーバー』が初のpixiv公式アカウントページを開設した理由

2016年4月放映開始のテレビアニメ『キズナイーバー』。アニメスタジオ「TRIGGER」が『キルラキル』以来に放つオリジナルTVアニメーションであり、脚本は映画『心が叫びたがってるんだ。』をはじめ青春アニメの旗手ともいえる岡田麿里さん、キャラクター原案は漫画『DOGS/BULLETS & CARNAGE』などスタイリッシュな画風で人気を集める漫画家・イラストレーターの三輪士郎さんが手掛けます。

放映前から話題が集まる本作ですが、そのウェブプロモーションの手法にも従来のアニメ作品と異なる試みが仕掛けられていました。そのひとつが、イラストレーションをキーにしたSNS「pixiv」でのアニメ公式アカウントページの開設です。意外にも、pixivにとっても初となるトライ。アニメとの新たな関わり方として、今後の展開につながる第一歩を踏み出しました。

アニメ×ウェブの新たな関係性が、本対談から見えてくるのかもしれない。そう考え、今回は作品配給を行うアニプレックスで『キズナイーバー』の宣伝を担当する高橋里美さん、pixivでアニメ公式アカウントページを担当する濱吉玲奈さんをお招きし、ページアカウント開設までの経緯などをテーマに対談をお願いしました。

文・構成:織田上総介(アニメイトラボ)、松本塩梅

■Twitterの「もったいなさ」をpixivに集約したかった

高橋里美さん(以下、高橋):ちょうど今日に放送される第2話から『キズナイーバー』は青春群像劇としての色が強くなっていきます。友情もあれば恋もある、8人の個性あるメインキャラクターたちのひと夏の物語です。『キルラキル』で見られたバトル、アクションなどの要素よりもキャラクターの心情やキャラクター同士の関係性を中心に描かれていて、これまでのTRIGGERとはまた違うTRIGGER作品になっていると思います。ただ、やはりTRIGGERでなければつくれない作品になっていることは間違いないので、その魅力をお伝えすべく、日々宣伝しております!

濱吉玲奈さん(以下、濱吉):pixivとしても、やっぱり三輪士郎さんがキャラクターデザイナーで入っていらっしゃるのもあって、格好良い「だけじゃない」キャラクターの魅力がすごく出ていて楽しみですね。

濱吉:プロモーションとしてもキャラクターを見せていくことは意識されていたんですか?

高橋:そうですね。もっともオリジナル作品だから、あまりストーリーを先に言えないのもありました。そこで、どうやってみなさんに興味を持ってもらうかを考えると、岡田麿里さんが生み出した個性的で魅力的な個々のキャラを押していこうと。

濱吉:そのキャラクターを見せていく場として、pixivも加わったわけですね。

高橋:『キズナイーバー』は公式サイトはもちろん、TwitterやInstagramでも展開しています。それぞれ役割は違って、Twitterはとにかく早く情報を伝える場。ただ、「チラシ配り」みたいな感覚で、流れていってしまうのがもったいないので、現場の写真などはInstagramを使って作品が持つ熱量やパワーをしっかり残していこうと。

pixivさんに関しては、これまで制作スタッフの方々がTwitterで作品の落書きをアップすると拡散されるけれど、Twitterの特性上、どうしても流れていってその時だけで終わってしまうのがすごくもったいないなと思っていました。

pixivさんはイラストコミュニケーションの場だし、アーカイブとしても振り返りやすい。やっぱり作品の盛り上がりって、観てくれたお客さんと一緒につくりあげるもので、お客さんがどんなアクションをしてくれるかが大事だなと感じているんです。そういう意味では、『キズナイーバー』も放映前後からイラストを描いてくれているユーザーさんがたくさんいたので、pixivを拠点に「一緒に盛り上がりましょう!」となっていけたらいいな、という気持ちがありました。

濱吉:『キズナイーバー』とのコラボレーションのお話をいただいた際には、単純に面白いなと思ったんです。pixivは三輪さんや、同じくキャラクターデザインの米山舞さんなど、TRIGGERのスタッフさんが個人的なアカウントで使用してくださっています。

でも、彼らが仕事で関わったイラストをアップしてくださっても、その作品ごとの公式スタッフがまとまるページはなかったんですね。Twitterでスタッフさんが個別にアップしている設定資料や制作資料なども含めて、pixivのアニメ公式アカウントページにいけば、まとまって観られる形になればいいなという感じですね。

公式サイトの情報だけでなく、作品のニュースや公式スタッフさんが投稿したイラスト、事前にいただいていたキャラクターの設定資料も交えてアップデートを続けています。

■公式資料を見ながらイラストを描いてもらえたら

高橋:特に今回は作画もとても良いので、原画や資料を観たい方に、ちゃんと見ていただける場があったらと思ったんですよね。プロモーションの使い分けとしても、原画はpixivだけにアップしています。pixivさんなら拡大機能でキレイに観られますし、今後は「動く原画イラスト」もお見せできるように準備中です。pixivのアニメーションGIFを投稿できる「うごイラ」という機能を使って、原画のデータを出していきたいという話を進めています。

濱吉:「うごイラ」はユーザーさんの反応もいいですからね。やっぱりアニメーションを作るのはたくさんの手間がかかりますし、音はつかない静止画であっても、見たときの感動がイラスト以上にあるのが好評なんだと思います。

高橋:あとは、せっかくのpixivさんなので、アニメ公式アカウントページでキャラクター設定を見ながら、二次創作イラストを描いてもらえたらいいなと。

濱吉:これからはpixivのユーザーが投稿した二次創作イラストも、このアニメ公式アカウントページ上に表示される予定です。ページの項目としては分かれるんですけど、ファンの方はこのページにいけば公式スタッフのイラストも二次創作のイラストも楽しめるように。

高橋:……とはいえ、実はこの形にたどり着くまで、すごい紆余曲折もありましたよね(笑)

濱吉:そうですね、すみません(笑)!

私たちとしては、アニメの公式サイトに載っている情報は全部載せたい。それにプラスして、ここでしか観られないアニメーション原画とかが投稿されていて、しかも二次創作イラストも見れるとなると、ユーザー的には楽しくなるじゃないですか。

だからこそ制作陣やアニプレックスさんにもご理解をいただいて、充実したページにしていきたかったんです。

高橋:でも、実際のところ、公式サイトだけでは広がらないという課題は確かにあって。それこそ今回コラボレーションした話も、公式サイトに載せるよりもpixivさんに載せる方が広がることってすごくあると思っています。

pixivさんでアカウントを運用しはじめてみたら、投稿すると評価システムがすぐに返ってきて。「観られているんだ、やってよかったな」と思っているところです。実際に放送が始まる前からイラストが上がってきていて、すごいなと思いました。それが公式ページをやった効果なのかは厳密にはわからないけれど、ユーザーさんの動きに触れていけたのはすごく良かったなと思いましたね。

■pixiv公式ページは「二次創作のしにくさ」をクリアする

高橋:私もこんなにイラストがアップされると思っていなかったというか。オリジナル作品だし、まだまだキャラクターの個性も本編では出ていない中で結構上がってきてびっくりしましたね。あとは仁子が人気なんだな、とか(笑)。

濱吉:二次創作が流行るアニメって、結構限られているんですよ。

高橋:そうなんですか?

濱吉:あくまで傾向としてなんですけど、あまりに元の絵が上手かったりすると、みんながちょっと尻込みするところがあるみたいで。逆に『おそ松さん』などは、誰にとっても描きやすさがありますよね。

高橋:たしかに、きれいな決まった絵ばっかりがあるよりは、ちょっとラフなものがあったほうがいいのかも。

濱吉:あとは、キャラクターの組み合わせとかですよね。それも二次創作が流行る理由。原作が上手かろうがなんだろうが、みんなアレンジして描けますから。そういう要素が今後の展開で匂わすところがあると、pixivは盛り上がると思います。でも、それを公式が良しとするかはわからないですが……(笑)。

ただ、pixivは二次創作の場だから、そこでアニメ公式アカウントページを持ってくださることは、ある意味で「二次創作OKだよ! みんなどんどん描いてね!」とメッセージを発信しているようなものなんじゃないかな、と。それだと、いちユーザーとしても参加しやすいと感じるところはあります。

高橋:2話以降は、良い意味で「キャラの秘密暴露大会」なので(笑)、そこからまたいろいろなイラストを描いていただけたら嬉しいです。キャラクターの組み合わせというところも、どんな組み合わせが人気なのかとても気になりますね。キャラクター同士の関係性のドラマは、今回しっかり描いていくところなので。

濱吉:三輪さんはpixivでも人気ですけど、めちゃくちゃ絵が上手いから、二次創作が盛り上がっていくのかが運営側としても楽しみでもあります。私たちとしても、何かみなさんが描きたくなるきっかけづくりをしないとなって思っているところです。

■みなさんとの「キズナ」が生まれる場にしたい

濱吉:公式の「キズナトーク」が、日めくりからキャラクターの掛け合いになったのも、そのあたりの意識があったんですか?

高橋:まさに、そういうことです。『キズナイーバー』の作品テーマにも通じますが、「誰かと誰かの絆」みたいなものを感じてもらえたらと思って。放映した話数に関連した裏話のようなものを毎回更新する予定です。今後も組み合わせを変えながら、2人ずつでやっていきます。好きなキャラを見つけたら、みなさんの中でも「キズナトーク」を想像してもらえたら嬉しいですね。

濱吉:アニメの放送が始まって、2話、3話と続いていく上で、これからどんどん二次創作も盛り上がっていくと思いますよ。

高橋:pixivさんに限って言えば、今アップしている原画や設定資料は公式のものしかないんですけど、制作の合間を縫いながらにはなるのですが、スタッフさんのイラストもどんどん上げていければいいなと思っています。

それをご覧いただいたみなさんに楽しんでもらいつつ、イラストも描いていただいて、このアニメ公式アカウントページがどんどん埋まっていくといいなと思っているので。色々なところで、色々な展開をして面白がってもらい、みなさんと一緒に『キズナイーバー』が盛り上がっていけたらなと。巻き込むとか、押し付けるとかではなくて、皆さんと“キズナ”をつなげて、「一緒に作り上げていくもの」になればと強く思ってます!

アニメ作品によるTwitterのアニメ公式アカウント運用は、今や多くの前例もある定番のプロモーションとなりました。『キズナイーバー』がpixivとコラボレーションした裏には、タイムラインとハッシュタグで流れていってしまう瞬間的な盛り上がりだけではない、継続的に「愛情を表現する場」として、pixivが最適と考えたことが読み取れます。

『キズナイーバー』第1話は、OP曲のBOOM BOOM SATELLITESでの幕開けに驚きが広がり、謎の残る急展開に視聴者を誘った後に、ネット上で活動を続けてきた「三月のパンタシア」がED曲を歌い上げました。ED曲は岡田麿里さんの作詞でもあり、今後の展開との関連性も注目したいポイントとなっています。

『キズナイーバー』の第2話は本日放送。キャラクターたちの「キズナ」、そしてキャラクターとファンとの「キズナ」は、今後どのように展開していくのでしょうか。

■Blu-ray&DVD『キズナイーバー』1

【発売日】
2016年6月8日(水)

【価格】
Blu-ray 完全生産限定版 ¥6,500+税 / DVD 完全生産限定版 ¥5,500+税

完全生産限定版特典 本編DISC+特典DISC 2枚組
・映像特典
01.キズナイーバー放送直前スペシャル「キズナビ」ディレクターズカット版
放送直前にオンエアされた「キズナビ」の、オンエアパートはもちろん、メインキャストによる“ネタバレトーク”や“大縄跳びミッション”の様子など未放送パート約30分を追加収録したディレクターズカット版!
02.TV未放映次回予告

・岡田麿里書き下ろしドラマCD「その頃、キズナイーバー/その頃、日染芳春」
勝平が園崎にディスられていたその頃、他のキズナイーバーたちは何をしていたのか?
第1~2話の別視点を描いた、ここでしか聴けないオリジナルサイドストーリー。

※キャラクターデザイン・米山舞描き下ろし三方背ケース
※キャラクター原案・三輪士郎描き下ろしデジジャケット
※キズナビ BOOK 01キャラクターコンプリートガイド
※特製ブックレット
※スペシャルイベント「キズナフェス~オレたちのキズナは終わらない!弁当持って学校に集合!~」

・チケット優先販売申込券
開催日:2016年9月18日(日) / 会場:都内近郊
出演:梶 裕貴、山村 響、寺崎裕香、前野智昭、島﨑信長、佐藤利奈、久野美咲、西山宏太朗

>>TVアニメ「キズナイーバー」公式サイト
>>キズナイーバー pixiv公式アカウントページ
>>日めくりキズナボイス
>>キズナトーク

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