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声優・浪川大輔さん&萩原聖人さんに聞く、映画『牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』での演技

浪川大輔さん&萩原聖人さんに聞く、映画『牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』での演技――敵なのか味方なのかじゃない、守りたいものが交差する物語!

――ここからは今回の映画の内容についてうかがえればと思います。萩原さん演じるダリオは謎の多いキャラクターですが、レオンたちの敵なのか味方なのかなど……少しだけヒントをいただけますか?

レオンとダリオ、それぞれの守りたいものが交差する物語

――ここからは今回の映画の内容についてうかがえればと思います。萩原さん演じるダリオは謎の多いキャラクターですが、レオンたちの敵なのか味方なのかなど……少しだけヒントをいただけますか?
萩原:ダリオは、レオンと同じく魔戒騎士であり、守りし者なんですけど、それぞれ守りたいものが違うんですよね。今回の話はそこからすべて始まるんです。

浪川:まさにそのとおり。

萩原:良いパス投げたよ! あとは頼むぞ。

浪川:はい(笑)。レオンとダリオ、それぞれ本当に守りたいものがあって、今回はそのふたつが交差するといったいどうなるのか……というお話なんです。ダリオも、レオンやヘルマンと同じように、愛情を持って登場してくるキャラクターなので。それが交差した時に、どういう科学反応が起きるのか。それがプラスなのかマイナスなのかは、見てのお楽しみですね。ただ、とても重く苦しい話にはなっています。

萩原:「敵なのか味方なのか」じゃないんですよね。守るものが違った時に、それが敵なのかは関係ない。それだけの話です。

浪川:かっこいい~!

萩原:な?

浪川:な? って(笑)。そういう人間くささあふれるお話で、しかもバトルものでもあるのので、演じる側としては掛け合いを一緒に録れたのが良かったです。


――みなさん揃ってアフレコする形だったんですね。

萩原:やっぱり現場の声優さんたちは一緒に録ることにすごくこだわるんですけど、そうじゃないの結構あるんだ……と思ったり。よし、コレ言ってやっといたよ!

浪川:言ってやっといてくれましたか(笑)。

萩原:現場の表現っていうのは、与えなきゃもらえないものですからね。目の前にある映像相手に芝居しているわけではないですし。もちろん、いつも全員そろってやるわけにもいかないんでしょうけれど、その瞬間いっしょにいるからこそ生まれるニュアンスとかは絶対あるんですよ。今回の『DIVINE FLAME』ではスケジュールをちゃんと割いていて、その意味は作品の中にちゃんと出ているんじゃないかなと思います。


――萩原さんは普段、映画、ドラマ、舞台などいろんなフィールドでお芝居をされていらっしゃいます。俳優としてのお芝居と声の演技で、特に違いを感じる部分などはありますか?

萩原:なんでしょう……比べること自体がちょっとナンセンスな気もします。

アニメが「特別」な部分は確かにあるんですけどね。単純に言っちゃえば、何十万枚ものセル画が動くものに声をあてるわけなので、もちろん物理的に違うじゃないですか。セル画の中にいるキャラクターは最初、自分じゃない誰かなんです。そこに自分が声を入れることによって、はじめて自分になるっていう。そんなふうに、自分の命を吹き込むのがアニメだと思っています。映画・ドラマ・舞台なんかは、実存の自分がやることによって成立するものなので、そこは圧倒的に違いますよね。

でも表現という部分では、基本的には何も変わらないです。セリフを出す最初のところ、(頭を指さして)ここは全部一緒だから。もし区別している人がいるとしたら、「あぁ、外側だけで、音だけでやってるのね」「辞めれば?」って思います。……と言っときます。これ言ってアニメ業界から仕事来なくなったら、別にいいです。

浪川:いやいや(笑)。

萩原:命を吹き込むって言うときれいごとに聞こえてしまうかもしれないですけれど、そういうつもりで僕はやってるので。「やってない人の表現はバレてます」ということを書いておいてください(笑)。


――しっかり記事にしておきます!

萩原:やめてください、嘘です。ちょっと言い過ぎました(笑)。

浪川:萩原さんは本当にストイックなんですよ。前にアニメでご一緒させていただいた時も、休憩時間とか関係なくずっと練習してましたし。

ただ、なんだろうな……。ひとつクレームじゃないんですけど……ボールペンをすぐなくすんですよ。僕が貸したボールペンを。あれは……なんで3日でなくしちゃうんですか?

一同: (笑)

萩原:ボールペンっていうのはさ、なくしてもいいからあんなに安いわけでしょ?

浪川:違う違う(笑)。

萩原:高い万年筆とかだったら、俺も大事に返しますよ。

浪川:あれ4色ペンですよ! 僕の……。

萩原:だって、何色も使ってなかったじゃん!

浪川:使ってない。そうなんです。

だから……そこだけなんです萩原さんは(笑)。


――ストイックに、でもとても楽しいアフレコだったんですね(笑)。

浪川:楽しい空気の中で、とっても重―い話を録っていきました(笑)。

『炎の刻印』の内容が、『DIVINE FLAME』の伏線にもなっている

――『DIVINE FLAME』は『炎の刻印』の4年後が舞台になっていますが、浪川さんが特にTVシリーズとのつながりを感じた部分などはありますか?
浪川:TVシリーズを見てくれていた人にとっては、見ていたからこそ「深くなる」シーンがポイントポイントで出てきます。レオン、アルフォンソ、エマ、そしてヘルマンのそれぞれにTVシリーズとのつながりが感じられるんです。

牙狼のテーマのひとつに「受け継ぐ」というものがありますけど、そういう意味でララの記憶なんかも、ちゃんとレオンの支えになっていて。あの経験があるから、今の劇場版のレオンがいるんだなと感じます。ただ、もちろんこの劇場版から見ても全然大丈夫ですよ!

萩原:『炎の刻印』を見ていない人たちにも、説明的じゃなく、いろんなことが想像できるように作られてるよね。「これどうなってるの?」っていう部分があっても、見ているうちにちゃんとわかるようになっていて。脚本が素晴らしいんです。

浪川:あとはなんといっても、ヘルマンの子でレオンの弟でもあるロベルトですね。ヘルマンはロベルトの顔を見ずに『炎の刻印』で亡くなっているので、劇場版でどういう形で絡むのか、ロベルトを見た時にどう思うのかっていう……。TVシリーズを見ていたら、その時のヘルマンの行動によりグッとくるものがあると思います。『炎の刻印』の経験値がちゃんと生きていて、『DIVINE FLAME』への伏線になっているというのは、つながりとしてとてもきれいですよね。そこにダリオさんがすごい勢いで絡んでくるんですけれど(笑)。


――最後に、映画を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

萩原:牙狼ファンの方はもちろん、浪川くんファンの方、それから牙狼はパチンコでしか知らないという人にとっても、『DIVINE FLAME』はちゃんと胸を打つ作品に仕上がっていると思います。ある先入観を持った作品ではないんですよね。すごく苦しい映画なんですけど、その苦しさとか切なさを感じてもらった後に「牙狼」という作品やキャラクターをもっと愛してもらえるというか。観てくれた人にとってそんな映画になればいいなと思います。

浪川:『DIVINE FLAME』は正直、近年まれに見るクオリティーの高さだと思っています。牙狼シリーズの見どころのひとつであるバトルシーンにも、この映画は絶対に大丈夫というか、期待に応えられるものになっています。そして何より、お話が今回も非常に良いので……。牙狼をよく知らない方でも、見終わった後に何か心にひっかかるものや、熱くこみ上げてくるものがあるのは間違いないと思います。画の動きもお話も、全体を本当に感じていただければうれしいです。「見てよかった!」と思える作品ですので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います!

[取材&文・小林真之輔]

公開情報


劇場版『牙狼〈GARO〉‐DIVINE FLAME‐』
2016年5月21日(土)公開

<INTRODUCTION>
“守りし者”たちは、何故、戦うのか
日本を代表するクリエイター雨宮慶太が生み出したヒーロー【牙狼〈GARO〉】。ファン待望のシリーズ最新作がついに完全新作劇場版アニメーションとして登場する。それがシリーズ10周年記念作品『牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』だ。
本作はシリーズ初のアニメ作品『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』(2014)の4年後を描くオリジナルストーリー。平和になったヴァリアンテ王国で。黄金騎士“ガロ”=レオンとアルフォンソ王子が直面する新たな危機。そして、世界でもっとも美しいホラー(人に憑依する魔物)の誕生にまつわる悲劇。劇場版ならではのドラマチックなストーリーを、ハイクオリティなビジュアルが盛り上げる。
監督はTVシリーズ『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』に引き続き新鋭・林祐一郎が担当。脚本には『進撃の巨人』や『ジョジョの奇妙な冒険』など数々のヒット作を手がける小林靖子、そしてアニメーション制作は『うしおととら』『神撃のバハムート GENESIS』『坂道のアポロン』などアクション・サスペンス・ドラマなど様々なジャンルを見事に映像化してきたMAPPAが担当する。2016年5月、アニメの枠を超えた映像プロジェクトを目撃せよ―。

<STORY>
世界の崩壊を目論んだメンドーサが、魔戒騎士たちによって敗れ去ってから4年――。戦いで死んだレオンの父・ヘルマンがヒメナとの間に残した子供ロベルトは3歳になり、黄金騎士“ガロ”=レオンは、堅陣騎士“ガイア”=アルフォンソ王子とともに平和な日々を過ごしていた。
ある日、魔戒騎士を束ねる「番犬所」のガルムが2つの異変を告げる。
今はなき小国バゼリアの地に、史上最も美しいホラー「ニグラ・ヴュヌス」が現れ、男は喰らい、女は顔を剥いで殺していると言う。さらにメンドーサが残した禁断の魔導具「ツィルケルの環」が使われようとしていると。「ツィルケルの環」はホラーに喰われ、魔界に落ちた人間の魂を蘇らせることが出来る道具。使われれば自然の摂理が狂い、世界が滅びてしまう。
そんな時、ロベルトが謎の男たちに誘拐される。ロベルトを追うレオンの前に黒曜騎士“ゼム”=ダリオが現れる。レオンを、ロベルトが連れ込まれた神殿へと案内するダリオ。神殿へと向かう道中、レオンの前に姿を見せたのは、死んだはずのレオンの父ヘルマンだった。一方、アルフォンソ王子は、同じく命を受け「ツィルケルの環」を追っていた魔戒法師エマと再会する。エマ曰く「ツィルケルの環」はバゼリアの湖にあるという。
その頃、レオン達は神殿で巨大な敵と対峙していた。必死に戦うレオン、ヘルマン、ダリオ。三人の胸中にはそれぞれ“守りし者”としての想いがあった。
「ツィルケルの環」、史上最も美しいホラー「ニグラ・ヴュヌス」、そしてロベルトの誘拐。すべての謎が今、その想いと繋がり一つになる。
戦いの果てにレオンが目撃する真実とは!



◆「牙狼〈GARO〉」とは
『牙狼〈GARO〉』とはクリエイター雨宮慶太が生み出したヒーロー・サーガである。2005年に特撮TVシリーズ第1期が始まり、これまでに特撮シリーズ4作、アニメシリーズ2作が制作され、劇場版・ビデオ作品も合わせると全11作が送り出された。人にとりつくホラーと、それを滅ぼす魔戒騎士・魔戒法師の戦いを描くその内容はハードで、大人向けエンターテインメントとして幅広い層の人気を集めている。

<CAST>
レオン・ルイス:浪川大輔
ヘルマン・ルイス:堀内賢雄
エマ・グスマン:朴璐美
アルフォンソ・サン・ヴァリアンテ:野村勝人
ロベルト・ルイス:富田美憂
サラ:小宮有紗

ダリオ・モントーヤ/黒曜騎士ゼム:萩原聖人


<STAFF>
原作:雨宮慶太
監督:林祐一郎
脚本:小林靖子
演出:林祐一郎 朴性厚
キャラクターデザイン協力:武井宏之
アニメーションキャラクターデザイン:菅野利之
美術監督:工藤ただし
色彩設計:鎌田千賀子
撮影監督:淡輪雄介
CG監督:陸川励
編集:廣瀬清志
音楽:MONACA
音響効果:倉橋裕宗
音響監督:久保宗一郎
主題歌:JAM Project「刃~The divine blade~」
制作:MAPPA/東北新社
配給・製作:東北新社

2016年/日本/アニメーション/シネマスコープ/78分

★特典は2種のクリアファイル!公開劇場にて販売中!
3月26日(土)より、公開劇場にて販売開始全国共通特別鑑賞券の販売開始、ポスタービジュアルのクリアファイルが付き、2種のうちお好きな方をお選びいただきます。特別鑑賞券の特典としてクリアファイルが付きます!クリアファイルの種類は以下のビジュアルの2パターンあり、劇場窓口にてお好きな方をお選びいただきます。 ※なくなり次第終了となります

(C)2016「DIVINE FLAME」雨宮慶太/東北新社
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