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アトム ザ・ビギニング:声優陣が語る、作品に内包する昭和感と熱さ

TVアニメ『アトム ザ・ビギニング』に内包する昭和感とアツさ――中村悠一さん・寺島拓篤さん・井上雄貴さん声優座談会

 ついに放送開始となったTVアニメ『アトム ザ・ビギニング』(NHK総合テレビにて毎週土曜日23:00~放送)。今回は2話の放送を終えたところで、天馬 午太郎役の中村悠一さん、お茶の水 博志役の寺島拓篤さん、そしてA106(エーテンシックス)役の井上雄貴さんにインタビューを実施! アフレコを経て感じたキャラクターの印象や今後の見どころなどについて語っていただきました。

 “マンガの神様”と名高い手塚治虫氏が描いた永遠のヒーロー・『鉄腕アトム』の誕生までの物語を『機動警察パトレイバー』のゆうきまさみ氏と、『RIDEBACK』のカサハラテツロー氏がタッグを組み、まったく新しい構想でコミック化された『アトム ザ・ビギニング』。同作を原作としたTVアニメ版では、『踊る大捜査線』『PSYCHO-PASS サイコパス』の本広克行氏のもと、『モーレツ宇宙海賊』の佐藤竜雄氏が監督を務め、『BLOOD+』の藤咲淳一氏がシリーズ構成を担当します。

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A106演じる井上雄貴さん、先輩であるふたりから見た印象とは
――アフレコを経て、キャラクターの印象は変わりましたか?

お茶の水 博志役・寺島拓篤さん(以下、寺島):お茶の水 博志は大きくは変わらないんですけど、午太郎との掛け合いでテンションが高くなるのを、もう少し柔らかくというか、天然っぽくしています。抑えてくださいって言われたのが印象的だったので、そこは気を付けながらやっています。

A106役・井上雄貴さん(以下、井上):A106は純粋にロボットだなと思って演じています。原作を読むと、ナチュラルにしゃべっていた印象だったんですけど、アニメの台本だとワードが単語単語でぶつ切りになっていてよりロボットらしいしゃべり方になっていたので、「ロボットなんだ」というのを強く感じるようになりました。

天馬 午太郎役・中村悠一さん(以下、中村):お茶の水と真逆のように描かれているなとすごく思ってて。ただ根幹にある部分は2人とも共通してるのかなと。研究していくものに対しての熱さは同じなので、さっき寺島くんから柔らかい部分を出してという話がありましたけど、僕のほうは突っ走る強さだったり、表現的に強いところを担当させていただいてますね。

――天馬午太郎とお茶の水博志の関係性を見て憧れるところはありますか?

寺島:同じ目標に対して違うアプローチで向かえるので、すごく頼りになるパートナーだと思います。それってある種運命だと思うけど、2人の出会いのエピソードも、実はそこまで運命的でもなかったので、結果として運命的になって良かったなと思いますね。

中村:ひょっとしたら本当の研究者の方たちは、あいつを蹴落とすんだとか、あいつの手柄になってしまうんだとか思っているのかもしれないですけど、この作品の2人は同じ立場で、どっちが功績を残すとかではなく、2人でひとつのものを完成させようと動いてるんです。それって僕は今までに経験がないことなので、羨ましいなぁって感じますね。なので一番理解できないのは、やっぱり鼻をつまみ合ってるところですかね(笑)。

寺島:間違いないね。

中村:外国人だとするんですかね? さすがに鼻はないと思いますけど、そういうスキンシップの取り方。日本人ってやっぱりあまり触れ合わないじゃないですか。だから、ひょっとしたら僕らよりも外国の方たちがこの作品を見たほうが、このコミュニケーションの取り方は共感しやすいのかもしれないですよね(笑)。

寺島:可能性あるね。

中村:僕らだと見た瞬間に、「何で鼻握ったんだろ?」って思いますからね。作中で茂斗子も引いちゃってましたけどね(笑)。

――アフレコ現場はどのような感じですか?

寺島:粛々と…。でも、雑談をしようとすると、すぐ音響監督が入ってくるんですよ。

中村:そうですね! 本当にスピーディーです。テストという、いわゆるAロールを一度全部通してやるんですけど、それが終わると、通常はブースの向こうで監督がこういう演出をしたいからあの部分のお芝居をこうしてとか、いろいろと決めてから、音響監督さんが伝えに来るんですけど、それがないんですよ。すぐにブースに来て、僕らと一緒にやるんですね。あれは珍しいよね?

寺島:佐藤竜雄監督と岩波美和音響監督の2人だからこそのスタイルなのかなと。2人とも2人なりの伝え方というか、その術が定まってるっぽいので、事前のスタッフミーティングがすごくうまくいってるんだろうなと感じます。だから我々はトイレに行く隙も与えられない(笑)。

中村:最近はあまり気にしないで、「先にトイレ行くわ」っつって行きますけどね(笑)。

寺島:僕ら役者も、その役に対してのアプローチが決まっているんですけど、それに対して監督方の作りたいものも出来上がっているので、相談も早いんです。

――中村さんや寺島さんから見て、井上さんのお芝居というのはどうでしたか?

寺島:僕もその…後輩とは言え、人の仕事っぷりに何かを言えるような立場ではないんですけど、すごく素直に、頑張っているなと思います。井上くんが初めて、ちゃんとレギュラーでやるラジオの初回を一緒にやらせてもらって、とても光栄だなと思ったんですけど、非常に好感の持てる青年だと思って。なので、これからも彼を応援していきたいなと。

――中村さんは、Anime Japanのラジオ公録の時に、ちょっと当たりが強かった印象ですけど(笑)。

中村:あぁ~。まぁそのくらいしておかないと調子に乗るので(笑)。そうですね、とりあえず1話をこの3人と監督とで見ることができたんですけど、見ながら途中で、「そういえば僕の隣りに座ってるこの人、全くしゃべってない」って思ったんです。1話ではA106はひと言しかしゃべらないというのを、さんざんいろいろな媒体で井上くんが言ってはいたんですけど、正直、他人事だったんですよ。でも見てたら、あっホントだ……って(笑)。

寺島:プレッシャーだよね。見ていてもすげぇドキドキするだろうなぁって思った。

中村:そうそうそう。だからどういう気持ちで1話を見てたんだろうって。俺らのことなんてどうでもよくて、僕しゃべらないな~って思ってたのかなって。ね?

井上:あ、は、はい。

寺島:その通りなんかい(笑)! 「お茶の水はもういい!」

中村:「早くA106を出せ!」みたいな(笑)。

井上:いや、全然そんなことはないです(汗)。

中村:でも、なんだろうなぁ。Anime Japanでも一緒に出た堤 茂理也役の櫻井(孝宏)さんとも話してたんですけど、新人で、メインキャストが初めてって言うけど、全然ひるまずにみんなの会話に入ってくるよねって。だからこっちがあえて引っ張り上げて一緒にやろうと言わなくても、ちゃんと追いかけてきてるというか。みんなと足並みを自分から揃えていくという姿勢は伺えるので、そっとしておけばいいんじゃないかなと思いますね。

寺島:コメントとかもしっかりしてますからね。

――ロボにも詳しそうですよね。

中村:彼は、メカに詳しいらしいですからね。

寺島:金属をいじるのが大好きなんだよね?

井上:そうですね。


声優陣が気になった1、2話のシーン、そして3話以降の見どころは――
――井上さんは単車を転がすのが趣味なんですよね(笑)。1話と2話を見た感想は?

中村:1話のアフレコの時には画が全部あったので、だいたいの完成図は分かっていたんですけど、あらためて音が入って、効果が入って、みんなのセリフを隣からじゃなく聞くと、やっぱり感動はありましたね。「あっ、完成してる!」みたいな。でも1番は、OPとEDですかね。アフレコの時は、だいたいOPって画面に秒数が出るだけなんですよ。だからそこに歌が入って、こういう演出で、こういう画がついてるんだって思いました。今回のOPとEDは、本編とはまた違ったテイストになっていたのがすごく印象的でしたね。

――EDは、何だかすごく青春感があって、うるっと来ました。

中村:そうですね。僕もそれは思いました。

寺島:僕はOPがすごく気になってました。以前時間を間違えて早く入ってしまった時、ちょうど1話のダビングをやっていたところで、OPのコンテよりも、もう少し進んだ感じの画が流れていて、音楽も付いていたんです。それを見て、だいぶ動いているけどどうやるんだろう、どんな作画スタッフなんだろうって気になっていたんです。全然違うタッチのOPだったので、これは面白いぞ!と思いました。

 あとは本編の方では、今回の作品はロボットが出てきたり、近未来がテーマになっているけど、アナログなやり方をしているなっていうか。A106も作画で描いてますし、A106のパンチとかも非常に漫画的というか、そういう描き方をしていたので、それは監督のスタイルなのか、アトムという作品の生まれが昭和だというのを意識しているのか、親しみやすさなのか……意図はわからないんですけど、そういう描き方はすごく好きでしたね。デジタルやCGにしてしまえば、それはそれの見せ方があるんですけど、描く人のアイデアや力で見せ方が違ってくるという手法を取っているのは面白かったです。これからどんどんアクションシーンも増えてくるので、どんなアニメになるのか楽しみですね。

――井上さんは?

井上:あの、さっき1話をちゃんと見てなかったんじゃないかと言われてたんですけど、本当はちゃんと見ていて……(笑)。収録の時も、自分は最後のシーンまでセリフがないので、Aパートなんかは特に、もうずっと先輩方のお芝居を見ていたんです。やっぱり僕も、まだ現場の数をたくさん踏ませていただいているわけじゃないので。だから先輩方がやられていたお芝居が、実際に完成形になった時に、こういうふうに聞こえるんだ、とかが分かって面白かったです。

 すごく勉強になりました。僕は1話ではひと言しかないですけど、2話では結構しゃべるんです。しかも最初が自発的に動くシーンで。天馬とかお茶の水に命令されて動くとかではなく、いきなり自発的に動いたので苦戦したんですけど、どこまでどう動いているんだろうっていうのがあるので、2話は非常に気になっています(※インタビューは2話放送前に実施)。

――アトムの時代の未来感って、もっと明るく輝いているものだったんですけど、たぶん井上さん世代の人が見てきた作品の未来感って、もう少し暗かったりするじゃないですか。だからアトムを見た時にどう思ったのかなというのが気になるのですが。

井上:いやいや、未来は輝いていますよ! でもそうですね、やっぱりある程度現実が見えてきてしまっているというのはありますね。空飛ぶ車とか、都市の形が全部変わっているとか、そういうファンタジー的な未来を夢見ることもあったと思うけど、僕らの世代だと、いろんなものが発展してきているからこそ、将来に求めるものも結構リアリティがあるというか。

 人としてはつまらないと思うんですけど、どうせこうでしょ、みたいに卑屈になっているようなところは、世代を見ていても思います。ただその中で、この作品に限っては、昭和感というか、今風のアニメではない演出が組み込まれているので、何て言うんだろう。冷めた若者にも、熱であったり、諦めずにやるんだ!っていう気持ちだったりは、刺さるんじゃないかなって思います。

――では最後に、3話以降の見どころと視聴者へのメッセージを、代表して中村さんお願いします。

中村:2話はほぼ原作通りだと思うんですけど、わりと早めにアニメオリジナルのエピソードが入ってきます。そこは見どころとしても大きいのかなと感じていますね。原作を知らずにアニメから入っていただく方もいると思いますけど、原作を知っていて、アニメも見てくださる方も大勢いらっしゃると思うので、そういう方にとってはサプライズになるのかなと。
 
 ただ、原作にないエピソードですけど、原作を壊さないお話づくりだったり、ちょっと学生らしいエピソードもあったりして、それは後々、お話が発展していくに当たっての布石だったりするので……。先ほど話したことになるんですけど、アニメって、OPとEDも作品作りに大事なものになっていて、それを含めて一つの作品になっていると思うんです。

 OPから始まりEDまで通して見た時、先ほど青春感とおっしゃってくれましたけど、僕も本編をやっている最中には考えなかったけど、「あ、これ青春モノの要素もあるんだな」って感じたんです。ひとつの夢に向かっているという部分で、それが叶うかどうかは置いておいて、青臭いドラマがあると思った時に、今後出てくるオリジナルエピソードが結構大事になってくると思うので、見ていただけるとありがたいですね。

[インタビュー・文・撮影/塚越淳一]

 
作品情報
TVアニメ『アトム ザ・ビギニング』
毎週土曜日23:00~NHK総合テレビにて放送中!

<『アトム ザ・ビギニング』とは>
 これは、いずれ“天才”と呼ばれるふたりの“日常(いま)”

 大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」となるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る――。
 手塚治虫が描いた永遠のヒーロー・鉄腕アトム。その誕生までの物語を、『機動警察パトレイバー』のゆうきまさみと『RIDEBACK』のカサハラテツローがタッグを組み、まったく新しい構想でコミック化した本作が、ついにTVアニメーションとして始動。アニメ化にあたっては、『踊る大捜査線』『PSYCHO-PASS サイコパス』の本広克行の下、『モーレツ宇宙海賊』の佐藤竜雄が監督を務め、『BLOOD+』の藤咲淳一がシリーズ構成を担当する。
 アトムのいる「未来」と私たちの「今」が、『アトム ザ・ビギニング』によって結ばれる!

<スタッフ>
原案:手塚治虫
プロジェクト企画協力・監修:手塚眞
コンセプトワークス:ゆうきまさみ
漫画:カサハラテツロー(「月刊ヒーローズ」連載)
協力:手塚プロダクション

総監督:本広克行
監督:佐藤竜雄
シリーズ構成:藤咲淳一
キャラクターデザイン:吉松孝博
メカデザイン:常木志伸、石本剛啓、宮崎真一
プロップデザイン:めばち、今橋明日菜、吉田大洋
総作画監督:伊藤秀樹
色彩設計:田中美穂
美術:加藤浩
3DCG監督:菅野高明
モニターグラフィックス:青木隆
特殊効果:村上正博
撮影監督:佐藤哲平
編集:本田優規
音響監督:岩浪美和
音楽:朝倉紀行
アニメーション制作:OLM×Production I.G×SIGNAL.MD

<キャスト>
天馬午太郎:中村悠一
お茶の水博志:寺島拓篤
A106:井上雄貴
堤茂理也:櫻井孝宏
堤茂斗子:小松未可子
お茶の水蘭:佐倉綾音
伴俊作:河西健吾
伴健作:飛田展男
ほか

>>TVアニメ『アトム ザ・ビギニング』公式サイト
>>TVアニメ『アトム ザ・ビギニング』公式Twitter(@atomtb_anime)

(C)手塚プロダクション・ゆうきまさみ・カサハラテツロー・HERO'S/アトム ザ・ビギニング製作委員会
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