2017年夏アニメ『ナナマル サンバツ』川島海荷さんインタビュー！ 初のTVアニメレギュラーは緊張の連続!?

　2017年7月４日（火）より放送がスタートする、高校生による競技クイズを題材としたTVアニメ『ナナマル サンバツ』に、ヒロイン・深見真理役として初のTVアニメのレギュラー出演を果たす女優・川島海荷さん。

　川島さんは、日本テレビ系情報番組『ZIP!』の総合司会を努めるなど大活躍中ですが、TVアニメのレギュラー出演はこれが初めて。そんな彼女に、アニメの放送を前にインタビューすることができました。川島さんが込めた想いに注目です。

初めてのTVアニメの収録スタイルに、緊張でガチガチに
──『ナナマル サンバツ』という作品に対する印象を教えてください。

川島：私自身あまりクイズの知識もなかったですし、高校生クイズもTVでたまに見かけるくらいで、その裏側がどうなっていて、どういう方たちが出場しているかということもよく分かっていなかったのですが、すごく作品の世界観に引き込まれて、夢中になって原作を読んじゃいましたね。漫画を通して高校生クイズの魅力が伝わってきました。


──役が決まった時の心境はいかがでしたか？

川島：最初にお話を聞いた時は、不安もありましたし緊張しましたね。TVアニメにレギュラー声優として参加するのは初めてなのですが、それがいきなりメインヒロインの立ち位置で、段階を踏んでいなかったのもあって、戸惑いが大きかったです。

▲深見真理

──声優という仕事にはどういう印象をもたれましたか？

川島：現実感がないというか、異世界のようなイメージですね。スタジオの中だけで一つの作品を作っていくということがすごく不思議で、実写の撮影との違いを実感しました。その一方で「登場人物の感情を表現する」という点は共通していると感じました。声優というお仕事は、何よりもまず技術が大事だと思っていたのですが、それだけではなくて、感情をきちんとのせて喋ることも重要だと分かって、「そこは自分にもできるかもしれない！」と思って頑張りました。


──川島さんは、漫画やアニメを原作とした実写映画にも出演されていますが、同じ架空のキャラクターを演じることでも、実写との違いはありましたか？

川島：やっぱり違いますね。声優の場合、自分ではなく絵が主体で、間も自分で決められるわけではないんです。自分の演技を絵に合わせて逆算していく必要があるので、声優のみなさんは、とても頭が良いんだろうなと思いました。

最終的には感覚でできるようになるのかもしれませんが、私にとって初めて尽くしの世界なので、新入生のつもりで勉強をさせていただています。


──声優の仕事ならではの苦労はありましたか？

川島：実写の時にはなかった作業として、収録の前日にアニメの映像を見ながら、秒数や喋るテンポを決めるVTRチェックの作業が入るんです「こういう風にセリフを言おう」と思っていたとしても、映像に合わせることが第一になるので、VTRチェックの時に追い込まれながらやっています（笑）。

映画はすでに台本が完成していることが多くて、直前に内容を変えたりということはそれほど多くないんです。声優さんの場合はギリギリでセリフ変更やカットなどで内容が変わることが日常茶飯事なので、本当にすごいなと思います。

──先輩声優の方々から、現場で声をかけられたり、アドバイスを貰ったりということも？

川島：笹島先輩役の佐藤（拓也）さんは、みんなを引っ張ってくれる存在で、現場の空気をほぐしてくれています。私が「糖分摂らなきゃね」という台詞を収録する時、緊張でガチガチになっていたら、佐藤さんが「甘いもの食べた方がいいんじゃない？」と声をかけて緊張をほぐしてくださったこともあったりして、ありがたかったです。


──周囲にも分かるくらいに緊張されていたんですね。

川島：とても緊張しました。基本的に緊張しやすいタイプなので……。全体を通したTVアニメの収録を経験するのが初めてだったこともあり、「自分が失敗して、他の人に迷惑をかけたらどうしよう……」と考えてしまって、ドキドキしながら過ごしていましたね。キャラクターの口の動きに合わせようとすると、内心で焦っているのが伝わってしまうみたいで。音響監督さんから「焦らないでいいから」とアドバイスももらったりしました。


──現場の雰囲気はどのように感じられましたか？

川島：声優さんって穏やかな方が多いのかなと感じたくらい、平和で和やかでしたね。主役の堀江（瞬）くんとは同い歳ということもあって過ごしやすくて、私にとってはすごく良い環境です。

個人的に、声優業界は上下関係が強い体育会系なイメージがあったのですが、全然そんなことはなかったなと（笑）。『ナナマル サンバツ』の現場が、比較的年齢の近い役者さんが多かったので、学校の仲間同士みたいな雰囲気でしたね。


──声優を経験することで、今後のお仕事に生かされそうだと感じたことはありますか？

川島：間の取り方でしょうか。ドラマではアフレコのように厳密に間が決められていることは少ないのですが、その瞬間に演技を求められるということはあるので、要求されたものに合わせていくための技術は学ばせてもらっている気がします。

あとは、高校生気分を味わえることですね。勢いだったり怖いもの知らずな所だったり、高校生ならではの感覚というのは忘れないようにしたいなと思いました。

『ナナマル サンバツ』で、学生時代の青春が蘇る？
──ご自身が演じられるキャラクターの印象を教えてください。

川島：真理は“クイズが好きな残念女子”と言われたりもしていますが、私自身キャラクターに愛着が沸くタイプなのもあって、共感できる部分が多いですね。すごくチャーミングなんだけど男らしくて、女子にもモテそうなタイプだなと。気が強いところが似ているかもしれません。


──残念系という言葉も出てきましたが、ご自身にも残念な部分はありますか？

川島：私も残念系女子だと思います（笑）。せっかちなところがあって、休みの日に、つい予定を入れすぎて全然疲れがとれなかったり……計算できているようで、計算できてないところがあります。


──ご自身の高校時代を思い出すことも？

川島：私の高校時代は、こんなに一つのことに打ち込んだことがなかったので、羨ましいなと思いますね。ほぼ仕事が部活みたいな感じだったので、ちゃんとした部活をやってみたかったですね。こうして、団体競技として誰かと一緒に頑張るのはすごく楽しそうで……。もし高校生に戻れるなら団体系の部活をやってみたいです。クイズはちょっとセンスの問題で無理かもしれないですけど（笑）。もし本当に戻れるなら、昔一年だけやっていた吹奏楽をもう一度やると思います。

──クイズに関しては苦手という話がありましたが……。

川島：パンフレットとかに載っているちょっとしたクイズ問題には挑戦してみたのですが、一番簡単な問題でも全然当たらなくて……。けど、アニメの中では真理として回答できているので、頭がよくなった気分は味わっています（笑）。


──では、その中でもこのジャンルならある程度答えられるかな……というものは？

川島：出演させていただいている朝の番組ではクイズコーナーがあるのですが、最近答えられて嬉しかったのはイントロクイズです。いつもは真剣に答えたつもりが結果的にボケになる回答をしてしまうことが多いのですが、イントロクイズの時は、「これだ！」という閃きが初めて降りてきて。すごく嬉しかったのを覚えています。

土日が待ち遠しいという川島さん。サラリーマンに共感を覚えることも
──普段からアニメを見ますか？

川島：子供の頃はよく見ていて、特に『犬夜叉』が好きでしたね。最近のものだと『君の名は。』とか、アニメ映画がすごく盛り上がっていることもあり、チェックしています。逆に深夜アニメは夜更かしをしている時にやっているのを偶然見るくらいで、あまりちゃんと見たことがなかったので、今回がいいきっかけになるかなと。『ナナマル サンバツ』は絶対に見るつもりです！


──こういう人たちに見て欲しいという想いはありますか？

川島：まずはやっぱり、学生さんとかキャラクター達と同じ世代の人たちに、いい刺激になってくれるといいなと思います。それより上の世代の方々も、青春時代を思い出して懐かしい気持ちに浸れると思いますし、好きなことを一生懸命やる少年少女たちを見て、羨ましく感じたりするかもしれないですね。それくらいパワーをもらえる作品になっていますし、私自身も収録が終わった後ぐったりとなるくらい頑張りたいと思っています。


──今後、演じてみたい役柄はありますか？

川島：動物ですね。実写だとまずないのですが、アニメでは動物にも声優さんが声を入れますよね。動物の演技には正解がない分、自由で楽しそうだし、現実離れした高い声とかも出せるのも、実写ではできないことなので面白そうだと思っています。

実写の方ですと、今まで明るい役とか強気な役が多かったので、大人しい女の子とか、ギャップのある役をやってみたいですね。

──様々な分野で活躍されている川島さんですが、こんなことにも挑戦してみたいというのはありますか？

川島：スペシャルドラマはあったのですが、朝の番組をやりながら連続ドラマには出たことがなかったので、両立できるのかという挑戦も含めて、連続ドラマには出てみたいですね。


──それだけ忙しいと、体調管理も大変そうですね。身体のために気をつけていることは？

川島：眠いと思ったら隙間で寝ることです。朝が早い分、睡眠時間が少ないので、仮眠を取りしながら1日合計で6時間は必ず寝るようにしています。あとは土日でしっかりとリフレッシュすることですね。


──あまり女優さんの生活という感じではないですよね。むしろサラリーマン的な……。

川島：本当にその通りで、サラリーマンの人の気持ちが分かります！

一同：（笑）。

川島：知り合いには、普段曜日の感覚がないという人が多いのですが、私にとっては今日が何曜日かということはとても大事なので、今までにない生活をしているという意識はありますね。金曜日になるとウキウキしたり、同じところに毎日通うことの大変さ、どうやって楽しさを見出すかということもわかりますし、OLの役をやる時はすんなり役に入れるかなと（笑）。

その中でも今回のような違った仕事に挑戦にさせていただけるのは、とてもありがたいことだと感じていますし、『ZIP!』で共演させていただいている桝（太一）さんも、高校生クイズの司会をされているという縁もありましたから、運命のようなものも感じています。

──桝さんにも、本作に出演されていることはご報告されましたか？

川島：実は桝さんもすでに作品をご存知だったみたいで、ご報告した時には「あれ面白いよね！　楽しみにしてる！」とお言葉をかけていただいて。余裕ができてきたら、桝さんにも高校生クイズのことを聞けたらなと思っています。


──最後に、ファンの方々に向けたメッセージをお願いします。

川島：このアニメはただの高校生クイズアニメではありません。キュンとするような青春ストーリーや、一心不乱にクイズを勉強する姿に胸を打たれたり、見ているこっちが気持ちよくなるシーンもあり、とてもパワーに溢れたアニメになっています。いろいろ青春を思い出したりしながら、刺激を受けてもらえると嬉しいです。


──ありがとうございました。


[取材・文/米澤崇史　写真/アイザワヒロアキ]

作品情報

TVアニメ「ナナマル サンバツ」
日本テレビほかにて2017年7月4日（火）25時59分～ 放送開始
8月6日（日）より毎週日曜23時20分～ ファミリー劇場で追っかけＣＳ初放送
Hulu、dアニメストア、ニコニコ動画ほかでも配信決定！　詳細はHPにて

●キャスト
越山識：堀江瞬
深見真理：川島海荷
御来屋千智：石川界人
笹島学人：佐藤拓也
井上大将：畠中祐
笹島迅子：松田颯水
苑原明良：永塚拓馬
上月由貴：M・A・O
芦屋洋介：羽多野渉
新名匠：鈴木達央
苑原千明：佐倉綾音
大蔵邦光：前野智昭

●スタッフ
原作：杉基イクラ（「ヤングエース」連載／ＫＡＤＯＫＡＷＡ刊）
監督：大宙征基
シリーズ構成：柿原優子
キャラクターデザイン：高鉾誠
音楽：百石元
音響監督：渡辺淳
美術監督：大西穣
色彩設計：鈴木依里
撮影監督：蒲原有子
編集：坪根健太郎
アニメーション制作：トムス・エンタテインメント
オープニングテーマ：「On My MiND」Mrs. GREEN APPLE (Universal Music / EMI Records)
エンディングテーマ：「○○○○○」ベイビーレイズJAPAN (ポニーキャニオン)

>>TVアニメ「ナナマル サンバツ」公式サイト
>>TVアニメ「ナナマル サンバツ」公式ツイッター（＠7o3x_anime）