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『ダリフラ』魅力的なシーンの裏側!A-1 Pictures福島Pインタビュー

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』A-1 Pictures福島Pが1~6話を振り返る!魅力的なシーンの数々の裏側/インタビュー

第6話で大きな盛り上がりを終えたTVアニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本作の放送前にアニプレックス、TRIGGER、A-1 Pictures 3社のプロデューサー陣による鼎談を行いましたが今回は、A-1 Pictures福島祐一プロデューサーに現場の感触や制作にまつわる裏話を伺いました。第1話~6話まで制作に携わったスタッフのこだわりとは――

 

話数を重ねていくにつれて現場のテンション感は上昇中

――プロデューサー鼎談で3人のプロデューサーに取材を行いましたが、福島プロデューサーのこの作品での役割を教えてください。

A-1 Pictures 福島祐一プロデューサー(以下、福島):今までやってきた作品のアニメーションプロデューサーの仕事と変わりはないです。錦織監督や田中将賀さんをはじめ、クリエイターたちの作業や全体のスケジュールを確認したり、何話を誰にやってもらうのか、各社やセクションの調整や、どういう風に進行させていくのかを決めていく役割です。。

――スタッフの配置を決めていく感じですか?

福島:そうですね。「何話はこの人どうですか?」など、監督やTRIGGERさんと相談しながら、話数のスタッフを配置しています。音響や編集作業など全行程のやり取り、アニメを作っていく上で必要な人の調整をしている感じです。あとは予算の管理ですね。それも含め、全体のスケジュール管理もしています。


――現状、現場の状況的にはどうですか?

福島:先の話数で出来ている話数もありますし、放映に向けて粛々と進めている感じです!

――3人のプロデューサーの役割分担みたいなものもあるのですか?

福島:鳥羽さんはメーカーのプロデューサーとして企画全体のプロデュース、若林さんはデザインのアイディアからシナリオ・コンセプトを決めるタイミングで、クリエイターさんとのやり取りやアテンドをしてくれています。そこで出た要素を絵コンテやフィルムにするために現場に落とし込んで映像にしていく所を、僕のほうで担当しています。もちろん、TRIGGERさん周りに関しては若林さんたちと相談しながら進めさせてもらっています。

――若林さんはもともとクリエイターでもありますよね。

福島:そうですね。今回はプロデュース的な動きをして頂いていて、今石洋之さんやすしおさんの稼働の調整や、コヤマシゲトさんにデザインをお願いする上で、クリエイティブな部分を踏まえて、尚且つ制作的な動きをしてもらっています。次にこういう新規デザインのアイディアが必要という時に、打ち合わせを仕切って頂いています。

――この取材時で3話まで放送が進んでいますが、視聴者の反応も見ていますか?

福島:反応を逐一追えているわけではないんですが、純粋にオンエアできて安心したというか。準備してきたものを見てもらえて、いろんな反応があることが率直に嬉しいです。


――クオリティもかなり高いですね。

福島:映像をプロデュースする立場なので、コンテ、演出、作画から撮影に至るまで、全セクションの要素が映像というひとつの形になり、一個一個の素材や話数がいいものであってほしいなと思ってやっています。

そのためにスタジオカラーさんを始め、いろんな会社や人の力を借りているので、クオリティが高いと言ってもらえることは、僕個人としても嬉しいですし、みんなで頑張って作っているものが、良い形で観てくれる人に届いて良かったなっていう気持ちになります。

――先ほど放送できて良かったと言っていましたが、やはりTRIGGERとA-1 Picturesという2社でやることの難しさからくる言葉なのかなと(笑)。

福島:中々に難しいというか大変ですね。社内だけでも、何かを調整するって大変なんですよ。もちろん想像はしていましたけど、お互いのロジックもあるので、その中でどう進めていくのか。

僕らが当たり前だと思っていたことがTRIGGERさんではどうなのか、その逆もしかりなんですけど、それは実際にやってみて詰めていかなければならない部分もあるので、逐一すり合わせながら進めています。でも、ここまでやってこれているので、今は2社での作品の作り方としては、だいぶ方向性が見えてきたと思います。

 

A-1 Pictures×TRIGGERでやっている感じがわかりやすく出ている1話

――インタビューが6話後の掲載になりますが、もともと6話までで一区切りという構成だったのですか?

福島:構成は錦織監督と林直孝さんで担当していて、監督から構成が上がってきた時点で、言い方として正しいかはわからないですが、自分は1~6話が「第一部」という認識でいました。6話までの話数で誰にどんなことをやってもらうかというのも明確にあったので、監督と話しながら、今のスタッフィングの形で6話までは制作していきました。

――1話のスタッフの配置で、こだわったところはありますか? 監督が脚本と絵コンテというのは納得でしたが。

福島:絵コンテとシナリオは錦織監督で、演出に副監督の赤井俊文さんに入ってもらい、作画監督は田中さんで行こうというのは初期段階で決めていました。6話までだと、1・2・3・5話がA-1 Pictures担当で、4話と6話がTRIGGERさんにまるっとやってもらっています。その担当話数の構成も若林さんや監督と相談しながら決めました。

1話に関しては作品作りの方向性を決めていく話数でもあるので、制作デスクの上内くんに担当してもらい、作画のメンバーは自分たちがいつもお願いしている人たちで固めました。ただ最初のアクションということもあって、すしおさんにも手伝ってもらいました。

そういう意味では1話がA-1 PicturesとTRIGGERで作っている感じがわかりやすく出ている回だったのかなという印象があります。

――見ているほうもそうでした。両社の良さが出ている回だなと。

福島:今石さんに、アクションパートの絵コンテのラフを描いて頂いています。1話のアクションシーンはA-1 Picturesのスタッフも原画を描いているのですが、カットのつなぎやレイアウトの作りで今石さんの画面作りの要素が盛り込まれているので、それを形にしていくと、今石さんのフィルム感が出ていて、日常芝居とアクションシーンで、2社の特徴みたいなものが見えたのかなと思いました。


――今石さんのコンテのすごさは、どういうところにありますか?

福島:今石さんが作ってくれたアクションシーンのラフコンテを、錦織監督が調整してコンテマンに渡して、絵コンテに組み込んでもらうやり方をしているんですが、でも、どの回でも、テンポや見て気持ちが良いところを抑えているというか。派手なものを派手に見せて、見応えあるものにしている事が、純粋にすごいなって思います。

――1話だけ見ても、異様にカッコいいんですよね。

福島:原画を描いてくれているアニメーターの力ももちろんあるのだと思うのですが、その作業の設計図である絵コンテがカッコ良く、見応えがあるんだと思いました。

――それと1話は、やはり田中さんの絵がすごかったです!

福島:絵力(えぢから)がハンパないですね! 1話を作っている時期はいろいろな作業が平行していたんですけど、作画監督を一人でやり切ってもらったので、1話に関しては田中さんの純度がかなり高い話数だと思います。

――田中さんの絵の、どういうところが素晴らしいですか?

福島:絵描きではないので、印象の話になってしまいますが、それほど線が多い作品ではないんです。でも、立ち姿とかフォルムでキャラクターが特徴づけられていますね。あとは動かすところでのギャグっぽい表現。たとえば1話だと、ヒロがゼロツーにパンツを指差されてリアクションするあたりは、田中さんが直して、コミカルな動きにしていたと思います。



あと、寄りの絵の情報量も足していて、ゼロツーのアップや目とかは、設定から踏み込んで描写をしている印象です。シチュエーションや演出において、欲しい表情にバージョンアップしている感じです。

そこの盛り方は、演出的な思考を持ちながら、内容を踏まえて絵の修正をしているんだなと思いました。キャラクターを形作る上で、こういう感じになるんだっていう驚きや発見が、どの話数にもあって、それによってキャラクターが魅力的になっているので、田中さんの絵作りの力は本当にすごいなと思います。

――ロボットアニメの1話として、ボーイミーツガールの要素があったり、キャラクター紹介があって、フランクスに乗り込むまでのドラマを作ったり。いろんな要素があったと思うのですが、そこでの苦労点はありましたか?

福島:最初に錦織監督から絵コンテが上がってきて、前半のゆったり見せていく導入、フランクスに乗る所のカタルシス、乗ったあとのアクションなどをどのくらいの尺で見せられるのか。OPとEDがないとはいえ、配分を考えながら作っていったときに、1話のコンテの尺がオーバーしていたんです。

そのときに監督に相談したのが、コンテを映像にして、どのくらいの尺になるのかというテストフィルムを作ることでした。劇場作品などでやる手法だと思うのですが、その映像を監督が見て、どこを削ればいいのかを判断してもらい、その結果、今のまとまりになりました。こういうアプローチをしたことが1話で一番特殊だったことかなと思います。

――それはなかなか大変ですね……。スペシャルエディションとして付けてほしいくらいです。

福島:削った部分は作ってないです(笑)。冒頭のゆったりしたところ、イメージシーン、コドモたちの描写、フランクスに乗るまで、アクション、場所などももう少し見せていたりしたんです。どのシーンももう少し長かったのですが、調整してまとめてもらっています。1話をあそこまでまとめる作業が一番大変だったと思います。一番大変だったのは監督だと思うのですが……。

――ちなみに、ストレリチアのスタンピード・モードというのがいきなり出てきたのが衝撃でした。

福島:初見だとビックリしますよね(笑)。コヤマさんが描いたストレリチアの細かい設定があるんですけど、それを見ながら、デザインチームのみなさんで変形する際に辻褄が合うように、ここのパーツがスタンピード・モードのここに該当するなど、話し合って、最終的にすしおさんに設定に落とし込んでもらっていました。


――あとヒロとゼロツーの出会いのシーンは、監督的なこだわりもあったのかなと。

福島:そのシーンは演出的に大事にしながら見ていました。こだわりポイントとしては、コックピットにヒロが乗り込むシーンと表情ですね。ここは監督も気をつけて見ていたんですけど、田中さんも一番こだわっていました。最後まで絵を作っていた印象があります。

――全体的にヒロはヒロインになっていましたけどね(笑)。アフレコはどうでしたか?

福島:アフレコが始まるまでは、どういう感じになるのかなと思っていたんです。でもコドモたちの会話の掛け合いを聞いたとき、戸松さんのゼロツーもそうでしたが、全員ハマってるなぁって思いました。

――1話だと台詞が少ないんですけど、画の動きと芝居によって、多分こういう子なんだろうなって、情報量以上に想像できるんですよね。

福島:そうですね。少ないカットでも、声、ポーズや仕草で、キャラクター感が出ているなと思いました。

 

絵が良いゆえにセリフが刺さる

――2話のスタッフに関してはどうでしょう。林さんが脚本で参加した回ですが。

福島:シナリオに関しては監督主導で骨格を決めていきつつ、林さんがまとめてくれたり、要素を足してくれています。

コンテの中村章子さんは、ミストルティン周りのデザインもやられていて、その場所が出てくる回でもあったので、早い段階で監督と「2話は中村さんにやってもらいたいね」という話をしていました。監督からの要望と、僕自身も(中村さんの初監督作品)『同級生』という作品で一緒にやっていたので、中村さんにやってもらえたらと思っていました。

――世界観的なものが見えた回でしたね。

福島:中村さんのコンテが良くて、いろんな描写があり、キャラや世界の事が開示され始めて、見る人によっていろいろな見方ができる話になったと思います。どのシーンもすごく丁寧に描かれていて、さすがだなと思いました。

――イチゴが最初から可愛かったですね……。

福島:2話は絵が良いゆえにセリフが刺さるなと感じました。ボール蹴りをやっているシーンもすごく良くて、キャラクターが立っていました。

あそこのゾロメはすごい表情をしていましたけど、ああいうギャグっぽい表現も入れながら、話数全体をまとめる力がある方なので、世界観の説明もありつつ、キャラクター性がしっかり出ていて、見ていて非常に面白い回になっていたと思います。


――田中さんは総作画監督で入っていますが、それはこの先の話数もずっとですか?

福島:現状、全話数見てもらっています。色々な作画監督の方が参加しているので、上がってきたシーンの修正を見つつ、ここは(見なくても)いいんじゃないかなど、田中さんと相談しながら配分含めて進めています。

2話はA-1 Picturesの回で、担当制作の池田さんが『同級生』もやっていたので、原画マンも、その流れで参加してくれていた人達もいて、かなりレベルの高い話数になったのでないかと思っています。

――OPとEDの映像も、2話で付きましたね。

福島:コンセプトとして、錦織監督がOPは赤のモチーフで作りたいとおっしゃって、その赤の印象が一番大きかったですね。コンテは錦織監督、演出は赤井さん、作画監督は田中さんと1話と同じ布陣です。

モーショングラフィックスを、「龍の歯医者」のタイトル映像を担当された荒牧康治さん、千合洋輔さん達が担当してくれています。楽曲も作品のコンセプトに非常に合っていて、音楽が作品の世界観をさらに良くしてくれていると思いました。


――EDはプロモーションビデオっぽい映像でした。

福島:そうですね。僕も当初はこういうEDになるとは思っていなかったので予想外でした(笑)。監督の中では、キャラクターが本編でずっと同じ衣装、制服かパイロットスーツが主なので、いろんな服を着せてあげたい、いろんな面を見せたい、と考えていたみたいです。


――ノンクレジットも見てみたくなりました。

福島:ビジュアル要素として、キャラクターをより魅力的に見せることができたと思います。エンディングは 6話の作画監督をやって頂いた米山舞さん(『キズナイーバー』のキャラクターデザイン)に、ほぼひとりでやってもらっているんですけど、ゼロツーの走りに疾走感があり、どのカットも素敵でした! ダリフラならではの座組の中で生まれた、エンディングだと思います。

 

6話まで見れば、7話以降も楽しんでもらえる内容と映像になっているはず!

――3~4話がミツル回になります。

福島:3話はラストのミツルが心配になりますが、3話は赤井俊文さんに絵コンテと演出をやってもらいました。1話と2話を経て、物語の導入として動いていく話数ですね。そういう意味で一番スタンダードな回でもありました。日常シーンもあり、フランクスが全機動く初めての回でもあったので、早い時期から監督と一緒に参加している赤井さんに、コンテと演出をやってほしいという希望がありました。


――新しい都市が出てきたり、いろいろと情報が追加されていく感じもしました。

福島:この回は、作画監督を河野恵美さんにやってもらっているんです。赤井さんと河野さんの組み合わせでやりたいというのは僕のほうで決めさせてもらいました。

二人とは一緒に『Shelter』(ポーター・ロビンソン&マデオン)という楽曲のMVを作ったんですけど、お二人で、もう少し尺の長いフィルム映像をやってもらいたいと思っていたんです。なので「Shelter」がこの組み合わせのきっかけです。担当制作は瀬戸くんで、若手のアニメーターにも参加してもらっている回です。

――4話は、TRIGGERの話数になりますね。

福島:TRIGGERさん回の一発目で、絵コンテは摩沙雪さんです。1話数でやるには、色々な要素があり、非常に見応えがある回だと思いました。個人的に、摩沙雪さんは、自分が見てきたアニメを作ってきた方なので、打ち合わせの際、ご一緒しているのが不思議な感じでした。

自分の関わる作品の絵コンテに摩沙雪さんがいることはうれしかったですね。誰にコンテを描いてもらうか、話の内容を含めて決めていくんですけど、摩沙雪さんには早い段階で4話をやってもらいたいとTRIGGERさんに相談して決めていました。上がってきた絵コンテを見た時は、感動と、ものすごく大変そうだなという印象でした。

――カットが多かったんですか?

福島:ストレリチアに乗るまでの過程と、そこから叫竜を倒すまでのカタルシスだったり、先にも言いましたが、1話数でやる要素としては多すぎるんじゃないかと・・・。ただTRIGGERさんは摩沙雪さんコンテの経験があるので、上手く対応してもらえるだろうと思い、託させて頂きました!


――5話の絵コンテは、『アイドルマスター シンデレラガールズ』の監督をやられていた高雄統子さんです。

福島:高雄さんのキャラクターの扱い、心情の描写がすごかったです。本当に繊細な部分を表現されていて、非常に良い回になったと思います。

作画監督は『四月は君の嘘』でキャラクターデザインと総作画監督でご一緒した愛敬由紀子さんにお願いさせて頂きました。

アクションはないですが、ゼロツーの存在がそれぞれのコドモたちに影響を与えていて、中でもヒロの動向、イチゴとゼロツーの絡み、ゼロツーの狂気な表情など、落ち着いた話の中に、印象的なシーンやカットが散りばめられていました。制作の梅原くんが、高雄さんの絵コンテの要求に向き合い、素晴らしいアニメーターの方々をアテンドしてくれた事も相まって、非常に上質な回になりました。

――高雄さんのコンテの表情がすごく細かいですよね。

福島:どの回のコンテも、監督などを経験されている方たちなので、話数に対する責任というか、作り切ることに関して信頼しています。錦織監督も、各話、それぞれの方に委ねている部分もあると思います。

――6話はTRIGGERの話数になっています。

福島:6話はターニングポイントになるアクション回で、絵コンテは雨宮哲さんにお願いさせて頂きました。

大変な内容なのですが、その中でもカロリーコントロールも意識されているなという印象を受けました。6話はアクションの見栄えもあって、物話の盛り上がりを含めて非常に見応えのある重要な回になったと思います。

3Dも巨大な叫竜が出てきて変形したり、カラーさんにも頑張って頂きました。本当にいろんな要素が入っていて、最初の最終回的な位置づけだと思います。


――6話まで本当にすごいレベルで駆け抜けていると思います。

福島:どの話数も、それぞれのセクションのスタッフの方々がフィルムに責任を持ってやってくれているので、前後の話数の影響も受けながら、相乗的に良くなっているのだと思います。

ここまで見てもらえたら、7話以降も楽しんでもらえる内容と映像だと思います。今後も色々な方に参加して頂いておりますので、スタッフにも注目して是非楽しんでもらえれば幸いです!




[取材・文/塚越淳一]
(C)ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
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