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『異世界魔王』原作者が語る魅力的な作品が出来上がるまでの軌跡

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』原作者・むらさきゆきやさんが語る魅力的な作品が出来上がるまでの軌跡【連載】

いよいよ2018年7月より放送がスタートするTVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』。アニメイトタイムズでは、この作品の魅力を伝えるべく、スタッフ&キャストにインタビューを敢行! 毎週放送後にインタビューを掲載していきます。

放送直前となるVol.0は、原作者・むらさきゆきやさんに作品が生まれた背景などを伺いました。


 

大きな目標としていた高台に着いたような気分

――アニメ化が決まったときのお気持ちは?

原作者むらさきゆきやさん(以下、むらさき):ホッとしました。(ライトノベル)1巻の初速とか、コミカライズの評価が高かったので期待はしていました。なので決まったときは、やっと決まってくれたな、という安堵感がありました。


【小説】異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(10)

――ということは、アニメ化を目標にしていた?

むらさき:目標にしていましたね。自分はアニメが好きだし、作品を多くの人に知ってもらえる機会ですので。喩えるなら、ずっと山を登ってきて、大きな目標としていた高台に着いたような気分です。まだ山頂は遠いのですが。

――アニメのPVを見ると、本当に素晴らしい映像が上がってきていますよね。

むらさき:本当に素晴らしいですね! ありがたいです! アニメを作ることに関して自分がタッチできるところは、ほとんどないので、感謝するばかりです。素晴らしい方々に参加してもらえたことに……とにかく感謝しかないです。

 

きっかけはファンタジー小説がレーベル発でも読んでもらえるはずと信じて

――本作を書かれたきっかけを教えていただけますか?

むらさき:当時、WEB発のファンタジー小説が流行っていて、「ファンタジーはWEB発でないと売れない」と言う作家さんや編集さんが多かったんです。でも、そんな事はないだろうと思って。レーベル発でも読んでもらえるはずと信じて、イラストレーターの鶴崎貴大さんと、この企画を立ち上げました。

――ファンタジーというジャンルは決まっていたんですか?

むらさき:はい。もうそこは流行りのど真ん中を狙おうと思っていました。というか、昔から流行りのど真ん中を狙っているつもりなんですけど、そう簡単に当たらないんですよ(笑)。だいたいラノベは企画してから発売されるまでに1年くらいかかるんです。なので、こういうのが1年後には流行っているだろうと予測して作っているんですけど、流行りの予想なんて、そうそう当たらないんですよね。

――それはどういうことですか?

むらさき:例えばこの作品だと、メインヒロインがエルフで、首輪があって、タイトルに奴隷と付いているわけです。そのせいで、最初に見せた編集者からはお断りされてしまったんですね。だけど、(講談社ラノベ文庫の編集者)庄司(智)さんに見せたら、「このまま出しましょう!」と言ってくださって、どうにか刊行できたんです。幸運でした。今この作品を見ると、流行モノじゃん! って思うかもしれないんですけど、当時は違ったんですよ。

――確かに、ヒロインが人間ではないですね。

むらさき:エルフと豹耳のダブルヒロインですからね(笑)。当時は「メインヒロインは人間じゃないと売れない」と言われたりもしました。それでも、自分と(イラストレーターの)鶴崎さんは、それが流行のど真ん中になる時代が来ると信じていたんですね。まぁ、ただの個人的な趣味嗜好で、流行が来たらいいなぁっていう願望だった可能性もありますけど(苦笑)。まぁ、WEBの小説では、エルフがヒロインとか珍しくなかったですし。

――やはりWEBのほうが、そこは速いんですね。

むらさき:WEBの小説は、書いてすぐに公開できますからね。

レーベルと組むことの強み

――逆にレーベルの良さというと?

むらさき:たとえば最初からイラストレーターさんと組むことができるとかですかね。WEBの小説だと書き始めるより前に組むのは難しいと思うので、それはレーベル発ならではの強みですね。1話が書き上がる前にキャラクターデザインが決まっているというのは、WEBの小説ではなかなかないことだと思います。

――このキャラクターがいるから、こういう話になるみたいな作り方ができるんですか?

むらさき:そうですね。今回は1巻を書く前に、(イラストレーターの)鶴崎さんに「どういうヒロインが良いですかね?」って相談して、キャラクターデザインを先に上げてもらってから性格とか設定を決めたんです。

でも、こういうやり方って、作家とイラストレーターさんが勝手に盛り上がっちゃって、編集さんの意見を聞かなくなる恐れもあるから、編集さん的には嫌がるところかもしれないです。それも含めて受け入れてくれたのが庄司さんなんですよね。感謝しています。

――では、エルフと豹人族というのは鶴崎さん発だったんですね。

むらさき:胸の大きいエルフとぺったんこの猫耳の女の子は鶴崎さんから来ました。「人間じゃないんですか?」「今はエルフです!!」「そうなんですね。じゃあエルフで行きましょう」ってなったんですけど……。あとから「巨乳のエルフが流行ったらいいよね」って言われて、やっぱり趣味だったんだなって思いました(笑)。今はエルフ」って言ってたのにね。

まぁ、でも好きなものを作るのが一番強いです。作家も、イラストレーターさんも。


――最近、異世界モノなどは流行ってますが、この作品ならではのものというのはありますか?

むらさき:今、異世界モノってブームなので、とても作品数が多いんですね。だからどんな要素だろうと、類似作品がどこかにはあると思うんです。何かの要素を挙げて「これはウチの作品だけの特徴です!」って言っちゃうと、たぶん「別作品のアレにもコレにも同じような要素があります」って言われちゃうんじゃないかと。

だけど、「この主人公で、この雰囲気で、このバトルと日常の比率」っていう、この組み合わせというかバランスは、この作品だけのものだと思います。

あと、これだけは間違いない特徴なんですが……鶴崎先生の描かれたヒロインたちが、とってもエロカワイイんです。そこだけはオンリーワンだと思うので、ぜひ見てください!


[取材・文/塚越淳一]

 

作品情報
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」
2018年7月5日(木)よりTOKYO MX・サンテレビ・BSフジ・AT-Xにて放送開始予定

<STAFF>
原作:むらさきゆきや(講談社ラノベ文庫刊)
キャラクター原案:鶴崎貴大
監督:村野佑太
シリーズ構成:筆安一幸
キャラクターデザイン:金子志津枝
総作画監督:西岡夕樹
モンスターデザイン・アクション作画監督:宮本雄岐
プロップデザイン:中島裕一
色彩設計:大塚奈津子
美術:草薙
美術監督:岡本穂高
撮影:旭プロダクション白石スタジオ
撮影監督:佐藤哲平
音楽:加藤裕介
音響制作:ハーフHPスタジオ
音響監督:本山哲
アニメーション制作:亜細亜堂

OP主題歌:DiCIDE/SUMMONERS2+
ED主題歌:最悪な日でもあなたが好き。/芹澤優

<CAST>
ディアヴロ:水中雅章
シェラ・L・グリーンウッド:芹澤優
レム・ガレウ:和氣あず未
アリシア・クリステラ:原由実
シルヴィ:大久保瑠美
エデルガルト:加藤英美里
クルム:種崎敦美
メイ:森嶋優花
セレスティーヌ:千本木彩花

「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」原作公式サイト
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」公式サイト
TVアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」公式ツイッター(@isekaimaou)

(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会
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