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TVアニメ『W’z《ウィズ》』福原かつみ×福山潤 対談|声優インタビュー第1弾

TVアニメ『W’z《ウィズ》』福原かつみ×福山潤 対談|父と息子、緊張感の中で「怖い」と感じた親子の初セリフ

2019年1月5日(土)より、MBS、TOKYO MXほかにて順次放送を開始するTVアニメ『W'z《ウィズ》』は、アニメーション制作スタジオGoHandsによる新作TVアニメで、「世界的音楽レーベル」GOON TRAXが全編通して新規楽曲を制作。

物語は、主人公である中学生のユキヤの成長を軸に描かれ、親子関係やライバル、友情、主従関係など魅力的なキャラクターたちが織り成す関係性にも注目です。

そこで、物語の中でも関係性の深いキャラクターを演じるキャスト同士による対談を企画。第1弾は、主人公・ユキヤ役の福原かつみさんと、ユキヤの父親で、言葉は乱暴だが人情に厚いレイジロウ役の福山潤さんに、お互いのキャラクターの関係性や、作品の見どころなどについて伺いました。

GoHandsのオリジナル作品への出演が決まって

――まず、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

レイジロウ役・福山潤さん(以降、福山):どういう作品になるのかなという気持ちと、過去の経験上、GoHandsさんの作品なら間違いなく収録の時に絵が100%入っているだろうと期待が持てたので、楽しい収録になるなと思いながら始まりました。

今回は父親役という、今までやったことのない立ち位置のポジションの役であり、台本をもらってからいろいろと分かることもあり、自分の中で気をつけながら、うれしい気持ちを持ってやらせていただきました。

▲ユキヤの父親で、言葉は乱暴だが人情に厚いレイジロウ

▲ユキヤの父親で、言葉は乱暴だが人情に厚いレイジロウ

ユキヤ役・福原かつみさん(以降、福原):主役ということもあり、本当に驚きました。今まで自分が培ってきたものを出し切れるように頑張ろうと思いましたし、真剣に作品と向き合って、いいものを作っていかなきゃなという責任感が生まれました。

今回は、以前お世話になった福山さんがいらっしゃるということで、緊張もありましたが、お話を聞いていただいたり頼らせていただくこともあって、安心感がありました。

▲人付き合いが苦手で、音楽が好きな主人公・ユキヤ

▲人付き合いが苦手で、音楽が好きな主人公・ユキヤ

――本作はオリジナルストーリーということで、第一印象はいかがでしたか?

福原:今回GoHandsさんの作品に初めて関わらせていただいたのですが、本当に絵が全部でき上がっていて驚きました。よく動くし、キャラクターのビジュアルや個性がより引き立っているのを感じましたね。なおかつ、戦闘描写だけではなくて、短い時間の中で、キャラクターたちの出会いを通じて変化していく心理描写がすごく丁寧に作られているなと思いました。

そういったことからも、ユキヤくんの中で目まぐるしく心情が変わっていくのを演じるのは、楽しかったです。

福山:福原の言う通り、今回は収録段階でほぼ完成状態の動画で収録させていただけました。GoHandsさんのほかの作品も、収録段階で絵が入った状態でアフレコをさせていただけていたので、今回もその状態とクオリティに驚愕しました。収録の段階で目から入る情報が大切なアフレコで、人物の芝居や距離や描写をほぼ確定情報としていただけるというのは、かなり重要なファクターになりました。

あと、ほぼこれで完成だと思う画面上に、だいたい修正ありと書いてあって……どこを修正するんだろうと思ってしまいます。

福原:そうですね。

福山:この作品は、絵の方で説得力を持つので、言葉をそこまで多く持たなくてもいいように作ってあると思います。言葉で説明しない分、絵の雰囲気やキャラクターのビジュアル、演出で見せていくというような確定情報が収録でもいただけています。今までGoHandsさんの作品に多く関わらせていただいたおかげで感じてきた、作品の安心感が『W'z《ウィズ》』の中にもあって。アニメを作る中で第一印象とはまた別に、こういう環境でさせていただくのはうれしいなと思いました。

今回も、アクションシーンとか「ここまでパースが難しくなるアングルにするんだ!」というくらい、見ていて幸せな楽しみがたくさんあります。街をCGで作っているので、戦闘シーンではいろいろな角度で動かせて、360度回すと作画が大変だと思うんですけど、すごいことをしているなぁと毎回楽しいです。

福原:(笑)。思い切り回ってましたね、作画さんが大変そうだなと思いました。

福山:それだけじゃなくて、甘えられない、逃げ道がないんですよ(苦笑)。仮の絵だと「ちょっと、分からないよね」と、お互いに誤魔化すこともできるんですけど、丁寧に作られてくると表情の変化のタイミングも分かりますし、キャラクターの距離感も分かるので口の動きのゆっくりさも距離感のせいだということが分かるんです……けど、全然口パクとセリフが合わない時に、少しずつ調整していくのはなかなか難しい。「そこ、ちょっと粘ってください」と言われたら、「パクが長い」とか言い訳を全て封じられているので、ただ「分かりました」とやるしかない(笑)。

――絵が完成していて演じやすい反面、そういう難しさもあるんですね。

福山:GoHandsさんのテンポ感だからとか、全作共通というわけでもないんですけど。例えば4行のセリフを、演じる側はその4行の中で、自分の気持ちのいいテンポでリズムを取ってやりたくなるところを、今回の『W'z《ウィズ》』は比較的1つのセリフをちゃんと聞かせるような演出が多くあるので、自分のテンポよりも少しゆっくりめに、たっぷりと聞かせる方向になるんです。

そこのところが実は難しくて、演じる上で絵が100%上がっている状態に慣れている、慣れていないによって、気持ちの持っていき方というのが難しくなったりすることはあるので、完成に近いこれだけの物を作っていただいていると、キャストはそれも込みで練習してきているというところにつながって、大変良い勉強の場になると思いますね。

福原:確かに僕も、口パクが余ったり、ここはゆっくり言おうと思ったりするところが多々ありました。福山さんが先ほどおっしゃっていた理由があるからだと気付くのに、少し時間が掛かってしまったのですが、絵ができ上がっていることもあって、演じていくにつれ、だんだんとユキヤくんの考えに合わせた息遣いやセリフの言い回しになっていったように感じます。

それぞれのバックボーンにある思いを抱えて、微妙にかみ合わない親子関係

――ご自身が演じるキャラクターの印象や、演じる上で意識されたことはありますか?

福原:ユキヤくんに対してはイケメンだという印象があって、役作りでも最初はそういったイメージがあったのですが、台本を読んだり、アフレコを進めたりするうちに、訳あって人付き合いが苦手で、遠慮している節があると分かってきて。福山さんからも、そういったキャラクターのバックボーンなどで、セリフのニュアンスが変わってくることを気付かせていただき、共演できて良い勉強の場になっています。

また、どう人と接していいか分からず、どうやって人間関係を作っていくかというユキヤくんの中にある悩みが、レイジロウをはじめ、さまざまな人との出会いや戦いを通じ、思いや言葉を受けとめたことで、だんだん人との接し方が自然になっていく変化が台本から感じました。なので、そういった部分でお芝居をどう変えていくかアフレコが始まってからは意識しながら演じました。

他にも、ギャップは大切だなと思っていて。ユキヤくんの設定にある、人付き合い以外の部分で秀でた天才肌みたいな一面は見た目で表現されているので、すごい子なのに自信なさげだったり、ちょっと引っ込み気味になってしまうギャップをセリフ回しで出せたら、ユキヤくんが可愛くなるかなと狙いつつ演じていました。

福山:レイジロウは実際の僕の年齢よりも若く、見た目からも親父っぽさを強調するのではなくて、子供を持つのはどういうことかなと考えていました。親子関係が悪くもなければ、うまくいっているわけでもなくて、ただ2人の設定の中の1つ肝があるということは分かった状態で演じさせていただけたので、彼の中に決め事があって、それが今の接し方の中心になっているんだろうなと。そういうところで少しずつ骨格を作っていこうかなという感じで演じさせていただきました。

1話、2話と進むに従って、レイジロウが考えている父親というのはどんなものだろうかとか、彼のバックボーンや、若い頃に苛烈な生き方をしてやんちゃの限りを尽くした男性が、早々に家庭を持って労働に勤しんだ結果やたらと父性が身につくというスピードの速さを、彼に当てはめてみようかなという印象を持ちました。想像の範疇でしかないですが、自分としてどういう行動をしたいのか、どう与えていきたいのかは、たぶん親とか子供は関係なく、ただ自分の子供や家族という存在として、身近な人たちとどういう風にコミュニティーを作っていこうかという関係性だと思います。

――今もありましたが、お互いにとって相手をどんな存在だと捉えていると思いますか?

福原:学校の進路について話をするシーンは、内容を知っている僕からすると、レイジロウはいいお父さんだなという印象を受けますが、ユキヤくんの反応を見ると、正直めんどくさいんだろうなと思いました。レイジロウに対して、自分をどう思っているか分からないところもあったりすると思うので、ユキヤくんからしたら口うるさいお父さんじゃないかなと思っています。

僕とユキヤくんとでは境遇が全然違いますが、僕も、親の言葉が何でもかんでもうるさく感じる時期がありました。あまり難しく考え過ぎると、僕はそれがお芝居に出てきてしまうので、前向きにお芝居をやっていたつもりです。

福山:根本的には、自由に生きさせてあげたいという気持ちがあるんですけど、描かれ方としては、どちらかというと怖い親父として映ってしまうと思います。父親によくある多感な時期の子供に対する頭ごなしの否定ってあると思うんですけど、レイジロウに関しては、ある事柄において一種の禁止事項があって、最初はそこが全面に出てしまうので、ストーリーが進むにつれて実はそうではなかったと分かってくると思います。

ただ、多感な時期には父親と息子が何でもかんでも話をするかというと、お互いの見栄だったりプライドだったりがあるので難しいと思いますし、中学生のユキヤは口うるさい、もしくは自分を受け入れてくれない理由が明かされない否定に対して、自分は好かれてない、愛されていないんじゃないだろうかという疑いを持つ要因になってしまうのかなと。レイジロウはどこまで感じているのか分からないですが、ちょっとした微妙な親子関係のかみ合わない部分は、多分2人とも違和感として持っているんじゃないかなと思います。

――では、お互いのキャラクターが、初めて言葉を交わすシーンの収録はいかがでしたか?

福山:役の前に、僕は最初福原に「まさか、お前緊張してるのか!?」と(笑)。スタジオに入ったらずっと体を硬くして座ってるんですよ。

福原:(笑)。4話の収録くらいまで声を掛けていただいて、おかげ様でもう余計な緊張はせずにリラックスしてやらせていただいています。

福山:例えば、親父に話があるから座れと言われたら緊張するので、そのようなものだと思います。かしこまった時の親の怖さというのは、子供が感じるものだったりするので、親は実はそんなに緊張を強いているつもりも、緊張感を持っているつもりもないと思うのですが、受け取る側にしてみたら身近な一番怖い存在は、親だと思いますね。いい存在でもあり怖い存在でもある、そういった関係性があるので、僕の方はあまり意識していないですけど、緊張してもらってる段階でうまくいくんじゃないかなと思っていました。

福原:第1話での、レイジロウの「決めたんだろ、話聞かせろ」と言うセリフを受けた時に、ちょっと怖いと思っちゃいました(苦笑)。

福山:最初言った時は、「そこまでじゃない」「怖すぎる」とディレクションがありましたね。

福原:でも、福山さんのレイジロウなら「こうくるだろうな」というイメージは、ほぼ当てはまりました。

福山:ズルいですね。前から自分のことを知っていると、こういうしゃべり方するんだろうという情報があるんでしょうね(笑)。

福原:そんなつもりは……。

福山:(笑)。福原のセリフ自体何パターンも聞いたことはありますが、直接長く会話するとか、関係性が成り立っているキャラをやるということはなくて。セリフでガッツリ絡みがあるのは今回が初めてで、役を持った状態でやらせてもらうという部分で、今回が福原のファーストインプレッションであったかなと思いますね。

福原:うれしいです!

――お互いのキャラクター以外で、注目している・気になるキャラクターはいますか?

福原:僕は断然、ミドリとセバですね。ティザーキービジュアルではセバが一番後ろで一番大きく描かれていて、意味深な顔をしているので、彼は一体何を考えているのか、今も謎のままなので気になります。

福山:いろいろなキャラクターがいらっしゃいますので……例えば、ガイの思春期ならではの世界を見たい、宇宙を見たいという純朴なところはいいんじゃないかなと思っています。

福原:みんな純粋ですよね。

福山:フミユキの場合は言動がおかしいので、そこに注目していただけると。

福原:そもそも何を言っているか分からない、みたいなところがありますね(笑)。

――今後の展開や作品の見どころなどを含め、ファンの方へのメッセージをお願いします。

福山:思春期の14歳くらいの、いわゆる少年たちの世界がどうとか、家庭環境が苛烈なものだとかということではなくて。何より本作で大切に描いているだろうなと思うのが、個人にはそれぞれの世界が形成されていて、その中で感じる不具合だとか、自分が進みたい方向との違和感だとか、周りから見たら「そんなこと」ということが当の本人にしてみたら自分の存在を揺るがすような大きな問題であるということを、それぞれのキャラクターたちがお互いに支え合っていることで。それこそユキヤにも、レイジロウにも実はあった、思春期の子供たちの一番揺れ動く中で抱えている問題というものが、一体どういうことなのか戦いを通して描いているんだなということが、結構センシティブに伝わると思います。

アクションなどの見どころもありますが、大人の役をやらせてもらってる以上、子供たちのそういった部分を見ていると、より強く感じるものがありますね。

福原:『W'z《ウィズ》』のお話をいただいた時に、映像と音楽の融合ということを聞いていてので、DJイベントにも出させていただいて。

福山:DJやったの?

福原:僕はしてないですけど(苦笑)。そういう、DJ RENAさんとかの音楽を身近で聞いて、感じる機会もあったので、音楽と映像の融合がどういう完成形ででき上がるのか僕自身すごく楽しみです。『W'z《ウィズ》』に関しては、映像とかキャラクターの心理描写はもちろん、音楽などもまとめて楽しんでいただきたいですし、何度でも見るたびに無限の発見が生まれてくる作品だと思うので、何回も見ていただきたいと思っています。

TVアニメ『W’z《ウィズ》』作品情報

キャッチコピー

本音《ホンネ》で繋がる《ツナガル》。 立ち向かえ――運命に。

イントロダクション

荒城ユキヤ、たぶん14歳。
普段はひとりでDJやってます。
親の影響で、小さい頃からハウスミュージックを聴いてたから......
プレイ動画もちょこちょこアップしたりして。
誰かに何かを伝えたい。認められたい、必要とされたい。
けど、傷つくのは怖い。どこか噛み合わない日常......

ある日、視聴数を稼ぎたくてやったことが、取り返しのつかないことになってしまった。 『あの世界』からの生放送。 それをきっかけにボクは狙われ、人の願いと、想いの渦に巻き込まれていく。 自分ひとりではどうにもできない状況......
でも、誰かと一緒なら――。

スタッフ

【原案】GoHands
【原作】GoHands×Frontier Works
【音楽】GOON TRAX
【制作】GoHands

キャスト

ユキヤ:福原 かつみ
ミドリ:増田 俊樹
セバ:武内 駿輔
ガイ:江口 拓也
マサタカ:山上 佳之介
フミユキ:浪川 大輔
レイジロウ:福山 潤
ハルカ:藤田 茜
センリ:水瀬 いのり
ハナ:種﨑 敦美
タマリ:高橋 未奈美
ユキネ:日笠 陽子 他

主題歌

オープニング:竹中 凌平 『Reason』
エンディング:Fuki 『神様はきっと』

放送情報

MBS:2019年1月5日より毎週土曜 深夜26:38~
TOKYO MX:2019年1月5日より毎週土曜 深夜25:30~
TVQ:2019年1月5日より毎週土曜 深夜26:30~
BS11:2019年1月6日より毎週日曜 深夜25:00~
※諸事情により、放送曜日、時間、開始日が変更になる可能性がございます。予めご了承下さい。

配信情報

MBS動画イズム/TVer/dアニメストア/ビデオパス/アニメ放題/U-NEXT/Hulu/TSUTAYA TV/ひかりTVほかにて、2019年1月6日(日)正午より順次配信開始
※配信日時は予告なく変更となる場合がございます。

公式HP
公式twitter(@wz_anime)
ハッシュタグ:#アニメウィズ

(C)GoHands,Frontier Works/W'z-Project
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